黒崎凪は不純物である   作:三世

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大分無理やり捩じ込んじゃいました…ごめんなさい…



6 黒崎凪は復讐する

 

「あ、ごめんルキアさん、私とおにぃ明日死神の仕事できない」

 

「なっ!? 馬鹿を言うな! 個人的な理由で虚の退治を疎かにしていては……!」

 

 まあ、そう言うと思っていた……と言うか正直ルキアさんは正論しか言っていない……が

 

「ごめんなさい、明日は本当に無理だから」

 

「なっ……!」

 

 明日は、母の命日なのだから

 

 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△

 

 

 拝啓お母さん、お久しぶりです。そちらでは元気ですか? 

 私は……

 

「さあ今年も始まりました! 黒崎家恒例墓石倒し!! 先発は一護からァ!!」

 

「ちょっとお父さん! うるさいからやめて!」

 

 ……髭がうるさくてそうでもありません

 

「……お父さん」

 

「あ? なんだ凪ちゃおプッ!!」

 

 ドロップキック、前された物の5倍くらいの威力だ、死ぬがよい

 

「前のお返しね」

 

「……あれまだキレてたんだな」

 

 おにぃが隣から話しかけてくる。

 

「当然、あ、おにぃのは怒ってないからね?」

 

「お……おう、あれを見たあとだとありがてえな……」

 

 おにぃの視線は、坂道を転がっていくお父さんの方へと向く。

 

「まあ自業自得だし……あれ? 遊子と夏梨は?」

 

「ん……そういやいねぇな」

 

 先程夏梨が泣いている遊子のことを慰めていたのを見たが、いつの間にか居なくなっている。

 

「俺が探してくるよ、お前は親父を頼む」

 

「OK、顔ボッコボコにしてくるわ」

 

 おにぃが私とは反対の方向へ走っていくのを見届けた後、私はお父さんが転がって行った道を歩く。

 

「……もう6年か」

 

 私の罪から、もう6年……あの時河川敷にいた虚は、未だにこの町の何処かにいる。

 

「私が、殺すべきじゃないんだろうけど」

 

 殺したいのも確かだが……私にそんな資格は無い

 

「けど……」

 

 断言出来る。見つけたら直ぐに殺してしまう。

 

「……いた」

 

 坂を降りていくと泥だらけの服を着たお父さんが大の字で道の真ん中で寝ていた。

 

「……轢かれたいならロードローラーくらい手配してあげるけど」

 

「凪ちゃん、最近一護に似てきたな……」

 

「そう? 嬉しいな」

 

「別に褒めちゃいないんだが」

 

 実の父がそう言うのなら似ているのだろう

 

「……そういや一護達来ねぇな」

 

「私見てこよっか?」

 

「ああ、頼んだ」

 

 坂を登りながら一昨日のことを思い出す。

 

「……石田さんの口調だと、私と話した後っぽかったんだけど」

 

 だが現に私はあの人と会話はしていないはずだ

 

「単にあの人の頭がおかしいのか、それとも……」

 

 まるで、誰かと会話したあとのような

 

「……ま、いいや」

 

 とにかく今はおにぃ達を…………!? 

 

「……この……感じ……!」

 

 あの日と同じ霊圧だ、つまり

 

「グランドフィッシャー……!」

 

 私の、おにぃの仇が近くにいる

 

「ッ!!」

 

 駆け足で坂道を登る

 

「凪!」

 

「ルキアさん!!」

 

 上から駆け下りてくるルキアさんと合流し、目的地まで走る。やっと、やっとだ、6年探し続けた仇が、すぐ近くにいる

 

「……? ……凪?」

 

「何?」

 

「……いや、なんでもない」

 

 そして林を抜けた先、崖の近くでおにぃとあの日の虚が戦っているのが見える。

 

「おにぃ!!!」

 

「……凪!?」

 

「……! そいつは……グランドフィッシャー……!」

 

 おにぃが虚と距離を取り、こちらへゆっくり下がってくる。

 

「あの日の……!」

 

 私の目の先には、あの日見た少女が……姿形も変わらずにいるのが見える。

 

「……お前がお母さんをやったのか」

 

『なんじゃ、お前もわしの姿が見えるのか……カカカッ! 大量大量……ひい、ふう、みい……こりゃワシの腹におさまりきるかの!!』

 

「聞いてんだよジジィ……お母さんをやったのはテメェなのか!!!」

 

『ひひひっ!! 怖い怖い、気になるのならばそこの小童に聞いてみい、その間にワシが全員殺すがの! カカカカッ!!!』

 

「……凪、下がってろ」

 

「おにぃ……」

 

「頼む、コイツは俺だけでやらせてくれ」

 

「なっ! 馬鹿を言うな! 奴は強い! 50年以上は死神を退け「ルキアさん」」

 

 これはダメだ、こいつには、手を出しちゃダメなんだ。

 

「これは……おにぃの戦いなの」

 

「……!」

 

「だからお願い」

 

 ルキアさんは静かに俯き、おにぃの体のある場所へと走っていった。

 

「おにぃ」

 

 夏梨と遊子を担ぎながら声を掛ける

 

「分かってる」

 

 言葉は要らない、今はただ

 

 目の前の仇を、打ち破るだけ

 

 

 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

「ガッ!!!」

 

『残念だったな小僧!! お前にワシは殺せない!』

 

 おにぃは地面へと倒れ、グランドフィッシャーは勝ち誇ったように裂けた口角をあげる。

 

「クソッ……テメェなんかに……!」

 

『誇れ小僧!! お前はワシが会った死神の中でも特に厄介な相手じゃった!!』

 

「テメ……ェ……」

 

『じゃから……味わって喰ろうてやろう! ひひひひひっ!!』

 

 嗚呼本当に、この老いぼれは随分と私の癇に障ることを言ってくれる奴だ。

 

「……おにぃ」

 

「……なぎ……来るな……!」

 

『なんじゃ、最後の言葉でも交わすか?』

 

 ごめんなさい、おにぃ……私は今から、貴方の誇りを踏みにじる。

 

「お疲れ様、少し休んでていいよ……あとは、私が何とかするから」

 

「……やめろ……! なぎ……!」

 

「破道の一『(しょう)』」

 

 衝撃を受け、おにぃは意識を失う。義魂丸を飲み、凡そ数週間ぶりとなる死神の姿へと変わる。

 

「おにぃを坂の下まで運んで、もしおにぃが目を覚ましたらグランドフィッシャーは逃げたって言っといて」

 

「……了解しました」

 

 これで、心置きなく殺せる。

 

『なんじゃ、お前も死神なのか……ひひひっ! 今日は本当に運がいい! 死神を2人も食せるなんてのお!!』

 

 運がいい? 悪いだろ

 

「……グランドフィッシャー」

 

『あ?』

 

「私はおにぃみたいに優しくないよ」

 

『……言うね、餓鬼が』

 

 さて、その減らず口はいつまで開いたままなのか、殺して確かめようか。

 

「破道の三十一『赤火砲(しゃっかほう)』」

 

 まずはあの忌々しい撒き餌から潰さなくちゃ

 

『カカッ! 言うだけのことはあるみたいだねぇ!』

 

 グランドフィッシャーは上に高く跳び上がり赤火砲を避ける。馬鹿正直で大変助かる。

 

「縛道の九『 (げき)』」

 

『鈍いよ、小娘』

 

「ッ!」

 

 さっきの戦いを見ていても分かる。コイツは相当に速い

 

『カカカッ! 哀れ哀れ、無能な兄を持つと苦労するねぇ』

 

「あ?」

 

 ダメだ、乗せられたら相手の思うつぼだ。

 

『お前の兄は確かに強かったが……お前は弱いね! カカカッ! じわじわといたぶってあの小僧の前で嬲り殺しにしてやろう!』

 

「……殺す」

 

 ダメだ、加減出来ない、ごめんなさい喜助さん、約束破ります。

 

「後々命乞いとかすんなよ、老いぼれ」

 

『それはお前の方じゃろう! ひひひっ!』

 

 

 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

『貴様ァッ! 何をした!!!』

 

 地面に叩きつけられ、身動き1つも取れない状態で、グランドフィッシャーは叫んでいる。

 

「……こんなのにお母さんがやられたって思うと、哀しくなるね」

 

 コイツは弱い、本当だったらお母さんが負けるなんて絶対に考えられないくらいに

 

「……もう、お前の声を聞くのも疲れた」

 

『まっ……待』

 

 ザクンと、いとも簡単に、容易く首を落とし、目の前の虚は灰のようにサラサラと消えていった。

 

「……ごめんね、こんな物を斬るのに使っちゃって」

 

 復讐のためにこの子を振るうつもりなんて無かったのに、嫌われても仕方の無いことを、私はしてしまった。

 

「……帰るか」

 

 嫌にあっさりとした、さっぱりともしない復讐だった。

 

 ……けれど何でか、胸が軽くなった様な、そんな気がした。

 





戦闘描写書くの難しいよ…こんだけ短くても大分四苦八苦しちゃった…今後どうすんだこれ…
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