FE風化雪月 秩序の守護者と名も無き英雄 作:ストームライダー
かなり誤字があると思います。教えていただけると嬉しいです。
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「おい、アレン。ベレスを見たか?」
ルミール村入口付近で部隊に支持を出しているアレンに、ジェラルトはやや焦った声色で話しかける。
いつも通りの生活であればジェラルト傭兵団の団員で起きているのはアレンのみである、まだ太陽すら出ていない早朝の時間帯、そんな時間で人がベレスがいないとなれば考えられることは1つである。
「まだ眠っていると思いますよ。ベレスさんは昨日の仕事で疲れてましたし、昨日の団長の支持を聞いていなかったのかもしれませんね。」
アレンはジェラルトの方に向き直すことはせず、まだ頭が覚醒しきっていない団員に向けて支持を出しながら答える。その方向を見ていなくともジェラルトが溜息をついているのが分かったアレンは、全ての支持を団員に出すと同時にジェラルトへと向き直した。
「僕が様子を見に行きましょうか?団長の命令は全て終わりましたから。」
「いや・・・大丈夫だ、アレン。お前はこのまま部隊の様子を見ていろ。この辺には最近山賊が出ると聞く・・・油断するな。俺がベレスの様子を見てくる間、部隊を任せる。」
「了解しました。」
新たな指示を出し終わると、ジェラルトはベレスの休んでいる天幕へと向かう。
部隊の待機しているこの場所は決して視界が良い場所ではなく、寧ろ視界は悪い部類である。目に見える範囲で人の身長並みに伸びきった草が作る茂み、視界を遮る村民の家が障害物としてある。
「統率の取れた山賊だったら、今奇襲されたら被害は小さくないだろうな・・・。」
ジュラルトがベレスの天幕へと向かって5分程経過した。傭兵団の団員はようやく頭が覚醒し始めたようで、団員同士の会話が聞こえてくるようになる。
こんな緩み始めたのか引き締まり始めたのか判断の難しいこの状況で、アレンは1人何も起こらないことを祈るばかりである。
だがそんな祈りをしている時に限って事件は決まって起こるのである。
ルミール村入口正面の茂みから、綺麗な服装に身を包んだ少年、少女が現れる。明らかに場違いな姿に山賊ではないことは一目瞭然ではあったが、そんな貴族のような姿をした人間がこんな早朝に現れるのもまた、異質である。
「止まれ。・・・誰だ君たち。」
警戒心を隠す気もなく声色に込めるアレンの一言で、その3人の内、青い装束を纏った金髪の少年は自分へ向かってくるとアレンに向かって頭を下げる。
「突然申し訳ありません。私達、盗賊団に追われているんです。どうか力を貸していただけませんか?」
その青色の装束を纏った少年の後に続き、黄色の装束を纏った少年と赤色の所属を纏った少女が続いてくる。
恐れていた奇襲と言う形ではないものの、やはり事件が起こったことにアレンは心の中で溜息をつくと近くに居た2人の団員の内1人に、ジェラルトを呼ぶように指示を出し、もう1人に戦闘態勢を取るよう団員に伝えるように指示を出す。
「少し待ってほしい。団長の支持を確認するから。」
アレンがそう言うと黄色の装束を纏った少年は呆れたような顔をしながら、口を開く。
「おいおい・・・こんなことしてる間に山賊が来たらどうするつもりなんだ?」
「それは心配はいらないよ。盗賊団が君たち3人のすぐ後ろまで迫っているなら、ここよりもさらに視界の悪い道中で襲ったはずさ。それに戦闘態勢は取るように指示を出してあるから、心配しなくても大丈夫だよ。」
「おっと・・・これは一本取られたな。」
このやり取りをしている間にジェラルトとベレスがこちらに向かって走ってくる。それを確認したアレンは自身の体を一歩後ろに下げると、ジェラルトは先程までアレンの立っていた場所へと立ち、口を開く。
「こんな時間にガキどもが何の用だ?」
すると、今度は赤い装束を纏った少女がその問に答える。
「盗賊団に野営中襲撃されたのです。」
その後、続く形で黄色の装束を纏った少年も話し始める。
「上手いこと、仲間と分断され、金どころか命まで取られるところでしたよ。」
「その割に随分呑気な・・・」
アレンが静かにそう呟くと同時に戦闘態勢をとるように指示を出した団員が戻ってくると、慌てた声色で叫び出す。
「盗賊団が来た、かなりの数です、団長。」
「分かった。ガキどもともかく・・・この村を見捨てるわけにはいかねぇ。行くぞ、ベレス。」
ジェラルトの言葉にベレスは無言で頷く。それを確認すると、ジェラルトはアレンへと向き直り
「俺達2人でガキども守りながら戦う。お前はその間、部隊を率いて本体を頼む。」
「了解。」
ジェラルト傭兵団本体を率いているアレンはルミール村へ続く一本道で待ち伏せをし、盗賊団が来ると同時に奇襲を開始した。圧倒的に有利な状況で戦っていることもあるものの、盗賊団の連帯力と統率力は低く、直ぐに戦意が喪失した様子だった。
戦闘が始まってからは、案外呆気ない戦いであった。的確なアレンの支持の元、団員達は的確に盗賊団を潰していく。ある程度の人数が倒された盗賊団員はすぐに撤退を始めていく。
「手ごたえがないな・・・。こちらには指揮官がいないのかな・・・。こちらは大方片付いたね、団長達の援護に向かおう。」
団員達に支持を出し、ジェラルトとベレスの戦うルミール村へと向かわせる。自分が最後尾で殿を務めるアレンは道中の傭兵団の負傷者の確認作業も同時に行う。
戦闘を行ったルミール村へ続く一本道は林と森の中間のような地形である。よって暗く視界が悪くても、動く生物がいれば物音がし、直ぐに気づき、気づかれる環境だった。
そんな環境下で気配を寧ろ悟らせようとしているように荒々しい進撃を行う小隊の気配をアレンは後ろから感じる。あの統率力の低かった盗賊団でさえ、そんな愚かな行動はしなかった。
「違う部隊だね・・・。次は何だ・・・。」
そう言って振り返ると、もう既にアレンからは小隊の姿が、小隊からはアレンの姿が確認できる距離となっていた。
小隊の人数は5。1人が槍、2人が剣、1人が弓、そして隊長らしきオールバックの中年は斧を装備している。全身に白い鎧を纏った兵士達があの少年達の味方であることは直ぐに分かった。
その兵士達はセイロス騎士団であった。
「待ってください。今内の傭兵団で少年た・・」
そこまで言いかけた時には、剣を装備した2人の兵士はアレンに向かって突進を開始しており、同時に剣を振り上げていた。
その剣士2人の猛攻をアレンは避け続け、また一歩アレンに近づこうと剣士が足を踏み出したタイミングでアレンはそれよりも早く踏み込み距離を詰める。まだ地面に足をつけられていない体制が崩れた剣士の頭を掴むと、そのまま地面に体ごと叩きつける。その衝撃で兵士が気絶したことを確認するよりも早く、何が起きたか整理の付いていないもう一人の剣士の腕を掴み、右横に生えている木に向かって背負い投げるように投げ飛ばした。
鈍い音と共に一瞬で2人が戦闘不能になった。
今度はアレンがセイロス騎士団へと攻撃を開始した。獣が襲い掛かるように、まだ弓を構え切れていない弓兵まで突進し、その両腕を掴み自身へ近づけ、その突進の威力と合わさった蹴りを腹へと命中さえる。呻き声をあげながら倒れる弓兵に目もくれず、アレンは槍兵へと向かう。
悪魔のような攻撃で次々と倒れていく仲間を見て恐怖に支配された槍兵は体を強張らせ、全く動けずにいた。
「せぇぇぇや。」
突進しているアレンと槍兵の間に斧兵は大声を上げながら地面に斧を叩きつける。
その斧兵は優しそうな風貌から鬼の形相へと変わりアレンを睨みつける。
「貴殿、何者だ?ここまで腕の良い盗賊など聞いたことがない」
「先に攻撃してきたのはそちらです。それに私は盗賊ではありません。ジェラルト傭兵団所属のアレン。恐らく貴方方が探している少年2人と少女1人を保護しています。」
「何?本当か!?」
「はい。貴方方の目的の山賊は先ほど、私達の方で討伐させていただきました。その証拠に貴方方が来た道には盗賊団の死体が転がっていたはずです。」
その言葉を聞くと、斧兵は構えていた斧を下ろし、強張っていた槍兵は地面に座り込む。それを確認し、アレンも装備している籠手を外して頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。貴方方騎士団に重症を負わせてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。よろしければ傭兵団の方で治療させていただけませんか?内には腕の良い白魔導士がおりますので。」
「こちらこそ、済まなかったな。話を聞く前に襲い掛かったのはこちらだ。責任はこちらにある。貴殿に非はない。申し遅れた、私はセイロス騎士団のアロイスだ。それより貴殿、先程からジェラルトと申しておるのか?」
頭を下げながら言ったアロイスだったが、後半からは好奇心を隠せない様子でアレンにそう伺った。
そんなアロイスの様子に戸惑いながらも
「ええ、そのルミール村にいらっしゃいます。お連れしますよ。あの3人もそこにいるでしょう。」