暗殺教室 不良児は認められたい   作:ZWAARD

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加えて、たくさんの高評価、感想ありがとうございます!

今回も投下しますのでお付き合いください……!

なんか、最近また文字数がボリューミーになってきた……。

◾️追加
忘れてた、今日、暗殺教室公開されるじゃん!!!?


195話 体力測定の時間 3時間目

 

 シャトルラン。大体の学生がその単語を聞くと身の毛がよだつ感覚に襲われることだろう。

 懐かしい。今年度の測定は……というか、シャトルランをする度に密かに思っていた。最初の脱落者になりたくない。きっと、俺だけではないだろう。大体はクラスの半分に分かれて1回ずつ測定するが、今回はクラス全員でやることになってる。負けず嫌いにはキツいイベントだ。

 

 俺は次々にギネスを軽々越えるレベルの人智を軽く飛び越える記録をポンポンだしながら、そんなことを考えていた。

 クラスの中の平均に収まっているのは長座体前屈くらいじゃないだろうか。握力も学校にある奴じゃエラー出たし。

 

「乃咲」

 

「……ん?雪村」

 

 身体を冷やさない程度に動きながらぼんやり考えていると、一時退院中の雪村が声を掛けてきた。

 

「最近はお見舞いに行けなくて悪かった。身体は大丈夫か?」

 

「うん、すっかり元気だよ。来れなかったことも気にしないで。仕方ないし、LINEしたらしっかり返事してくれてたじゃん。それにプレステ貸してくれたお陰で退屈しなかったから」

 

「なら良かった」

 

 笑みを浮かべる雪村には演技してる時の雰囲気はない。茅野カエデをやっていた頃の柔和な笑みはそのままに、纏う空気は幾分か穏やかだ。やっぱり、こういうところは雪村先生に似てる気がする。

 

「私はまだみんなと一緒に走れないから見学だってさ。ちょっと悔しいかな」

 

「仕方ないだろ。無理することじゃないって。気持ちは分かるけど、それでたおれたらまたみんなに心配かけるぞ?今年に入ってから一番倒れて、一番心配かけてる人間が言うんだから間違いない。怒った悠馬は怖いぞ?」

 

「ふふ……それ、胸を張って言うことじゃないよね」

 

 少し戯けて言うと、雪村は笑った。

 その様子を見て少し安心する。

 

 家族を失う痛みも、失った痛みも俺は知らない。だから、安易に前を向けなんて姉を失った雪村に声を掛けられるわけもない。だからこそ、演技の気配を滲ませることなく、穏やかに笑う所を見ていると安心した。これなら大丈夫かな、と。

 

「乃咲ってさ、思った以上に凄い人だったんだね。日本記録どころか世界記録を軽く塗り替えて誰に追い越せない記録をポンポンと出しちゃうんだもん」

 

「俺が凄いんじゃなくて、両親が凄いんだけどな。この身体能力に関しては。俺も頑張って鍛えたけど、やっぱりそこだけは否定できないわ」

 

「私は触手を持ってた時、自分の触手の速さに合わせて見える世界がその分だけ緩やかに見えてたけどさ。それでも乃咲の動きは追いきれないことがあったもん」

 

「父さん曰く、母さんの難病は遺伝子の疾患というか突然変異とかで細胞の代謝が悪くて生命維持やら身体を維持するのに必要なエネルギーを作る量が少ないって物だったんだってさ。そんで、その疾患を治すというか、直そうとした結果、半ば改良みたいになったんだって」

 

「改良?」

 

「そう。エネルギーを作る効率が悪いなら、効率を上げればいいって。それが出来ちゃうあたり、父さんは天才なんだろうけど。実際、その研究を利用して造られたのが反物質造機能を持った触手なわけだし」

 

「………そうだったね」

 

「んでさ、俺、思うんだよ。その触手に魔改造される前の父さんの研究。エネルギー生産効率を上げるって内容について。具体的にはどうやるんだろう?って」

 

 ぼんやりと空を眺めながら、まだ自分の中でも思考がまとまってない部分を雪村に話してみる。

 話半分というか、先天的か、後付けされたかの違いはあれど、特異な力を持っていた彼女になんとなく聞いて欲しかったのかもしれない。

 

「もしかしてさ、実はその時点で俺たちの細胞は反物質を作るように設計されていたんじゃないかなって」

 

「……反物質って具体的にどんな物なの?単語はよく聞くようになったけど、正直、そこまでは理解が追いついてないんだ」

 

「俺たちの周りにある物質の反対の構造を持ってる物質だな。あれだ、磁力のプラスマイナスとか……簡単に言うと燃焼と凍結みたいなイメージだよ。燃焼と凍結ってどっちも本質的には熱に関するものだろ。方向性がプラスかマイナスか。それだけの違いだ。プラスの方に寄ってるのが人間の体を含めた、この世界を構成してる物質な」

 

「……うん、ここまでは理解できたよ」

 

「んで、二つが出会うと対消滅……要するに、お互いで打ち消し合うんだ。その時に膨大なエネルギーが発生するんだが、柳沢が触手を作った理由は、この対消滅で生じるエネルギーを電気やら人間が使うエネルギーに変換して地球のエネルギー問題を解決しようって話な。その為に反物質を無尽蔵に造り出す仕組みが欲しかった。その結果、生物の新陳代謝に組み込んでしまおうって発想して生まれたのが殺せんせーだ」

 

「えっと、今の話をざっくり整理すると、私たちの身体とかとは真逆の構造の物質があって、これが反物質。私たちとその反物質が接触するとすごい力になる。その力を電力とか熱に変えようとしてるのが柳沢ってこと?」

 

「そそ。とはいえ、俺も理解しきれてないけどさ」

 

 俺自身、そこまで詳しくは理解していない。

 ただ、柳沢がやたらと俺を目の敵にしてくるのが鬱陶しくて、俺自身、あいつがなんとなく気に食わなくて、本当は頭ごなしに否定したいけど、流石にそれをするのは俺の主義に反するってことで、触手誕生の経緯を聞いたあと、俺なりにアイツのやろうとしたことを理解してみようと調べて見た。

 

 この知識は、その時に自分なりに噛み砕いた物だ。

 

 たぶん、反物質がエネルギーを発生させる理屈あたりは不破さんとか漫画好きな連中にはメドローアみたいなものって言えばすんなり理解して貰えるだろう。

 でも、そんな一部にしか伝わらない言い方や引用ばかりで自分の口から表現できないものを理解とは言わない。

 

 だから俺なりに考えた内容を話してみたが、伝わっているようで安心した。

 

「それで、その反物質が乃咲の中でも造られてるって話?」

 

「可能性はあるよなってレベルの話だけどな」

 

 実際、俺の体には不思議な点が多すぎる。

 この異常な身体能力は細胞がエネルギーを常人とは比べ物にならないレベルで作り続けた結果、そのエネルギーを取り込んで、より頑丈に、より高出力で使える身体になったという説明で納得できなくはない。

 

 ただ、それでも代謝である以上は変換するため材料は必要な訳で。それは本来、食事で取るものだ。けれど、俺の身体は別に普通の人に比べて燃費が悪い訳ではない。

 

 さらにいくら効率が良いといっても、そんな1渡して100返って来るみたいな交換があり得るのだろうか?

 

 他にも不思議な部分はいくらでもあるが、そういう諸々を突き詰めていくと、最終的に、俺の身体でも、反物質的な何かを作っていて、それが膨大なエネルギーを作り出した結果、身体が強化されてるとか。そんな風にしか思えなくなる。

 

「ま、あんまり深く気にしないでくれ」

 

「そう?なんかあったら話してよ。今度は私が乃咲を助けるからさ。そういう触手とか、強化人間だとか。そんな話はある程度、共通点がある人の方が話しやすいでしょ?」

 

「そうだな、行き詰まったら聞いてもらうよ」

 

 確かに、こういう話題は経験者じゃないけど、ある程度、身に覚えがある奴の方が話しやすい感はある。

 こんなこと言って、否定されないかな?という少なからず感じる不安が薄らぐ。話すのに気が楽だ。

 

「さて皆さん、そろそろ今日のメインイベント行きますよ〜!」

 

「……んじや、そろそろ行くわ。話聞いてくれてありがと」

 

「いいよ。あんまり思い詰めないでね」

 

 雪村に見送られて、みんなの元に歩く。かなり程よい時間潰しになった。雪村も想像以上に回復してるようで安心した。無理はさせられないけどな。

 

「あかりちゃんはどうだった?」

 

「思ったより元気そうよ」

 

「なら良かった」

 

 ヒナが極々自然に俺の隣に来る。スッと前に出るように、ニョキっと生えてくるかのようにひょこっと。

 

「シャトルランかぁ……アレの5秒前のカウントの緊張感エグいよね」

 

「それなぁ……。いかに自分が超生物っつーか、超人だったとしても、緊張しない訳ではないからなぁ」

 

 なんなんだろうな、あのカウント中の息苦しい感覚。

 

「……圭ちゃん」

 

「……どうした?怖い声出して」

 

 軽く準備運動をしながら、ヒナと何気なく話していると、彼女から珍しく怒った声が聞こえてきた。

 どうしたんだろうと、視線を向けると、声だけでなく、表情も少し強張っていた。激怒って程ではない。だけど、確かに怒っていることが伝わって来る。

 

「ダメだよ、そうやって自分を化け物扱いするの」

 

 なにを言うかと思えば、そんなお説教だった。

 

「俺だって好き好んでこんな物言いしてる訳じゃないぞ。ただ、純然たる事実だからな。周りから見たら、間違いなくそうだろ?なら、自分でそう思っておけば、周りに言われた時にダメージ小さくて済むんじゃないかなぁって」

 

「それが良くないんだよ。あのね、圭ちゃん。仮に周りから化け物呼ばわりされたとしても、自分で化け物って思っちゃダメだよ。そんな風に思ってたら、周りはそんなことを思ってなくても、『周りは俺を化け物だと思ってるはずだ』って思い込んじゃう。良くないよ、それはね」

 

「………そうかね。自覚を持つって、その辺も含めてのことだ時思うけど。正直、みんなに化け物だと思われるのは嫌だし、赤の他人にそう思われて敵を作るのも嫌だけど、ヒナが分かってくれてるなら、最悪、どうでも良いって割り切れるから」

 

「無理だよ、圭ちゃんはそれで割り切れる性格じゃないもん」

 

 どうだろうか。

 気にしないと言う意味では、多分、ヒナの言う通りだろう。

 しかし、割り切るという意味でなら、出来てしまうような気がする。現に、ただみんなに嫌われたくないのであれば、殺せんせーを殺そうとなんてしない。あの時の暗殺で、俺はトドメの一撃を振り下ろせなかった筈だ。

 

「あのね、圭ちゃん。気にしないのと、割り切るのと、切り捨てるのは違うからね?」

 

「むむ……?」

 

「気にしないのは、他人の言動で揺さぶられないこと。割り切るのは、他人の言動を仕方ないと受け入れること。切り捨てるのは、言動含めて他人をどうでも良いって思うこと。圭ちゃんの言ってる、ヒナが分かってくれるなら、最悪どうでも良いって言うのは、割り切りじゃなくて、切り捨てだよ?」

 

「……………そうなのか」

 

「そうだよ。私がいればって思ってくれるのは嬉しいけど、それで圭ちゃんが他を切り捨てるのは嫌だよ。あかりちゃんも、渚くんも、カルマくんも、それ以外のここに集まってくれたみんなにも、『周りは俺を化け物だと思ってる』って接するのは失礼だよ。少なくとも、周りが本気でそう思ってたら、こんな風に人が集まったりしないって」

 

 ヒナの言葉は時々、誰の言葉よりも鋭い。

 信頼してる人たから、そばにいて欲しい人からの言葉だから、余計にそう感じるのだろうか。

 

「……難しいね。こう言う時、気持ちは分かるけどって言いたいのに、言えないや。私は圭ちゃんの苦悩を聞けるから知ってはいるけど、同じ力がないから簡単には理解したとかは言えない。でも、圭ちゃんが自分を化け物だとか思わないためには、同じ視線で、同じ立場で考えなきゃいけない。言えないのと、言いたいって気持ちがせめぎ合ってる」

 

「………………どう、なんだろうな」

 

 ヒナの言いたいことは、なんとなく分かる。

 きっと俺にも刺さる悩みだろう。

 彼女の悩みは、ある種、俺自身が何処かで思っていることだ。自分は化け物だから、周りとは違うから。だから、周りに理解されるとは思えないし、自分も理解できるとは思えない。

 

 常識と自分の能力への理解の乖離。

 律に指摘されたそれは、化け物なりに、普通を意識して、理解して、理解されようとする防衛反応とか予防線だったのかもな。人並外れてるからこそ、常識の中で動くべきって理屈で。

 

「一緒に考えよ?きっと本当の意味で理解できてる人なんていないからさ。できるぞーって人がいたら、私がぶん殴る!」

 

「ヒナがドメスティックだぁ……!」

 

「そりゃそうですよ。私の圭ちゃんが悩んで答えが出てこない問題をそう簡単に理解できます、なんて言うのは個人的に絶対に信用できないし、そんな誰でも簡単に理解できる問題なら、人種差別も戦争も起きないでしょ」

 

「俺の恋人は時々やたらとクレバーだよな」

 

 いや、こう言うところが頼もしいんだけどさ。

 このクレバーさがあるから、こうして俺のことも叱ってくれるし、違うと思ったら指摘してくれるから。

 

「ほーら、そこの2人!イチャイチャしてないで早くラインに並びなさい!そう言うのは後で覗き見ますので、2人きりになったタイミングで思う存分やりなさい!!」

 

「いや、そこはそっとしておけよ」

 

「うちのタコはこう言うヤツだったよなぁ」

 

「ね、最近忘れてたけど、出歯亀すぎるんだよなぁ」

 

「……なんか懐かしいね、この空気も」

 

 俺とヒナがいつまでも並ばないことに怒った殺せんせーが、予想斜め上の怒り方を見せ、みんながドン引きする。

 ツッコミとドン引きの入り混じった空気で一瞬静まり返る空気。神崎さんが呟いた、懐かしいという言葉が染みる。

 

 ヒナと並んでラインに立ち、殺せんせーが号令を掛けて、スピーカーからシャトルランの音源が流れ出す。

 シャトルランの説明とカウントダウンを聞いて胸が締め付けられるような苦しさと緊張感を味わう。

 

 そんな中で、俺は、考えていた。

 

「さぁ、みなさん!限界に挑みましょう!」

 

 そんな言葉と同時にシャトルランが始まる。

 足を半ば機械的に動かして、軽く流す。

 

 神崎さんの言った、懐かしいという言葉。

 それが胸に染みた意味。

 

 俺は、あの日。暗殺を仕掛けた時、なにを思っていたのか。

 

 殺せんせーの秘密は、E組に彼が来たばかりの頃に暴いた。

 暴いた、暴いてしまった秘密を自分なりに考え続けた。

 

 大体7ヶ月。誰にも言わずにずっと。

 殺せんせーは暗殺の結末に関係なく、最終的に期限を過ぎたら死んでしまうこと。その時、地球を巻き込む可能性があるし、巻き込まないで済む可能性だってあること。

 

 そして思った。

 俺が殺すべきだと。

 

 助ける方向でだって考えた。

 だから、渚が助けたいと言った時に候補を挙げることができた。俺だって、助けたいと思ったからだ。

 けど、それは一般的な価値観や基準で考えれば不可能なことが立ち塞がる。宇宙に行くだの、この地球の何処かでたった数人が国家単位の情報管理のもと超極秘裏に情報をやり取りするのを強奪するだとか。そんなのばかり。

 

 そもそも、なんでこの段階でみんなに話さなかったのか。

 

 それは、俺自身が殺せんせーを殺すことに対して現実感を見出してしまったからだろう。

 俺単独で仕掛ける前の暗殺。結局は近接での殺しが有効なのかという考えをそうではないのだと示すための作戦。そこで俺は、殺せんせーという生き物の脆さを知った。理解した。

 

 みんなが惜しかったねー!と反省会をする中で、俺は思った。BB弾がたった1発当たるだけで殺せんせーは簡単に死んでしまう。か弱い生き物なのだと。 

 寒気がしたのを覚えている。ゾッとしたのが昨日のことのように思い出せる。さっきまで普通に話していた相手が、軽口を叩いていた人が、俺たちに道を示そうと手を尽くしてくれた人が、それだけ簡単に死んでしまう存在なのだと。俺は、俺たちはそんな人を殺そうとしているのだと。理解した。

 

 烏間先生が訓練を準備し、殺せんせーが俺たちにも楽しめてノリ気で取り組める遊びのような形に変える。それが、この暗殺教室でのやり方であり、殺り方でもあった。

 

 殺せんせーのあまりに多すぎる弱点。それを突くために考える作戦は、どれも奇想天外で、どれもコミカルな絵面になっていた。殺せんせー自身が、そうなるようにある程度コントロールしていた。暗殺という単語、暗殺という行為に対して俺たちがネガティブにならないように。

 

 俺たちは、遊びながら、笑いながら、あれだけか弱い生き物を殺そうとしていたのかと。その時、初めて理解した。

 惜しかったねー!と称え合う仲間たち、これからも頼りにしてると言ってくれた仲間たち。彼らとの温度差を明確に理解したのは、感じたのは、あの時だった。

 

 みんなにとって、殺せんせーは力を合わせれば殺せる存在。

 俺にとって殺せんせーは、簡単に殺せる存在。

 

 マッハ20、特定の物質以外では破壊できない細胞、全能と言える知識、万能といえる技術。それらに隠れた生き物としての脆さを、みんなより深く理解した実感があった。

 

 殺すか、殺さないか。悩み始めたのはその頃だ。

 俺なりに考えた。ヒナにも相談したし、ビッチ先生にも話を聞いてもらった。本気で悩んだ。

 

 その末に辿り着いた。

 

 俺は殺せんせーを単独で殺す能力がある。

 殺せんせーが隠していた秘密を暴いたことで知ってしまった事実を背負う責任がある。

 なにも知らない人たち、当たり前に来年が来ると思っている人たち、俺たちの暗殺に協力してくれた人たち、迷惑を掛けてしまった人たち。彼らを地球滅亡から守る義務がある。

 仲間たちに、同じことで悩んで欲しくない。殺すべきか、どうすればいいのか。考えるのが本当に辛かったから。だから、同じ思いをして欲しくないと思ったから。

 

 だから、ヒナくらいにしか話さなかった。

 

 これが間違いだったのだろうか。

 

 温度差を感じた時点でみんなに相談するべきだったのだろうか。殺せんせーとの約束を破り、彼の作った教室の空気を踏み躙り、答えを出すにはあまりに過酷な問いを考えを共有する。それが正解だったのだろうか。

 

 俺は、殺すと決めた。

 実際に実行し、トドメをさす手前まで追い詰め、そしてビッチ先生に阻まれた。

 

 あの後のことはあまり良く覚えていない。でも、茫然自失になり、ヒナに世話を焼いてもらったことは覚えてる。

 頭の中が整理できなくて、世界がぐるぐると回って、膝に力が入らなくて、喉が押されるみたいに息苦しくて、頭の中心から少し後ろで血の気が引く感覚が止まらなくて。

 

 もしも、殺せんせーを殺したら、みんなもあんな思いをするのだろう。そう言う意味では、殺すべきではない。

 けど、殺さなければ、地球が滅んでしまうかもしれない。殺せんせーの意思に関わらず、彼の手で、俺たちは死ぬことになる。俺たちを一番大事にしてくれた、先生の手で。

 

 ……だけど、本当に俺たちの手で殺せんせーを殺すことができなければ、彼は、きっと自殺するだろう。

 俺たちを守るために。雪村先生が遺したものを守るために。万が一にでも、地球が滅びる要素を消す為に。

 

 そうならないように、俺たちの手で殺す。

 それが恩返しだろう。

 

 少なくとも、あの日の俺はそう思って殺そうとした。

 

 神崎さんの言葉が染みたのは、結局、それだけ考えたのに、決意していたのに、結果的に暗殺は失敗し、みんなとの温度差を埋められず、言葉選びを誤り、自身への理解力が不足していたことを思い知り、こんな事になっているからだろう。

 

「皆さん、80を超えました!良いですよぉ!」

 

 殺せんせーの声が青空の下に響く。

 なんとなく周りを見るが、ここまで1人も脱落者がいないことに驚いてしまう。

 既に息が上がっている奴はいるが、それでも、中3女子の平均はとっくに超えてる。あと10回で男子の平均すら超えると言うのに、余裕がある奴はまだチラホラといる。

 

 俺の横を走るヒナも、息を切らしているが、足取りはしっかりしているし、フォームも崩れてないし、まだ脱落する気配はない。まだしばらく大丈夫そうだ。

 

「まだ余裕そうですね、乃咲くん。息一つ切らしていないとは。あぁ、返事はしなくて結構です。疲れますからね」

 

「おそらく、君にとって苦しいのはここからです。体力的にではなく、精神的にね。もうそろそろ、1人目が出るでしょう」

 

 殺せんせーから伸びてきた触手が耳元でそんなことを囁く。

 どう言う事なのだろう?首を傾げながらあっという間に90回。そして、このタイミングで竹林と奥田さんのペースが明らかに遅れるようになってきた。

 辛うじて間に合ってはいるが、いつ脱落してもおかしくない。そんな様子が見えてくる。

 

 なんだかんだ、男子の平均が90といっても、その記録は一部のやたらと走れる体力お化けが底上げした結果だったりするので、本当に一般的な記録としては70後半から80半ばくらいだろう。奥田さんは女子としては破格だし、竹林も十分過ぎる記録だ。間違いなく体力テスト的には高得点だろう。

 

 内心で賞賛しながら見守っていると、竹林が足をもつれさせた。少し情けない声を出しつつ、なんとか体勢を整えるが、その隙は致命的で、彼はもう少し走れたのだろうけど、最終的な記録は94回で終わった。

 

 ………終われた筈だった。

 

「っ……はあっ……はっ……!!」

 

 竹林は、それでもなお走り続けた。 

 みんなより遅れ、もはやシャトルランのルールからはみ出しながらも、息を切らし、それでも必死に走った。

 

 みんな、彼を見て少し驚いたような顔をするが、それだけだった。誰も彼を止めなかった。もう終わったんだ、休んで良いんだぞ、お疲れ様とは一言も言わなかった。殺せんせーや、見学してる雪村ですら。なんなら、みんな何処か納得したような顔で彼を見守ったあとで、正面を向いた。

 

 なんで?一体どうしてみんな彼を止めないんだ?

 流石に我慢できず、声を掛けようとした時。声が聞こえた。

 

「止めちゃダメッ……!!」

 

「ヒナ……?」

 

 息を切らしながら、彼女が力一杯叫んだ。

 

「竹ちゃんは……っ、走りたくて走ってるのッ……!だから、止めちゃダメッ……!圭ちゃんは手も口も出しちゃダメっ……!!誰が倒れても、最後まで走らなきゃ、怒るからねっっ!!」

 

 息が切れた彼女が言い終わるのと少し遅れて奥田さんが脱落した。それでも、記録の更新は止まったと言うのに、彼女もまた、息を切らしながら、走り続けていた。

 

 なんだこれ、どうなってる……!?

 

 予想すらしていない事態に思わず殺せんせーの方を見るが、彼の表情はいつもと変わらない。黄色い顔で、三日月の口で、ただ、俺たちを見守っている。けれど、表情は変わらないのに、纏う空気は真剣そのものだった。

 

 105を超えた頃には、クラスの3分の1が記録の更新を止めた。ただ、それでも、竹林や奥田さんのようにみんな走り続けている。息を切らし、ぜぇぜぇと心配になる呼吸をしながら、死に物狂いでひたすらに。

 

 殺せんせーは何も言ってくれない。普段なら、無理をするなと注意する場面だろうに、見守り続ける。

 なんど喉元までもうやめろという言葉が出てきたことだろう。その度に、横から、まだシャトルランを継続してるみんなから視線が飛んでくる。絶対に止めるなと。

 

 正直に言えば、訳が分からなかった。

 何が彼らをそこまで突き動かすのだろう。自分のできることを理解したいというのは、みんな同じたと合流してくれた時に言っていた。でも、それは倒れるまで走れるかどうかという話ではないだろう?何がみんなをそこまでさせる?

 

 115回。大半の奴らは脱落した。でも、それでもやっぱりみんな走っている。序盤に落ちた、竹林と奥田さんはもう足取りすら怪しい。でも、それでも止めようとする姿勢は一切見えない。

 

 ここまでくると、流石に怖い。

 なんでだ?みんな、どうしてここまで走る?

 

 119回。遂にヒナが脱落した。

 それでも、彼女もやはり、例に漏れず走り続ける。

 

 女子で残っているのは、片岡と岡野だけ。

 男子は俺とカルマ、渚、磯貝、前原、木村、寺坂、吉田、村松、杉野、イトナだった。

 

 125回。女子が全滅した。

 この時点でも片岡と岡野は充分に超人と言えるレベルの体力だった。女子の中では間違いなく世界で張り合えるどころかトップを狙えるレベルだろう。

 

 131回、吉田、村松、イトナが落ちた。

 それでも、やっぱり走り続ける。

 

 ここらあたりで、俺の中には一つの可能性が浮上していた。

 更新は終わったのに走り続ける仲間たち。止めたら怒るというヒナの言葉。俺以外にある、ある種の一体感。俺以外のみんなが、一番最初に脱落した竹林が走り続ける姿を見て納得したように理解を示していた。

 

「……まさか、全員が走り切るまで————っ!!?」

 

「ようやく気が付きましたか」

 

 殺せんせーが俺の隣に並んでそう言った。

 彼は肯定したあと、訂正を入れる。

 

「ですが、正確に言えば……キミが走り切るまで、と言うのが正解ですね」

 

「…………なんで」

 

「なんで?本当に分からないのですか?」

 

 殺せんせーからの問い掛け。

 それと同時、杉野が落ちた。殺せんせーから労いの声が飛び、やはり、彼は走り続ける。

 

「キミはもう少し周りからの好意を素直に受け取るべきですね。幼少期からの癖は抜くのに苦労しますが、頑張りましょう」

 

「以前、言っていましたね。小さい頃から、周りの言葉は自分ではなく、乃咲博士を褒めているように感じると」

 

「だから、キミは、周りの好意が自分に向けられていると思わないようにした。期待しないように、自分が褒められているのだと勘違いしない為にと。その癖が残っています」

 

「それが周りに鈍いだの、鈍感だのと言われる原因でしょう。だから、正直なところ、仲間たちに自分がどの程度、求められているのか理解できない。仲間からの好感に気付いていない」

 

「渚くんがキミの力を頼っている。カルマくんがキミのために怒っている。それがどうしてなのか」

 

「口論したのに、キミのチカラを求めるのはどうしてか。それは渚くんがキミが彼の為に動いてくれたことを知っているから。そこに好感や感謝を持っているから。怒るのは相手が気に食わないから?なら、どうして気に食わないのか。それは、カルマくんがキミの覚悟を知っているから。その覚悟に好感と敬意があるから。キミは、それを理解なさい」

 

 気が付いた時、スピーカーからは、140回のカウントが聞こえてきた。もう、残ってる奴はいない。カルマと渚が最後まで残っていたようだったが、140回には間に合わなかったらしい。

 

「ッ、ぁ……はっ………!!」

 

「ぜぇ……はぁっ………ふぅ………!」

 

 2人は並び、見るからにヘトヘトになりながら走り続けていた。俺を除いたメンバーで一番最後に脱落した2人。みんなからの拍手はない。何故なら、ここまで誰1人と走るのをやめていないからだ。みんな、まだ走り続けていた。

 

 残り、107回。

 これ以上続けたら、みんなが危ない。

 

「さて、ここからはシャトルランを続けるのはキミ1人です。247回走りなさいと言いましたが、無理はしなくて良いです。何がなんでも走り切りなさいと言いましたが、言葉を変えます。何がなんでも、自分がここまでだと思うところまで走り切りなさい。疲れたら止めるもよし、みんなを思って足を止めるもよし。ここから先、先生は口を出しません。好きにしなさい」

 

 殺せんせーがそんな言葉を残して元の位置に戻る。

 残されたのは、走り続けるか、止めるかという選択肢と疲労困憊でボロボロの仲間たち。

 

 このペースで行くと、俺の息が切れるのは180の半ばくらい。流石に足も疲れ、汗もかいてきた。でも、247はきっと不可能な記録ではない。ギリギリだろうが、達成できなくはない筈だ。

 でも、問題はみんなの方だ。竹林と奥田さんはとっくに限界なんて超えているだろう。あの2人はフォーム完全に崩れ、フラフラへとへとになりながら、足を動かしている。けど、そのスピードはもう、歩きと大差ない。

 

 彼らだけじゃない。みんなボロボロだ。

 

 止めるか、続けるか。

 

——信頼とは、甘さや気遣いではない。

 

 そんな言葉が俺の脳裏に過ぎる。

 それは、どう言う意味なんだろう。

 

 ふと、今の状況がその言葉に重なる気がした。

 

 みんながどうして走り続けているのか。それはまだ分からない。俺の為に続けてるのは理解した。それが好意に起因することは殺せんせーの会話で察した。でも、走り続けることが、なんで俺への好意に繋がるのかは分からない。

 

 でも、少なくとも、みんなは俺の為に走っている。

 

——誰が倒れても、最後まで走らなきゃ怒るからね。

 

 ヒナがそう言った。それは、いったい何故なんだろう。

 信頼とは、甘さや気遣いではない。

 

 つまり、俺が今、走るのを止めたら。俺がみんなに向けている感情は、信頼ではなく、甘さや気遣いになってしまうと言うこと。だから、もし、みんなを信頼してるなら、走り続けてね。ヒナが言いたいのは、そう言うことなのだろうか。

 

 殺せんせーは、自分の言葉を覆した。

 それはつまり、ここが俺がみんなに対してどんな感情を向けるのかを確定させる局面だと言うことなんじゃないか?

 

 仲間として信頼する相手として見るのか。

 甘さや気遣いを向ける庇護対象として見るのか。

 

「乃咲ッッッ!」

 

 声が聞こえた。この場において、俺以外に唯一言葉を発する余力がある生徒。見学してる雪村だった。

 

「みんな、誰かにやらされてるわけじゃないの!自分がそうしたいから走ってるの!だからねッ!この場に乃咲が背負うべき責任(・・・・・・・・・・)なんてないんだよッッ!!」

 

 その声が鼓膜を叩いた時、思わず足が止まりそうになった。

 

 俺が背負うべき責任はない。

 俺が果たすべき責任はない。

 俺が果たさせるべき責任はない。

 俺が守るべき責任はない。

 

 そう思った時、どうすれば良いのか分からなくなった。

 なら、どうして俺は走るんだろう……?

 

 自分の限界を知る為?そんなの別の方法でも分かることができるだろう。少なくとも、ボロボロの仲間を使わせてまでやることではない。俺はそう思う。

 自分の力を完全には理解してない。でも、周りより強いことは知っている。だから、みんなに気を向けるべき。これ以外にも方法があるのだからと。

 

 でも、それは俺の責任じゃないと雪村は言う。

 

 みんな、好きでやってることだから。だから、俺が気にすることはないのだと。彼女は叫んだ。

 

 ヒナは、俺が走り切ることを望んでいる。

 みんなは、俺がみんなを心配して止まることを望んでない。

 

 なんだ?なんでだ?

 

「ッ、の、乃咲ィィィ!」

 

 また、声が聞こえた。

 今度は寺坂だった。

 

「テメェ、せ、責任がないと……動けないのかっっ!責任以外にっっ、動くための原動力はねぇのかよっっ……ぜぇ…がっ……ふっ……!!やりたいこと……とかっ、ねぇのか!!!」

 

「自分がしたいからっ、じ、自分がやりてぇから!そういうのはねぇのかよ!!いつもいつもッッッッ、小難しい事ばっか考えやがって!!!ここぞって時は責任で動いてるだけの癖に、いかにも自分のやりたい事です、みてぇな顔しやがってよぉっ!」

 

「もうちょい自我を出しやがれっっ…………!」

 

 責任以外の原動力。

 自分のやりたいとを出す自我。

 

 常識と良識と自我(エゴ)

 先日、浅野先生から教わった人間を動かす3つの基準。

 

「寺坂くんのっ、言う通り!!」

 

「片岡……」

 

「なにも難しいことはないじゃんッッッッ!乃咲くんが走りたいか、走りたくないかっ!好きにしていいんだよっ、一々周りを気遣う必要なんてないっ、私たちは好きで走ってるのだけだからっ。気にしないでいいからっっ!」

 

「そーだぜ!!俺はもともと体動かすの好きだしっ、これでぶっ倒れても自己責任だ、それこそ、そこに、お前が責任感じるとかっ、何様だよって!!俺は思うけどなぁっっ!」

 

「ていうかっ、色々と余計なお世話を焼きすぎなのよっっ!うちら、別に乃咲にお尻拭いて貰わないと何もできない小さい子じゃないんだよっっっ!!?アンタが走るのやめてもっ、あたしは走り続けるからっ!!」

 

「おっ、岡野にさんせー!!お前は必要以上に考えすぎっっ!お前っ、一応は人類最強の自覚あんだろっっ、んじゃっ、世界中で起きてる争い事とかっ、お前が出張れば解決すんのかっ、するんだろうなぁっ、殺せんせーより速いってことは、戦闘機より何倍も速い人間サイズの殺し屋が暴れ回れるってこった!解決したとしてっ、ぜぇ……ぜぇ………、お前はその後も絶対に発生し続けるそういう事件に毎回毎回責任を感じなきゃなんねーのか!?」

 

「圭一っっ、お前が今、選ぶのはそんな難しい問題じゃないだろっっ!?前原の言った極論でもないっ、単にっ、いまっ、お前が最後まで走りたいかどうかだっ!!!走りたいかっ、走りたくないかっ、なんでそんなことにすら責任を考えなきゃいけないんだっ!?俺たちが好きで走ってるっ、やりたくてやってるっ!それなのに、それっぽちのことでも、お前が責任を感じなきゃいけないくらい、俺たちは頼りないかッッッッ!?」

 

 悠馬の問いが胸に刺さる。

 走りたくて走ってるだけなのに、そんなことですら俺が責任を感じなきゃいけないくらい、みんなは弱いのか、頼りないのか。そんなことまで、俺が背負う必要があるのか。

 

 それに対する答えは、さっき雪村が言っていた。

 

 この場に乃咲が背負うべき責任はない。

 

 なら、なんでみんな走るのか。好きでやってる、走りたくて走ってる。寺坂の言う原動力はなんなのか。

 

——俺たちは頼りないかッッッッ!?

 

「みんなは、俺に信頼される為に走ってる……?」

 

「俺が心配する必要はないって、俺が気にする必要がないくらい強いって、みんなのことで俺が責任を背負う必要がないって、それを証明する為にッッッッ!!?」

 

 俺の言葉にヒナがニヤリと笑った。

 彼女だけでなく、しんどそうに走りながらもみんなそれぞれの反応で示した。頷く者、声を上げる者、反応した拍子に転びそうになる者。いろんな奴がいた。

 殺せんせーが、ようやく表情を緩ませた。

 

「圭ちゃんの鈍感ばーか……!」

 

 ヒナの言葉を否定できない。真実を知った俺の頭は真っ白に染まった。背中にゾクゾクとした感覚が走り、彼らの狂気染みた行動力にほんの少しの恐怖とそれ以上の嬉しさを胸で感じた。

 

 俺が選ばなきゃいけないのは、いや、選びたいのはどれなんだろう。走りたいか、走りたくないか。それは、仲間の気持ちに応えるか、答えないか。そう言い換えることもできるだろう。

 

 ほんと……難しい事ばかりだ。

 やるだけなら、超生物を殺す方がよっぽど簡単な気がする。

 こんな風に考える事自体、みんなが言ってることから逸れる事なのだろうけど、思わず考えがそっちの方に寄ってしまう。

 

 何かと理屈を付けたがる。

 それが乃咲圭一の特性なんだろう。

 

 俺は、頭を回しながら走り続けた。

 




あとがき

はい、あとがきです。

圭一、シャトルランは周りと似たようなペースで間に合うように普通に走ってます。ただ、本来ひとっ飛びで行ける距離をわざわざ足を無駄に動かし、手をしっかり振って走ってるので、体力の消耗的にはかなり激しいことに……。

なんか、最初は自分なりに考えて、それが周りや話の流れの終着点を見据えた内容になるってのが、圭一のキャラクターとしてのプロットだったのに、いつの間にか考えて理屈を付けないと不安を感じるキャラクターになってきてるなぁ、やっぱり。

色んな現実を知って、自分なりに普通から離れていることを理解しているからこそ、理屈を付けたがっているんだろうけど………。色々と、こいつら本当に中学生なんだよなぁ?と不安になる場面が増えてきましたねぇ(笑)

んで、まぁ、なんだ。仲間は大事にしなさいよ。圭ちゃん。

ご愛読ありがとうございます!

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