瑞鶴の特別任務 ~怪獣撃滅プロジェクトG~   作:雷電Ⅱ

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あるニュースを見て驚きました
陸自がAH-64やAH-1Sの攻撃ヘリを廃止!?
サッカーワールドカップで日本代表が活躍し話題になった事よりも衝撃でした(私の中では)
……まあ、仕方ないかも知れませんね
無人攻撃機が発達している現状、攻撃ヘリは最早時代に合わないかもしれません
しかし、P-1哨戒機を減らすのはどうかと思う。MQ-4C トライトンのような海洋監視に特化した無人機でも開発するのかな?


第3話 異常事態

 瑞鶴が不可解な現象を目撃してから数日後……

 

 瑞鶴の件で例の海域は監視が強化された。瑞鶴の件は半信半疑であったし、その後も哨戒機を飛ばしても見つからなかったのだからである。いたとしても深海棲艦の軽巡ホ級駆逐イ級辺りである。勿論、発見され次第、出撃して交戦したが

 

 しかし、当の本人も半信半疑であったため、そこまで気にはしなかった。新種の深海棲艦がいれば対処するだけだ

 

 浦田残党が復活して戦艦ル級改flagshipの魔改造である浦田結衣が現れたら別だ

 

 だが、そんな情報はないし、今は平穏である

 

 そんな調子で何事も無かったが、ある日。海運会社の社長と海保から一等海上保安監が鎮守府にやって来た。提督に会うや否や真っ先に今回来た理由について聞かされた。海運会社の所属の貨物船グローリー丸が行方不明になった件だ。彼は緊急通信した時に録音したテープを再生したが、再生したグローリー丸の船長はひどく取り乱していた。提督と近くにいた艦娘に聞いていたが。その船長は混乱……いや、錯乱していたように聞こえた

 

『海がおかしい』

 

『海が光っている』

 

『海が沸騰している!』

 

『地獄の釜が開いたみたいだ』

 

『何かがいる!』

 

『何かがこの下にいる!』

 

『海が爆発した!』

 

 無線の雑音から酷く怯えた声がテープから聞かされた

 

 そして、音信不通になる直前に不気味な甲高い音が響き渡った。余りの大きさに提督も大淀も驚き、スピーカーから流したとはいえ、提督室の窓ガラスもビリビリと震えた

 

「これは海底火山? それとも雷鳴?」

 

「……気象庁に問いただした所、こんな音をする海底火山や雷鳴は聞いたことがないと言っています」

 

 暫くして提督は疑問を口にしたが、海運会社の社長は静かに言った

 

「深海棲艦が保有する艤装の鳴き声でしょうか?」

 

 大淀は考えながら言った。姫級鬼級の深海棲艦には艦娘と同じく艤装はあるが、生き物を従える者もいる。例えば、戦艦水鬼改は巨大な艤装の姿をした怪物を従えている

 

「それにしては、こんな咆哮を聞いたことはないぞ」

 

 提督も半信半疑で答えたが、無理もない。深海棲艦の場合は、怨念に混じった咆哮をするからだ。それに、深海棲艦の特有の声すらもない。無線のマイクが拾わなかっただけならあり得るが

 

しかし、考えたところで答えが出るわけではない。提督は向き直って再度聞いた

 

「それで何故私達に?」

 

「グローリー丸が何故沈没したか、その真相が知りたいのです。グローリー丸の船長は、私の友人だからです。あんな酷い怯えた声は初めて聞きました。何かあったかも知れません。調査を依頼しましたが、どの機関も断られました」

 

 社長はハンカチで額の汗を拭った

 

「一昨日の2130に海保も奇妙な現象を目撃しました。安全海域に航行していた巡視船『はまなみ』から遠くの海域で青い光の柱を見たとの事です」

 

「つまり、新型の深海棲艦の姫級の可能性がある。軍に相談したら、こちらに行くよう言われたのですか?」

 

 提督も半ば呆れたように言った

 

 どうやら、海運会社も海上保安庁も未確認現象は深海棲艦のせいだと思っているらしい。民間企業はお手上げで……浦田重工業のように深海棲艦に対抗できる手段を持つ企業なんて存在しない……軍に相談しても対応する部署は限られてくる

 

「……情けないですが、深海棲艦であれば仇を取って欲しいです。勿論、報酬は弾みます」

 

「鎮守府は民間軍事会社ではないですから受け取れませんよ。……しかし、証拠がある以上、調べないと行けません。まして、深海棲艦がいない安全海域で不可解な現象があるのであれば調査する必要があります」

 

 提督の説明により海保の人と海運会社の社長は顔がほころんだ

 

 

 

「本当に調べるつもりです?」

 

「仕方ないだろう。安全海域に深海棲艦が現れたのならやるしかない」

 

 海運会社の社長と海保の一等海上保安監が502部隊の人達の案内で送り出されたのを窓から見ながら答えた

 

「青い光……か。また殺人光線を搭載した新型の深海棲艦とかやめて欲しいものだ」

 

「正確には違いますけどね」

 

 大淀は苦笑した。また、あの強敵が出たらと思うと頭がいたくなる

 

 

 

 作戦室で海上保安官から貰った例のテープを回したが、他の艦娘は首を捻った

 

 船長が錯乱しているのは分かる。しかし、原因がわからないのだ

 

 いや、1人は反応していた。瑞鶴である

 

 

 

 瑞鶴は何時もの通り館内放送の召集で作戦室に向かった。着いた頃には既に皆は集まっていた

 

 今回は安全海域で不可解な現象についてだった。だが、皆はあまり驚かなかった。以前、想像を遥かに超える戦いをしたのだ。なので、ある程度の無茶は承知している。……なんなので慣れている艦娘達も十分におかしいが

 

 しかし、テープの最後にデカく不気味な音に瑞鶴は驚愕した

 

 あの音だ! 

 

「提督、今の音は何ですか?」

 

「僕には生物の咆哮のようにきこえるけど。でも、聞いたことない」

 

「不気味な音だ。でも、この音は何処かで……」

 

「サラも聞いた事もあります」

 

 神通、時雨、長門、サラトガは口々に言ったが、他の艦娘も同じだ

 

 不気味な音を聞いて困惑していた。当然だ。不気味な音を発する何かによって貨物船は行方不明になったからだ

 

 海底火山にしては余りにおかしいものだ

 

 そのため、瑞鶴は咄嗟に手を挙げた

 

 皆が気付き提督もこちらを見た

 

「提督さん、この音です! この音を発する何かにやられた!」

 

「この音?」

 

 瑞鶴の一声で皆の視線が集まったが気にしなかった

 

「瑞鶴、本当?」

 

「本当よ! 間違いない!」

 

 瑞鶴はきっぱりした。地獄の底から響いてくる音は、数日経っても忘れられなかったからだ

 

「ウーン。しかし、こんな不気味な音が生き物の咆哮というのも。深海棲艦にしては、違うような気がするなぁ」

 

 提督は唸るように言った。海洋生物において、こんなけたたましい音を発する生物はいない

 

 尤も、深海の様子は未知数だ。海底には未知の巨大な海洋生物がいる、と主張する学者もいるくらいだ

 

 そんな中、恐る恐る手を挙げた艦娘がいた。酒匂だった

 

「あ、あの~……。酒匂、これに近い音を聞いたことがあります。自信ないけど」

 

 酒匂が言った瞬間、瑞鶴は酒匂の方へ駆け寄り、両手を酒匂の両肩に掴んで揺らしながら問いただした

 

「冗談じゃないわ! 何で早く言わないの! 何処……何処で聞いたの!」

 

「ぴゃぁぁぁぁぁ!」

 

 酒匂は瑞鶴に激しく揺らされたことによって目を回したため、能代と矢矧が無理やり瑞鶴を引き離した

 

 阿賀野と翔鶴は双方の妹をケアしていたが、酒匂の言葉にポカンとした

 

「えっと、映画館です。その先週の休日に行ったから」

 

「「「「映画館?」」」」

 

 阿賀野や翔鶴だけでなく、皆は酒匂からの予想外の返答に皆は唖然とした

 

「こ……これです」

 

 酒匂はポケットから折り畳まれた紙をかざした

 

 瑞鶴は紙を取ろうとしたが、それよりも先に提督が紙を取った

 

 提督は折り畳まれた紙を広げたが、そのまま固まった

 

 回りの艦娘も何なのか興味があり覗き見るようにみたが、反応は困惑していた

 

 瑞鶴は何の紙か知りたくて群がっている艦娘達を掻き分けて覗き見たが、皆が困惑するのも無理もないと思った

 

 それは映画館のパンフレットだ。分厚い紙でタイトルと絵がデカデカと描かれていた

 

 問題はタイトルと絵だ。絵とタイトルに困惑した

 

 そこには建物を壊す怪獣の姿である

 

 タイトルにはこう書いてあった

 

『ゴジラ』

 

 この世界は正史の世界とは違い、数年早く『ゴジラ』が上映された。違いはアメリカはビキニ環礁を水爆実験したのではなく核攻撃した事、画像はカラーである事である*1

 

 正史の世界が酒匂のパンフレットを見たらこう言うだろう

 

”初代ゴジラ”と

 

*1
『時雨の緊急任務』参照




提督と艦娘達、いち早くゴジラを認識(但し咆哮だけ)
余談ですが、クロスロード組はゴジラ映画を楽しんで見てそうな
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