シャドウガーデンと共に楽しい日々を 作:陰の実力者になれんかった
貴方ってとても積極的……でも貴方は──と──が至上なのでしょう。きっとどこまでいっても貴方の1番にはなれない。だから私は──。ねえ、貴方ならどうした? 私とは違うその景色……私にも見せて?
それでは本編どうぞ。
アルファが子爵と戦っている最中。問題無いと判断した私はその場を静かに離れ、シドの姉であるクレアが監禁されている牢屋へ向かう。
デルタに伝言を頼んでおいたので、アルファならこの場所に来た理由に辿り着けるはず。タイムリミットはそこまでだ。
「この辺り……いたな」
牢屋が並ぶ通路を進むと拘束されて倒れているクレアを発見する。片方だけ外れているあたり、自分で外したんだろう。相変わらずのセンスだ。
「傷は少しあるが脈は正常。だが意識は無い。都合がいいな」
クレアの拘束を外し、スライムで作った簡易ベッドに寝かせる。見える範囲では特に問題はない。
「さて、これなら目的を達成出来そうだな」
クレアを救出するという目的は達成した。本来ならこれで終わりだが、少し血を貰うことにする。悪魔憑きの血は、言ってしまえぱとても希少だが、有用なものだ。
ディアボロス教団にとってはここまでするほどに欲しいもので、教会などでは裏取引がされていたりもする。だがこの血は研究材料としての面で利用することになる。
悪魔憑きの血とはなんなのか。その効力と代償は。普通の血との違いは。種族間で差はあるのか。
疑問は尽きないが、特にこのクレアの血は悪魔憑きの中でも重要だ。人間の悪魔憑きというだけでも希少だが、あくまで将来的な話ではあるが、とある適合者の可能性もある。今のうちに採取しておけば研究はかなり進むだろう。
「どれだけ取れるか……回復しながらやればそれなりの量はいけるか」
まずクレアの身体を魔力で治す。中でも損傷の酷い右手首は特に重点的に行う。右手首は肉が削げて骨が砕かれている。何をしたんだろうか。原作通りなら自分でやっていたのだが。
それとは別に腹部にも打撲痕に似たものが残っている。首や頭部には異常が見られないということは、おそらくここへの一撃で気を失ったのだろう。変わっても同じというのは何かの皮肉だろうか。
「……よし。これで重度なものは治ったな。あとはアルファ達の誰かが来る前に」
隠し持っていた採血器を取り出し、クレアの血液を採取する。採取し終わった直後、こちらに向かってくる気配が1つ。
「ゼロ」
「イータか」
再び採血器を隠し後ろを振り向くと、そこには膝まで赤紫の髪を伸ばしたエルフ、イータがいた。
「アルファ様……ゼロの様子を、見に行ってって」
「ああ。治療は完了した。さすがにある程度の傷は残してあるが、これで一人でも問題なく帰ることが出来るだろう」
「わかった。じゃあ私は、向こうの死体を……少し回収したい」
イータは七陰内で研究者の立ち位置にいる。そのため、実験材料となるものはよく集めたり買ったりしては消費……むしろ浪費している。
「アルファに許可は取ってあるのか?」
「うん……少しなら、大丈夫って言ってた」
いくらシャドウガーデンの発展に関わると言っても、死体を持って帰るのは少なからず問題がある。そのため、イータが材料として持って帰るあれこれは一部、許可が必要になっている。
「なら私も手伝おう。この場所もそう長居は出来ないからな」
この拠点の敵はほぼ全て倒した。あとはシドがあの子爵を倒せば問題ない。全滅だ。
とはいえ、この場所は教団にとって支部とする程には重要な拠点。音沙汰が無いとなれば少なからず人員が向かってくるだろう。
「わかった、ありがとう。それじゃあ……これとこれと、あとこれも」
「ああ……あくまでも少しだからな? ……今頃、シャドウは戦っている最中か」
最後は、こちらで監視しておかなければ死体を全て持っていきそうなイータを抑えることになりそうだった。
同時刻。単独行動を行っていたシャドウ。
「迷った」
そう呟く彼の周辺には人気が一切無い。彼が盗賊だと思い込んでいる教団員は既に全滅している。
先回りしてボスを倒そうと思ってたんだけどな、と考えながらそこにある道を適当に進む。
「ん?」
その時、こちら側に駆けてくる足音がシャドウの耳に入った。音のする方向へ向くと、そこには先程逃げ出した子爵がいた。
「先回りされていましたか……ですが一人なら容易い!」
子爵がそう言葉を発した途端、その場から消える。とても常人では認識出来ない速度でシャドウに襲いかかる。
しかし、シャドウは子爵の剣に合わせて自身の剣を当てる。寸分違わず当たったそれは、剣先同士の鍔迫り合いと化す。
「なっ!」
そのまま子爵を軽く弾き、距離をとる。その表情は変わらない。しかし、眉が少しだけ動く。
「Lesson1」
シャドウはスライムソードを構え、3歩近づく。3歩目で子爵は攻撃を仕掛ける。
子爵の攻撃とほぼ同時に魔力を最小限に、されど最大限に利用し、加速。
子爵の剣が空を斬ると同時に、シャドウは子爵の首の皮を一枚斬る。
またもやシャドウが下がり間合いを外す。反撃をした子爵の剣は再び外れる。
「Lesson2」
シャドウは子爵の剣の戻りに合わせて前に出る。魔力を使っていないにも関わらず、子爵は反応し切れない。
半歩。両者にとって最適ではない距離。子爵が迷うのをシャドウは見る。子爵が間合いを外す選択をした瞬間、シャドウは先に距離を詰め、子爵の脚を撫で斬る。
先程よりも深いそれは、子爵の脚に傷跡を残す。血も少なくない量が流れ出る。
「くっ……」
子爵が少し後退する。しかしシャドウはそれを追わずに待つ。
「Lesson3」
圧倒的な差のその戦闘は、まだ続く。
子爵が彼我の差を認識して間もなく。幾度となく斬られ続けた子爵の身体は、限界に近かった。
初めて見た際の印象を覆され、魔力量の差を純粋な技量で覆され、子爵には多くの疑問が浮かんでいた。
「なぜ……だ?」
子爵は問う。しかしシャドウはただ見下ろすだけだった。
「陰に潜み、陰を狩る。我等はただそのために在る」
深く、哀しみを帯びた声。子爵には伝わったその意味。
「貴方は、私達に、教団に、更にその上の存在に抗う気なのですか……」
世界には、法で裁けず、表に出ず、されど存在する者たちがいる。子爵はそちら側の人間になるはずだった者。
「貴方々がどれだけ抗おうと、それは成し得ないでしょう。強さも権力も、私などとは比にならない。貴方の潜ろうとするその闇は、貴方が思っているよりもずっと深い」
「ならば潜ろう、どこまでも」
シャドウのその返答はなんの気負いも無い、絶対の自信と揺るぎない覚悟。
「簡単に言いますねえ……!」
子爵はそう言って瓶の中の赤い錠剤を全て飲み干す。子爵の覚悟は、自身がこれ以上持たないとわかっているが故の捨て身策だった。
何の成果も(ガチャ)得られませんでしたぁ!
あれファンとしても書いてる身としても欲しいですし、ゲームをする人としても欲しいんですけど。あんなん(青年期アルファ)絶対強いやん……。
余裕ないし、もう引けないですねぇ。しかもあの感じだとなんなら毎週来そうな勢いじゃないですか。無理ですよそんなの。石が無いです。
それはそれとして、資料は欲しいけど増え過ぎるのもそれはそれで困ってしまう贅沢。幸せなんですよ?こうして好きな作品で盛り上がれることは。皆さんも噛み締めて、どうぞ。
それではまた次回!