ようこそ乱数の支配する教室へ   作:桜霧島

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 評価バーに色付いたので初投稿です。拙い文章ですが、お読み頂いてありがとうございます。
 また、感想欄などで問題点や改善点を指摘して頂けるとありがたいです。私も今の乱数計算式には納得いかない部分があります。
 今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いします。


6 Sシステムと中間テスト

 

 

<小澤 輝 ステータス>

 

※()内は前話での変動

学力 :57(±0)

知性 :43(±0)

判断力:71(±0)

身体能力:81(+2) ランクUP B→B+

協調性:59(+1)

総合 62.2(+0.6)Cランク ※倍率×1.0

 

 

 

 

第6話 

 

 

 

 5月1日。浮かれていた生徒たちにこの学校の本質が牙をむき始める。

 

 いつもよりいくらか真剣な面持ちで入ってきた星之宮の姿を視界に入れ、ざわついていたクラスメイトが静かになり始める。小脇には何枚か大きめのプリントを抱えており、どうやら授業前にひと悶着ありそうだ。

 

 

 「さあて、ホームルームを始める前に、なーにか質問はありますかなー?」

 

 少し茶化した様子で星之宮がクラスに語り掛ける。

 

 「先生、今月振り込まれたポイントを見たら、65,000ポイントしか入って無かったのですが…」とクラスを代表して一之瀬が疑問を投げかける。

 

 「はい、それが君たちの評価ということです。私は先月、こう言いました。『この学校では実力で生徒を図る。10万ポイントは、この学校に入学したキミたちの評価です』と。まーさか何もなし得ていない一高校生に毎月10万なんて支給するわけ無いじゃない♪」

 

 調子が上がってきたのか、いくらか芝居がかった様子で説明を続ける。

 

 「この1カ月のキミたちの授業態度、つまり遅刻・欠席・早退、授業中の私語や居眠り、端末の使用など、そうしたものもすべて含めた現在の評価が振り込まれたポイントになるのです。」

 

 そう言いながら先ほどから気になっていた大きめのプリントを黒板に貼る。

 

 Aクラス:940pt

 Bクラス:650pt

 Cクラス:490pt

 Dクラス: 0pt

 

 「これは5月時点で各クラスが保有するクラスポイント(cp)です。何か気づきませんか?」

 

 「なるほどな…」小声で神崎がつぶやく。

 

 「神崎君…?どういうこと…?」

 一之瀬が不安げな顔で神崎に意を質しつつ、続きを促す。

 

 「つまりこういうことですね、星之宮先生。この学校ではクラス単位で評価が決定され、毎月支給されるcpが決定される。また、入学時のクラス分けは優秀な生徒がAクラスに配属され、B,C,Dと入学時の評価が下がっていく、と。」

 

 「その通りです、神崎君。このクラスはBクラス、最も優秀とは言えませんが、比較的優秀と判断された生徒がこのクラスに配属されています。そして、その“優秀”とは学業に限った話ではありません。運動や、地域貢献活動など、その人物を構成する要素を総合的に勘案して決定されています。」

 

 「では学校はあちこちに設置された監視カメラで生徒のほぼ全ての行動を把握しているということですね。」

 

 「概ねそのとおりです。さすがにトイレや自室などにはありませんが、監視カメラの役割はいじめや不法行為の監視だけには留まりません。」

 

 話が進むにつれ、星之宮の表情に真剣みが増していく。その抑揚を付けた話し方、いつもとは違う少し挑発的な態度に、Bクラスは星之宮知恵という教師への印象・評価を修正しなければならなくなった。

 そう、いかに優しくて付き合いやすい教師でも、実力者が集められる学校においては、教師においても実力者が集められるのだ、と。

 

 「先生、そうするとcpを増やすことは出来るのでしょうか。」

 

 いつもの人好きのする表情とは違い、鋭さを増した雰囲気で柴田が尋ねる。

 

 「可能です。但し、現時点でその方法の詳細は教えることは出来ません。いま言えるのは、この学校は様々な機会で生徒の実力を測り、cpに反映するということです。また、個人で優秀な成績を収めた者には、プライベートポイント(以下、pp)が支給されることがあります。そして、先ほど柴田君から質問のあったcpを増やす機会ですが、今月、皆さんの実力を図る最初の重要なものがあります。」

 

 そういうと、2枚目のプリントを黒板に掲示した。

 

 「これは、先日の小テストの結果です。平均的には優秀ですが、この学校では1教科でも中間考査、期末考査で赤点を取ると退学になります。そして今月、最初の定期考査、中間テストが実施されます。もちろん、赤点を取れば退学です。」

 

 退学という強い言葉にクラスの喧騒が大きくなるが、一之瀬が勇気を振り絞った様子で尋ねる。

 

 「先生、赤点の基準を教えてください。」

 

 「はい、平均点の半分が赤点となります。今回のテストで赤点ラインだった人、ギリギリだった人は少し危機感を持たなきゃいけないかもね?」

 

 いつものBクラスとはかけはなれた重苦しい雰囲気が教室を支配する。

 

 「最後に、重要なお知らせです。この学校の謳い文句に『希望する先の進学率、就職率100%』というものがありますが、これはAクラスで卒業する生徒にのみ適用されます。従い、これらを目指す人はcpを獲得し、現Aクラスを上回らなければなりません。」

 

 「卑怯な!聞いていないぞ!」

 

 たまらなくなったのか、誰かがそんな声を上げた。

 

 「卑怯?聞いていない?君は知らなければ法律を守らなくてもいいと考えているのかな?そもそも授業態度が主な原因でcpが減点された、このことは事実よ。これが無ければ今頃君たちはAクラスだったかもしれない。君たちは小学校や中学校でどんなことを学んだのかな?授業中にしゃべってはいけない、携帯を触ってはいけない、小中学校で学んだことを義務教育でもない高等教育で学びたいのかしら?」

 

 冷たい微笑を顔に張り付けながら星之宮がまくしたてる。いつもの陽気な親しみやすい笑顔との落差に、質問した生徒だけでは無く、他の生徒も恐怖を感じはじめている。

 

 だが、そんな空気を察したのか、それまでの表情を一変させ、いつもの表情で星之宮はクラスに語り掛けた。

 

 「先ほども言った通り、このクラスには優秀な生徒が多く配属されています。私は、このクラスが誰も欠けることなくこの中間試験を乗り越えることが出来ると確信しています♪」

 

 そう言うと、嵐の後の静けさだけを置いて、みんなの“明るくフレンドリーな”養護教諭は去って行った。

 

 

 

 その後、一之瀬が「クラス委員長」に就任し、いくつかのクラス内“役職”がBクラスの中で定められた。そして、基本的にはAクラスを目指すことが決められたが、一部の人間は興味なさげな表情で視線を向けたり向けなかったりしている。

 

 

 そして、ここまでのやり取りを、輝は神妙な表情で聞いていた。幾つかの遅刻や居眠りに心当たりがあったし、小テストでは総合29位であったからだ。

 

 

 

 その日の放課後、部活に顔を出した輝はまず柴田に謝った。

 

 「すまない、cpが減らされた要因に自分が関わっていることは認識している…。監視カメラには気づきもしなかった…」

 

 「気にしすぎることないよ!最初から説明されていたらそんなことしなかっただろうし、これからcpを増やす機会もあるんだからいくらでも挽回できるよ!」

 

 

 輝は柴田という友人に巡り合えた幸運を感謝した。

 

 「ありがとう。そういってもらえると助かる。あと図々しくて申し訳ないが、小テストの結果があまり良くなかった。勉強を教えてもらえると助かる。」

 

 「もちろんだとも。けど僕も人に教えられるほど良い結果じゃなかった。幸いなことに一之瀬さんや神崎君が勉強会の開催を考えてるみたいだし、輝が参加してくれるなら一之瀬さんたちも歓迎してくれるよ!もちろん僕も参加する予定!」

 

 

 

 

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<乱数生成イベント>

・図書室での中間テストに向けた勉強会

 1d100ダイスロール結果及び学力、潜在能力により結果判定。

潜在能力係数:B+(×1.4)

 大成功>80≧成功>60≧通常>40≧失敗>20≧大失敗>0

 

 ダイス結果:64

 判定:(64+57)/2*1.4=84.7>80 (大成功) 

 大成功ボーナス:学力が3上がった! 知性が2上がった! 協調性が1上がった!

 ※成功の場合は学力+2、知性+1、普通の場合は学力+1

 

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 輝は元々勉強が嫌いではない。むしろ地頭は良い方だが、その分の熱量をサッカーに向けていただけだ。

 

 勉強会で輝の講師役をすることになった神崎はそのような感想を持った。小テストの結果も基本的な部分は抑えることが出来ている。平均よりも下の結果であったが、本人から申告されたのは凡そ応用問題や苦手な理数分野に偏っており、その他の分野においてはそこそこに解けているようだ。勉強会を始めてからまだそれほど日は経っていないが、基本的には女子の参加者の方を見ている一之瀬も似たような感想を持ったようだ。

 

 「うにゃ?小澤君、そんなに悪くないんじゃない?というか数日でここまで出来るようになるなら今までは一体…」

 

 「そうだな、きっと“手を動かすより体を動かした方が楽しい!”が小学校から中学校にかけて直されなかったのだろう。根が真面目だから基本部分は抑えられているし、理解も早い。一度理解できれば応用問題もそれなりに解けるようになるだろう。」

 

 「冷静に分析されると恥ずかしいな…」

 

 神崎、一之瀬というBクラスでもトップクラスの成績の2人に目をかけてもらい、柴田のアシストを受け、退学というペナルティもあって緊張感をもって勉強に取り組むことが出来ている。

 Bクラスにおいてこれほど真剣に取り組むことが出来る立場は無いだろう。男女問わず人気者、信頼の篤い2人がずっと付きっきりということは無いが、この成功体験は大きい。この勉強会は輝にとって大きな成功と言えた。

 

 「まず、どの科目においても赤点を取ることは無いだろう。ただcpを増やすという観点では、成績はどれだけ良くともいい。平均点が多少上がって赤点ラインも上がってしまうが、下の方のやつらも伸びてくることを考えると、やはり継続していくことが重要、だな。」

 

 神崎から今後の方針について示され、輝も同意した。

 

 「そうだな、ありがとう。それから、減点の件はすまない。授業態度も改めたし、今後挽回していくということで許してくれ。」

 

 「ああ。今後、お前の身体能力を生かす機会もあるだろう。頼りにしている。」

 

 「え?そんな試験があるのか?」

 

 「ああ。おそらく星之宮先生の言う“様々な実力”には身体能力にも言及があった。とすると、身体能力を図るイベント、学校で言えば体育祭のようなものが試験として想定できる。」

 

 「そうなのか。さすがだな、神崎は。よく頭が回る。」

 

 「はっ、俺たちは“比較的”お利口だそうだからな。学校の期待にはある程度応えてやるさ。」

 

 神崎は若干ひねくれた口調で輝に対しそう答える。しかし輝はどことなく楽しそうな神崎の様子に頼もしさをおぼえるのであった。

 

 

 

※()内は今話での変動

学力 :60(+3)

知性 :45(+2)

判断力:71(±0)

身体能力:81(±0)

協調性:60(+1)

総合 63.4(+1.2)Cランク ※倍率×1.0

 




Aクラスは「言わなくても出来る」
Bクラスは「打てば響く」
Cクラスは「やれば出来るかもしれない」
Dクラスは「一芸に秀でた欠陥品」
という印象です。
皆さんはどんなタイプでしょうか?
私は星之宮先生を曇らせたいタイプです。

次回はようやく主人公との出会いがあります。
が、たぶん週末まで更新出来ません。

この作品でヒロインは誰にする?

  • 一之瀬帆波
  • 白波千尋
  • 網倉真子
  • 姫野ユキ
  • 南方こずえ
  • 安藤紗代
  • 二宮唯
  • 坂柳有栖
  • 神室真澄
  • 椎名ひより
  • 伊吹澪
  • 堀北鈴音
  • 櫛田桔梗
  • 軽井沢恵
  • 星之宮知恵
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