シャドウガーデンと共に楽しい日々を   作:陰の実力者になれんかった

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どうも、みなさん。

 こっちは久々ですね。正直日常編ばっか書いてて忘れてました。でもこっから先は原作から完全に離れるからどうしようか悩んでたのも事実。迷い迷い。……怒られないといいな(願望)

それではどうぞ。


久しぶりの手応え / 羨ましさ満載

 子爵の今まで無駄に放出されていた魔力が圧縮され始め、濃密な魔力と化す。

 

 徐々に体が壊れ、変形し、瞬時に修復されていく。まさに化け物と言って差し支えない見た目へ変わっていく。

 

 人間を超える。身体も魔力も。教団はこれを覚醒と呼び、二度と元に戻ることが出来ない代わりに力を得る、本当の意味での最後の手段としている。

 

「ここからが本番ですよぉ……貴方は終わりです!」

 

 そう言ってシャドウに襲いかかる姿は常人どころか、相当な実力者でもなければ認識することすら不可能な速度。

 

 その姿がシャドウの元に着くと同時に、鈍い音が鳴り、シャドウが吹き飛ばされる。

 

 シャドウは飛ばされながら体勢を整えるが、そのまま追撃を喰らう。

 

 子爵の追撃は止まらないが、シャドウはそれらの攻撃をものともせず、反撃を与える。

 

「っ! ふふふ、この程度で私は止められませんよォ!」

 

 決して浅くない傷が子爵の胸に入ったが、内側から再生される。

 

 子爵の攻撃は止まることを知らず、シャドウは攻撃の度吹き飛ばされる。

 

 目にも止まらぬ速さで何度も交わる両者は、ある種の均衡を保っていたように見えた、が。

 

「ぐふっ……これは、オカシイですねぇ」

 

 何度吹き飛ばされようが流れに身を任せ、ほぼ無傷のシャドウに対し、絶えず反撃され続け、一部は再生すら間に合っていない子爵。

 

 人間を超えたのだから、ただの人間が抵抗出来るはずがない。しかし、それは()()()人間だった場合。

 

 人智を越える実力を持つシャドウには通用しない。

 

「あれだけの攻撃を受けて無傷とは……ありえません」

 

 子爵とて実力者。それに加えてこの力もある。なのにも関わらず、何故。

 

 子爵は、当初予想した以上のシャドウの実力に狂わされていた。

 

「醜いな」

 

 子爵と相対するシャドウは、全てを見通すかのような瞳で子爵を見据えて言った。

 

「醜い……醜い、ですか。はははっ、醜くて結構。この世界に立ち入ったその時から分かっていた事!」

 

 子爵は再生されなくなり始めた身体を自らの意思で再生させ、渾身の一撃をシャドウに向けた。

 

 子爵にとって人生最高の一撃。今まで培った経験と技、魔力の全てを込めた一撃。

 

 しかしそれは、シャドウの一太刀によって両断された。

 

 その一太刀はあまりにも単純、あまりにも自然なもの。しかしそこには途方もない魔力と力と速さ。そしてなによりも技量があった。

 

 まさに完成形と言って良い一太刀だった。

 

「……私は遊ばれていた、という訳ですか」

 

 その言葉を発すると同時に、子爵の身体は2つに別れた。血が流れると同時に、身体は腐ってゆく。既に子爵の身体は崩壊を始めていた。

 

 子爵は見上げ、シャドウは見下ろす。視線はすれ違わなかった。

 

「……ッ」

 

 力はほぼ入らず、死を待つのみ。子爵は自身の肉体が崩壊していくのを遠くで感じながら、静かに眠りについた。

 

「……」

 

 子爵が息絶えた時、そこには何者も残っていなかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 そんなこんなで盗賊団退治兼姉さん救出作戦は終わった。姉さんはゼロが色々やってある程度治してくれたらしく、次の日ご機嫌斜めで帰ってきた。

 

 いくらなんでもしぶと過ぎじゃないだろうか。ゼロにある程度治してもらっていたとはいえ、全身の傷跡が1日で治っていた。回復力が人外だよ。

 

 それから療養やら事件の調査やらで一週間ぐらいごたごたした後、姉さんは王都に出発した。その一週間、なぜかやたらとかまってきてめんどくさかった。

 

 すぐ治ったせいか、機嫌の悪さのせいか、めんどくさい上にいつもより激しかった。僕じゃなかったらトラウマになるんじゃないだろうか。

 

 

 

 アルファ達は教団の調査やら残党処理やらって言って忙しそうにしていた。まあどうであれ、結局ただの盗賊なんだけど。

 

 しかし盗賊団のボスっぽい人は逸材だった。『ならば潜ろう、どこまでも』とか、まさに陰の実力者って感じの台詞が出てきたのも、ひとえにあの人のおかげだ。この世界の人にしては、そこそこの実力だったし。

 

 そして、見事陰の実力者を演じきった僕と、咄嗟の状況に対応したアドリブ力は必見だった。観客がいなかったのが残念で仕方ないが、それもあと2年の我慢だ。

 

 そう、2年後、僕も王都に行く。この世界有数の大都市で、この国では唯一の100万人都市。絶対主人公ポジションのキャラがいるはずだし、ラスボス的キャラもいるかもしれない。

 

 そしてこんな地方では起こり得ない事件、陰謀、抗争、そしてそこに乱入する陰の実力者……ああ、ワクワクが止まらない。何をしようか。想像は膨らむばかりだ。

 

 

 

 ある日、2年後に備えて更なる力を求める僕の下に、アルファ達7人が集まった。何でも教団の調査やら呪いの研究やらの報告がしたいみたいだった。

 

 最近はみんな色々と忙しそうで、7人全員集まるとか珍しい。調査とか研究とか無駄だから程々にね、とか思いながら彼女達の報告を聞いた。

 

 報告は幾つか目を見張るような設定もあったけど、大体聞き流した。まあ連れて行ったゼロが聞いてたはずだし、困ったらゼロに聞けば大丈夫でしょ。

 

 その話の流れで、教団に対抗するにはシャドウガーデンも世界に散るしかないとかいう話になって、僕の下にはローテーションで1人残して、他は世界に散って色んな活動にあたることになったらしい。

 

 それを聞いて僕は察してしまった。彼女達はディアボロス教団なんて存在しないことに気づいてしまったのだと。だからもう、私たちは自由にさせてもらいますよ、と。

 

 だけど一応、僕に対しては悪魔憑きを治してもらった恩があるからローテーションで1人付く。それで我慢してね、と。そういうことだ。我ながら名推理……でもなあ。

 

 

 

 僕は少しだけ悲しかった。前世でも、子供のころはみんなヒーローに憧れていた。僕も同じように陰の実力者に憧れた。

 

 だけどみんな成長して、憧れていたヒーローの存在すら忘れていって、僕は1人取り残された。彼女たちも同じなのだ。

 

 僕は少しだけセンチな気分になりながらも、快く彼女達を送り出すことにした。もともと7人も集める気はなかったのだ。僕と、その補佐に1人残ってくれるならそれで十分だった。まあ始めから2人いたけど。

 

 僕は別れを惜しむ彼女達を見送って、たとえ世界にただ1人取り残されたとしても、陰の実力者を目指し続けることを誓ったのだ。

 

 まあ、少なくともゼロがいるから1人になることは無いと思うけどね。

 

 

 


 

 

 

 またある日のこと。ゼロに話しておきたいことがある、と言って呼び出された。ゼロに限ってアルファ達みたいなことはないと思うけど、なんの用だろうか。

 

「どうしたのゼロ。なんか話があるとか言ってたけど」

 

「ああ。お前には先に明かしておこうと思ってな」

 

 いつもより真面目な雰囲気を出しながら話してくるから、思わず面食らってしまった。いつも固めのキャラだけど、更に拍車がかかってる。一般男爵ノースト・パレイドの時は結構ラフなんだけど。

 

「ん?」

 

「実は、一足先に王都に向かうことになった」

 

 ゼロから告げられたその言葉に、僕は愕然とした。そんな、まさか。ゼロがそんな事をするなんて。

 

「……え? 嘘、でしょ? 」

 

「……すまないが、本当の事だ。隠していたが、私はシドの1つ年上だ」

 

 ゼロが、1つ年上? ということは、僕より先に王都の魔剣士学園に入る、ってこと? そんな、そんなのって。

 

「そ、んな……うわあああぁぁぁぁ!」

 

 な、なんて羨ましいんだ! 僕より先に王都へ言って、あんなイベントや、こんなイベントを体験して、首を突っ込んで、陰の実力者ムーブをするってことだろう!? な、なんて奴なんだ。あと2年必要な僕に1年先に行けることを自慢してくるなんて。

 

「……そこまでなるか? いや、まあわからないとは言わないが」

 

「そりゃそうでしょ! 羨ましい……僕も早く行って王都っていう大舞台で陰の実力者したいよ!」

 

 いいなぁ。主人公ポジの人のピンチに現れて、相手を瞬殺。あなたは? とか聞かれて口上とかやりたい。いや、最強と言われてる人と余裕を持って打ち合って、あの方と対等以上に戦っているなんて、あいつは誰だ!? とかもいいな。うーん、一見弱そうな見た目の奴が実は、みたいなのでもいいかもしれない。他にも──

 

「……とにかく、伝えたぞ。最近は冷え始めているんだ、夢の膨らませ過ぎで風邪をひかないように」

 

 ──でもやっぱ普段は一般人のフリだよね。これは外せないなぁ……あれ?

 

 

 

 気が付くと、ゼロはどこかに行ってしまっていた。今日の当番らしいゼータが声をかけてくれなければずっとここで耽っていたかもしれない。

 

 自分の部屋で軽く鍛えながら考えよう。僕はそう思ってその場を後にしたのだった。

 




 これにて序章、終了です。一区切りですね。区切りやすいところです。お疲れ様でした。





 まあ大変なのはここからですよね。個人的に1番迷っていたのは七陰列伝のところ。首を突っ込むか突っ込まないか的な。
 まあでも七陰の皆の話だし、別にいいかなという現状。書きたくなったら突っ込めばいいや。解決。

 さて、突然ですがクイズのお時間です。今1番手間取ってるキャラクターは誰でしょう!
 ……………………さて、正解は〜? このお方、アイリス王女でしたー。パチバチパチ。

 ……はい。アイリス王女ですね。アレクシアのお姉さんにしてミドガル王国第一王女。どうやって関わらせんねんって感じです。年上なのでド直球に関わらせるのはね……同じ学園の同時期の生徒にならないんですよ。まあ勿論手はありますけど。
 あとはアイリス王女ってどう動かせるかまだピンと来てないんですよね。カゲマス見なきゃ……。まあアイリス王女の魅力はご存知でしょうし、そのうち日常編でも出てくるんじゃないですかね(他人事)


 実はここだけの話、この章ってそこまで重要かなという疑問はありました。まあいざ書き終わってみると改変のために必要でしたね。
 そしてこれを書いている最中にいいモノが思い浮かんだので、情報の整理は重要だなと思いました。ちなみに、この文を書いている最中に内容を忘れてしまいました。皆さんは思い付きはしっかりメモを取るようにしましょう。


 とにかく、次回からはオリ主の学園生活が始まります。シドの出番は大分減りそうですが、シドが見たい時は読み返すか、日常編ですね。さーて、こっから大変だぞー(白目)

それではまた次回!
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