予定よりも遅れて申し訳ありません
艦これアニメⅡ終わりましたね。全8話は視ました
最後はよく分からなかったところはあるけど、海外艦が出てきたし、現代で艦娘達が生き生きしていたから良しです
ただ、強いているなら改三になったのならもう少し無双して欲しかったでしたね
現代エンドになったは多分、初期のコミカライズ作品の「いつか静かな海で」のコンセプト流用でしょうね
第16話 23世紀
瑞鶴は知らない場所にいた。よく分からない場所に。いや、本当によく分からない場所だ。何しろ、立派な都市が雷のような光線で破壊されている場所にいたのだから
雨どころか積乱雲がないのに大量の雷が降り注ぎ、建物を破壊している。爆発音や閃光で人々は悲鳴を上げながら逃げている
「何これ?」
瑞鶴は混乱し逃げている人に対して聞こうとしたが、雲をつかむかのように透けている。それどころか大量の人々がこちらに押し寄せてきているのに、ぶつからないどころかすり抜けている
(時雨が言っていた四次元空間)
瑞鶴は混乱しながら、以前から聞いていた時雨の体験談を思い出した。過去の映像を見せてくれる空間。音や光景は本当にその場にいるかのような感覚だと。残念ながら、これを経験したのは時雨だけなので、瑞鶴自身も半信半疑だった
だが、そんな半信半疑も空を見上げた瑞鶴は驚愕した
巨大な鳥が空を飛んでいる!?
いや、鳥ではない! 鳥にしては大きすぎる!
翼竜にしては可笑し過ぎる!
「ド、ドラゴン!?」
瑞鶴は目を見張った。空を飛んでいたのは金色に輝かせながら飛び回っているドラゴンだ! しかも、そのドラゴンも古代の人々が想像していた姿とは少し異なっていた
何と首が三つもある!
三つの首のドラゴンが都市の上空を飛翔し電撃を放って町を破壊している?
『……現在福岡市はキングギドラの攻撃を受けています。福岡市及び周辺地域に避難命令が出されています。市民のみなさんは速やかに非難してください』
ニュースらしきものが流れたので、瑞鶴は慌てて辺りを見渡した。音の発信源は電気量販店に展示されていたテレビだった。テレビにはアナウンサーが必死になって報じていた
『現在、福岡市はキングギドラの攻撃を受けています。これより──』
その時だった。近くで巨大な破壊音が響き渡った。映像とはいえ、もし本当にその場にいたら爆風で吹っ飛んでいただろう
「ひっ!」
瑞鶴が視界に入ったのは巨大な金色の二本足だった。瑞鶴は恐る恐る上を見上げた。後方に二本の尻尾、巨大な両翼、そして三つの首のドラゴン。ドラゴンは雷撃をこちらに向けて放った
「うわあぁぁぁ!」
「だ、大丈夫ですか、瑞鶴さん!」
瑞鶴は叫んだと思ったら上半身を起こしていた。知らない床から起き上がっていた。宮藤の近くに洗面器のような器に冷たい水が入っており、瑞鶴の膝の上に湿ったタオルがあったことから彼女が必死になって瑞鶴を看病していた
「あれ? 私は──」
「私たち、捕まったんです。今はガラス牢屋の中に」
「ガラス牢屋?」
宮藤が予想外の返答をした事で瑞鶴は辺りを見渡した。確かに自分達は天井床を覗けば四方はガラスだ。巨大な部屋にいるようだが、ここは何の部屋か分からない。周りには白衣を着た男女が奇妙な機械類を弄っている。働いている人は様々だ
白人、黒人、アジア人、アラブ人、……
そんな人々はこちらに目をくれずに作業をしている。ロボットのようなものが見慣れない銃を持って警備しているのを除いて
「私、確か変な機械につかまって感電したんだっけ」
「はい。瑞鶴さんを救助しようとしたら私も捕まってしまって。ストライカーユニットは没収されて変な機械をつけられたお陰で魔法が使えないです」
宮藤は両腕を瑞鶴に見せた。宮藤の両腕には奇妙な機械が取り付けられている。そのせいで魔法陣が出ないのだろう
「私の艤装も取られたのね? 私はどれくらい気を失っていたの?」
「時間は分かりませんが、2時間くらいです。変な場所に連れてこられて、こちらから声をかけても無視して……あ、でもタオルと水は寄こしてくれました」
宮藤は答えたが、状況は最悪だ。恐らく、捕虜扱いだろう
瑞鶴は立ち上がるとガラスの方へ向かった。まだ本調子ではなく、足がふらついていた
「瑞鶴さん、まだ寝ていては──」
「大丈夫よ。──ねぇ、聞いている? ここは何処なの!?」
瑞鶴はガラスを叩きながら白衣を着ている研究員に怒鳴った。防音ではないらしく、数人は作業を中断させて顔を見上げたが、興味ないのかすぐに作業を再開させた
「ちょっと! 少しは話を聞いて──」
「聞いているよ。そんなにガンガン叩いても割れないぞ」
瑞鶴は烈しくガラスを叩いたが、嫌な男の声が聞こえてきた。瑞鶴は声がする方へ体を向けると、そこには先ほど出会った男がいた
「あんた、ここから私たちを出して!」
「人にものを頼むときは丁寧に、と習わなかったかね。それに私の名前はシモンズだ」
男……シモンズはため息をつきながら言った
「質問に答えると、ここは厳重警備の研究施設。君たち2人はここで監視され検査される」
「検査?」
「君たちはそれぞれ別の異世界の住民だ。放射線を浴びているかも知れないし、我々の世界では治療できない病原体を運んでいるかも知れない」
男……シモンズは丁寧に説明をしていた
「でも、私たちの世界へ来たときは平気だったんですよ」
「それはたまたまだ。それか、検疫技術が未熟かそういう概念がないのか──」
「待って。我々の世界ってここは何処?」
宮藤は必死になって訴えていたが、シモンズはいなした。本当にこれが必要なのか不明だが、彼の話で瑞鶴は気になったことがあった。
さっき我々の世界って言っていなかった?
「そうだな。分かりやすく言えば『ゴジラが誕生した世界線』とでも言っておこう。西暦は2204年だ」
シモンズの説明で瑞鶴と宮藤は顔を見合わせた。ゴジラが誕生した世界? それに西暦2204年……23世紀? 平行世界で田村1尉がいた世界よりも遥かに未来の世界?
「貴方たちがゴジラを送った?」
「違う違う。だが、この件は極秘だ。君たちがどうなるかは上の判断だし、今は時空連続体の損傷を修復させるが最優先課題だ」
聞きなれない単語が出てきたため、瑞鶴も宮藤も理解は出来なかった
「いいかね? そこで大人しくしていてくれ。多元宇宙論を証明するために議論しているのではないのだよ。君たちが科学者や平行世界に詳しくない者ならお口をチャック」
シモンズは静かにするよう頼んだ
「そんな事は出来ません! ミーナ中佐や坂本さんはどうなったんですか?」
宮藤は抗議した。仲間がいない事で宮藤は不安になっていた。自分と同じく捕まっているのではないかと思ったのだ
「何が目的なの? その地球……環境整備会議の」
「地球均等環境会議だ」
「どっちでもいいわよ。そんな人たちが私たちを拉致するなんておかしいわ」
瑞鶴は苛立った。こんな事をしてまで拘束するのはどうかと思う。しかも何の説明もなく、拉致同然のことをされて納得する訳がない
「単刀直入で言うと、君たちは危険だ。特にツインテールのお嬢さんは。ゴジラの放射熱線を浴びているにも関わらず、平然と生きているどころか別の世界へ吹っ飛ばされたことに」
シモンズの指摘に瑞鶴はハッとした。今までゴジラが熱線を吐いていたが、どれも破壊している。少なくとも瑞鶴みたいな事例は起こっていない
だが、そんな事はどうでも良かった。この人たちは詳しく教えてくれないが、今回の件で何か知っている!
「済まないが、これ以上の会話は無意味だ。処遇は決まり次第、ペットと遊んでおいてくれ。おい、ドラット三匹を連れてガラス牢屋に放り込むんだ」
シモンズは部下に命じたが、周りにいた人が驚いた。まるで正気か? と驚いている学者もいる。部下らしきものが抗議してきた
「シモンズさん。あの二人とドラットの接触は危険です。何が起こるか分からない」
「例の放射線が検知されているから、接触したと同時に融合してキングギドラになるって言いたいのか? 構わない。アイツらは我々の世界にはない技術がある。この世界を侵略する計画もあるかもしれない」
話の内容が尋常ではなかったが、瑞鶴はある事に気づいた
キングギドラ?
「キングギドラって三つ首のドラゴンの事? 金色の鱗をして雷を口から吐く怪獣?」
瑞鶴が会話に無理やり入ったが、瑞鶴の言葉に周りで作業をしていた人たちは一斉に作業を止めこちらを見ていた。多数の視線が集まったため、瑞鶴は戸惑った
「知っているんですか?」
「ごめん。夢で見た事を口に出しただけだから」
宮藤が質問してきたため、瑞鶴は慌てて言った。ただの夢であると笑い胡麻化そうとしたが、残念ながら23世紀の人たちは通用しなかった
「シモンズさん。彼女は嘘を言っていません。噓発見器に反応していません」
「どうだっていい。別におかしくはない。既に我々の常識を超えた現象は起こっているのだから。作業は中止だ! この2人を審議にかける!」
シモンズが命じてから周りが慌ただしくなった。そして、部屋の隅で身動きすらしなかった4体のロボットが動き出し、こちらにやって来た
ロボットがガラス牢屋に近づくや否やガラス扉が開いた
「M10を破壊しないでくれ。全く最新のバトルスーツをスクラップにするなんて」
「エム10?」
「このアンドロイドだよ。本来なら人間と変わらない姿をしているが、予算の都合上、人工皮膚を提供してくれなくてね。お陰で旧式の量産モデルを支給する始末だ。まあ、そんなことはいい。さっさと来るんだ」
無機質で歩くアンドロイドに瑞鶴と宮藤は困惑した。しかし、従うしかないだろう
どう見ても素手で勝てる相手ではないさそうだ
「どうします?」
「脱出して見せる」
元の世界
「提督、『おおすみ』の修理が終わりました」
「そうか。なら、良かった」
大淀の報告を聞いた提督はうなずいた。今は突然現れた怪獣をどうするか悩んでいるところだ。見たこともない怪獣は近海にいるらしいが、どこにいるかは不明だ
恐らく海の底にはいるらしいが
だが、伊47達でも発見されないのを考えると速度は相当なものだろう。提督は艦橋で仕事をしていた。また現れた時に対処するためだ。行方不明になった瑞鶴を探す手掛かりがない
「はぁ。これだけの現象をどう片付けるか見当もつかないな」
提督はため息をついた時だ。無線から報告は入って来た。摩耶だ
『提督、雲に奇妙な事が起こった』
「艦橋から見ている。怪獣が現れたら退避しろ」
『違うんだ。対空電探に感度あるんだ。数は12。こちらに向かっている』
摩耶の報告に提督は椅子から立ち上がって双眼鏡から覗き込んだ。摩耶の言った通り、雲から奇妙なものが飛行している
『どうします、提督?』
「対空戦闘の準備しておけ」
敵かどうかは分からないが、例の雲から出てきたという事は良からぬことだろう
付近を航行していた空母組から盛んに艦載機を吐き出しているのが見える。
提督は艦橋から接近してくる飛行物体を双眼鏡で観察していた。人が空を飛んでいる? しかも銃器を手にして?
「なんだ、あれ?」
「さあ?」
大淀も首を傾げた。答えなんてあるわけがない。だが、提督は接近する複数の飛行物体の内、一つだけは見覚えがあった。いや、正確にはさんざん見たものだ。
「あれは零式観測機? 艦娘が持っているものじゃない。しかも煙を吐き出しているぞ?」
「海軍の偵察機? しかし、海軍からはそんな偵察行為は──」
「事情は後からだ。高度が下がっている。救助するぞ」
提督は甲板に向かった。何処の所属か分かるはずだ
一方、『おおすみ』の甲板や付近を航行していた艦娘達は大混乱した。例の雲から奇妙な飛行物体がきたため、対空戦闘の準備を行った。だが、零式観測機が付近に飛行していたため味方かどうか分からない。ただ、主翼と胴体に日の丸に似たようなものが描かれているため味方かどうか怪しいが
零式観測機や未確認飛行物体が初出現した時の高度は500メートルほどだったが、今は更に高度落としている
「あの零式観測機、こちらに向かってきていません?」
「それどころか、空飛ぶ人が零式観測機を支えているように見えるんですけど?」
「どっちでもいいが、まさか、『おおすみ』の甲板に不時着するんじゃないだろうな」
翔鶴と加賀は訝しげに空を見上げていたが、提督は零式観測機の進路が気になった。着水しようとしている感じではない。操縦が効かないのか? だが、接近してくる零式観測機を見た鳥海はある事に気づいた
「あの零式観測機、フロートが無い?」
鳥海の言う通り、接近する零式観測機の胴体下には巨大なフロートがあるはずだが、それがない。両翼の下にも小さなフロートがあるのだが、左翼しかついていない
煙も出ているため、被弾したのか、事故が起こったのかわからないが、その衝撃で採れたのだろう
「着水する能力は無いという事か。全く修理したばかりだというのに。長門、あの零式観測機を受け止めろ」
「ああ、分かった」
「「いや、分かったって……」」
長門と提督のやり取りを聞いていた那智と足柄は言った。だが、誰も冗談だと受け止めていない。零式観測機に乗っている人が仕切りに叫んでいるようだが、今は気にしている場合ではない
長門は甲板の中央に立つと、不時着しようとする零式観測機を両手で真正面から受け止めていたのだ。長門はエンジンの所を受け止めたため、プロペラに諸に当たったが、プロペラは長門に傷を付けられなかったどころかプロペラ自身が破損する始末だ
長門は数メートルも押されたが、不気味な音を立てて甲板を擦っていた零式観測機は止まった。零式観測機には2人乗っていたらしいが、二人とも予想外だったのかコクピット内で呆然としていた
艦娘達は零式観測機の周りに集まり艤装を構えていたが、零式観測機の周りにいた飛行物体(?)は零式観測機を護るようにしてこちらに武器を構えている
「少佐、変な集団に囲まれてしまいました」
「どうする? トゥルーデ?」
「私に聞くな。それよりも、ここは何処なんだ?」
相手側の内容は支離滅裂だが、話の内容からして海軍が寄こしたものではないらしい
一方、艦娘達も困惑した
「人が空を飛んでいる? どうなっているんだ?」
「頭から動物の耳が生えている?」
「あれは……パワードスーツかしら? Hey,ユー達はスーパーヒーロー?」
約一名(アイオワ)を除いて人が空を飛んでいる事に驚いているようだ。提督も駆け寄り、ホバリングしている人と零式観測機にいる搭乗員に向かって叫んだ
「待て待て待て、攻撃するな! なぜ、この艦に不時着した!? 空母でもないのに、無茶をしやがって」
「失礼した。雲に巻き込まれてしまって操縦不能に陥ったのだ」
零式観測機に乗っていたパイロットが立ち上がり、深々と頭を下げた。何故か飛行服を着ていなかったが。それに女性?
「何処の部隊の所属だ!? いや、何処から来た!?」
「それは……話せば長くなりますが」
深い緑色のコート式の軍服を着た赤毛の女性は困惑しながら言ったが、対装甲ライフルを持った少女は素っ頓狂な声を上げた
「あ、あの人。瑞鶴さんと同じ格好をしている」
「っ!? 瑞鶴を知っているのか?」
「瑞鶴は何処にいるんですか!?」
提督だけでなく翔鶴も驚いた。周りも驚き、騒めき始めた。正体不明の集団が瑞鶴を知っているとなると
「詳しく教えてくれないか。名前は──」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。第501統合戦闘航空団の隊長をしています」
双方は互いに敬礼をしていた。聞きたいことは山ほどあるが、今は彼女から事情を聴くのが先決だ
ハルトマン(まさか艦娘にもトゥルーデのような脳筋がいたなんて)
バルクホルン「何か言ったか、ハルトマン」
ハルトマン「サラッと心を読まないで!」
501JFW、艦これ世界入り