黒崎凪は不純物である 作:三世
凪の話ばっか書いて全然進まねえ…()
真っ黒に染まった空間に、少女の啜り泣く音だけが虚しく響く。
長い時間を過ごした仲間も、場所も、記憶さえもが闇の中に消え、少女は自身が何者なのかすら忘れかけていた。
「……どうして、会えないの……」
彼女が会いたいと願うその人物は、もうその少女の事は微塵も覚えていないだろう。
「……どうして、連れて行ってくれなかったの……」
靄がかかったかのように薄れてしまった記憶に、ほんの少しだけ残っている
「……答えてよ、██」
もう少女の真の名を呼ぶことは出来ない、棄てられた名を取り戻せるのは本人だけなのだから。
「……たすけてよ、“凪”」
もう
「…………淋しいよ……」
それを和らげてくれた存在は、少女自身が消し去ってしまった。
自業自得である事は、既に理解している。
これが自身に対する罰だということは分かっている。
けれど、だからこそ
「…………わかん……ないよ」
それを理解してしまえば自分を許せなくなってしまう事を、少女は理解してしまっていたのだ。
██████████████████████
「……っ!!!」
起きた瞬間、理解してしまった。
自分の中から
「……黒に、会いましたか」
捩月が、起きていることを。
「……あの子達は、何者なの?」
「……それは、私には答えかねます」
目を伏せ、唇を強く噛んでいる。私と同じく、それだけに黒さんが消えたのが堪えるのだろう。
「私からは、あの二人について話すことは出来ません」
「……どうして?」
こういう時には、私の言うことを聞いてくれた筈なのに
「……約束、だからです」
「……そっか」
短く答え、捩月の体を私の腕の中に引き寄せる。
「……ごめんね、私のせいで」
「……っ違います!! 貴方は何も……っ!!」
「いいんだよ、そんな気がするんだ」
さっき黒さんと会った時、白髪のあの子を見た時、何処か懐かしさを感じた。
どちらの顔も雰囲気も、記憶にはないはずなのにだ。
「とにかく今は、戦いに備えなきゃ」
「……はい」
私が寝ている間に、おにぃはルキアさんを助けに行ったみたいだ。
「……後一時間くらいかな」
処刑が早まるのは折り込み済みだ。
「小賢しいことしやがって」
それならこっちも小細工で応えてやるよ、クソ野郎が
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「……ッ!!」
膝をつき、円形に凹んだクレーターの中で荒い息を吐く一護。そしてそれと対照的に、クレーターの外側から一護を見下ろす朽木白哉。どちらが優勢かなどは見ればわかるだろう。
だが、霊圧はそうとも限らない
「……なぜここまで追い込まれていながらそれだけの霊圧が出せる、黒崎一護」
霊圧の高さだけで言えば、一護と白哉は同列に立っていると言えるだろう。
「……さあ……っ! 何でだろうな……!!」
ついた膝を上げ、斬月の鋒を白夜に向けかざす。
「……今思えば、相手は卍解してんのに俺がこのままでまともに戦えるわけがなかったんだ」
「……言葉に気をつけろよ、その言い方では兄が既に卍解に至っている様に聞こえるぞ」
片手で持っていた斬月の柄を両手で握り直し、再び白哉に向け意識を向け直す。
「そう言ってんだよ」
突如、一護を中心に霊圧の渦が巻き起こる。
「……まさかッ!」
「そのまさかだ!! 朽木白哉!!!」
……卍解とは、斬魄刀戦術の最終奥義であり、そこに至った隊士は未来永劫尸魂界の歴史に名を刻まれる。
それだけに習得には基本100年ほどの月日が掛かり、その戦闘力の推移は
「 卍 解 ッ!!」