シャドウガーデンと共に楽しい日々を 作:陰の実力者になれんかった
ついにやって参りました日常編。待ってました? 私は待ってました。ただ、何話か日常っていうより過去編っぽいのでそこはあしからず。
それと今回、全編ほぼ会話形式でやってみました。こういう表現もありかなと。そこはお気をつけ下さい。
それでは日常編、どうぞ
アルファたちの拠点作り
『アルファとシャドウとゼロの拠点作り』
「ねえシャドウ。シャドウガーデンの初めの活動として、まずは拠点となるものを作るべきだと思うの」
「拠点か、いいね。作るとしようか。あ、でも木材とか自分たちで用意しないと」
「ならばあの場所はどうだ。ここからあまり離れていないし、森の中で隠密性もある。木も周りから取ってくれば材料として足りるだろうし、川も少し離れた場所に流れている」
「うん、やっぱり隠密性は大事だよね。まだバレるわけにはいかないからね。水も確保しやすそうだ」
「そうね。ディアボロス教団と対峙するにもまだ足りないものだらけだもの。それじゃあ早速行きましょう」
「……ねえゼロ。やっぱりアルファって即興能力高いよね」
「態々こんな場所でそんな事を言う奴がいるか。聞こえるだろう。なぜそんなに緩んでいるんだ……」
「? 2人とも、早く行きましょう」
「あ、うん。今行くよ」
「ああ……いやなんで聞こえてないんだ?」
〜移動中〜
「この辺りなんてどうかしら。丁度良く開けた場所があるわ」
「うん、いいね。そうしたら、そうだな……周りの木をそのまま使って建てようか」
「ログハウスみたいなものか。では適当に木を集めて……乾燥や切断は魔力でどうにかするか」
「どうせなら木組みもやったら面白そう」
「木組みか。まあ釘とか作るか持ってくるかしないと無いから利用自体は考慮の余地があるが……シド、お前思いついたことそのまま言ってるな? それで細かいことは全部丸投げするつもりだろう」
「え? いやいや、ちゃんと僕も手伝うよ」
「本当か?木組みなんか名前しか知らないだろう、絶対。しかもツーバイフォーじゃないのかよ。どうやって建築すれば……」
「その、ログハウス? 木組み? って何かしら。見たことも聞いたことも無いのだけど」
「それは──」
〜説明中〜
「なるほど。大体は理解したけど、そんな建築方法があるなんて……二人は本当に物知りね」
「まあ簡単にではあるがな。種類やらやり方やら、他にも説明すべきことは多々あるが、今は置いておこう」
「じゃあ早速やろうか。僕はいい感じの木を切ってくるよ」
「私も手伝うわ。加工については、私にはまだ出来ないだろうからシャドウとゼロに任せるわ。でも少し見せてもらったら私もやりたいわね」
「了解した。まあ、こうなるだろうな……」
「この辺の木は良さそうね」
「よし、早速切ろう……あ、ミスった」
「凄い切れ味と範囲ね。一度にこれだけの数を倒してしまうなんて。どんな魔力量と魔力の使い方をしているのかしら」
「うーん、まあ沢山使うと思うし、結果オーライかな」
「丸太はこんな感じで作ってくれ。シドはなんとか出来るだろう。アルファは魔力操作の練習と思いながらやってみればいい」
「結構な量あるね……一気にやった方が早いかな」
「それはありがたいわね。お言葉に甘えてじっくりやらせてもらおうかしら」
「ああ、是非そうして……シド。その魔力で何をしようとしている。まさか一度に全てやるつもりか? やめろ、魔力過剰だ、この辺り一帯が吹き飛ぶだろう!」
「お疲れ様。とりあえず、今ある組み合わせは覚えたから、少し休んでて。まさかこれだけの数を一時間足らずで終わらせてしまうなんて」
「いやー楽しみだなあ。どんな家がいいかな」
「ああ、そうさせてもらう。……ついでに、あまりやり過ぎないよう見張っててくれ」
「? わかったわ」
「ねえゼロ。この辺に地下通路作らない? やっぱり地下通路って王道だと思うんだよね。隠し扉とかから行ける系のさ」
「今言うのか? この小屋はそういうためにつくるんじゃないんだ。そういうのはもっと先の未来でやれ。そのうち機会があるだろう」
「うーん、まあ確かに、どうせならもっと大きい場所でやりたいかも」
「地下通路……逃げることが必要とは思えないけど、何かあった時のために手段を用意しておくことは必要よね。でも用途はほかにも思いつくわね」
「内装はどうするんだ?」
「とりあえず部屋をいくつかと、キッチンにトイレ、あとリビングとか? 家って大体そんなだよね」
「まあそうだな。アルファは何かあるか」
「そうね、今言ったもので充分じゃないかしら。他に欲しいものが出来れば、また増築すれば問題無いでしょう?」
「増築……増築か。そうか、まだ終わらないんだな、あの木組み……。イータが欲しいな。そうすれば任せられるだろうに」
「椅子にテーブルにベッド、あと必要なものあるかな? 冷蔵庫みたいなのがあればいいんだけど、この世界には電気はまだないからなあ。やっぱり地下通路作らない?」
「地下通路は作らない。だが地下室はあってもいいか。食料の保存場所にいいだろう。まだこのスペースが空いているからな」
「冷蔵庫……食料を保存するためのもの? シャドウ、教えてくれないかしら。とても重要な事の気がするの」
「え? そうだね、冷蔵庫っていうのは電気を使って中のものを冷やしてるんだけど──」
「そんなものがあるのね。あなたの知識は、一体どこで得たものなのかしら」
「……こうやって陰の叡智は生まれていくのか。今回の話、重要な冷える仕組みや電気そのものがあやふや過ぎると思うが」
「これで完成だね」
「ええ。まさか一日で完成するとは思っていなかったけれど」
「家ってものは本来、もっと時間をかけて建築するものなんだが。まあ少し不格好かも知れないが、充分。よく出来たものだ」
「じゃあこの小屋……もう家かな。が完成したお祝いに……これをプレゼントしよう」
「これは、ベーコン? それに野菜。シャドウ、これは」
「うちから取ってきたんだ、厨房に忍び込んでね。そういえばアルファの食べるもの無いなって思って持ってきたんだけど」
「確かに、狩りの仕方はあまり知らないし、食べ物も持ってないけれど」
「私も日持ちするものを中心に持ってきた。厨房に忍び込んだ訳ではないがな。それとそういった事はまた覚えていけばいいだろう」
「ゼロまで……ありがとう」
「なんてことはない。アルファも大事なメンバーだ。そうだろう、シド」
「うん、アルファは大事なメンバーだよ」
「シャドウ、ゼロ……」
「そうだ、今日は皆で食べようよ。この家が出来たお祝いにさ」
「いいじゃないか。アルファはどうだ?」
「ええ、私も大丈夫。むしろ私もお祝いしたいぐらいね」
「じゃあ出来たての家具を早速使おうか」
「準備出来たかな。それじゃ」
「「いただきます」」
「なにかしら、その挨拶? は」
「うん? これは、そうだね──」
「……そんな大層な説明をする必要は無いだろうに」
〜食事中〜
「「ごちそうさまでした」」
「……ごちそうさまでした」
「それじゃあ、僕は片付けたら帰ろうかな。もう朝日が上ってきちゃうし」
「そうだな。流石に朝、部屋にいなかったら問題だ。仮にも貴族だからな」
「そう……次はいつ頃来るのかしら」
「そうだなあ。一応用事がなければ毎日来るんだけど、姉さんとか次第かな」
「私は毎日来る予定だが、時間はわからんな。そう遅くはならないと思うが」
「なら私は、あなた達が来るまでに色々とやっておかないと。拠点も改善していかなければならないわね。拠点がしっかりしていなければ、ディアボロス教団に立ち向かうことは出来ないわ」
「そうだね、その感じ。それじゃあまた明日」
「私も失礼しよう」
「ええ、また明日。また明日、ね」
いやー……こんな感じだったら楽しそう。秘密基地感あっていいですね。私は子供の頃秘密基地とかは作りませんでしたけど、どんなだったんでしょうか。
なんか自分で書いたものを自分で読んで自給自足出来るって、ある種の依存性があります。
シャドウガーデンが結成されて間もない頃。彼らはこんな風に、地道に少しづつやっていったんじゃないかなと思いますね。
それではまた次回!