もしもカズマが地球で死んで、このすば世界じゃなくて転スラ世界に行ったら、の妄想の最終局面です。
評価が良かったり、ストーリー化して欲しいとかの意見が来たら作るかも?
まあ、とりあえず受験が終わったら、ですけどね。
(これでも、まだだ、全然足りない。俺には才能がないから。生まれ持った特別な血筋だとか、すげー頭がいいだとか、何もないんだ。ただじゃんけんに強いぐらいのそんな俺が、ようやく本気で守りたいって思えるものを見つけたんだ!だから、だから!!)
「俺にありったけの力を!!!」
血だらけになった凡人の咆哮は、かくして世界へと響く。
この世界において、強さとはすなはち心だ。どれだけ頑強な肉体を持つ者であれど、その心が脆弱であれば決して絶対者へとは至れない。
カズマは、自分が思う通りに、弱い。
スキルの数こそ多いものの、それは彼の多面性を表すものでしかなく、かろうじてユニークスキルに至っているだけのものばかり。
鍛えたところで、小手先の技術は伸びていくものの確固たる力としての成長は微々たるもの。聖人はおろか、仙人になることを夢見るのも烏滸がましい肉体的なスペックだ。
それでも、
今その胸に抱く思いは本物だ。窮地にこそ人の本質は現れる。
いつも心の奥にしまい込んでいた本性は、決してこの絶望的な状況においても、泣き喚き、逃げることを選ばなかった。
考えれば当然なのかもしれない。彼にできることは多くあれど、彼にしかできないことなどそうそうないような、言ってしまえばただの少年に、多くの者が信頼を寄せ、誇り高き悪魔達でさえある一定の敬意を評した。あの、魂を直接見ることの出来る悪魔でさえだ。
世界は知る。
凡人の底力を。
どこに出しても恥ずかしくない『最弱』は、『最弱』なままに、『最強』へと迫る。
そうして、世界の声が静かに告げ出した。
告ー
個体名「カズマ・サトウ」の希求に応えて、ユニークスキル『
究極能力アルティメットスキル『
成功しました。
続きまして、ユニークスキル『
成功しました。
続きまして、数あるエクストラスキルを統合し、ユニークスキルを作成。ユニークスキル『
更に、『
成功しました。
警告ー
魂と肉体のレベルが不釣り合いです。魂が肉体の許容度を上回っています。
個体名「カズマ・サトウ」の進化を推奨します。
了ー
個体名「カズマ・サトウ」の進化を開始します。
.......『仙人』への進化に不完全ながら成功。
続いて、『聖人』への進化へ移行します。
..............失敗しました。経験値とレベルが足りていません。
代案として、獲得した
ー
静かに、されど一瞬の間に行われていく自分の進化をまるで他人事のように聞いていたカズマは、突然の提案に激しく首を縦に振ることで同意した。
ー
当人より、スキルの総合による最適化の了承を得ました。
これより、
『
....... ........ .........
....... ......... .........
総統合により、
成功しました。
以上を持って、個体名「カズマ・サトウ」の進化を終了します。
ー
世界の声が遠くなっていくのと同時に、ぼんやりとしていた意識も覚醒していくカズマ。
相変わらず死にかけな状態にも関わらず、自分の中に力が満ちるのを感じていた。
今の自分は、どうしたというのだろうか。
たとえ相手がなんであれ、まるで負ける気がしない。
ああ、背後には、善戦虚しく負けてしまった、立場上部下な俺より強い奴らが転がってこっちを見ている。
前方には、そんな俺の部下と、ついさっきまでの俺を吹き飛ばしてくれやがった敵がいる。
「カズマ様!お逃げ下さい!貴方ならばまだ逃げられるやもしれません!ここは我等に!!」
そういって震える足を無理矢理立たせて、勇敢に俺の前に立とうとする部下達。
.....まったく、いつもいつもふざけてばっかだってのに、こんな時だけカッコいいのはずるい。
軽口叩き合って、肩組んで笑ってんだろ?いつも。
「バカなの、お前ら。こんな死にかけの奴らが束になっても、俺が逃げる時間なんて稼げるわけねーだろう。」
「は、ハアぁぁぁ!!?!決死の覚悟を決めて立ち上がった部下にそんなこと言いますか!!?」
「そうだそうだ!?!!」
戦場だってのにいつもみたく騒ぎ出すバカども。
そうだよ。お前らはかしこまってるよりそうしてた方がいい。
「いいから、そこでお前らは寝とけ。いつもみたくお前らは俺に、『お願いしますカズマ様ー!』っていっときゃいいんだよ!変に覚悟決めてんじゃねえぞコラ!!」
俺の言葉に、ポカン顔のブッサイクになる部下達。
俺が何を言ったのか一瞬わからなかったようだが、ようやく理解が追いついたのか、表情からさっきまでの険しさが消えた。
「.......いいんですか?任せちゃって、頼っちゃても。」
「いちいち聞いてくんな。言っとくが、今回だけだからな!!こんな危ないのは!!!」
「素直じゃねーんだからまったく。......じゃあ、俺らじゃどうしようもないんで、
『お願いします、カズマ様ぁーーーー!!!!」』」
素直じゃないのはどっちだっつうの。
でもまあ、そんなふうに部下に頼られちゃ、できる上司としてはやらざるを得ないよな。
そもそも、ここ突破されたらリムルに大目玉食らうし。
だから、まあ......
「しょうがねえなーーーーー!!!!!」
やるしかないか!