暗殺教室 不良児は認められたい   作:ZWAARD

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加えて、たくさんの高評価、感想ありがとうございます!

今回も投下しますのでお付き合いください……!


180話 視点の時間

 

「そんなことがあったんだ……」

 

「はい……。正直、反論の余地を見つけられませんでした」

 

 女子会の翌日、僕らは集まってそれぞれ何があったのかをお互いの視点で話していた。メンバーは殺したくない派とでも言えば良いのかな。僕、磯貝くん、前原くん、杉野、奥田さん、神崎さん、片岡さんだった。

 今回の男子会と女子会の会話内容は律が議事録を取ってくれていたから、それぞれの会での出来事は知ってはいるけど、良くも悪くも律は中立。その場の空気感を知るには経験した者同士で伝え合うのが良いって判断したから。

 

 ちなみに、場所は茅野の病室。

 本人が奥田さんにどんな話をしたのかって聞きたがってたらしい。その流れで彼女からOKを貰って僕らは集まった。

 

 2度目だが、議事録には目を通したので何があったのかは知ってる。奥田さんも乃咲に助力をお願いしたけど、上手くいかなかったらしい。正論を並べられて後は沈黙するしかなかった。

 

「うーん……乃咲の奴、取り付く島もなさすぎねぇ?」

 

「いやでもよぉ、間違ったこと言ってねぇぜ?男子会の時はそれこそ、気持ちを話すだけになっちまったけどよ、女子会の方で話してた、乃咲が助ける選択肢を取らない理由を聞いたら『そりゃそうだよな』ってなったもん、俺」

 

「そうだね……。私も同じ気持ち。ここまで考えたんなら諦めるのも仕方ないって共感できる部分がたくさんあった」

 

「……まぁ、圭一の話し方が少しキツくなってたのも否定はしないけど。でも、俺は責められないな。アイツも言ってたろ?上げて落とすみたいなことしたくないって。アレでも本人なりに気を使ってるんだ」

 

 それは分かるような気がする。

 昨日の出来事を文字で追っていた僕も、乃咲から殺せんせーを助ける心当たりが無いではないって言葉が出た時は心臓が跳ねたけど、その後に出された条件の難易度の高さに上がったテンションはすぐに落ち込んだ。

 確かに希望を見つけたと思ったのに、そもそも達成がこの上なく難しいことを懇切丁寧に話されて、気落ちした。

 

 そして、乃咲本人もそれを経験したんだろう。方法を並べることも、懇切丁寧に語ることも、自分が理解してなければ出来はしない。アイツも、助けられる可能性を見つけて、だからこそ深掘りして、その難易度の高さに挫折したんだ。

 

 そんな思いをさせないようにするのは確かに気遣いだと思う。案の定、聞いた僕らは気落ちしてるわけだし。

 乃咲の言葉は耳に痛くて、そして僕たちから見ても正論な訳で。少し複雑な気分になる。

 言ってることは正しくて、否定できなくて、でもだからって諦めたくない。けど、乃咲の言葉を否定はできなくて。だからこそ、彼やカルマくんの力を借りたいのに、当の本人たちが相談に乗ってくれない。その気にさせてみろって姿勢だ。

 

「乃咲の主張はざっくりこうだ。『色々考えたけど、助けるのは無理ゲーだ。だから殺す方を選んだ。殺せんせーや仲間との絆を中途半端に終わらせない為に。それでも助ける為に俺の力を貸して欲しいって言うなら、俺をその気にさせて見ろ』って」

 

「要約するとそうなるよな」

 

「で、でも、どうやって……。乃咲くん自身が言ってたように、不可能としか思えない部分が多すぎます……。その上で彼をその気にさせるような何かを探すなんて……」

 

「普通は無理よね。だから本人もそう言ってるんだろうし。別に無理だと分かってることをやらせようと意地悪してるって意味じゃなくて、客観的な事実として。乃咲くんの覚悟を変えるには、まずは絶対にムリって前提を解決しないとダメだし」

 

 色んな意味で無理ゲーだ。

 議論と相談、乃咲が女子会でそんなことを言っていた。僕との口論じみたやり取りはそれが原因だと。

 

 言ってる意味は分かる。女子会で話していただけの内容を考えた上で彼は僕との話し合いに臨んだ。彼が欲しかったのは、助けたいから手伝ってくれって言葉じゃなくて、『こうすれば助けられると思うんだ。だから一緒にやろう』って提案だった。

 そこに対して僕は、提案をするのではなく、アドバイスを求めた。助けたいんだとけど方法を一緒に考えて欲しい、手伝って欲しいって。それが根本的な僕らの姿勢の違いだった。

 

 確かに彼からしたら面白くないと思う。

 自分はアレだけのことを考えた上で殺すことを選んだのに、具体的な意見や提案もしない相手にあんな風に言われたら。

 

 でも、それは僕だって同じだ。

 確かに思考量は彼には及ばないかもしれない。でも、僕だって何も考えてないわけじゃない。どうすれば助けられるのか、僕なりに考えた。でも、わからなかったからこそ、みんなの力を借りたかった。みんなで考えて欲しかった。

 

 頭の中で同じ思考が繰り返す。乃咲を責めて、でも分かる部分が多いから共感もして、それでも自分の気持ちも分かって欲しくて、また責めて、でも自分が彼と同じことを考えていたらきっと似たような言い方をするんじゃないかって考えて。

 

 思考が前に進まない。

 

「あのさ、ちょっと良いかな」

 

 そんな時、初めて茅野が声を上げた。

 みんなの視線がそちらに向き、彼女は一瞬だけ居心地悪そうにしたあと、ポツポツと言葉を紡いだ。

 

「乃咲ってさ、本当に殺せんせーを助けることを諦めたの?」

 

「どういうこと?」

 

「いや、なんかさ。みんなの話を聞いて、律が作ってくれてた議事録を見てってしてるとね、本人なりに助ける方法を必死に考えたってことは分かるし、考えついた心当たりの難易度の高さに挫折してるように聞こえるけど……。彼、本気で諦めたなら、わざわざ言葉にしないと思うんだよ」

 

 彼女の口から紡がれる言葉は考えもしない内容だった。

 けど、同時にピンとこない内容でもあった。

 

「すまん、茅野。よくわからない……」

 

 前原が申し訳なさそうに、苦々しく手を上げる。

 そして言ってる本人も言葉を探してるのか、難しい顔をしながら頷き、それでも僕らに自分の考えを伝える。

 

「えっとね、めちゃくちゃ噛み砕くとね。乃咲の主張ってアドバイスを求めてるようにも聞こえないかなって」

 

「……乃咲がアドバイスを?」

 

「うん。乃咲なりに色々と考えてた。それはみんなも分かってるんでしょ?」

 

 彼女の問いかけにみんな頷く。

 そうだ、そこはみんなしっかり分かってる。僕だって分かってるつもりだった。だから、迷わず首を縦に振る。

 

「さっき、前原くんが彼の主張を要約してたけどさ、私にはこんな風に聞こえたかな。『俺はこんだけ考えた。でも無理じゃん、それでも助けたいって、力を貸してくれとか言われても無理だよ、どうすればいいんだよ?』ってさ」

 

「…………ぁ」

 

「なんかさ、渚と乃咲たちのやり取りみてると……って言うか、今回の男子会と女子会の議事録を見てると、乃咲がムキになってるように感じるんだ。ちょっと嫌な言い方をすると『そんくらい俺だって考えてんだよ、その上で無理だって言ってんの!』って。そりゃ、誰だってとっくに考えたことを後から指差されてたらあんまり面白くないよね」

 

 茅野の言葉で僕は振り返った。

 この数日の乃咲とのやり取り。殺せんせーを殺す、殺さないって話題に触れてる時の彼の言動を。

 確かに、彼女の言う通りかもしれない。乃咲だって言っていた。助けられるなら助けたいって。その為に色々と考えて、でも無理そうで。だから責めて最悪の結末にならないように殺すことを提案して、僕にもっと考えてよって言われる。

 

 確かに、それは僕が同じ立場でも面白くない。

 

「乃咲の言い方とかもキツいと思うけどね。そこは明確に乃咲が悪いって思うけど。でも、そうやって考えてみるとさ、乃咲も渚も相手にアドバイスを求めてたんだと思うな」

 

「渚は助けたいって一辺倒すぎ。それじゃあ乃咲は納得しないし、彼なりの覚悟を直接聞いてたカルマくんだって頷かないよ。でもね、乃咲にもやっぱり悪いところがある」

 

「乃咲は言葉足らず過ぎ。確かにあんな言い方だと渚も一方的に否定されたような気分になるのも無理ないと思う。本人もちょいちょいネタにしてるけど、やっぱりコミュ症なんだよ、アイツ。まぁ、だから反省して女子会の方では無理だと思った理由とかも話したんだろうけどさ」

 

「きっと、お互いに本心はアドバイスが欲しかったから、2人は言い合いになったんだよ。話が噛み合わないから。渚は主張だけしすぎ、乃咲は言葉足らずな上に、本心ではアドバイスが欲しかったんだとしたら、ナチュラルに自分と同じレベルの思考を他人に求めすぎ。本人だって言ってたように思考速度は私たちより何百倍も早いんだよ?」

 

「実際に、この前戦ったから分かるんだ。乃咲は私たちの思ってるよりも遥かに早く色んなことを考えてるって。そう言う意味だと、私たちも乃咲がこう言うなら、相当に考えたんだなって思っておかなきゃなんだろうけどさ」

 

「んで、大事なのはここから。まぁ、私の思う乃咲圭一の人物像って感じの話なんだけどさ」

 

 茅野の思う、乃咲の人物像?

 考えもしなかった話題の切り出し方に面食らうけど、彼女はじっくりと煮詰めるように口を開く。

 

「乃咲はね、合理性を考えちゃう人」

 

「感情論だって大切にするし、周りのこともちゃんと見てる。その上で、根幹にあるのは"こうするべき"って考え方」

 

「今回の彼の意見だってそうだよね。『殺せんせーを本心では助けたい。でも、不可能に近い。なら、誰も望まない最後を迎えるよりはみんなで前に進める方法を取るべき』っていうのが乃咲の結論だと思うのよ」

 

「"こうするべき"と"こうするべきじゃない"って今年一年で乃咲について回ってた問題だよね。夏休み明けのA組行きで誰にも相談しなかったこと、あとは死神に襲われた時に1人、殿を真っ先に買って出たこと」

 

「あとは………イトナくんや私の触手を取る時の行動。"こうするべき"って判断したことに関して、乃咲の行動は早いし確実だよ。誰よりも早く殺せんせー周りのことを把握して、理解して、だからこそ、自分と同じように周りが悩まないように、単独で暗殺を覚悟して、結果として失敗したけど、事実、殺せんせーは殺されたも同然だった」

 

 磯貝くんは頷きながら聞き、みんなも振り返るように俯き、時折、『確かに』と納得するように呟く。

 みんなもある程度、茅野の考えに賛成というか、乃咲圭一という人間に対する認識として同意できたらしい。

 

 そのことに安心したように茅野は頷いた。

 

「でね、私は思うんだよ。そんな合理的な人が、今、確実に殺せる状況で暗殺を仕掛けないのはなぜだろう。殺せんせーを助けられない理由を、不可能だと思う理屈を並べて、それでも『お前たちも諦めろ』って言わないのはなんでだろう?って」

 

「……確かに。圭一なら、やるべきって思ったらそれくらいはするよな。たぶん、殺すって自分の中で本当に決めたなら、形だけ、殺したくないって主張してる奴らに同意して、みんなを丸め込んで、最後に1人で殺しに行くくらいはするし、できる」

 

「うん。私もそう思う。じゃあ、なんでそれをしなかったのか」

 

「それは……本人も言って、実際に目指してるように周りを見るようにしたからじゃない?」

 

「だね、それも絶対にある。周りの考えも大事にしようって姿勢は伝わってくるもの。でも、だったら助けたいって言ってるみんなのやる気を失くして、クラスの中で対立が起きそうな……あんな言い方する?」

 

「……………俺だったらしないな。いや、口で言ってるだけだから、どうとでも言えるけどさ。無理だって理屈は並べないと思う。まして、あんな詳しい考察まで付けねぇよ」

 

「それは……僕や奥田さんが深掘りしたからじゃない?」

 

 奥田さんも少し気まずそうに頷いた。

 けど、茅野は首を縦に振りながらも否定した。

 

「そうね、それもあると思う。でもね、本気で周りを諦めさせるつもりなら、もっと別の言い方もあるよ。みんなも知ってるでしょ?乃咲、今は殺せんせーに弟子入りして死神の技術を教えてもらってるんだってさ。なら、私たちの何倍も考えるのが早い乃咲なら、簡単に会話を丸め込んで自分の望む方に誘導する技術だって持ってるんじゃないかな」

 

「それは……うん」

 

「本人が自分の意志で使ってないのか、無意識で使ってないのかは分からないけど、そもそも乃咲の答えはずっと出てるんだよ。『俺は無理だと思う。でも、お前らに諦めろって判断言わない』って今回の話し合いで何回も出てきたフレーズだよね。それが答えだよ。乃咲は諦める姿勢を取ってるだけで、諦めきれてない。だから、助ける為に必要なこととかをあんなにスラスラと喋れたんじゃないかな」

 

 そう言われてみると、思わず頷ける。

 彼の話した殺せんせーを助けるために必要なプロセス。それは、乃咲が諦めた理由だ。でも、裏を返せば助けるために考えた内容でもあると思える。

 

「『俺の力が必要だって言ってくれるなら、可能性を見せてくれ』って、完全に諦めた人の口からは出てこないセリフだよ。それなりの期間、芸能界に身を置いて、色んなお芝居を見て、色んな人を見てきた私に言わせればね」

 

「だから、乃咲は完全に助けたいって意見と対立してるわけじゃないと思う。今後、彼がどう動くのかは……それこそ私たち次第じゃないかな。本当に助けられる可能性はゼロなんだって思ったなら……うん、誰にも何も言わなくなると思う」

 

 ここまでの話を聞いていると、茅野の懸念は大げさとは言えなかった。そして、僕らは乃咲が無茶をする場面を何度も見た。身体が悲鳴を上げていても、メンタルがボロボロになっていても、彼は止まらなかった。

 

 タイムリミットは……僕らが思ってる以上に近いのかも。

 

 殺せんせーを助けるために僕らに、僕にできること。乃咲を説得する為にできることを考える。

 

 顎に手を当てて、首を捻ろうとしたその時、杉野が目を丸くしながら、茅野を見ながら言った。

 

「茅野って意外と乃咲のこと見てんのな……」

 

「えっ………!」

 

 杉野があっけらかんと放った一言に僕らは思考が停止した。

 

 乃咲と倉橋さんが付き合ってるのは周知の事実。だが、なんとなく茅野が乃咲のことを好いてるのも周りの共通認識だと思っていた。これまでも乃咲が倉橋さんと仲良くしてるのを見て、なんとなく嫉妬してることが分かる態度を取っていたり、不機嫌になる場面を見ていたから。

 そして、先日の事件で決定的になったかもしれない。あの時の彼女は言動の一つ一つが妖しく、乃咲を誘うようにどこか淫靡な表現ばかりしていた。その上、乃咲は茅野を助けてみせた。傷一つ付けることなく、指一本触れることなく、無力化した。

 

 何気なく、倉橋さんが女子たちと話している場面を思い出す。教室でたまたま聞いた、何がない雑談だった気がする。

 

『圭ちゃんの本気の気遣いって、たぶん、刺さる人には凄くブッ刺さるんだよ。分かりやすく自分から積極的に動くタイプではないし、本人も自覚してるけど結構不器用だから。でもね、所変われば品変わるって言えばいいかな。本当に必要にしてる人にはそれがいいんだと思うんだ』

 

 茅野は、彼女の言う"凄くブッ刺さる人"なんだろう。

 そう言えば、わかばパークに行った時、綾香ちゃんという一個下の後輩を立ち直らせていた。

 

 ………そういう僕もだ。僕と母さんの問題にいつの間にか乃咲がいた。まぁ、母さんが引き摺り込んだんだけど。でも、それでも彼は嫌な顔をせず、僕にとっても、母さんにとっても良い方向に話を持っていくために色々と動いてくれていた。

 

 分かりやすく動くことはないけど、必要としてる人、助けを求めてる人たちには見えているんだ。乃咲がそう言う場面で見せる気遣い、優しさ、暖かさみたいなものが。

 

「杉野………お前、後で説教な」

 

「えっ……あっ、悪い!そんなつもりじゃなかったんだ!!ごめん、茅野……」

 

「ううん、いいよ!むしろそこ話題で腫れ物に触るみたいな態度の方が傷付くから……。ネタにしてほしいわけじゃないけど、でも、あからさまに避けられるのもしんどい……」

 

「複雑な乙女心って奴だな……。んで、当の本人は気付いて……るわけないか」

 

「でしょうね………」

 

「そうだろうね……」

 

「ですね…………」

 

「いや、あれでもちゃんと鋭いところは鋭いし、ここぞって時はしっかりクリティカル出すぞ!確かに倉橋からの告白をしばらく保留したり、そもそも好意に気付いてなかったり、気付き掛けても勘違いすんなって自分を戒めるクソボケだったり、無自覚にちょっと関わった後輩から好かれてたり、絶妙にズレた部分があったり………くっ、すまん、圭一。擁護できん……!」

 

「むしろ、ここぞって時とここぞって相手にしかクリティカル出せないから、残念キャラを抜け出せてないんじゃね?」

 

「………倉橋、良くあんなの落とせたな」

 

「あ、あんまり乃咲を悪く言わないでよ……」

 

 みんなの言葉を聞きながら、考えた。

 乃咲が力を貸してくれない、相談に乗ってくれないって部分が不満で、見落としていた。もしかすると、今の彼の言動も誰かに寄り添ったものなのかな。

 

 ……だれか、なんて分かってる。殺せんせーだ。

 本人も何度も言っていた。他ならない、殺せんせーが望んでるって。そんなフレーズをこの短い期間で何度も。

 

 彼を客観的に見た視点はかなり複雑だ。

 本心としては助けたい。でも、客観的な事実として不可能に近い。その上、殺せんせー本人は僕らに殺されることを望んでる。そして本心とは別の心情的な部分では殺せんせーを殺すべきだと思ってる。けれど、諦めきれてない。

 

 乃咲は現状に雁字搦めになってるのかも。

 周りより先に殺せんせーの命について考えていたから、周りよりも何倍も早く思考を回せるから。いろんな部分に目が向いて、身動きが取れなくなる。

 

「ま、乃咲を擁護するようなこと言っておいてなんだけどさ、やっぱり言葉足らず過ぎる部分があるから、そこはビシッと言っていいんじゃない?お父さんとの関係で言葉足らずな相手に散々悩んでたでしょー!って」

 

「………だね、うん。ありがとう、茅野」

 

「いいよ、気にしないで!それより、そろそろ乃咲がお見舞いに来てくれる時間になるしみんなもう行った方がいいんじゃない?まだ、直接話す覚悟はできてないでしょ?」

 

「そうだな、そろそろお暇しよう。ありがとうな、茅野」

 

「ありがとう茅野、少し気が楽になった」

 

「いいよいいよ、私にできることならなんでも言って!」 

 

 笑ってくれる茅野にそれぞれ言葉を投げて、病室を出る。

 倉橋さんが来るかは分からないけど、茅野にとってもあんまり邪魔はされたくないだろうしね。

 

 ……僕も考えないと。乃咲やカルマくんが納得してくれる言い分や、道筋を。きっと、ヒントは彼の言葉の中にあるはずだ。

 




あとがき

はい、あとがきです。
圭一の意見をちょっと違う視点で書いてみました。

「かくかくしかじかで、殺せんせーを助けるのはほぼ無理ゲーだ。それでも俺の力が必要だって言ってくれるなら、俺を納得させてくれ」

圭一にとって自分の意見は事実。
渚にとって圭一の意見は正論。
茅野にとって圭一の意見は相談。

三者三様というか、難しいんですよね。人との関わり合い。

ご愛読ありがとうございます!
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