黒崎凪は不純物である 作:三世
1話と2話書くためにBLEACHの1話読んできたんですけど、ギャグキレッキレですね、卓袱台の下りとか
BLEACHの疾走感のあるギャグ本当に好きなんでどんどん出したい今日この頃
「……そうか」
卓袱台を挟んで座る制服姿の男女と侍衣装の少女、絵面は宛ら気狂いした昭和ドラマだろう。
「つまりあんたは死神で、その『ソウル・ソサエティ』とかいう所からはるばる悪霊退治に来たって訳か」
先程少女の話した内容を要約し反復するおにぃ、腕を組み胡座をかく姿は中々様になる。
「よし! 信じよう!」
信じちゃったよ、どうしよう……これじゃうちの兄どっかで詐欺に引っかかっちゃうかも。
「……って信じられるかボケェ!!」
「うおッ!?」
見事なノリツッコミ、からの綺麗な卓袱台返しだ。芸人にでもなったらいいんじゃなかろうか。
……それにしてもソウル・ソサエティ、ねぇ
喜助さんの見せてくれた漢字だと、尸魂界と書いただろうか。
喜助さんの件を知っている私からすれば、あまり良い印象は抱けない。何しろあのヨン様のいる場所だ、警戒するくらいが丁度いいような気もする。
「いててててぇッ!! 」
と、考え事をしているとおにぃが鬼道で縛り付けられているのが横目に見える。
「フフ……動けまい! こいつは『鬼道』と言ってな、死神にしか使えぬ高尚な呪術だ!」
高尚……高尚なのか、まあ本職の方がそう言ってるならそうなんだろう、夢ではみんなポンポン使ってたけど
「わあ、おにぃ女の子に組み伏せられてるじゃん」
携帯電話を取り出し写真を撮ると、死神は写らないためそういうプレイをしているようにしか見えない。
「おい凪! 写真撮るな!」
「少し見せてくれ……成程これは、フフッ……無様なものだな」
「てめぇ何笑ってんだ! 良いから消しやがれ!」
ケラケラと笑う私をよそに、死神の少女はおにぃの背後に目を向ける。
「……貴様、憑かれやすい体質か」
「あ? なんでそんなこと……! なんで刀抜いて……ちょっ……」
トンッと、刀の柄を幽霊の額へと優しく押し付ける。
「……い……嫌です、私は……地獄へはまだ行きたくない……!」
「臆するな、お主の向かう先は地獄では無い、尸魂界だ」
刀の柄を額から離すと印が見え、床からは光が溢れた。
「地獄と違って、気安い所ぞ」
そう言うと、幽霊は光の中へと消えていった。
「……あれって、成仏したの?」
それとなしに聞いてみる、魂葬に関しては私もよく知らないのだ。
「『魂葬』と言う、貴様らの言葉で言うとそうなるな」
やはりか、虚だけを狩っているから魂葬はしたことが無かったのだが
「尸魂界へと
「プラス?」
縛れれたままのおにぃがそう聞く
「そうか、知らんのだったな……良いだろう、私は寛大だからな、貴様のような餓鬼にも優しく教えてやろう」
あ、これ長くなるやつだ
「……長くなりそうだから私は下降りてるね」
「あっおい凪!」
ガチャ、とドアの閉まる音が廊下に響く。
時刻は午後9時、恐らくそろそろ虚が来る。
夢では家族全員が怪我してたっけ……なら絶対に護らないと。
音もなく階段を下りる、虚の気配はまだ遠い。
「お父さん、アイス買ってきて欲しいんだけど」
「な、凪ちゃん……こんな夜中にか?」
「さっき私にドロップキッ「あー! わかったわかった! お父さんなんでも買ってきちゃう!」」
情けない声を上げながら玄関へと走る父の背が見える。
「夏梨と遊子も、今ならお父さんなんでも買ってきてくれるだろうから一緒に行ってきな」
「凪姉は行かないの?」
「私が行ったら罰じゃないし」
「罰……? まあいいや、じゃあ行ってきます」
「ん、いってらっしゃい」
何故か目尻に涙が浮かぶ、大丈夫だ、私は多分死なない……多分!
車のエンジン音が去っていったのを確認し、同時に虚の叫び声が耳を劈く。
「さて、ちゃっちゃと死神になってよ……おにぃ!」
凄まじい音を立てて壁が崩れる、ドアから入れよおたんこなすが。
「GYUAAAAAAAAAAAA!!!」
体を掴まれると、初めて虚と戦った日を思い出す。あの日もこんな人型のヤツだったっけ。
階段を急いで下りる音が後ろから聞こえる。おにぃだ
うーんここは何か怯えた表情した方がいいのかな? ……ヨシ!! (指差し確認)
「……おにぃ……!」
▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
結果から言うと、成功である。
死神の少女……ルキアさんは死神の力を無くし、おにぃは死神の力を手に入れた。
おにぃのためだけに死んで行った魚頭さんには涙を禁じ得ない、黙祷
「凪ッ!!」
地面に叩き付けられた私を抱え込むおにぃ、怪我をしてないか見ているけど、まぁ雑に回道で回復させといたし、なるようになんでしょ
「おにぃ……?」
「凪ッ! 大丈夫か!?」
「あはは、おにぃの声ちょっと頭に響くかも」
静かに、申し訳なさそうな顔でルキアさんが此方へ近づいてくる。
「……本来なら記憶の改竄をするのだが、貴様も死神が見えるのだったな」
「うん、邪魔になるならそのくらい大丈夫だけど」
というかむしろ、殆どは私が仕組んだ様なものなのだからあまり申し訳ない様な顔をしないで欲しい、その顔は私に効く。
「いや、貴様には共犯者になってもらおう」
まて、思ってた展開と違うぞ、なんでこんなことになってんだ。
「……共犯者?」
「そうだ、貴様らにはこれから……」
言葉を列ねようとしたその時、車の音が道路の方から聞こえてくる。
「やばい、お父さん達帰ってきた……朽木さん! 話はまた明日!」
「おい……! ちょっと待て……」
続く言葉を聞かずに家の中へと入る。
これ以上は流石に行動が制限されてしまう、共犯者になんてなってたまるか。
「おい凪、この壁親父にどう説明すんだ?」
……トラックが突っ込んできたとか言えばいいんじゃない?