シャドウガーデンと共に楽しい日々を 作:陰の実力者になれんかった
ガンマって、意外と思いつかないですね。真新しいものがという意味で。商品開発とか、陰の叡智の再現とかは有り余るぐらいありますけどね。実は七陰で一番まともだったり……。
あと今回ちょっと暗くてすみませんね。ガンマってあまりやべー所ない(当社調べ)んですもの。でも大丈夫です。コミュ進めてるので。今現在のガンマの好きなセリフ第1位はおさかなさんです。
それでは日常編、どうぞ
『ガンマの頼み事』
「ゼロ様」
「ガンマか。どうした」
後ろから物憂げな雰囲気を隠したガンマに声をかけられる。思い当たる用事は無いが、なんの用だろうか。軽い相談事なら嬉しいのだが。
「ゼロ様に、この本に載っている剣術の再現をして頂きたく思いまして」
そう言って手に持っていた本をこちらに渡してくるガンマ。本の名は『剣術大全』。中を捲るとこの世界にしては珍しく、既存の流派の型や技を纏めたものだ。
この世界では時代もあってか秘伝という形で口外されず、外で使用されることの無い技がある。更には既存のものを変化させることを禁じる流派まである。
進歩する気が一切感じられないが、そういうものだと納得している。
また、対外的に見る機会があったり、より良いものを目指すという姿勢を見せる流派も無くはないが、情報が伝達しづらいこの世界では中々上手くいかない。
「剣術大全か。知らない流派でも詳細に書かれている部分があることだし、再現もできるだろう。だが、必要なのか?」
大全と銘打つだけあって、流派もさることながら、中々どうして詳細だ。絵も少ないがついていて、本として後世に残そうとした努力を感じられる。
ただ、この本、よく出版できたものだ。多方面に許可を取らねば書くことすら出来なさそうだが、どうやったのだろうか。著者が書かれていないためわからない。
禁書のようなものという可能性も無くはないが。さすがに今の彼女たちにそれらを集める力は無い……と思うが、どうだろうか。シャドウの為なら何でもやる組織だ。文字通り、なんでも。
とはいえ、見れば覚えることの出来るガンマに必要なことだろうか。その頭脳があれば問題無いと思うのだが。
「はい。本を読むだけでも十分かもしれませんが、やはり実際の動きを見た方が、覚えが良く、理解も深まるかと」
「ふむ……では訓練所に向かうか。訓練所と言うほどの場所ではないがな」
納得はいかないが、筋は通っている。断るようなものでもないし、やっておくべきだろう。
「ありがとうございます! このガンマ、全て記憶してみせます」
ガンマは頭が良い。その頭脳はシャドウガーデンでも随一だ。将来的にシャドウガーデン全体の運営と表で商会頭をするだけのことはある。
特に、シャドウの言動を一言一句覚えているその記憶能力と、たった一つの情報から答えを導き出し、それを生み出してしまう知力。
商才もあり、彼女がいなければ組織の資金は賄えないのではと言う程。
とてつもない逸材が集まる組織だと改めて思いながら、訓練所へ向かう。場所はただの空き地だが。
〜訓練所〜
訓練所に着き、再現すること数時間。大全の内容全てを再現するには相応の時間がかかった。
ブシン流やその派生などはよく知っていたこともあり、簡単に再現することが出来た。だが、この国のものでない流派、それも国に根付いていない少数部落で使われているようなものもあり、それらの再現には少々手間取った。
全て剣に属するものならまだマシだったが、何故か弓や太刀、爪に鎌にチャクラム、斧や棒なんてものもあった。本当に剣術大全なのか、表紙を何度か見返してしまった。何度見ても文字は変わらなかったが。魔力的に隠されているものも無かった。
最早武術大全ではあったが、私でもまだ知らない流派があったのも事実。ガンマのおかげでまた知らない知識を得ることができた。お礼に何か贈るべきか。
「次で最後だな。……リヒテンラワー流、か」
西国の剣術で、まるで踊るかのような動きが特徴的な剣術の流派。将来的に、とある一件で目にするかもしれない流派でもある。
この本に書かれているものを再現する。この流派最大の特徴を表すため、滑らかに、しかしこの世界ということを踏まえてやり過ぎないように。
「これで全てだな」
「……さすが、ゼロ様」
途中から心ここに在らずといった様子だったガンマが、どこか呆けた状態でそう言ってくる。
目線はしっかりこちらを向いていたし、身体に異常をきたすような魔力の揺らぎも無かった。そのため放置していたが、大丈夫だろうか。
「大丈夫か?」
「はぇ? あ、だ、大丈夫です! しっかりこの目に焼き付けましたとも!」
取り繕っているのだろうが、その言葉はおそらく真実だろう。少なくとも、記憶はしているはずだ。それだけの能力はある。
「そうか、それならいいんだが」
「はい……いえ、そうですね。途中から、どんな武術でも再現して下さるゼロ様に見とれてしまっていたのかもしれません」
「……」
見とれて? あれは見とれたというよりも……。
「私では真似はおろか、まともに剣を振るうこともできません。ですから、きっとシャドウ様やゼロ様のような動きに憧れているのです」
それは手の届かない存在へ向ける表情。もう全てを諦めてしまいそうな雰囲気。しかしその目はまだ輝きを失いきっていない。
「一度は消えようとしたこの身です。ですが、シャドウ様に手を差し伸べられ、私は今もここにいる。藁にもすがる思いで陰の叡智を再現しようとしていますが、こちらも、まだ諦めきれていなかった」
再現を見て覚え、理解を深めるのとは別に、誰かに相談、吐露したかったのかもしれない。あくまで勝手な推測だが。
「ですが、今回ゼロ様に再現していただいて決心がつきました。私は、もう戦闘は「それでいいのか」っ……」
これに関して口を挟むつもりは無かった。ガンマが決めたことなのだから、その意思は尊重する予定だった。下手に関わるつもりが無かったとも言うが。
だが、諦めきれていなかったと聞いたからには、首をつっこむとしよう。ガンマのシャドウへの敬意は本物だ。強くなって損は無い。最低限の強さは持って欲しいという思惑もある。
「この際だ。とことん突き詰めることにしよう。ガンマの致命的なそれは、何が由来なのか。重症度はどれくらいなのか。治療、改善は可能なのか」
こうなったら調べたいこともある。日常生活にも干渉しかねないそれは、なんなのか。 センスが致命的に無いと言ってしまえばそれまでだが、それで諦めるにはまだ早い。
「ゼ、ゼロ様?」
「ガンマ。君のシャドウへの敬意は私も知るところだ。ならばこそ、君には戦闘面でも成長してもらう」
頭脳面では問題ない。シドの陰の叡智でこれから更に鍛えられていく。だが戦闘面はシドでも諦めてしまうほどのセンスの無さ。
シドの示した膨大な魔力を利用したものも適解だが、それならそれなりの戦い方を学んでもらえばいい。勿論、シャドウ流もやってもらうが。
「それは、ゼロ様。私は、その……こんな私でも、できるのでしょうか」
不安気な双眸はこちらを見る。何度も逡巡し、どうしても自分で可能性を信じられないのだろう。
「それはわからない。私もやったことの無い領域だからな。だが、悪い結果にはならないだろう」
「……」
「……シャドウについていきたいのだろう。ならば、その足を、その身を使えずにいてどうする」
シャドウについていく。ガンマが自分の中で導き出した答えの中の一つ。申し訳ないが、利用させてもらう。今のガンマには丁度いいだろう。
「そう、ですね……そうですよね。自分だけで決めつけては、また何も見えないまま。あの方を見上げることすらできない」
一度俯いてから顔を上げた彼女は、憑き物が落ちたような真剣な表情で言った。
「ゼロ様。是非、ご教授願えますか?」
「勿論だ。だが、普段とは比にならないほど厳しいが、大丈夫か?」
「大丈夫です。私は、あの方についていくと心に決めているのですから」
満面の笑みで、彼女はそう言った。
第5巻を読んで投稿を早めました。代わりに大晦日と正月がお亡くなりです。イータとゼータとイプシロンが表紙にいて良かったですねぇ。かわいい。
本編もですが、巻末も驚きでしたね。個人的に、書籍版の巻末のキャラ紹介好きなんですが分かりますかねはいわかります。
あと、七陰の2つ名、好きなんですよ。緻密のイプシロンみたいなやつ。あと3人かな?
まあ皆さん、是非書籍版の購入を検討して下さいね。あと漫画版も。あと外伝も。
年内最後の更新ということで、皆さん、良いお年を。
それではまた次回!
さて、最新巻、読みましたでしょうか。ネタバレはしませんが、私は、何かの手段を講じることになるかもしれませんね。
私が目指すのは、手の届く範囲を──ことですから。だから□■も■■も□□も■□だって、繧上◆縺は■■■□を繧上◆縺?螟「隕譛ェ譚・
──ダメでしょう?こっちに持ってきちゃ。ここは今、残された安息の地なんだから。
改めて、また次回
恋愛みたいな要素が
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みたい
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別にいい
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そんなことよりマグロナルド食べたい