マイナスから目指すトップアイドル   作:茶蕎麦

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 皆様お疲れ様です……大変悩んだのですが、町田百合さんのストーリーとして切りの良いここで作品自体はこのお話でおしまいとさせていただきます。
 保管として、番外話を予定はしていますが、また別側面としてもう一つの作品も更新再開させようかなと思っています。
 よろしければ、その際はどうかよろしくお願いします。


最終話 マイナスから目指したトップアイドル

 百合は、町田百合ですぅ。

 

 ちょっと前までトップアイドルってのを目指してましたぁ。

 そして、ちょっと前になれたんですねぇ。

 らくしょー……ってわけじゃなくって結構頑張らなきゃだったのが悔しいですがぁ、でもなんとかなったのは嬉しかったですぅ。

 

 これで、百合の中のせんせーも、ちょっとは報われたですかねぇ。

 死人に口はなくても心届かなくても、嘘であっても幸せであって欲しいものですからぁ。

 

 さてぇ。百合は今天国にいますぅ。それだけで、でも良く分かんないのですよねぇ。

 右も左もなければただ、存在の報いとして幸福がある感じでぇ。

 これはこれでアリかもですがぁ、ちょっとつまんないですぅ。

 

 百合としては、地獄の方が馴染み深くって良かったのですがぁ。

 皆の悲痛な叫びは嫌いですがぁ、でもそれこそ一番大切にしたい彼らの心の果てでぇ。

 善も悪も痛み苦しみの前には同等で、ただ熱ばかりが彼らの生前の証明でしたぁ。

 

 えぇ。百合は、悪しき者だって認めてますぅ。

 だって捨ててしまうには、あいつらあんまりにも命でしたからぁ。

 だからそれを引きずり続けて思いの丈として百合は歌いましたよぉ。

 

 それであのアホ太陽を救えたのは、良かったですぅ。

 

 ま、天国で今更強がる理由もないですしぃ、実際百合がカシマレイコってヤツのことこっそり心配してたってのもマジでしたよぉ。

 求められて誰ものためになり続けるって、きっと辛いですよぉ。

 百合なんかが、トップをとってそれを辞めさせられたのは、嬉しいことですぅ。

 

 おっとぉ。こんなこと口にしちゃったら百合がとってもいいやつみたいですねぇ。

 でも、実際はワルワルですからねぇ。

 

 なにしろ百合は本来死ぬべきだと生まれてすぐに分かっていたのに、死ななかった奴ですぅ。

 悪いと知って生きていたから、だから百合はずっと地獄に繋がっていたのかもしれませんねぇ。

 死ねばぁ、という百合に、百合はずっとそっぽを向き続けましたぁ。

 だって、百合は百合なんかを愛してくれた皆を悲しませたくなかったのですよぉ。

 

 だから……今の状態は悔しくてたまんないですがぁ。

 

 生きるって、きっと残酷なことですぅ。

 存在はあるだけで場所をとりますしぃ、いなくりさえすれば誰かのための場所が空くことだって分かるのですよぉ。

 そして動けば何かを踏みますしぃ、目指せば誰かを置いてきますよぉ。

 自分のためのプラスはあっても誰かのためのマイナスはあり、つまりゼロなのが生きることかもしれませんねぇ。

 

 そして百合は、マイナスでしたぁ。それを知って、アイドルを目指したのですぅ。

 そんなのとても、酷いことに決まってるのですよぉ。

 百合は何時だってもっと誰かのためになりたいと思わずにはいられませんでしたぁ。

 

 故にトップになったら、最悪のマイナスがこの上ないプラスを手に入れたとして、ゼロと消え去るのが自然だったのでしょうねぇ。

 そのために、百合はこの天国にただありますよぉ。

 

 でも、百合は思いますぅ。

 

 とうさん。かーさん。じーじ。

 舞。せんせー。おししょー。ゆーた。ゆず。玲央。咲希。友美。

 稲センパイ。初センパイ。マナリカセンパイ。

 鹿子。カシマレイコ。

 

 そして……朝茶子。

 

 勿論それだけじゃなくって百合なんかに関わったり声を聞いてくれたような皆誰もが幸せであって欲しいって願っちゃうんですよぉ。

 それは、百合が間違っているからそのマイナスからだと、百合はずっと思ってましたがぁ。

 こんな天国みたいな場所でもそうしちゃうんだから、違うのですねぇ。

 

 心って、よくわかんないですよぉ。

 

 

 まあ、百合だって信じてますからぁ。

 どーせ皆百合が自分勝手に願わなくったって、自然に幸せってプラスに向かってくれるとは思いますよぉ。

 

 なにせ百合は舌も言葉も足りずに、でも懸命を続けて手を伸ばしましたぁ。

 それが悪でも、生きるならそんなの自然ですからねぇ。

 そして百合は天国からずっと皆を許しますぅ。勿論悪いことしたらそれぞれバツがあって地獄に行っちまうのも仕方ないとは思いますがぁ。

 

 でも、百合はあなたがたの命を許しますぅ。

 こんな小娘でマイナスで、地獄の釜の蓋だったものが何をとは、百合も思いますよぉ。

 天国なんて場所に居てちょーし乗っちゃったのですかねぇ。

 

 ただ、それでも思えるなら誰かのために、ってなりたいんですよぉ。

 なにせこれでも元、トップアイドルですからねぇ。

 カシマレイコのために色々てーぎとか歪んだ世界でしたがぁ、それでも間違いなく上り詰めたならぁ。

 

 お疲れ様って、皆を撫でてあげるくらいいーじゃないですか。

 

 

 

 ……さてぇ。これで百合がマイナスからトップアイドルを目指したお話は終わりですぅ。

 

 後に、残った世界はきっと百合なんかの願いなんて無視して各々回ると思いますよぉ。

 

 でも、それで善し、と決めましたぁ。

 

 

 だから。もう泣かなくていいのですよぉ。皆。

 

 

 あと……()()()()ってあだ名大げさですがぁ、ありがとうですぅ。

 

 ……ホントはあんまり言いたくないですがぁ。

 

 百合は皆が大好きですよぉ。

 

 

 

 

――――マイナスから目指すトップアイドル――――了。

 

 

 

 

 

 

「百合、ちゃん!」

 

 おやぁ?

 




 どうも、ありがとうございました。
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