暗殺教室 不良児は認められたい   作:ZWAARD

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加えてたくさんの高評価、感想ありがとうございます!

今回も投下しますのでお付き合いください……!


146話 期末の時間 5時間目

 

 俺は頭を抱えていた。学秀に対して超強気に啖呵を切ったのは良いけれど、実際、今回のテストでアイツに勝つのは容易じゃない。浅野学秀に勝つと言う時点でかなりハードモードだが、それに加えて今回のテストは椚ヶ丘史上最難関と言う噂もある。

 別にその程度で気押されるほど、俺だって柔じゃないし、自信をなくす様な半端な努力はしていない。

 

 でも、それだけで勝てるほど甘い相手じゃない。

 そして学秀に加えてカルマもいるし、他のみんなだって変わらず強敵揃いな訳で。俺は頭を悩ませていた。

 

 テスト勉強でゾーンを使っても、テスト本番でゾーンを使うつもりはない。制限時間は1時間。それを60時間に延長する様なことは流石に俺のプライドが許さない。

 しかし、かと言って今回の超難問ばかりのテストをそれでやり過ごせるとも思っていない。下手したら時間切れなんて最悪の結末もあり得る。それは流石に避けたい。

 

 ここでベターなのは、まずは時間が掛かりそうな問題は後回しにして、最悪捨てるという選択肢だが……。奴らに勝つには満点じゃなきゃ厳しいだろう。時間が掛かると言う理由で問題を捨てるわけにはいかない。かと言って、問題を後回しにする余裕もないだろう。時間との勝負は中々厳しい。

 

「あれ……ねぇ、乃咲。ここ教えて」

 

「はいよー」

 

 右手でノートに途中式を書きながら、左手で隣にいた茅野の参考書とノートをペンで示しつつ口頭で説明する。

 茅野には悪いが、俺も時間が惜しい。身体を向けてしっかり伝えたいところだけど我慢して貰おう。

 

「いいか、確率漸化式ってのは……」

 

「————の、乃咲……。器用なことするね」

 

 茅野に向かって口を開き始めた時、渚が身を乗り出して俺のノートと茅野の方を見ると少し引いたような声を出していた。少しと言うか、ドン引きというか。

 

「んまぁ、時間惜しいし。ごめんな、茅野」

 

「い、いやっ、私は気にしてないけど……。でも、私もちょっとびっくり……。何やってるの、それ」

 

「何って……右手でやってた問題解きつつ、左手で茅野に教えようとしてるんだけど。そんな引くことか?もともと俺が両手使える様に訓練してたのはみんなも知ってるだろ?」

 

「知ってたよ?知ってたけど……それとこれは別問題じゃない?自分の問題を解きながら他人の問題教えつつ、両手をそれぞれに使って、口では茅野の問題の解き方を解説するとか、作業量何倍だよ?マルチタスクが過ぎるだろ……」

 

 マルチタスク。そう言われると確かにそうかもしれない。

 複数の作業を同時にこなす。それ自体は慣れている気がする。殺せんせーの目指せ両利きノートのおかげで今や完全に右も左も同じくらいの精度で使える。んでもって、両手を同時に使うことも増えた。その最たるものは暗殺だろう。

 対先生マチェットでの二刀流、エアガンの二丁拳銃、マチェットとワイヤーを左右で同時に使う練習だってしている。

 

「けど、マルチタスク出来るの強いよな。同時に複数のことを考えて、並列して別々の作業を出来るってことだろ?夏休みの宿題とか最後で残してても、右手で数学、左手で理科みたいな感じでやれば効率2倍じゃん」

 

「そんなことすんのアンタだけでしょ……」

 

「でも乃咲ならやれるじゃん?現に、茅野の問題解きつつ、自分の問題やってんだから。両手が忙しそうだけど」

 

「………左右で別の問題をやる………か」

 

 前原の小学生みたいな理屈が引っかかる。

 悪い意味ではなく、俺の課題に解決策を吊るすかの様に。

 

「あの、乃咲?だめよ、前原の言ってること真に受けちゃ。宿題はしっかり前もって………」

 

「あ、いや、そっちじゃなくて……。左右の手で同時に問題解くのって………テストではありだと思うか?」

 

「…………え、テストで!?」

 

 俺の疑問が予想斜め上だったのか、岡野と前原が驚いた様に顔を見合わせて、助けを求める様に左右を見まわし、最終的にニヤニヤしている殺せんせーへと視線を向けた。

 

「テストで両手を使ったという話は確かにあります。右手で筆記を行いながら、左手を使って計算するとかね。でも、自分の掌を見る様な動きはカンニングを疑われるので推奨しません。しかし、乃咲くんが言ってるのは両手でペンを握り、複数の問題を同時に解くということ。しっかり問題と解答用紙にだけ視線を向けていればカンニングを疑われることはないでしょう。もっとも、流石にそんな前例がこの学校にあるとは思えませんが」

 

「先生的にはグレーですか、やっぱり」

 

「常識外れではあるでしょう。しかし、そこは試験官次第ではないでしょうか。もしも理事長先生ならば許容してくれるでしょう。しかし、キミが今までのテストでそうしていたのならまだしも、今回から急にやり出すのは少々奇天烈が過ぎます。それで注意を受けたりしたら目も当てられません」

 

 『この教室内でのテストであれば私はOKを出しますが、公の場で今後、受験や外部の試験を受ける際に突飛なことをする癖が付くことを考えるならNGです』と殺せんせーは言った。

 けどまぁ、自分でも言っていて流石に突飛すぎると思った。流石に両利きだからとペンを両手で握って受験してる奴がいたら目に付くし、間違いなく良い目では見られないだろう。

 

「しかし、テストで重要なのは何も知識だけではない。問題と時間の割り振りというスケジュール管理、配点の高くて簡単な問題を見極める効率の良い点の取り方などスキルだって大切です。そこで奇天烈だからとキミの並列処理の能力を割り切ってしまうのは勿体無い。それも学校生活で手に入れたチカラなのですから、堂々と使って正当な評価を貰うべきです」

 

「そうは言ってもどうやって……?」

 

「簡単な話です。頭の中で並列処理を行いつつ、あくまで出力先を右手で握った1本のペンに絞ること。大丈夫です。普段から暗殺においてさまざまなパターンを考え、状況に応じて武器や行動を使い分けらことができるキミきなら絶対に身につけることができますよ。先生が保証します」

 

 と、殺せんせーから頼もしいことも言って貰えたので俺は早速、新たな技能の習得に取り掛かることになった。

 複数の作業を同時に進める様な並列作業とが同時並行の作業ではなく、言い換えれば並列思考とでも言うべき技能。

 

 同時に複数のことを頭で考えるというそれは、口で言うのは簡単だ。でも、実際にやるとなると結構理解し難い。

 なにせ、同時に考えると言う感覚を知らなければならないのだから。『この場合は◯、この場合は△』という二つの選択肢に派生する思考から始まり、『◯の場合でAになったら☆、Bになったら□』という感じの思考を繰り返し、最終的には無数に分岐するフローチャートのようなモノを同時処理するつもりで思考化しろって言うんだから。

 

 しかし、案ずるより産むが易しというか、実際やってみるとそこまで難しいとも感じなかった。

 言葉で説明されると、そんなんできるか!ってツッコミがまず出たが、やってみると案外ぽろっといけた。

 本当にあっさり。普段クリアできないゲームの難関ステージをどうせ無理だろうって半ばチカラ半分でやってみたら簡単にクリアできちゃったってレベルでやれてしまった。

 

 実際、殺せんせーの言う通りだった。

 確かに暗殺をする上で俺は無数のパターンを頭の中に用意している。避けたらこうする、当たったらこうする、予想外が起きたらこうする。そんな選択肢を同時に保有し、状況に合わせて都度瞬間的に思いつく複数の対応策をそのまま頭の中で同時に発展させる要領でやれば簡単だった。

 

 並列思考は割とあっさり習得できた。

 でも、まだ練度が低いからか連続して使い続けると頭が痛くなる。ゾーン使って勉強してる時に知恵熱出るのと同じか。

 

「………いや、それを簡単と言ってのけるお前が俺は怖ぇよ」

 

「安心しろ杉野、お前だけじゃねぇ。1分が1時間とかそう言う超常的なアレじゃないなら俺らでも出来ると思ったけど、世の中そんなに甘くなかったわ……」

 

「にゅぅ……。まぁ、こればっかりは適性によりますから。長期的に訓練すればいずれ身に着くでしょう」

 

 何人か習得に挑戦してるようだが、上手くいってないらしい。

 もしかするとゾーンの恩恵なのか、あっさり習得できたの。

 

「いえ、キミの場合は日頃から近いことをやっていたからでしょう。集中力が後押ししてるのも否定はしませんが、キミが刃を磨き続けた賜物です。堂々と使っていきなさい」

 

「……そっか。ありがとうございます、殺せんせー。でもナチュラルに人の心を読まないでください」

 

「ヌルフフフフ、キミはわかりやすいですからねぇ。それで、実際にどうですか、習得した感想は」

 

「まだ即座に使えるとは言えないけど、実際かなり重宝できそうです。んでも、やっぱり物理的に腕が足らない気がしますね。同時に考えられる思考の数だけ腕が欲しいです」

 

 もしかして、殺せんせーの触手って殺せんせーの一つの思考で動かしてるんじゃなくて、並列思考で動かしてるのかな。

 

「……乃咲がまたバケモンみたいなこと言ってる」

 

「バケモンみたいなっていうか、バケモンになりそうなっていうか。俺、嫌だぜ?カイリキーみたいになる圭一」

 

「カイリキーじゃバケモンじゃなくてポケモンじゃねぇか」

 

「似たようなもんじゃない?乃咲もポケモンの住人感というか、マサラの血を感じる部分あるし」

 

「おめぇら俺のことなんだと思ってんだ」

 

「バケモン……?」

 

「フロム信者?」

 

「死神ファザコン」

 

「もうやだ、コイツら………」

 

「お前が言うな」

 

⬛︎

 

⬜︎

 

⬛︎

 

『それで、圭一。進路は決めたのか?』

 

「…………ごめん、まだ」

 

 テスト前日。俺は祖父母の家で俺に割り当てられた部屋の中で父さんと電話していた。

 もうすぐ期末だが大丈夫か、とどうやら心配してくれてるらしかった。いきなり電話が来た時は驚いたが、こうして話してみると……本当にこの人も変わったよな。

 

 父さんが変わったのか、それとも元々こんな感じの人だったことに俺が気付けていなかったのか。両方かな……。

 

「ジョンさんの方の受験はこっちの受験日とずらしてくれるって話だし、ひとまず特待生狙える私立か、それなりの公立を受けようとは思ってるんだけど……」

 

『ふむ……。日本に残るの選択肢としてはアリだろう。私としても海外に来ることを強制は絶対にしないつもりだ。しかし、受ける先はどうする。私立は椚ヶ丘なんだろうが………。先輩も乃咲くんなら高等部で特待生を狙えるでしょうと遠回しなオファーをこの前貰ったところだ』

 

「なにやってんの、あの理事長……」

 

『息子の学秀くんのライバルが欲しいんだろう。私としてもお前には対等な高め合える相手がいた方が良いと思って椚ヶ丘中学校を薦めたから気持ちは分かる』

 

「……まぁ。椚ヶ丘に進ませてくれたことは感謝してる」

 

『私も薦めて良かったよ。お前とこうやって話せるようになった。色んな縁に助けられたが……。そう言えば聞いたよ、学秀くんとライバルやってるんだって?』

 

「やってるな……。今回のテストはいわゆる最終決戦だし、改めて宣戦布告された。負けたらアイツのシリコンバレーで起業する計画に付き合わされるかも」

 

『それは本当に中学生の賭けなのか……?』

 

 それは俺もそう思う。なんとなく、一年の頃に将来の夢というか目標みたいな話をした時に記憶が間違ってなければそんなことを言っていた気がする。この前の奴の雰囲気だと俺の記憶違いって線はなさそうだが。

 

「ま、俺も負けるつもりはないから」

 

『頼もしいもんだ。それじゃあ、公立の場合は何処を受けるつもりだ?別にバカにするつもりはないが……公立は私立ほど目立つ高校はないだろう。それこそ椚ヶ丘に比べれば』

 

「それもそうなんだけどさ。ちょっと色々と考えてるんだ」

 

『例えば?』

 

「来年から父さんは本格的に海外で活動する。んで、俺は日本に残るとなると、ちょっと早いが気分的には独り立ちになるだろう?事実、活動拠点が別れるわけだし」

 

『そうなるな。私もずっと海外にいるつもりはないが、少なくとも数年はこっちでの活動がメインになる。となると、高校入学を機にそのまま一人暮らしでも始めるつもりか?』

 

「ありかなっては思ってる。金銭面も……ほら、来年も地球があるってことは、殺せんせーの暗殺に成功したってことだし、賞金が出るから。父さんに負担かけることもないと思うし。3年分の家賃と学費、光熱費とか。そんくらいは分前で余裕で負担できるだろ。大学への進学とか考えるなら1年のうちからバイトしてれば賄えるだろうし。あとはその時々で相談するよ」

 

『そこは子供が気にするところじゃない。金だけはあるからな、我が家には………。金銭面は気にするな』

 

「金銭面で親子で言い合いするよりはずっといい。まぁ、それでも本当の独り立ちする時に向けての予行練習ってことでやれるだけやるよ。ま、来年に地球があればだけどな」

 

『縁起でもないことを……と言い切れないのが怖いな。その時は2人で圭に頭を下げよう、予定より早く死んでしまったと』

 

「とりあえず、進学先の件については今月中に答え出すから」

 

『わかった。テスト、頑張るんだぞ』

 

 父さんからの電話が切れる。

 長ったような、短かったような。ツーツーとなんとなく寂しさを感じる音を遮断して、スマホをベットに放り投げながら、そのままの勢いで体も投げ出して天井を見上げた。

 

 思い返すのはさっきまでの電話。まさか、父さんとあんな冗談を言う日が来るとは思いもしなかった。

 いや、冗談だけではなく電話でわざわざテスト前の激励をされるようになるなんて本当に考えられなかった。

 

 こんなことを考えるのも何度目だろうか。父さんと言葉を交わした後は毎回のように同じことを思う。

 それもこれも倒れた時に正論をぶつけてくれた悠馬や心配してくれたクラスメイト、なにより殺せんせーが色々と動いてくれたことが大きいというのは間違いない。

 

 だからこそ、と言うべきだろうか。未来の話をすると悲観的な思考が脳裏をよぎるのは。

 未来が訪れると言うことは、殺せんせーが死んでいるということ。それも俺たちのうちの誰かの手に掛かって。そうなることが今年、俺たちに与えられた任務であり、人生逆転のチャンス、そしてつけるべきケジメだ。

 

 もう何度目の思考になるか分からない。それでも、と考えずにはいられない。今年入ってこの教室で殺せんせーに救われた人間は多い。物事の大小あれど当人たちにとっては致命的な部分の乗り越え方をあの人に教わったから、今の活気がある3年E組がある。今があるのは殺せんせーのおかげだ。

 殺せんせーを殺すこと。たった一つの俺たちの任務だが、それは人生を変えてくれた恩人を殺すということ。だけど俺たちや何も知らない人たちの未来を守るという意味で殺すべきという考えは理解できる。けど、俺たちは殺したいのだろうか。

 

 みんながこんな話をしているところを見たことがない。だからと言って責めるつもりはない。俺がこんなことを考えてるのを知ってるのはヒナとビッチ先生、そして殺されようとしている当人くらいだ。

 みんな暗殺は継続している。けど、それは今年が始まってからやってることを惰性的にやってるんじゃないのか。

 みんなが真剣にやってないなんて言うつもりはない。それでも、みんなが『殺せんせーを殺す為に学んでいる』というスタンスが根底にあるからか、そもそも殺したいかどうかを考えている素振りを感じられない。やる気のある惰性的な暗殺。みんなにそれを気付かせないのが殺せんせーの上手いところだ。

 

 けど、みんなもいずれ気付くだろう。殺せんせーの命に最も迫ることができた時、あるいは殺せんせーも死ぬ生き物なんだと気付いた時に俺と同じことを思うだろう。この人を殺すべきなのか、殺したいのか、殺していいのかと。

 

 個人がまばらに気付き始めて最終的にクラスメイト全員が自覚するなら問題は薄いのかもしれない。自分の中に留めて考え、悩み、誰かに相談をして答えを出す。それなら割り切った言い方をすれば問題ない。

 けど、複数人が同時に気付いたら?みんながみんな、自分なりに納得できる理由を見つけようとしてる最中にもしも対立意見が出てしまったら?どんなことになるだろうか。

 

 例えば渚はどうだ?殺せんせーに憧れてるアイツは、殺すしかないのなら自分の手で殺したいと思うだろうが、殺したいか殺したくないかで言えば後者だろう。そこは理解できるし、俺もそうだ。好き好んで殺したい訳がない。

 

 それに対して殺すべきと主張するのは……カルマだろうか。アイツならもしかすると俺と同じことを考えるかもしれない。殺したいか殺したくないかで言えば後者だけど、殺せんせーの心情を慮れば殺すべきだと主張すると思う。こっちの心情も理解できるし、俺は選ぶとしたらこっちだろう。

 

 殺すべきと主張する奴と殺したくないと主張する奴。根っこの部分は殺せんせーが好きという同じ思いであるが故に根深い。ただの意見のぶつかり合いで済めばいいが、尾を引くような対立になる可能性は否めない。

 

 俺はみんなが好きだ。できれば対立するような展開にはなって欲しくない。仮にそれが成長の為に必要なことであっても。

 もしもそんな展開を回避できる手段があるのだとすれば……俺が先んじて殺せんせーを殺しておくこと。問題が発生する前に発生源を潰す。そうすれば仲間が対立し合うことにはならない。

 

 もしかしたら、殺した後でやっぱり殺したくなかったと思った仲間に恨まれるかもしれないけど、それでも禍根が残るのは俺だけで済む。それにみんなも薄々感じてくれてると思うけど、あの教室で一番殺せんせーの殺害を実現できる可能性があるのは俺だ。その辺の木っ端殺人鬼に殺されるよりはよっぽどマシな結果だと納得してくれるだろう。

 

 俺の心は決まっている。殺せんせーは俺が殺す。

 こうして未来のことを考えるとそうするべきなんだろうと改めて同じ結論に辿り着いてしまう。

 

 遅かれ早かれ、殺せんせーは死ぬ。3月には寿命が来る。助ける手立てはきっと見つかってない。仮にそんなものがあるのなら、政府が何かしらのアプローチをしてる筈だ。仮にそんな研究をしてる施設があるのなら、俺が襲撃を仕掛けたっていい。

 でも、殺せんせーを殺す作戦は実践されても、無力化する作戦は実行されないところを見ると、殺すしか手段がないのだと分かる。だからこそ、割り切れる。殺すべきなんだと。

 

 いや、殺すしかないんだと。

 

 けど、やっぱり、どっかでそう言う研究してないかなぁと期待したくなる訳で。いっそ俺がゾーンに入って本気を出せば水の上とか走れるだろうし、地上にある研究機関を全て洗ってみるかとか考えてみたり。

 

「…………いや、もう寝よう」

 

 何を考えても、明日のテストの方がまずは優先だ。

 みんなでA組に勝つ。俺は学秀とカルマに負けない。少し先の未来よりも数時間後に差し迫った対決に備えて今日はもう休もう。少し早いが、前日に慌てても仕方ない。

 

 俺は布団を頭から被り、枕を抱いて眠るのだった。

 




あとがき

はい、後書きです。

さて、次回はテスト本番になります……。
でも、その前に何とかエアプリールフールに投稿しようとしてる話が間に合いました……!4月1日に投下しますのでそちらもお付き合い頂ければ嬉しいです!

4月1日、5月1日、6月1日と前編、中編、後半の3部構成を計画してます。
IFルート or 番外編の方に投下しますので、気が向いたら読んでやってください……。

今回もご愛読ありがとうございます!
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