瑞鶴の特別任務 ~怪獣撃滅プロジェクトG~   作:雷電Ⅱ

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こんにちは、雷電Ⅱです
節分任務で豆を集めていますが、途中でバレンタイン任務もぶっこむのでは?と思ってしまう私です
節分任務、色々と衝撃でした。報酬よりもレンジャーの姿が!


第2章 ストライクウィッチーズ
第9話 対話


「奇妙なネウロイを捕まえた?」

 

「はい。情報が錯綜していてはっきりと分かりませんが、雲から人型ネウロイが現れ宮藤少尉にぶつかって落とした、とか」

 

 ジープの後部座席に坂本美緒少佐は素っ頓狂な声を上げた。土方圭助一等兵曹から例の雲については報告を聞かされていた。ベルリンを開放してもネウロイはまだ健全であるため、まだ欧州に在籍していた。そんな中、カールスラント北部の海域に奇妙な雲が発生。しかも、ネウロイの巣とは違総司令部は頭を悩ませていた。そして、さらに奇妙な出来事が起こった。偵察に向かった501JFWの最中に突然、宮藤が何かから攻撃を受けたというのだ。しかも、人間そっくりの姿をしているという。何でも弓道着のような姿を身に着けているとか。運転しながら報告をする土方兵曹に首を傾げた

 

 ネウロイかも知れないが、どうも違うような気がする

 

「サーニャでも感知されないのなら、ネウロイではないはずだ」

 

「しかし、ネウロイではないにしても例の雲から現れたのですから解放出来ないとの事です」

 

 報告を聞いた坂本少佐は考え込んだ。サーニャの魔法ではネウロイの気配は一切感じなかったのだから間違いなく人だろう

 

 だが、身元不明というのが気になる。会えば分かるだろう

 

 

 

 一方、第501統合戦闘航空団のウィッチ達は悩んでいた。捕虜から装備品を取り上げたが、奇妙な武器ばかりで分からないのが多すぎた。ストライカーユニットとは全然違う仕様の武器。艦載機は扶桑仕様そのものでおもちゃのようだが、それにしては巧妙な造りだ。更には海上に立っていたという離れ業をしていたにも関わらず、魔法を一切感知しなかった

 

「もうこれってストライカーでも何でもないよね?」

 

「というより、ネウロイにしてはおかしいよ」

 

 ハルトマンもシャーロットも首を捻りながら言った。机には瑞鶴が保有していた艤装と弓矢と艦載機だが、二人は知る由もない。妖精は見えるには見えるが、魔法力すら発しないため、早々に隠れてしまい見失い始末だ

 

「じゃあ、なんで海の上をユニット無しで二足歩行出来たんだ?」

 

「扶桑では、海渡りしたウィッチもいましたが」

 

 バルクホルンは不機嫌そうに言ったが、服部は扶桑にあるウィッチが海渡りしているのを思い出しながら答えた。彼女が思い浮かべているのは、雁淵孝美の事である。

 

「しかし、それはシールドを貼って歩く手段だろ? アイツはそれすらしなかったぞ」

 

 バルクホルンは指摘したことで彼女は黙ってしまった。確かにシールドを貼らなかったのは彼女も見ていたからだ

 

「でも、あの人はネウロイではないと思います。抱えられた時は人の温もりも感じましたし」

 

「あり得ませんわ! ……と言いましても、前回のような人型ネウロイみたいにビームは出していませんし」

 

 ペリーヌも頭を悩ませていた。なぜ、彼女達は瑞鶴の対応に苦悩したのかというと、数年前の人型ネウロイの存在である

 

 その人型ネウロイはサーシャの歌を真似るどころかウィッチの姿をしていたのだ。宮藤芳佳はそのウィッチと遭遇。そのおかげである事件に巻き込まれることになったのだ。また、ネウロイも日々進化しているため、油断が出来ない状況だ

 

 そのため、全員は精巧な姿をしたネウロイと認識してしまったのだ。幸か不幸か、ネウロイのようにビームで応戦しなかったのとネウロイの気配が全くしなかったため捕虜としたのだ

 

「潜入タイプのネウロイですか」

 

 リネットは気弱そうに言った。あれがネウロイ? でも、あり得るのか? 

 

「だったら、身体検査をしたらどうですか?」

 

「それしかないんだな」

 

 しかし、リーネの案でそれが決まってしまった

 

 

 

「え? 身体検査?」

 

「そうだ。ネウロイか人間かどうかをはっきりさせるためだ」

 

 監禁されていた瑞鶴は迎えに来てくれた女の子達に無実を訴えようとしたが、今度は厳格そうな女の子から身体検査を強行する話を切り出したため瑞鶴は唖然としてしまった

 

「どういうやり方で?」

 

「簡単な話。服を脱がせて素っ裸にして調べるんだよ」

 

「いや、素っ裸って!」

 

 近くにいた小柄の金髪の女の子から衝撃的な話をしたため、思考が停止していしまった

 

「あの……取り敢えずネウロイかどうかの区別よね? ほかの方法を」

 

「恥ずかしがる必要ないじゃん。身体検査をするには半裸でやるのが普通でしょ」

 

「……え! 私がおかしいの!?」

 

 瑞鶴は頭を抱えてしまった。教授と大和たちから別次元の世界は聞いている。が、こんな非常識(?)な話は聞いたことが無い

 

「仕方ないだろ。坂本に魔法力があったら一瞬で判別できるが、今は魔法力を失ってな」

 

「魔法力?」

 

 瑞鶴が唖然とした隙に、誰かに羽交い締めをされた

 

 他の人も瑞鶴に集まった。抵抗しようとしたが、8人もいればどうしようもない

 

 艤装は取り上げられたため、身体能力は制限があるものの、それなりに体力があるが、どうも相手も体力がある人もいるようだ

 

「くすぐったいから止めて! あ! ちょっと待て! そこは触らないで……あああぁぁぁぁ!」

 

 

 

 1時間後

 

「その……申し訳ありません。あなたがネウロイかどうかわからなかったので」

 

「いえ……気にしないで下さい」

 

 司令部にミーナ中佐と名乗る人が謝罪をしたが、瑞鶴は半分涙目になりながら小声で言った

 

 結論から言うと、瑞鶴の中では最悪の事を受けた。但し、18禁に近い事をされたのである。女性同士とはいえ、瑞鶴にとっては悪夢(?)に等しかった。ようやく誤解は解け、解放されても未だに納得していなかった

 

「良かった。私よりツルペタがいるなんて」

 

「ねぇ、艤装を返して。あのチビを爆撃したいから」

 

「落ち着いて下さい。ルッキーニちゃんは悪くないです」

 

 部屋の端ではしゃいでいるルッキーニに対して瑞鶴は怒り、殴りにかかろうとしているところを宮藤芳佳に止められている状況である

 

「坂本少佐。何とか言ってください」

 

「え?」

 

 宮藤がミーナ中佐の隣にいる白い軍服を着ている人に助けを求めたが、瑞鶴はその名前を聞いて動きを止めた

 

「そうだな……それより」

 

「坂本少佐?」

 

 瑞鶴は女性の海軍軍人をジロジロと見た。後ろに眼鏡をかけた女性がこちらに向けて殺気を放っていたが、無視した

 

「どうした? 私の顔に何かついているのか?」

 

「……坂井三郎中尉ですか?」

 

「いや、私は坂本美緒少佐だ。しかし、違和感は全くしないな」

 

 瑞鶴は無意識に口走ったが、相手から否定されたため何も言わなかった。『艦だった頃の世界』では艦載機のパイロットではなかったはず

 

 搭乗員の妖精である岩本隊の隊長も艤装から隠れながらも坂本少佐を観察していた。どうも気になるらしい

 

「それで、貴方は何者なんですか?」

 

 ミーナ中佐はネウロイではないと分かったのか穏やかに聞いてきたが、僅かながらも警戒している。瑞鶴はどう答えたらいいか悩んだ。ここは異世界だ。艦娘なんて存在しない世界だろう。なので、相手から頭がおかしい変人と思われないように説明しないといけない。記録で見たことしかないが、時雨の時もこんな気持ちだったのだろう

 

 本当にここは異世界だと改めて実感した。既に田村1尉や浦田重工業の件もあるのだが、実体験をしたわけではない

 

 なので、話を丁寧に且つ簡潔に説明した。但し、今回は深海棲艦と艦娘。そして、こちらの世界に飛ばされたとされる原因であるゴジラの件だけを話した。浦田重工業の件は話さなかった。ややこしくなるからだ。と言っても、艦娘と深海棲艦の関係については、一般人向けの説明を簡略化したものだ。異世界については、博士と教授の説明を散々聞いていたから問題ない。理論は難しかったため、説明に苦労したが

 

 瑞鶴が話し終えた後もミーナ中佐も坂本少佐も他の人も難しい表情で聞いていた

 

「……つまり、この世界とは別の世界から来たと言うのか?」

 

「そうです。信じてくれませんか?」

 

「まあ、信じるしかないな。魔法力も無しに海面に立つことが出来る艤装とやらを見れば信じるしかないか」

 

 地下牢でバルクホルンと呼ばれた少女はため息をついていた

 

「あれ? 今の話を聞いて何にも疑問も持たないんですか?」

 

 瑞鶴は急に不安になった。異世界とはいえ、相手は人間である。場合によっては、精神異常者と思われてもおかしくはないのだ

 

「我々も奇妙な現象には慣れているからな。人型ネウロイ*1に地下の遺跡*2に豊穣土偶*3に……いや、何でもない」

 

 何故か宮藤に目をやった彼女は説明を止めた。何かあるらしいが、とにかく信じてもらえた事にはホッとした

 

「あの! まだあの雲は残っていますか?」

 

「貴方がこの世界にやってきたとされている雲ね。監視からはまだ残っているわ」

 

 ミーネ中佐は壁に貼っている地図に棒を指した。刺した場所は陸地から遠く離れた海だが、まだ残っているということは帰れることは可能だ

 

「え? もう帰っちゃうんですか?」

 

「ゆっくりしていけばいいのに」

 

「そうだよ。ストライカーユニットは航空用(飛行脚)陸戦用(歩行脚)しかないんだからさ」

 

 宮藤は寂しそうにしていたが、シャーロットとハルトマンは留まるよう進言していた。興味津々だったらしい

 

「え? 海上用は──」

 

「あのな──しかし、ゴジラとやらのせいで私たちの世界に飛ばされたのだろ? どんな奴だ?」

 

 瑞鶴が質問をしようとしたが、バルクホルンの質問によって遮られた。ゴジラが気になったらしい

 

「体長100メートルもの怪獣で強力な熱線を吐いた」

 

「ひゃ、百メートル」

 

 瑞鶴の説明でバルクホルンは言葉を失った。予想もしていなかったらしい

 

「問題を整理すると、瑞鶴が住む世界に更に別次元の異世界から怪獣が現れた。そのせいで私たちの世界に来たということか」

 

 坂本少佐は要点だけを言った。簡潔だが、分かりやすかった

 

「はい。ですから、何としてでも──」

 

「実はあの奇妙な雲が発生したのは約一週間前からだ。いや、もっと前に現れたかもしれない」

 

 坂本少佐の説明に瑞鶴は首を傾げた。一週間前に存在した? 

 

「当初は季節外れのハリケーンだと思っていたが、そうではないようだ。それに付近を通過した航空機や船舶から不気味な唸り声や獣のような咆哮を聞いたとあった。ウィッチでも確認しているから間違いないだろう」

 

「それってまさか!」

 

 瑞鶴は愕然とした。ゴジラがこの世界に来ている? まさか、私が引き連れた? 

 

「被害は?」

 

「ない。だが、現れる可能性がある。貴官の身柄はウィッチに預かるが、それでいいか?」

 

「分かりました」

 

 瑞鶴は躊躇せず返事した。ここで反発しても元の世界に帰れないだろう。ここは現地の人達と協力するのが大切だ

 

「ところで、ここはヨーロッパですか? ここに連れてくる途中、車の窓から街並みを見ましたけど、作りが洋風で」

 

「そうですよ。あら、異世界でもヨーロッパはあるんですね」

 

 ミーナ中佐は明るい表情になった。ヨーロッパが瑞鶴の世界にも存在していることに喜んでいるようだ。

 

「へぇ。別世界でも私たちの世界と変わらないんですか?」

 

「そこじゃないわよ! 欧州って欧州救援作戦以来よ。……それに国名がおかしくない? ブルタニアとかカールスラントなんて聞いたことが無いわよ」

 

「え? 別におかしくないですよ?」

 

 宮藤はキョトンとし、瑞鶴は目をぱちくりしていた。

 

「え? 宮藤と言ったっけ? あんたは何処の国の出身?」

 

「扶桑ですよ? ほら、ここです」

 

 宮藤が世界地図を取り出すとある島に真っ先に指を指した。瑞鶴は思考停止状態になった。何しろ、指を指している島は紛れもなく日本列島だ。どうやら、世界が違うと国名が違うらしい

 

「あら、国や地形はおなじだけど、国名が違うなんて」

 

「はっはっはっ! 流石は異世界人だな」

 

 ミーナ中佐は驚き、坂本少佐は豪快に笑ったが、瑞鶴は気にしなかった

 

「では、瑞鶴さん。貴方を奇妙な雲に案内していきます。そのため、準備をしていきますので暫く待ってもらえます」

 

「準備ですか……」

 

 瑞鶴は妙に落ち着いていた。奇妙な雲にまた突入したら元の世界に戻れるかもしれない

 

 現実味が湧いてきた

 

「ところで、準備というのは何をするんですか。私でも手伝えることはしますので」

 

「大丈夫よ。ネウロイ襲撃で弾薬をちょっと消耗していたのよ。補給が完了次第、出現可能だから」

 

 ミーナ中佐は説明を行った。先日には基地に接近するネウロイを撃破したのだ。だが、散発的とはいえ、何度も出現したら弾薬は消費してしまう

 

 現在は補給待ちだそうだ

 

 だが、瑞鶴はそれどころではなかった。ある疑問があった

 

「あの……中佐。質問していいですか」

 

「どうしました?」

 

「ウィッチって杖を使って魔術で撃破するのでは?」

 

 瑞鶴の疑問に部屋は水を打ったかのように静まった

 

「え? 魔術? 杖?」

 

「え? 違うんですか? 魔女って確か三角帽子を被って呪文を唱えて杖から魔法を発射したり魔法陣から召喚獣を出したりするんじゃ?」

 

 瑞鶴は魔女のイメージをそのまま伝えたが、周りの反応は啞然茫然としている

 

「私たちのウィッチの説明はしていないの?」

 

「していないんだな。ネウロイと警戒していたから」

 

 サーニャとエイラがひそひそ話をしていたが、残念ながら瑞鶴には聞こえていないようだ

 

「だって、私のケガだってあんたが手をかざしたら傷がみるみるうちに治ったし」

 

「「「「あー」」」」

 

 瑞鶴は必死に訴えたが、ウィッチ達はすぐに理解した。宮藤の治癒魔法を見て瑞鶴のあまたに思い浮かべている魔女のイメージを語っているのだろう

 

「瑞鶴さん。魔女のイメージってどんなイメージを持っていたんですか?」

 

 宮藤は興味本位で聞いた。異世界の住民は魔女のイメージに興味がわいたらしい。それはこの部屋にいる全員だが

 

「そりゃ、デカい釜で紫の液体をぐつぐつ煮てたりとか」

 

「それは違います! 瑞鶴さんの世界って魔女のイメージは最悪ですよ!」

 

 宮藤は大きな声を上げた

 

「ご、ごめんなさい。ハロウィンの時に海外の艦娘から魔女のことを聞かされたから」

 

「いつの時代の魔女なんですか! うちにはちゃんと圧力鍋もありますから!」

 

「宮藤! それ違うだろ! 確かに私が持ち込んで来たけど*4!」

 

 瑞鶴は謝罪したが、宮藤の反論にシャーリーは慌てて言った

 

「取り敢えず、この世界の常識と歴史を学ばせないとな」

 

「そうね」

 

 坂本少佐とミーナ中佐は瑞鶴とウィッチ達のやり取りにため息をついた

 

 

*1
アニメ1期に出現したネウロイ

*2
アニメ2期9話より

*3
アニメ3期の7話より

*4
圧力鍋の歴史は古く、1938年のアメリカでは販売され一般家庭でも既に普及していた。名前は「自動密封鍋」だが、今回は圧力鍋という事にした。本作ではシャーロットが基地に持ち込んだ設定である




バルクホルン「ところで、誰から魔女を習ったんだ?」
瑞鶴「アイオワさんから」

アイオワ「ハクションッ!」
提督「どうした?」
アイオワ「誰か噂をしている」

炊事家事洗濯をほぼ毎日している宮藤芳佳にとっては譲れない事(発進しますっ!より)
え?あれはギャグ漫画?細かいことは気にしない!
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