暗殺教室 不良児は認められたい   作:ZWAARD

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それから誤字報告とたくさんの評価、ありがとうございます!
いつも通り妄想を投下していきますのでお付き合いください……!  

——追記——
早速、誤字・脱字報告ありがとうございます! 
いや、ほんと、お恥ずかしい限りです……(笑)


22話 対話の時間

 

「俺たちがお前と協調する必要性があるのか?」

 

『……はい?』

 

 俺の問い掛けに自律思考固定砲台が声を出す。人間のように抑揚があればきっと不思議そうな声を出していただろう。人間であれば、だけどな。

 だが、彼女は人間ではない。AIだ。こちらの感情の機微に気付くことはない。そう言うふうに設計されているのだから、当然と言える。

 

「確かに殺せんせーを殺せるのはメリットだ。賞金も貰えるしな。でも、キミはどうか知らないが、俺たちの人生は殺せんせーを殺した後も続くんだ。授業の邪魔になる暗殺に協力するのはデメリットと言える」

 

『おっしゃる事は分かりますが、まず、殺せんせーを殺さないことにはどうにもならないでしょう? 彼を殺さなければ地球に未来はない。貴方の言う人生にも先は無いのでは?』

 

 なるほど、痛いところを突いてくる。

 殺せんせーを殺さなければ未来はない。それは彼女の言う通りだ。だが、俺は他の誰も知らない情報を知り過ぎている。地球を破壊するのは殺せんせーの意思ではなく、結果としてそうなるだけかもしれないってことを知ってるのはこのクラスで多分、俺だけだ。

 だが、彼女を説き伏せるカードとして使えない。誰に話さないと殺せんせーに約束しているから。

 

 しかし、彼女の指摘している部分に関しては問題なく反撃ができる。何故ならこの前、俺たちはその部分を殺せんせーに説教されたばかりなのだから。

 少し性格悪いと思いつつ俺は見ていた周りのクラスメイトたちを巻き込みながら、この前起こった、殺せんせーと50位以内の約束を話すことにした。

 

「その殺せんせーに言われたんだよ。殺すことしか考えない暗殺者は相手するに値しないってな。だから俺ら勉強もしてるんだ」

 

『そんな情報はありませんでした』

 

「だったら覚えとけよ。お前だってここの生徒扱いなんだろ? 暗殺で授業の邪魔してると相応の報復が来るぞ。過剰な手入れがな」

 

『結論、貴方は何が言いたいのですか?』

 

「協力して欲しいなら授業中の暗殺を止めろ。そうじゃなきゃ俺たちが殺せんせーの暗殺を続ける資格を剥奪される」

 

『授業中の攻撃を止めること。それがあなた方が私に協力する為の条件ということですね』

 

「そうだ。代わりに殺せんせーに攻撃するタイミングがあるならば、全面的に協力する。俺たちが総攻撃を仕掛けた時の暗殺の成功率は飛躍的に上がったんだろ? だったらこの取引はお前にとって充分なメリットになる。違うか?」

 

『代わりに授業中の攻撃は止めろ、と。それがあなた方のメリットという事ですね?』

 

「そうなるな」

 

『……演算し、要検討します』

 

 プツ、と液晶が消え、固定砲台が沈黙する。

 いや正確に言えば完全な沈黙ではなく、演算音をひたすらに鳴り響かせてはいるけどな。

 

「ヌルフフフフ、乃咲くん。見事に彼女を口説き落とせたようですね」

 

「殺せんせー」

 

 触手やら破損した部位を完全に修復したらしい殺せんせーが話しかけてくる。どうやら、説得自体は上手くいったと彼も認めてくれているらしい。だが、俺が彼に反応すると同時に殺せんせーは顔に紫色のバッテンを大きく浮かべた。

 

「しかし、合理的な言葉を選び続けていますが、まるで駄目です。キミには彼女への敬意や隣人としての思いやりがなかった。ただ合理的な言葉を投げ続けて説き伏せているだけです」

 

 何がくるかと思えば批判が飛んで来た。

 きっと今の殺せんせーは暗殺を始める前に言っていた、「彼女も仲間」という部分を重視していなかったことを叱責されているのだろう。

 

「人を説得するのに合理的な言葉を投げるのは悪いことではありません。確かに欲しいものを与えれば、人は思い通りに動かせるでしょうが、それではいけません。乃咲くん。キミは自律思考固定砲台さんを見ていなかった。そんな大人になってはいけませんよ」

 

「……自律思考固定砲台を見てない?」

 

 殺せんせーに言われて考える。

 俺は自分の欲しい結果の為に彼女に有益な情報やデータを与えた。結果として目的は果たされたのに、それでは駄目だったのか。足らなかったのか。

 まあ、確かに俺は彼女を人として扱ってはいなかった。それは確実に良くなかったのだろうな。

 たが、コイツをみるってどう言う事だ? 

 

「ヌルフフフフ、明日を楽しみにしていてください、乃咲くん」

 

 俺の中に浮かんだ問いは殺せんせーに伝えることが出来ず、今日はそのまま終わってしまった。

 

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 生徒たちが帰った教室。1人……いや、1機稼働し続ける機体があった。自律思考固定砲台。今日、転校してきたばかりの生徒だ。

 彼女はこの教室に据え置きされている。それ故に日が暮れようと、夜の帳が下りようとも変わらずE組校舎の窓際で機械音を鳴り響かせる。

 

『……生徒、乃咲圭一の提示した暗殺プランのシュミレートの結果、本来の計画に対し、大幅な前倒しが可能と判明。されど提案者から取り引きを持ちかけられました。開発者(マスター)へ連絡。彼らの懐じゅ——』

 

「こんばんは。自律思考固定砲台さん」

 

『……こんばんは、殺せんせー』

 

 自らの開発者へ連絡を行おうとする自律思考固定砲台の言葉を遮るように暗闇から殺せんせーが現れる。『こんばんは』と不敵に笑いながら触手には一台の外部メモリが握られていた。

 

「どうでした? 私の生徒たちとの暗殺は」

 

『開発者より与えられていた情報以上に優秀だと考えます。6時間目の合同暗殺で得られた情報は未だに整理しきれず、演算も終わっていません』

 

「そうでしょう、そうでしょう。と言うわけで、先生からキミにプレゼントです」

 

 そう言って手に持った外付けのメモリを持ち上げると自律思考固定砲台が不思議そうな声を出した。

 

『なんです? それは』

 

「クラスメイト達と協調して射撃した場合の演算ソフトです。受け取って下さい。変なウイルスなんかも入ってはいませんので」

 

 受け取った演算ソフトを覗いた自律思考固定砲台。殺せんせーはニヤリと笑いながら口を開く。

 

「どうです? 暗殺確率は格段に上がるでしょう?」

 

『異論ありません。乃咲さんも同じ事を言っていました』

 

「ええ。言っていましたねぇ。それで取引を持ちかけられたが、キミはそれに応じるべきかどうか迷い、開発者()に頼ろうとした。違いますか?」

 

『異論ありません』

 

「もっと簡単な方法があります。取り引きだとか、メリットだとかデメリットだとかを考えずに彼らの力を借りる方法がね」

 

『……方法が分かりません』

 

「任せて下さい。それを伝えるのが先生の役割です」

 

 そう言ってガチャリと無数の道具を取り出して、触手の先でドライバーをワキワキさせながら三日月の口を開いてニコニコと笑う。

 

『それは?』

 

「クラスメイト達との協調に必要なソフト一式と追加メモリです。契約上、生徒への危害は加えられませんが、性能アップさせることは禁止されていませんからねぇ」

 

『何故、こんな改造を施すのです? 貴方の寿命を縮める改造ですよ』

 

「当然です。ターゲットである以前に私は教師だ。今日の乃咲くんとの舌戦を見て確信しました。キミには間違いなく知性がある。最先端の人工知能と比べても突出しているでしょう。皆との協調は間違いなくキミの知性を育て、感性を伸ばす。先生はそれを望んでいるのです」

 

『……分かりました。よろしくお願いします』

 

「ヌルフフフフ! 本人からの許可も得た事ですし、それでは始めましょう! 明日、乃咲くんやみんなを驚かせるのです!」

 

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⬛︎

 

 朝、寝坊した俺は遅刻寸前で教室に着いた。

 そして教室に着いた俺は流れ作業のように自分が寝ぼけているのかを疑うことになる。

 

「あっ! 乃咲さん! おはようございます!」

 

 俺の隣に聳え立っていたモノリス。昨日までは全体の上、三分の一くらいまでしか彼女の中の人が映ってなかったのに、どういうことだか知らんが今は1分の1スケールで全身が映っている。 

 ……何故だか、バックグラウンドに豊かな森林と小鳥たちを伴って。

 

「……なんぞ、これ」

 

 挨拶より先に困惑が口から出た俺は悪くないと思う。悪くないよね? 

 無愛想で冷淡。ネット実況動画で聴く、ゆっくりボイスの方がまだ抑揚があると思わされた声色が、なんだか、聞いていて人間のそれと聞き間違えそうなレベルで抑揚があった。

 

「殺せんせーに改造されちゃいました!」

 

「それ、ありなん……?」

 

「危害ではないので契約には違反していません!」

 

「お、おう」

 

 やばい! なんか滅茶苦茶調子狂う! 

 転校生がおかしな方向に進化してしまった俺は動揺してしまったようで、朝っぱらから妙な感じに調子を崩されてしまった。

 

「それと乃咲さん!」

 

「……なんざんしょ」

 

「昨日は有益なデータをありがとうございました! 殺せんせーから頂いた演算ソフトと貴方からのデータを基に様々な暗殺パターンを考えついたので、今度、是非協力して欲しいのですが」

 

 おっと、不穏な話題が飛び出してきたので物珍しそうに固定砲台を囲んでいた皆が身構えた。

 けれど、その心配はどうやら杞憂に終わってしまうらしい。彼女は予想外な事を言い出した。

 

「無論、授業中にとは言いません。皆さんや貴方の空いている時間、協力してもいいと思った時で構いませんので、どうかお願いします」

 

「…………へ…………?」

 

 妙だ。本当に妙だ。昨日までのとりあえず殺します、暗殺パターンを検証します、みたいな雰囲気がない。というか、全身が表示されているからか、声に抑揚が出たからか、喋り方が柔らかくなったからか、彼女がまるで……。

 

「人間のよう、ですか?」

 

「っ!? 殺せんせー」

 

「おはようございます! 殺せんせー!」

 

 思いかけていた言葉の先を言われて驚いた先にいたのは殺せんせー。彼はニヤニヤといつもの笑みを浮かべながら挨拶する固定砲台に挨拶を返すと面白そうに俺の方を振り返った。

 

「どんな改造したんですか、殺せんせー」

 

「ヌルフフフフ、皆さんが親しみやすくなるように全身表示モニターや声の抑揚を再現するアプリ、表情を動かすモデリングソフトを追加したのです」

 

「……結局、殺せんせーの手入れ(改造)のお陰なのね」

 

 肩をすくめて言うと殺せんせーはやはり笑いながら口を開いて、俺の言葉を否定する。

 

「それは違いますよ。私は彼女の殺意、根本的なところには一切手を加えていない。今後とも、彼女は隙さえあればこの場所から私を狙い続ける事でしょう」

 

「はいっ!」

 

 ガッシャっ! と音を立てて昨日のように無数の火器を展開する自律思考固定砲台。

 笑いながらも確かに殺意はあるようだ。

 

「彼女は私が与えたモノを使いこなして皆さんとの協調する道を選びました。彼女自身の意思でね。だから、見てくれは違えど、中身は昨日までの彼女と同じですよ、乃咲くん」

 

「……」    

 

「キミは、今の彼女を見て、人間の様だと思った。けれど昨日までと違うのは声の抑揚、表情があるかどうか。キミは彼女の本質を見ていなかったのです」

 

「自律思考固定砲台の本質……」

 

「今日一日、彼女を見てあげて下さい。その上で決めるのです。相手が欲しいものを与えて従わせる道を選ぶのか、それとも隣人として力を貸借りする友人になるのか、ね」

 

 赴任してから今日まで。俺と言う個人に対して殺せんせーから初めて説教らしい説教を受けた気がする。

 人を見る、とはどう言う事なんだろう。そう思いながら俺は皆に囲まれて楽しげに笑う自律思考固定砲台を遠巻きに眺めていた。

 

「たった一晩でえらくキュートになっちゃってまぁ」

 

「これ、一応固定砲台なんだよな」

 

 隣の席でさっそくクラスの人気者? になりつつある自律思考固定砲台を眺めて様子を見守ってると寺坂が言葉を投げた。

 

「何ダマされてるんだよ。お前ら。全部、あのタコが作ったプログラムだろうが。どうせそのうち、昨日みたいに空気読まない暗殺をするに決まってるだろ、このポンコツ」

 

 少し言い過ぎなレベルの言葉ではあるが、俺も昨日まで似た様な事を考えていたので今回は聞かなかったことにしておこう。

 

「おっしゃる気持ち、分かります。寺坂さん。昨日までの私はそうでした……。ポンコツ。そう言われても返す言葉がありません……」

 

 そう言って自律思考固定砲台の中の人は瞳に涙を浮かべて泣き出してしまった。  

 

「あー寺坂くんが二次元の女の子泣かせた〜」

 

「なんか誤解される言い方やめろ!?」

 

「いいじゃないか、女はDを一つ失うところから始まる……!」

 

「竹林!?」

 

 まじか、このAI、泣くこともできるのか。

 いよいよを持ってますます分からなくなってきたぞ。この自律思考固定砲台という人工知能がただの命令を受けて動くだけのAIなのか、それとも自分の思考と意思で物事を決める知性体なのか。

 

「昨日、乃咲さんに協調することの合理性を説かれ、殺せんせーから協調することの大切さを教えて貰いました。結果、私は私単独での暗殺を控えることにしました。私のことを好きになって貰い、皆んなでの暗殺に同意して貰えるようになるまでは」

 

 俺は、彼女の何を見ればいいのだろうか。

 殺せんせー。教えてくれないかな。

 

 彼女を見ても素敵に笑うばかりだった。

 

 困惑する俺を置き去りにする様に、自律思考固定砲台はクラスメイトたちと打ち解けていった。

 

 そして昼休みになる頃には彼女の周りには新しいクラスメイトとの交流に明け暮れる奴らが溢れていた。

 

「へぇー! 体の中でこんなの作れるんだ?」

 

「はい! 特殊なプラスチックを体の中で整形できます。設計図があれば銃以外でもなんでも!」

 

「へ〜! 面白い! じゃあ、次は花とか作ってみてよ!」

 

「分かりました! 明日までに花の形を学習しておきます! それはそれとして、王手です! 千葉くん」

 

「……3局目でもう勝てなくなった」

 

「なんつー学習力だ」

 

「あはは、人気者だね」 

 

「しまった……先生とキャラが被る」

 

 本当にしっかり馴染んでやがる。

 こうしてみると本当にヒトとの違いなんて分からないもんだな。人間と人工知能の違い、か。

 本当に、何が違うんだろうな。

 

「ねえ、自律思考固定砲台だと長くて言い辛くない? もっと短くしようよ、愛称とかさ!」

 

 片岡がそんなこと言い出すとクラスメイトの皆んながわいわいと彼女の呼び名を決めるのをまた、少し離れたところで眺める。磯貝と前原とで昼飯を食う。ここに朝登校しながら買ったサンドイッチをパクつきながら。

 

「自……律……。じゃ、律は?」

 

「安直だな」

 

「えー? 可愛いよ」

 

「お前はそれでいい?」

 

 不破さんが愛称を口にする。確かに自律思考固定砲台というのは口に出していると危うく噛みそうになる名前だと思っていたからな。

 ……ダメだ、名前までついたら本当に人間との違いがわからなくなる。

 

「はいっ! 皆さん、私のことは律、とお呼び下さい!」

 

 転校生を俺は遠巻きに眺めることしか出来なかった。

 

⬛︎

 

⬜︎

 

⬛︎

 

 夜、部屋で殺せんせーからの課題について考える。自律思考固定砲台を見ること。それの意味が本当に分からなくなってきた。

 この前、掃除したばかりの机の上で頭を抱えていると、スマホが鳴る。こんな時間に電話してくる奴はいないと思ってスマホをタップすると、昨日と今日で見知った顔が表示された。

 

『こんばんは、乃咲さん』

 

 にこやかに笑う自律思考固定砲台。クラスメイトたちからの呼び名を借りるなら律。

 流石に教室の高性能な端末と比べるとスマホは音質が落ちるのか、多少の機械音が混じっている。

 さて、何を何処から突っ込めばいいのだろうか? 

 

「こんばんは。自律思考固定砲台さん」

 

『乃咲さん、出来れば皆さんから呼ばれている律、という名前でお呼び下さい』

 

「んじゃあ、律。何の用かな」

 

『昨日のお礼にと、思いまして』

 

「お礼……?」

 

 身に覚えのない単語に首をひねる。

 俺、コイツにお礼を言われるようなことはしていないと思うのだが。気のせいではないだろう。

 

『皆さんとの協調性の重要性をいち早く教えてくれました。そのお礼がしたいと思ったのです。それから、昨日の問い掛けへの答えもね』

 

「……」

 

『結論から申し上げます。と言っても学校で皆さんに言った通りですがね。私は皆さんから認めてもらえるまで単独での暗殺はしません。絶対に、です』

 

「……それは、キミの開発者(マスター)の意思に反することじゃないのか。認めてもらえるまで、とか言い出すとどんだけ時間がかかるか分からないぞ? 寺坂とかシンプルだけど面倒な性格してるし」

 

『それでも、です。皆さんとの協調が暗殺への最短ルートだと私は考えます』

 

「それはどうして?」

 

『貴方が示してくれた通りです。無数の射線、個人の技能・能力。それは昨日、乃咲さんが見せてくれなければ分からなかったことです。皆さんの能力があれば早期に暗殺が完了できると判断しました』

 

「そう……。能力ねぇ。例えば?」

 

『昨日見せてもらった能力で言えば、杉野くんの投擲、千葉くんの射撃能力です。加えて、データで見た貴方の集中力や指揮能力ですね』

 

「……成程、合理的だな」

 

 スマホを眺めて思う。合理的だが、昨日とは違う。顔が動いている、声に抑揚がある。これだけでこんなに違った印象を受けるものなのか。

 本当に驚かされる。他人の印象って本当に色んな所作や声音で決まるものなんだな。

 

 ……いや、そんなこと幼い頃、10年以上前から知っているか。だって、うちの親父がそうなんだから。『そうか』と『あぁ』しか喋らない奴に比べれば彼女のほうがよっぽど人間らしいか。

 ……あぁ。そうか、なんとなく俺がコイツを思考を持ったAIであるとか良い方向に考えられなかった理由がわかった。こいつは、機械的な言葉選びがうちの親父に似ていたからだ。

 

『ですから乃咲さんには見ていて欲しいんです。私が皆さんにクラスの一員だと認められるまでを』

 

「……分かった。見てるよ」

 

 俺たちと彼女、何が違うのかを。

 

 

 

 

 

 




はい、後書きです。

次話、律編ラストになります。
果たして圭一は律を何者として定義するのか、次話までお待ち下さい……!
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