黒崎凪は不純物である 作:三世
「凪よ、そなたは何故一護のことを慕っている」
大虚が現れてからまた数日がたった頃、ルキアさんはこんな事を聞いてきた。
「……いきなりどうしたの?」
「いいから答えてくれ」
ルキアさんは、まるで急いでいるかのように話す。
「……私の事を護ってくれるから」
「……!」
「本当は私が護ってあげたいんだけどね」
脳裏には、おにぃが死神になった日の光景が現れる。
「そうか……」
「何かあったの?」
「……いや、少し気になっただけだ」
何かあったようだ
「ルキアさんにはさ、兄弟とかいないの?」
いやまあ知ってるんだけど
「……兄様が居る……義兄だがな」
「仲は良いの?」
我ながら酷い質問だと思う。けれど気になるのだ、ルキアさんはどうしたいのかが
「余り良くは無い……のだと思う」
「けどルキアさんはそのお兄さんのこと好きなんでしょ?」
「……そうだな」
「だったら大丈夫だよ! そのお兄さんもルキアさんのこと大好きだろうから!」
ルキアさんは驚いた様な顔をして、嬉しそうにはにかんだ。
「……そう、だな!」
「そうだよ! ルキアさんが大好きになる様なお兄さんなら絶対にルキアさんのこと大好きだろうし!」
実際、油断していたと思う。大虚を追っ払ってそんなに直ぐに来るなんて思っていなかったし、何ならあと1週間くらいは来ないとさえ思っていた。
まあ、何を言いたいのかと言うと
それから直ぐに、ルキアさんは消えた。
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「……喜助さん」
「分かってますよ……彼には一度、敗北を知って貰わなくてはいけない」
助けに行けない歯痒さを何とか抑えながら、おにぃの治療のための準備をする。
「護るために手に入れた力なのに……全然役に立たない」
「……すみません、ボク達の事情で貴方を利用しちゃって」
「別に愚痴ってるわけじゃないよ、ただ少し寂しくてさ……」
護られてばかりと言うのも、少し辛いものがあるんだ。
「……先に行ってるね、後はよろしく」
「分かりました……気をつけてくださいよ、
小さく返事をして、おにぃの倒れているであろう場所へと向かう。
「……何でこう、上手くいかないんだろ」
分かっている、何故こんな事になったのか
……分かっている、何故こんな事をしなくては行けないのか
……分かっている、こんな事してもおにぃは喜ばないって
「……馬鹿だなあ……私って」
結局は自己満足なんだろう
「……けど」
後戻りは出来ない
「……ごめんね」
私の我儘で、この人を傷つけたくない
「馬鹿だなあ……私も、君も」
自己犠牲が過ぎるんだ、キミは
血溜まりが見える、その中で倒れているおにぃが見える。
「……ダメだなあ、少年」
家族を護ると言ったキミの姿を思い出す
ごめんなさい、お兄ちゃん
私は貴方の大事なものを傷つけます