新年度ということもあって、遅れてすみません。
四月は思い通りになりにくいですね
そのためイベント攻略は甲で挑まない事に……
「情報を整理しよう」
『おおすみ』の艦長室には数人の人が集まっていた。机を挟んで両軍のトップが座っている。提督と大淀と時雨が座り、反対側に坂本美緒、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐、ゲルトルート・バルクホルン少佐が座っている
机の上にお茶が出ていたが、誰も飲んでいない
「第501統合戦闘航空団の諸君。ようこそ、と言いたいところだが、今は状況が状況なだけあって歓迎会や親睦会をする余裕はない」
提督は机の上に散りばめられていたメモ用紙を何度も見ながら言った。瑞鶴と遭遇してから、これまでの経緯を三人から聞いたからだ
「まずは瑞鶴を保護してくれてありがとうございます」
「はい。ですが……」
「瑞鶴を元の世界に戻そうと例の雲に送り届けようもしたところ、厄介な事に第三者の存在が瑞鶴とそちらの仲間の一人、宮藤芳佳曹長を誘拐したと」
「はい、そうです」
ミーナ中佐はテキパキと答えた。先ほどまで双方からの情報共有をし終えたのだ
因みに他の人達は別室で待機していた。というより、それしかなかった。軍に報告するにしても、向こうはそれどころではない
「そちらの兵器……ではないんですよね」
「少なくとも、その……バトルスーツとやらは私達にはないです」
バルクホルンは念を押すように聞いたが、大淀は否定した。いや、類似の兵器である超兵器はアメリカにはあったが、数ヶ月前のニューヨーク決戦で破壊されてしまった
「博士なら分かるかな? その……並行世界について」
「まあ、関わったことがあるからな。ただ、前回みたいに解決できるかどうか」
「こんな現象を関わったことがあるのか?」
時雨と提督が話しているのを聞いた坂本少佐は少し驚きながら質問した
「ああ、過去に2回あった。……悪いが親父を呼んでくれないか? 教授は後でいい」
「分かった」
時雨は部屋から出てきて数分後に博士を連れてきた
「──状況は分かった。例の雲は今は安定しておるから突入すれば帰れるかも知れぬ」
「本当ですか!」
ミーナ中佐は安堵した。これで帰れる!
「しかし、今入られると危険かも知れぬ」
「何故だ? 瑞鶴も501も無事通過しただろ?」
博士の忠告に提督は訝しげに聞いた
「例の雲なんじゃが……自然現象ではない。恐らく、人為的なものじゃ。その根拠は教授が未知の電波を2つ拾った。一つは解析出来なかったが、何かしらの信号だと言っておった。恐らく、遠隔操作の無線だと」
博士の説明に部屋の中は静まり返った
遠隔操作による信号???
「もう一つは?」
「無線通信だ。高度に暗号化されていて通信内容は分からなかったが、ターズのお陰で一文だけ解読できたと言っておる。『ウィルソン、エミー、応答しろ』と」
博士の説明でバルクホルンがハッとした
「あの男が一方的に聞いてきた名前だ」
バルクホルンが円盤型の飛行物体から現れた男が、この人を見かけなかったかを尋ねてきたことを思い出した
「 では、ミーナ中佐達が出会った人が今回の騒動を引き起こしたの?」
時雨は瑞鶴と宮藤を誘拐した男性と機械のようなものにさらわれた話を思い出しながら言った。尤も、時雨を始め他の艦娘や提督はそいつらに出会っていない
「ゴジラは奴らの手先として世界を攻撃しているとか?」
「それにしてはおかしくありません? 私たちの世界を侵略しているなら、なぜわざわざ回りくどい事をしないといけないのか?」
時雨は最悪な事を思い浮かべていたが、大淀の指摘には何も言えなかった。本当に例の男がゴジラという怪獣兵器を生み出して世界を侵略すると思っていたが、大淀の疑問には答えられそうになかった
「分からない事を考えても時間の無駄だ。話は変わるが、そちらに力を貸してくれないか? 実は奇妙な怪獣がうろついている。そいつを倒したら宮藤曹長の捜索も手伝う」
「しかし……」
「安心してください。こちらには天才科学者2人いますから。1人は私の父親で、もう1人はイカれた教授だ。だが、腕については私が保証する」
ミーナ中佐は悩んだ。そもそも、提督は501JFWの指揮官ではない。そんな人から頼まれても困るのが本音だ。しかし、宮藤を助けるためにはそれなりの情報と力は必要だ。501JFWは異形で不思議な力を持つネウロイと戦った事はあるが、奇妙な事象については専門外だ
「分かりました。本来なら総司令部とのコンタクトが必要ですが、今は非常事態なので構いません」
「感謝します」
提督と坂本少佐は握手した。異世界の軍人とはいえ、交渉は成功した
一同は食堂に向かった。そこに他の艦娘とシャーロット達がいるからである。会談している時に待機させるために使ったのである。衝突がなく仲良くして欲しいと願うばかりである。
「それで、どんな奴だ?」
「イグアナのようなデカイ生き物。光線は吐かないけど、時速400キロは走れるからなかなか当たらない」
「時速約400キロ?」
バルクホルンは一緒に退治して欲しい怪獣がどんなものか気になって聞いてきたが、巨大な怪獣が時速400キロも走るのを聞いて驚いた
「しかも知能があるのか勘が鋭いのか知らないが、砲弾やロケット弾をかわしながら逃げている。機関銃は効果なし」
「そうか……しかし、ここにはストライカーユニットを整備出来るとは思えな……い」
一同は食堂についたが、皆が目に入ったのは賑やかに騒いでいる艦娘とウィッチであった
まず、明石は故障していた服部のストライカーユニット『紫電二一型』を難なく治したようだ。服部は感謝や嬉しさで何度も頭を下げる姿に明石は苦笑いしていた
次に、アイオワとシャーロットが楽しく話しており、何故かアイオワはオレンジ色をした模型飛行機を持って話していた。その模型飛行機にプロペラはなく、台座には『ベルX-1*1』と明記していた
ペリーヌはコマンダン・テストと一緒に金剛とウォースパイトが入れた紅茶と一緒に飲んでいてお茶会が開かれていた
リネットは対装甲ライフルを暁などの駆逐艦娘達に見せて触らせたりしていた。エイラは扶桑山城相手に何故か占いをしており、結果を見せられた山城は暗い表情になっていた。嫌な結末を教えられたのだろう。サーニャと扶桑は落ち込む山城を宥めていた
「仲良くしてくれて良かった」
「ああ。ハルトマンとルッキーニは何処へ行った?」
バルクホルンは予想外の事に驚いたのだろう。しかし、いないウィッチがいたため確認をしたが、一人だけは居場所は分かった
「アンテナにウィッチがぶら下がっていて困るんですが」
「あー、ルッキーニはそこにいたか」
「高出力の電波が出せないです。瑞鶴や宮藤曹長を探せませんし、また強力な電磁波は身体に悪影響が」
「全く。──それでハルトマンは?」
宗谷からの連絡でバルクホルンは頭を悩ませていたが、ハルトマンが見当たらなかったため、辺りを見渡した
その中に真っ黒に焦げた人が淡い金髪で純白の軍服を着た艦娘を従えて近寄っていた。因みに真っ黒になった人物がハルトマンである
「ハルトマン? 何があった!?」
「あの奇妙な緑色の動物が火を吐いて酷い目にあったんだ!」
ハルトマンは何故か真っ黒になっていた。緑色の動物が何なのかはウィッチ達にも分からなったが、提督と時雨は分かっていた。チビゴジラだ
聞くところによるとチビゴジラが火を吹いてパンを焼いていたのをハルトマンは興味を持ったらしい。チビゴジラは艦娘に意外と人気だったため興味を引いたのだろう
火を吹くのを見たいと頼んだら、チビゴジラは火を吹いたがやり過ぎてしまいパンだけでなくハルトマン諸共、火を浴びてしまったらしい
普通なら火傷を負っているはずなのに、何故かへっちゃらなのかは分からないが……
「パンと認識されたんじゃないか?」
「酷いよ! あ、そうそう。トゥルーデと中佐に会わせたい艦娘がいるんだ。グラーフ・ツェッペリン」
「私が航空母艦、グラーフ・ツェッペリンだ。よろしく」
からかわれたことにハルトマンはムッとしたが、機嫌を取り直して隣にいた艦娘を紹介した。グラーフも少しため息をしていたが、簡単な自己紹介をしていた。社交辞令でのあいさつだったが、坂本少佐達の反応は予想外のものだった。バルクホルンと坂本少佐も目を見開きながら固まったのだ。だが、予想外の反応をしたのはミーナ中佐だった。両手で口を覆い座り込んだのだ
「どうした? 私の顔に何か?」
「そう……無事に建造されて活躍していたのね」
「提督、一体これは?」
グラーフ・ツェッペリンは困惑していたが、彼女は知る由もないだろう。ミーナ中佐たちがいた世界では、空母グラーフ・ツェッペリンは完成直前で避難民を輸送するために任務に就いたこと。しかし、その際にネウロイの攻撃を受けて撃沈され、それどころかネウロイになったこと。ミーナ中佐が空母を守れなかった事に悔いている事も*2
「まさか、赤城もいるのか?」
「ああ、いるぞ? あそこに」
坂本少佐の突発的な質問に提督は、食堂で食事をしている赤城に指を指した。赤城は加賀と一緒にまだ昼食を食べていたが、坂本少佐にとっては関係ないだろう。赤城の方へ小走りした
A.D.2044
艦娘とウィッチが交流をしている時、別世界でも変化はあった。瑞鶴の言葉に地球均等環境会議の評議会へ半強制的に出席することになった。評議会と聞こえはいいが、実際はただの聞き取り調査である
手錠を嵌められた瑞鶴と宮藤はM10のロボットたちに歩かされていた。何故かシモンズも一緒に歩いているが
建物内での移動のため外の様子は分からない。だが、廊下を歩いている時に色んな展示物や写真が目に入った
「これは愚かな時代の……失礼、20世紀の人たちが生み出した兵器だ。名前は何と言ったかな? そうそう。スーパーXだ。もう一つはスーパーX2だ。緑色をしたものだ」
「まるで、炊飯器みたい」
瑞鶴は銀色に輝く丸みを帯びた物体を見て呟いた
「これって動くんですか?」
「ん? ああ、勿論。非常事態だから博物館にあったものを組み立てている最中だ。空は飛べるが、ゴジラ相手につうようするかどうか」
「え? あれって空を飛べるんですか?」
宮藤は恐る恐る質問したが、空を飛ぶというのを聞いて驚いた。あんなものが空を飛べる?
(あんな炊飯器のようなものが空を飛ぶなんて信じられない)
瑞鶴も心の中で呆れていた。そんなことがあるのか?
「着いたぞ。入れ」
一同は巨大な扉にたどり着き、扉が開くな否や強引に中に入らされた。視界に入ったのは、裁判所みたいなもので、裁判官や検察官弁護士が座るであろう場所にはかなりの人が座り込んでいた
「瑞鶴、そして宮藤曹長。地球均等環境会議の神聖なる場所と心得よ。今回は議長だけでなく、他方の国の人までいる」
シモンズは議長を始め役員たちを一人ずつ紹介していった。宮藤はおどおどとしてたが、瑞鶴は苛立っていた
名前なんてどうでもいい。さっさと元の世界へ帰らせてほしい!
「──以上だ。今回の件は我々の予想外の出来事と今後の対策として瑞鶴と名乗る物から有益な情報を得る事」
「そんなものはないわよ! 長すぎる! さっさと私と宮藤を元の世界へ帰して! 勿論、艤装とストライカーユニットを返して!」
我慢の限界だったらしく瑞鶴は叫んだ。この世界が自分達の世界ではないのなら、この世界の住民は別世界へ行ける手段……乗り物があるはずだ
ここへ強引に連れてきて監禁とか何様なんだ!?
「残念ながら元の世界へ連れて帰ることはできない。今は我々に危機が迫っているからな」
「どうして!?」
学者らしき人が答えたが、瑞鶴は納得がいかなかった
「理由はゴジラだ。あのゴジラは予想外の力を身に着けたらしく、その力を使ってこの時代に来ようとしている。我々の危機だけでなく、君たちの世界の危機かも知れない。下手をすると地球が消滅される可能性もある」
「冗談にしてはつまらないわね」
「冗談ではない。君はゴジラの熱線を浴びても死ななかっただろ? 知りたくはないのか? 君、いや君たちは選ばれたのだよ、あの怪獣王に」
学者の告発に瑞鶴は宮藤と顔を見合わせた
バルクホルン「空母娘に発着艦してみたいものだ」
明石「では、スモールライトを使いますね。これでウィッチ達も搭乗員へ」
バルクホルン「待て待て待て!色々と不味いだろ。何処で手に入れた?」
明石「ドラえもんから(ニッコリ)」
バルクホルン「そうか(どうやって入手したんだ?)」