暗殺教室 不良児は認められたい   作:ZWAARD

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はい!本日2話目の投稿です!
A組の乃咲、楽しんで貰えてますかね……?

こちらはいつものIFルートになります。
……このIFルートを思いつきで投稿して1年経ったのか……。

時間の流れが怖い………。


IFルート ハナコトバの時間 part12

 

「さて、また捕まっちゃったね。E組のみんな」

 

「…………」

 

「なんとか言ってよ、僕だって取って食べようって訳じゃないんだ。キミたちにちょっとした授業がしたくてね」

 

 再びとっ捕まえたE組の子供達と檻を挟んで会話する。

 けれど、さすがに彼らも警戒しているようで、僕の言葉は中々届かない。こんな時のための警戒されないコミュニケーション能力や話し方もあるが、それを使ったら訓練にならない。

 

「そう警戒しなくていいよ、本当に危害は加えないさ。その証拠に、キミらの中で1人でも怪我をした者がいるかい?」

 

 僕の言葉に生徒たちは顔を見合わせて、お互いに傷一つないことを確認して、恐る恐ると言った様子で目を向けて来た。

 うん、いいね。相手を信頼させるにはまずは小さな事実を積み重ねていくのが一番効果的だ。

 

「その気があるなら、わざわざ脱走できる様な部屋に入れたりしないよ。何せ、想定するべきはマッハ20で動き回る、普通の兵器では傷一つつかないモンスターだ。壁も多重構造にして逃げられない様にするよ」

 

「それに、烏間もそろそろ着くはずだ」

 

 烏間の名前を出すと、生徒たちからあからさまに安心した気配が出る。どうやら、あの超人はしっかり彼らの心を掴んでいるらしい。まぁ、それもそうか。僕だってあんな男が子供の頃にいたら憧れただろう。

 生徒たちの警戒が安心で少し緩んだ。攻めるなら今だろう。もう一押し何か欲しい。なんて思っていると、これまで閉口していた弟子が口を開いてくれた。

 

「その人は確かに死神と呼ばれた殺し屋だけど、俺たちに敵意も殺意も害意も抱いてないぞ」

 

「乃咲……?なんでそんなこと言えんだよ」

 

「まぁ、だって、その人は俺の師匠だし」

 

 そのあっさりとしたカミングアウトに子供たちは揃えて声を上げると、いろんなシチュエーションを想像したらしい。

 ヒテンミツルギスタイル。東方は赤く燃えている(完)。4歳くらいしか歳の差がない師弟などなど。

 

「カエデ、どうせそっちにいるんだろ?」

 

「あ、やっばり気付いてた?」

 

 圭一の呼びかけに物陰からひょこっと出て来た雪村さんに彼らは再び驚いた声を上げる。

 

「カエデも先生の弟子だ。まぁ、俺のように直接色々と教わってるんじゃなくて、将来使えそうな技術や知識を教わってるって感じだけど」

 

「む、失敬な。確かに圭一贔屓な部分があるのは否定しないけど、だからと言って茅野さんに教える内容を薄くしてる訳じゃないよ」

 

「え〜?本当にござるかぁ〜?」

 

 この弟子、周りに同級生がいるから調子に乗ってやがる。

 と、まぁ、そんな冗談はさておき。圭一の気の抜けるようなリアクションと、僕の反応、無傷で出て来た雪村さんを見て、生徒たちも流石に警戒を解いてくれた。まぁ、赤羽くんとか一部の特にキレがいい子はまだ油断してないけど。

 

「ちなみに、先生と出会ったのは去年な。だから、本当に暗殺とは無関係だ。まぁ、暗殺とか色んな技術はその頃から教わってたけど」

 

「……だから、暗殺が始まった時から既にやたらと強かったのか」

 

「そういうこと。夏休み中、ロヴロさんが死神の話をした時は内心冷や汗かきながら、『うわぁ、うちの師匠ってマジでそんな人だったんだ〜』とか思って気まずかったなぁ」

 

「それね。私も実際に他の人から聞いた時は反応に困ったよ」

 

 雑談しながら圭一は何気ない仕草で鉄格子の扉を押す。

 最初から鍵なんて掛けてなかった扉はあっさりと開いた。

 

「ほら」

 

「……………えぇ………?」

 

 ひょいと出てくる圭一。彼に続いて何人か出てくるが、僕はそれを特に止めることなく、両手を上に挙げて無害であることをアピールしつつ、今回の趣旨を伝えることにした。

 

「今回は避難訓練みたいなものだったんだ」

 

「避難訓練?」

 

「そ、緊急時に対しての君たちの思考や行動、烏間やイリーナから伝えられてる技術を何処まで活かせるかという判断力を試しつつ、自分たちが何処までやれるかって部分を把握して欲しいってね。僕から提案したんだ」

 

「え……?」

 

「この前、松方さんに怪我させちゃっただろ?」

 

「あ………」

 

 僕の言葉にほぼ全員が苦い顔をする。

 どうやら自覚はあるらしい。

 

「防衛省には是非に、と言われたけど、烏間には渋られた。まぁ、それでもなんとか説得したけどね」

 

「世界最高の殺し屋の技術を死なず、その身で受けられること。それ自体は生徒の成長に繋がるはずだと言ってようやく納得してくれた」

 

 烏間の株も上げておこう。

 ここで生徒たちの不信を買うのは僕だけでいい。

 

「圭一と茅野さんもよく色々察して動いてくれたね」

 

「次があるなら、事前連絡して欲しいけどね」

 

「同じく」

 

 圭一たちもあくまで知らなかったことも伝える。

 

「さて、少しは警戒を解いてくれた所で特別授業と行こうか」

 

 そう伝えて彼らを別室に案内してスクリーンを出す。

 学校の視聴覚室みたいな設備に生徒たちはギョッとしながらも、普段の教室の並びで当たり前の様に座った。

 

 こういう無意識で当たり前の様に普段通りの配置につくの、日本人の特徴だよなぁ。規則的というか、なんと言うか。

 

「じゃあ、第一問。僕がキミたちをこの場所に呼びに言った時。みんなはどんな行動をすれば良かったかな?」

 

 教卓の前に立ち、彼らに質問を投げかける。

 スクリーンには、一応撮影していた、その時の教室の映像が流れており、撮影されていたことに彼らは驚きつつも、首を傾げていた。ちなみに、圭一も雪村さんも、彼らに混じっていつもの席に座って、首を捻っていた。

 

 そして少し経ってから、回答がないのを確認して、僕は彼らに答えを出す。

 

「答えは、【警察に連絡する】だね」

 

「え?」

 

 その答えに彼らは意外そうな声を出した。

 

「僕は確かに誰にも知らせずにおいで、と言った。でもそれを馬鹿正直に守る必要はないんだよ」

 

「殺し屋の視点で言わせて貰うと、人質を取る。その時点で本人の能力は大したことはない。自分の力ではどうにもできません、と言外に語っている様なものだ。もしくは、よっぽどキミらを舐めているか。そのどちらかだね」

 

「………そうなの?」

 

「良いかい?殺し屋にとって、一番恐れなくてはいけないのは、知られること。人質を取りました、相手が言うことを聞きませんでした、人質を殺しました。これは一番避けなければならないことだ。何故なら、標的以外を殺すと言うのは、その分だけ疑問を持つ人が増えると言うことだ」

 

「えと……」

 

「殺しを依頼される奴には、相応の理由がある。騒ぎになりはするが、それでも殺されることを望まれている。だから、界隈では『死んで当然』と思われているケースが多い。だからこそ、殺し屋の名声になる。でも、それ故に関係ない者を殺すことは避けたい。標的を殺すのに、必要ない奴まで殺した。それは、ある意味では名を上げることになるが、信頼は失う」

 

 僕は生徒たちの顔を見ながら説明する。

 

「そういう理由で、本当に一流の殺し屋は下手に人質を取ったりしない。本当に殺したら顧客からの信頼を失い、仮に殺さず逃したとしても自分の情報を持つものが1人増えてしまう。それは、足が付くからね」

 

「まともな殺し屋なら人質は取らない。それでも人質を取るのなら、舐められている。なら、何かしらの見落としがある。絶対にそんなプランは上手くいかない。だから、警察に行くのは悪い選択肢ではない」

 

「なにより、君たちは国家機密ではあるけど、自分の命には変えられない。そもそも、君たちが殺し屋なのも、殺せんせーの暗殺任務も、国家機密ではあるけれど、他の殺し屋の存在自体は機密でもなんでもないからね」

 

「まぁ、それでも本当に殺そうとする輩はいるかもだけど……そんな奴らに遅れを取るほど、緩い鍛えられ方はしていないだろう?」

 

 彼らの目を見ながら、簡単に伝えるべきことを伝える。

 僕の言いたいことが伝わっているかはわからない。

 

 でも、伝えるべきことは沢山ある。

 

 あの時、どんな行動を取ればよかったのか。僕と対峙した時の良い点と悪かった点。右も左も分からない場所に放り込まれた時の脱出のコツなど。

 最初は僕の話を恐る恐ると言った様子で聞いていたが、徐々に質問が飛ぶ様になり、質疑応答に形式が変わる。

 

 圭一や雪村さんが巧みにそう言う流れに持って行ったのも大きいが、やっぱりこの子達は才能があるし、向上心もある。

 

 中でも赤羽くん。彼はいいね。どんなに僕が親しげに話しても、抵抗しようとする意志みたいなのが見える。

 

 そんなことを思っていると、程なくして烏間と先生が現れた。

 

「皆さん、どうでしたか。世界最高の殺し屋は」

 

 先生が微笑みを生徒に向ける。

 

——その目は、僕に向けられなかった目だ。

 

「んまぁ、俺としてはいつも通りかな」

 

 そんな時、弟子の声が聞こえた。

 あっけらかんと、いつもと変わらない態度で太々しく頭の後ろに手を回し、グラグラと自分の椅子を揺らす圭一。

 

「いつも通りて……。お前、こんな授業受けてんのかよ」

 

「そら強くなるわなぁ……」

 

「この前なんて烏間先生に勝ってたもんな……」

 

「ドヤァ……」

 

「うっざ」

 

「ふはは、悔しかったら言い返してついでにこの俺を倒すがいいわ!」

 

「くっそ……!言い返せないし、ついでが鬼難易度すぎてなんも言えねぇ……!!」

 

「こんなんでクラス全員で攻撃しても返り討ちに合うんだから、実際、死神さんの授業は凄いんだろうなぁ……」

 

「まぁな、俺の先生は凄いぞ。少なくとも、俺にとっては一番高くてデカい背中だ」

 

 僕のことを自慢する様に語る圭一と、そんな彼の語り草をみて、その実力を知っている仲間たちは納得したような顔をする。実際、全員で挑んでも圭一に勝てないのは共通認識の様だった。

 

 俺の先生は凄い。

 

 普段から、圭一にそう言われたことがないわけではない。最近では勝つのも難しくなってきた教え子になんとか師匠としての意地を見せると、床に転がりながら、圭一は先生はやっぱすげぇや、なんて言うことがある。

 

 自分の先生は凄いんだ。

 

 ……そんなことを思っていた子供がいた。自分の親を殺した男、そんな殺し屋の技術に僕は心を奪われた。

 自分なりにやろうとしたことは殆どが否定された。全て、あの人の考えたカリキュラム通りにしか勉強させて貰えなかった。でも、それでも、何度否定されても彼の言うことを聞いたのは、先生の凄さを自分が一番よく分かっているつもりだったからだ。

 

 いつからだっただろう?

 先生の背中を大きいとも、遠いとも思わなくなったのは。

 

 僕らの距離は物理的には近いのに、距離感的には遠かった。先生から盗める技術は粗方盗んだと思った、だから、自分を見てくれないと僕の中で先生を切り捨てた時、彼を裏切ることにした。誰も僕を見ないなら、見られる奴になればいい。そうして僕は、死神の名を奪い取った。

 

 圭一にとって、僕の背中はまだ一番高くてデカいらしい。

 

 教えたいことはまだまだ沢山ある。

 それでも、見る部分を狭めて限定した時、彼の方が勝る部分も出てきているのは最近、感じることが多くなった。

 

 あの子だって分かっている筈だ。もうすぐ、戦闘能力だけなら完全に僕を抜くことができる。

 というか、単純な戦闘能力でなら、もう圭一の方が上だろう。足らないのは経験だけだ。

 

 もうすぐ越えられる背中。それでも、圭一は嘘を吐く気配すらなく、僕の背中を高くてデカいと言ってくれた。

 

 ………確かに、先生が彼らに向けている目は、かつて僕が欲しかったもので、正直に言えば羨ましいものだ。

 でも、同じ様に僕だって彼にないものを持っている。一番弟子から向けられる信頼と変わらない尊敬。

 

「……お互いに、遠回りしましたね」

 

「…………はい」

 

 "先生"が僕の隣に立っていた。

 彼が、生徒たちに向ける目を、あの頃の僕に向けていたら。

 僕が、圭一に向けられる敬意を変わらず持ち続けていたら。

 

 もしかすると、もっと違う関係性があったのかな。

 

「さて。改めて事情を説明させて貰う」

 

「彼は死神。世界最高の殺し屋だ。彼からの申し出で、キミたちの緊急時における対応力などを見させて貰った」

 

「避難訓練のようなものとは言え、急に仕掛けてしまったことをまずは謝りたい」

 

 烏間の言葉に生徒たちから声が飛ぶ。

 

「謝んないでくださいよ」

 

「そーだよ、むしろうちらもまだまだなんだって理解したって言うか、させられたって言うか」

 

「うん、体育祭とか、この前の松方さんのところでの仕事とか。反省はしたけど、俺らってこんなこと出来るんだって自信が付いてた。だけど、上には上がいるんだって思い知らされたよ」

  

 うん、生徒たちにもいい刺激になった様で何より。

 

「そうか」

 

 烏間も心なしか嬉しそうだ。

 

「今日、実際に感じて貰った通り、プロのその更に頂点はキミたちが束になっても敵わないほどレベルが高い。この施設だって、我々防衛省ではなく、死神が1人で手配したものだ」

 

「それは聞いてないぞ………」

 

「イリーナが以前言っていた様に、技術と人脈と実力があって初めてプロと呼べる。俺は、これまでもこれからも、君たちとプロ同士として接していくつもりだ。暗殺者としても、未来を担う若者としても今日のことは忘れないで欲しい」

 

「………まぁ、伝説の殺し屋に狙われる経験なんて普通は絶対にないだろうしな」

 

「烏間先生の言う通り、キミたち個々の能力はまだまだ彼には届きません。束になってもまだ厳しいでしょう。でもね、この教室で鍛えた技術と、暗殺で身につけた実力、そしてこの教室で切磋琢磨した仲間との縁はまさしくこれ以上ないほどの人脈です。皆さんは充分にプロの条件を満たしている。あとは、そのチカラを自覚し、どんなふうに使っていくのか。それを考え、忘れない様にしてください」

 

「……はい」

 

「大切なことはそこの2人が言ったから、私からは簡潔に済ませるわね。死神が言った通り、『プロならやらないこと』は沢山ある。でも、本当に切羽詰まった時、本当に身動きが取れなくなった時、プロであっても、なりふり構わなくなる瞬間はある。きっと、アンタらにもそう言う瞬間は来る。だから、精々自分を磨きなさい」

 

「ビッチ先生………」

 

 うんうん。なんか、いい感じで締めくくられそうでよかった。

 生徒たちの意識も変わってくれた様だし、弟子たちと一芝居打った甲斐があったかな。

 

「ねぇ。ちょっと質問なんだけど、死神さんってこれからも私らの暗殺を見てくれたりはしないのかな?」

 

「え?」

 

 半歩引いた場所で頷いていると、不意に水を向けられて思わず間の抜けた声が出る。

 

「確かになぁ……。乃咲や茅野のことも教えてるって話だし、俺らも出来れば教わりたいなぁ」

 

 予想外だ。まさか、こんなこと言われるなんて。

 ちょっと困っていると、烏間が入ってくれた。

 

「気持ちは分かるが、彼には彼の事情がある。それに、今回のこの訓練は彼の厚意で無償で行われているんだ。これ以上は迷惑を掛けるわけにはいかない。悪いが理解してくれ」

 

「……ま、そうだよね、ごめんなさい」

 

 生徒の1人、確か矢田さんと言ったかな。しゅんと消え入りそうな声で謝って来たので、咄嗟にフォローする。

 

「別に迷惑だとは思ってないさ。ま、なんだ。僕としては一番弟子を僕や烏間以上に強くしたい。今はそれに集中したいんだ。だから、イリーナのように毎日って訳にはいかないけど……まぁ、たまにならいいかな」

 

「えっ!本当!?やった!」

 

 花の咲いたような笑顔、という表現が似合いそうな笑みが咲いた。

 

「おい……そんなこと言って大丈夫なのか。前に自分で言っていたことだろう」

 

「あはは………僕っていつから子供に弱くなったんだろ…………」

 

「考えなしに言ったのか……!!?」

 

 思わず、本当に咄嗟に口から出た言葉。

 中学生3年生とは言え、女子。それも弟子と同い年の子にあんな反応をされてしまうとどうにも弱い。

 烏間から確認とツッコミを聞きながら視線を子供たちに向けると、矢田さんは圭一とハイタッチしていた。

 

「な、言っただろ」

 

「うん!」

 

「巨乳………ニクイ………」

 

 どうやら圭一の差金だったらしい。

 アイツ、ついには師匠を嵌める様になったか。

 

「弟子に嵌められるのは、死神の共通点の様ですねぇ」

 

「うるさいよ……」

 

 弟子のしてやったりと言う顔に頭を抱えて、先生のニヤニヤした笑いを躱し、まぁ、勢いで言ったとはいえ、確かに悪い気はしないから、言葉を撤回するつもりもない。

 教え子がクラスメイトと一緒にいる時はどんな様子なのか〜とか、今の先生がどんなふうに教育してるのが〜とか。興味のあることは沢山ある。

 

 まぁ、それに、子供たちの笑顔を見るのも悪くはない。

 

 ハイタッチした時、揺れた矢田さんの胸を見て何やらダークサイドに落ちかけている雪村さんに圭一がどつき回されている。

 うん、どうやら圭一は今日枯れるらしい。教え子にこれから訪れるであろう展開を予想しながら、僕はE組の暗殺非常勤講師(候補)になるのだった。改めて、凄い肩書きだけど……。

 

⬛︎

 

⬜︎

 

⬛︎

 

「ほぅ……本当に乃咲くんと瓜二つだ」

 

「………えぇと………」

 

「声まで同じ。ふむ、圭くんの親戚の中に1人、行方不明になっている少年……いや、青年がいると言うのは知っていたが、どうやらあなたのことの様だ。驚いたね、まさか伝説の殺し屋と謳われる人物が親戚とは」

 

 近い。距離が近い。

 魔王城の様な雰囲気漂う厳格な一室。

 

 僕は、教え子が魔王と呼ぶ男による、E組非常勤講師になる為の圧迫面接を受けることになるのだった。

 すまない圭一。なんか、無事に帰れるビジョンが浮かばない……。

 

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