ようこそ乱数の支配する教室へ   作:桜霧島

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26 夏休み

 

 

 

 輝くんが生徒会長の呼び出しを受けた。

 

 そんな話を副会長からもらった私はすぐさま生徒会室へ飛んでいった。中には長い脚を組んで気怠げにソファに腰掛けている副会長がいる。

 

「おう、来たか。輝なら応接室の中で会長に勧誘されてるぞ?どうやら1年生の特別試験、会長も気にしてたみたいだが――結局お前らBクラス、今はAクラスか、勝因は何だったんだ?」

 

 私もソファの隣に腰掛けながら答える。

 

「Aクラスは葛城君の作戦が龍園君に狙われ、龍園君はDクラスに嵌められ、Dクラスは私達と協調路線を採った。Bクラスの勝因はそういった環境に恵まれたことと――やっぱり輝くんの存在ですね。無人島と船上試験で+100CPを個人の発想と行動力で稼ぎ出しました。なりふり構わなければもう少し上積み出来たでしょう。私は――船上試験はまだしも、無人島では大きな成果を出すことはできませんでした。」

 

「その辺、深くは気にするな。俺達とは違い、お前達はチームで下剋上を成し遂げたんだ。帆波には役割があったが、輝には無かった。だから自由に動けただけのことだ。――上がったことが問題じゃない、むしろAクラスで在り続けること、これが大変なんだ。」

 

 南雲副会長の言う通りかもしれない。こうしていれば普通に尊敬できる先輩なのに、普段の素行がアレ――にゃぁぁぁ…あの約束を思い出してしまった…。

 

「どうした、顔が赤いぞ。まだ暑いか?」

 

 ――もう!

 

「――いえ、何でもありません。しかし輝くんは大丈夫でしょうか?」

 

「さあな。まあ、堀北会長も心配性なもんだ。アレはきっと、妹に悪い虫がつかないか心配してるんだぜ?」

 

 副会長が茶化すように笑っている。

 

「堀北さん――頭が良く、運動も出来るのですが、周囲とは中々打ち解けては居ないようですね。でも無人島では立派にリーダーを務めていました。」

 

「会長が気にしているのは妹――いや綾小路清隆、か。帆波から見て綾小路はどうだ?」

 

「掴みどころの無い感じですね。普段は堀北さんや周囲に紛れて一歩二歩引いています。しかし船上試験では同じグループでしたが、彼個人に危うくやられそうになりました。油断出来ない人物、と思っています。」

 

「――そうか。輝がアイツに関して言っていたが――『綾小路と敵対したら初手で投了する』だそうだ。強敵ばかりで羨ましいな、帆波?」

 

 全く、南雲副会長の言う通りね。外も内も強敵ばかり――。輝くん、大丈夫かな?

 

「で、輝は生徒会に入りそうなのか?」

 

「少なくとも2年の冬まではサッカーがしたいそうですから、断るみたいです。」

 

「まあ、そうだろうな。俺は会長が在学中に、勝負を挑もうと思っている。恐らく会長もそのことは察しているだろう。その時に俺の手駒になりそうな輝に釘を差しつつ、あわよくば味方に取り込んでしまえ、というところか。Aクラスに上がったことで今は目立ってるしな。」

 

「私はどうなるんですか?」

 

「お前が決めろ。会長に付くも良し、俺に付くも良し、誰かと組んで第三勢力を作るも良し。だがまあ、そんな余裕があるかは知らん。Bクラスの坂柳と葛城、Cクラスの龍園、Dクラスの綾小路と堀北、その他諸々。1年だけでもお前が気にしなくちゃいけない人間は多い。それはきっと、輝では難しいところもあるだろう。」

 

 遠からずそうなるという確信が副会長にはあるのだろう。既に1年生の主要人物のデータは揃えてあるようだ。

 

「俺なら輝に、そうだな――『帆波の心と体を好きにしていいから俺に付け』と言うかもしれんな。」

 

「にゃっ、にゃっ、にゃにを――!」

 

「ハッハッハッ!顔が真っ赤だぞ!」

 

 どうやらおちょくられたようだ。でも普通にこの人は言いかねない、と思う。

 

 

 

 

「ん?――南雲先輩と帆波、来てたんですね。」

 

 応接室の扉が開き、輝くんが会長とともに出てきた。

 

「輝くんが会長に呼び出されたと聞いたから、白目剥いてないか心配になったからにゃー。」

 

 赤さの残る顔を誤魔化すように輝くんに声をかけると、南雲副会長も会長に声をかける。

 

「会長、お疲れさまです。『説得』は上手くいきましたか?」

 

「お前も来ていたのか。――()()()()首輪は付けられたくない、だそうだ。まるでじゃじゃ馬だな。」

 

「心外ですね。その前にちゃんと『優秀な人物なら俺以外にも沢山居ます』と断ったじゃないですか。あと帆波はお仕置きな。」

 

「にゃっ!?」

 

「――我々の体制はこの秋で一旦終わる。その時か、来春か、その次でも良い。()()()()()()()()()生徒会はお前を歓迎するだろう。」

 

 会長の含みをもたせるような言い方が気にかかるが、輝くんも上手く話せたようで良かった。

 

「――りょーかいっす。じゃあ帆波、お仕置に行こうか。」

 

「え、やだよ!!」

 

「つべこべ言うな。今ならおしりペンペンタイムで済ませてやる。もうすぐ部活の時間だから50回(+50G)で許してもいいぞ。」

 

「なんか輝くん、特別試験が終わってから強くなってない――?」

 

「一夏の経験が俺を大人にしたんだ。――では失礼します。」

 

 

 

 

 

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乱数生成イベント

 占いに行こう。

 

 1d362 ダイスロールで出会う人物を決定。

 例)1〜141→一之瀬

 

 1 一之瀬帆波 確率:141/362

 2 星之宮知恵 確率:58/362

 3 坂柳有栖  確率:54/362 ※リモート出演

 4 姫野ユキ  確率:50/362

 5 白波千尋  確率:30/362

 6 櫛田桔梗  確率:29/362

 

 

 ダイス結果:342

 

 判定:櫛田桔梗

 

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 残念ながら夏の公式戦はくじ運悪く一回戦で終わってしまった。3年生は10月から始まる秋の大会で引退なので、1年2年はこの夏の間でチームにフィットしていかなければならない。が、まだまだ未成熟だし二学期のイベント次第では部活に割ける時間も少なくなるし、恐らくこのまま行かざるを得ないだろう。

 ちなみに負けたのは一昨日の話なので未だに悔しい気持ちが抜けきっていない。

 昨日と今日はキャプテンの判断でオフだ。全学年、特別試験があったらしいし、その息抜きも必要と考えたのだろう。昨日は堀北会長から呼び出しを受けて生徒会に勧誘されるというアクシデントもあったが、今日は完全オフ。だけど矢張りというか、トレーニングルームにはサッカー部の奴も自主練に来ていたし、みんな思うところはあるのだろう。

 

 

 まあ、とりあえず寮に戻ってシャワー浴びて、けやきモールでテーピングとか新しいスパイクでも見に行くか。今のスパイクは中学時代からのものだけど、半年くらいで成長したからか少し合わなくなってきた。幅広甲高のスパイクって中々無いんだよなー。PUMAが好きなんだけど、足に合うのはUMBROとかMIZUNOが多いから、多少PPに色を付けても…。やっぱモレリアかなあ。新しいのが出てたら良いんだけど、最近のは色が気に食わないことが多い。黒で良いんだよ、黒で。メンテのしやすさが段違いだ。

 

 けやきモールは人が一杯だ。ちらほらと1年生のグループやカップルも見受けられる。――別に羨ましいとは思わない。思っていたらこないだの告白だって受け入れてるし。

 だけどなあ、他クラスは試験の関係で難しいし、同じクラスで付き合うなんて別れたときのことを考えたらもっと無理だ。一之瀬と付き合う?戦争が起きるぞ。何もせずにAクラスは崩壊だ。

 

 なんてことを考えながらスポーツショップを目指して歩いていると、桔梗ちゃんに出会った。

 

「桔梗ちゃん!」

 

「あ、輝くん!輝くんはお買い物?」

 

「うん、サッカー用品を買いに。あとは食料品とか。桔梗ちゃんは?」

 

「私は特に用という用は無いんだけど――お散歩かな♪そんなにPPに余裕があるわけじゃないしねぇ。」

 

「Dクラスも稼ぐには稼げたけど、反映されるのは来月からだからなぁ。」

 

「あ、良かったら輝くんのお買い物に同伴しても良いかな?」

 

「え、一人だから良いけど女の子には詰まらないところだよ?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「ならパパッと済ませるから、その後でどこか行こうか。」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

「男の子の買い物って早いよねぇ。。。」

 

 爆速でスポーツ用品店を後にしながら桔梗ちゃんが呟く。スパイク一足、ウェア二着、テーピング一巻、占めて三十分だ。一番時間が掛かったのがスパイクのフィッティングだ。結局モレリアの新作にした。限定カラーの白青だ。やっぱり黒より白のほうがかっこいいよね。メンテのしやすさ?買い替えればいいじゃない。(富豪感)

 

「まあ、目的があって行くわけだから、合うものがあればすぐだよね。」

 

「あはは……女の子とデートするときにはその感覚捨ててね?」

 

「今のは買い物。デートはこれから。――で、どこに行こうか?」

 

「ビミョーにわかってない気がするけど……じゃああそこのカフェ――あ、そう言えばよく当たるって噂の占い師のこと知ってる?」

 

「何それ?」

 

「クラスの子が言ってたんだけどね、今けやきモールに期間限定で占い師が来ているらしいの。噂ではよく当たるって話なんだけど、カップルでしか行けないみたいだから困ってたんだよー。」

 

「ふうん。カップル?」

 

「こういうのって独り者でもクラスの誰かと行くと後で角が立つじゃない?輝くんだから大丈夫かなって。」

 

 わかる、わかるぞ。こういうのは適切な距離感がバグるんだ。()()()()()な男女で行くと、既成事実にされてしまうしな。

 二人で歩いているとそれっぽい行列が見える。

 

「もしかしてアレ?」

 

 10組くらい並んでいる。1組10分だとしても100分だぞ…?

 

「すごく並んでるね…。私は大丈夫だけど輝くんは?」

 

「ああ、桔梗ちゃんが良いなら良いよ。」

 

「じゃあ、並ぼっか♪」

 

「そしたら少し一人で並んでてもらえる?飲み物でも買ってくるよ。何がいい?」

 

「えぇ!?本当にいいの?――じゃあお茶で♪」

 

「気にしないで。俺が飲みたいだけだから。」

 

 

 

 並ぶこと約1時間半。色んな人に声をかけられた。中でも鬱陶しかったのはDクラス。金が無いんだから引き籠もってろ貧乏人の分際で。俺が誰と仲良くしようが関係ないだろ。

 ――あ、すんません軽井沢さん。帆波には告げ口しないで!ごめんなさいめっちゃ睨まれるの。止めて麻子ちゃん!何でもするから!神崎テメエ、裏切ったな!

 

「すごく絡まれるね…。」

 

「桔梗ちゃんも人気者だからなぁ。あぁ疲れた。」

 

「頑張れ、もうすぐだよ!」

 

 あー桔梗ちゃんが可愛いんじゃあ。

 

 

「次の方、どうぞ。」

 

 ようやく俺達の出番だ。二人分5000PPを支払う。今日は散財デーだな。

 

「学業、仕事、恋愛、お好きなものをどうぞ。まずはそちらの嬢ちゃんから。」

 

「どうする、桔梗ちゃん?」

 

「んー、じゃあ恋愛で!」

 

「ではまず手相から。ふむ……。学業、健康、問題無い。金運は少し悪いな。だが待てば良くなるじゃろう。肝心の恋愛は――ダメじゃな、今のままだと何も成就せんじゃろう。」

 

「「えぇ……」」

 

 二人して少し引く。占い師がダメって断言するのって怖いんだけど。

 

「そこの隣のとは付き合っとらんのか?相性はとても良いぞ。お主のことを全てを曝け出したとしても受け止めてくれるじゃろう。そういう人間を見つけることがお主の幸せへの近道じゃ。じゃあ次。」

 

桔梗ちゃんと交代で占い師の前に座って手を見せる。

 

「むぅ――。これほどまでに読めない人間も珍しい。未来は全て不確定じゃ。少なくとも健康、金運は問題無し。学業は積み重ねじゃ。幸いにもお主の潜在能力、人との縁、恵まれたものじゃから、恋愛は直感に任せるのが良いじゃろう。考え過ぎると逆に失敗すると出ておる。」

 

 良いような、悪いような、よくわからない。これがバーナム効果?

 

「お、お主に良いものがあるぞ?このミサンガなんじゃが、きっとお主の今後に役立つじゃろう。余りこういうのは人に勧めんから、とっておきだと思いなさい。」

 

「ちなみにおいくらですか?」

 

「5種類あって物によって効果はバラバラじゃが、全て1万PPじゃ。どうだ?」

 

「買います。」

 

「毎度あり。足首にでも付けておきなさい。」

 

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乱数生成イベント

 能力値アップ

 

 1d5ダイスロールで値を決定。

 

 ダイス結果:1

 

 判定:潜在能力が1上がった!

 

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「桔梗ちゃん、どうだった?俺は何となく、失敗したと思う――。」

 

 俺たちは近くのベンチに腰掛けながら感想を話し合う。

 

「そんなことないよー。ミサンガ似合ってるよ!ジーンズをロールアップしてミサンガを見せるようにしたら足元からオシャレ!かな。」

 

 桔梗ちゃんはええ子や。

 

「桔梗ちゃんは『全てを曝け出せる異性』ねぇ。そりゃあ完璧超人に近い桔梗ちゃんにも1つや2つ隠し事はあるだろうけど。親兄弟にだって隠し事はあるんだからどだい無理な話だよねぇ。」

 

「――私には隠し事は無いよ♪」

 

「――そういうことにしておくよ。でも、困ったことがあったら何時でも相談してくれ。出来る限り力になろう。」

 

 

 

 

「ありがとう、輝くん♪じゃあ1つお願いがあるんだけど――。」

 






女神の首輪は付いてるんだよなあ。



京極堂に行き詰まったから帆波ちゃんとイチャイチャしたかった。でも女神は微笑まなかった。

はー乱数ってお排泄物ですわね!

シンデレラブレイドはやれる気がしないから触ったことありません。
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