予定通り、2代目IFルート投下します。
もう5月ですか……早いですね……。
この話も本当に全3話で終わるのか怪しくなって来た……。
極力、収められるように頑張ります……!収まらなかったらごめんなさい……。
僕の目標は端的に言えば、先生を越える教育者になることなんだろう。あの後、自分の考えを整理しながら思った。
まるで当てつけにも見える行動に思えなくもないが、僕はこの目標を撤回するつもりはなかった。
そうとなれば、圭一の教育プランを変える必要もあるだろう。先生を越える以上、あの人のやり方をなぞるだけなのは芸がない。あの子はかなり素直に僕の教育に従ってくれているが、それでも中学2年生。ただ鍛錬・訓練をしているだけなのは流石に辟易するだろう。ただ反復練習を繰り返すだけでなく、状況に合わせてスキルや知識を活かせるような実践形式の訓練を多めにしようか。その方が将来的に脳が刺激されて広い視野で考えられる人間になるかもしれない。
そう、僕は圭一を殺し屋にするつもりはなくなっていた。
僕や先生は結局、よろずに通じたと評されても結局は裏社会で生きていた。表社会で生きる術を知らないわけでも、持たないわけでもない。こっちの方が性に合っているから、こっちで生きている。
だからこそ、僕らが出来なかった表社会で殺し屋の技術や知識を活かして生きること。それを生徒に教えて初めて、僕は先生を教える者として超えたと言える気がするから。
頭の中で無数のプランを考えながら、書店で本を漁る。
誰かにモノを教えるには、僕はあまりに教師というものを知らなすぎる。だから、教師向けの自己啓発本でも〜と思って手に取って軽く読んでみたが、これが結構奥深い。
やってみせ、言って聞かせ、やらせてみて、誉めてやらねば人は動かじ。そんな言葉を見つけた時は目から鱗が落ちる気分だった。それは、僕が欲しかった教育だったから。
確かにあの人はやって見せて、こうやれば良いんだよと教えてくれて、実践もさせてくれたけど、どうしてそうするのか、そうしなきゃいけない理由とか理屈は言わなかったし、例えば初めて狙撃で標的に当てた時も「うん、しっかり当たったね。じゃあ次のステップだ」と言ってトントン拍子に進めるから誉めてくれたことは殆どない。もしかすると、僕が気付かなかっただけで分かりにくく誉めてたこともあるのかもしれないけど。
あとは、読んでいて興味深かったのは、教育者は生徒に育てられるという記述だった。生徒が分からない部分に寄り添い、同じ視点で考えることで何故分からないのか、何が分からないのかを理解し、同じケースがあっても対応できるようになる。
生徒の疑問に教師が答えることで、生徒は知識を増やし、教師は経験を増やす。この考え方を目にした時、なんとなく過去の自分とこの前の自分が重なった。
思えば、先生の言うことを妄信的にこなす事で実力を付けてきた。だからこそ、先生もあんな感じの教育方針になったのかもしれない。そう言う意味で、あの人は生徒に恵まれなかったのかな。僕がもっと根掘り葉掘り聞いてれば変わったのだろうか。
そして、そんな先生とは対照的に僕は教え子から教わった。歳下のまだまだ未熟な少年に思いがけず救われた。あの出来事は僕に取って間違いなく大きな一歩だった。
先生と僕。僕と圭一。教わる側から教える側になったが、それでもまだまだ学ぶことは多そうだ。
「これは、よろず程度の知識とスキルじゃ満足できないな」
「んぇ?」
本を閉じると、後ろで料理本を読んでいた圭一が間抜けな声を出す。何となく何処を読んでるのか覗き込んでみると、プリンのレシピが書いてあるページを読んでいたらしい。
「プリン、好きなのかい?」
「好きというか、興味が出たというか。この前、喫茶店に行った時にたまたま席一杯で知らない人と相席することになったんだけど……その時にデカデカと広告されてたプリンが気になって注文したら結構美味しくて。そしたら相席してた人がプリン好きなんですかって聞いてきてさ。相席させて貰ってる側だから話に付き合ってたら……なんか、その人めちゃくちゃプリン愛が凄かったんすよ。それで何となく」
「相席か……いまどき珍しいね」
「そうなんですよねぇ……。しかもまだおっさんとかお兄さんなら気が楽なんですけど、同い年くらいの女の子と相席させられて……。いや、緊張したよなぁ」
ほぅ。同い年の女の子と相席。うちの圭一が。
ほぅ、ほうほう。なるほどねぇ。
「あれだね、ボーイツミーガールだね」
「そんなんじゃないっすよ。相手、来年の担任の妹だったみたいで。それに学校も違うから、接点はないです」
「それ、しっかり接点持ってるよね。その来年の担任を通して交流が続く奴じゃないの?それにちゃっかりそんな情報聞き出すなんて圭一も隅に置けないねぇ」
「いや、歳が近い学生同士だし話が始まったらさ、取り敢えず椚ヶ丘中学校の乃咲ですって話題は出るでしょ。そしたら『え?椚ヶ丘の人?わたし、〇〇の妹だよ』って。そこから会話が弾ん…………だで良いのかなぁ……」
うーん。個人名を伏せてるあたり、コンプラというか他人の情報に気を遣えてると誉めて上げるべき?
っていうか、なんかおかしくない?来年の担任とかこの時点で分かるものかな。まだ11月だよ?
「ねぇ、圭一。来年の担任ってもう決まってるの?」
「え?あー、うん、まぁ……」
すぃーっと目を泳がせる圭一。これはあれだ、何か触れられほしくない話題が出た時の反応だ。
こんな時は自分から話し始めるまでじぃ〜っと目を合わせる。そうすれば気まずくなって勝手に話し出す。
「……………うちの学校、3年になると学級が増えるんですよ。特別強化学級って名目で。そこの担任は基本的に固定なんです。んで、俺はその特別強化学級に内定していると」
「特別強化って…………念の為に一応聞いておくけど、学校では問題起こしてないよね?」
「それはもちろん。先生から教わったことは他人に使ってないです。いつかの不良も何故だか睨んだだけでビビってくれるようになったんで、暴力沙汰とか全然」
「じゃあ、シンプルに成績が悪いのか……?そんな感じしないんだけどなぁ。ちなみにキミの平均点は?」
「100点ですよ?……5教科の合計値の平均で」
「つまり、各教科ごとにすると20点と…………。ふむ。ふむ。なるほど、なるほど………え、なんで?」
「何でって言われても……できないもんはできないし」
いや、そうじゃない。僕が気になったのは何で勉強できないの?じゃなくて、キミ、地頭は悪くないじゃん。むしろなんでそれしか点が取れてないのって意味だ。
だって実際おかしいじゃないか。圭一の考え方や性格的に分からなければ納得するまで繰り返すだろう?しかも本人も相当な負けず嫌い。加えて要領は悪いけど、物覚えが悪いわけじゃない。点数が低いことが微妙に納得できない。
前、椚ヶ丘には主席で入学したけど順位を落として挫折してしまったと言っていたが、その点数だと最下位じゃないのか?
いや、学校の点が全てと言うつもりはない。正直に言えば、勉強なんてできなくても生きていけるだろうし、その術を僕なら彼に伝授もできる。しかし、勉強をしないで生きていくのも現代日本では厳しいだろう。
「よし、圭一。これからは勉強も僕が見よう」
「え?いや、そんなんいいですよ」
「よくない。良いかい圭一、知識っていうのは自分の身を守る盾にもなるし、相手を殺す武器にもなる。剣禅一如と言って、剣と坐禅には根本で通ずるものがあると言われてるように、知識と体捌きだって通じるものがあるんだよ。例えば医学。武道と繋げて考えるなら、人体構造を知れば体の可動域や効率のいい破壊方法をしることになる。人を救う道を極めるというのは、逆に人を殺す方法も極めると言うこと。決して切り離して考えることはできないんだ」
「いや、でも……」
「圭一。勉強するのと投げられ続けてひたすら受け身とる訓練するのとどっちがいい?」
「受け身がいい」
「まじか……そこまで勉強嫌い?」
「別にテストで3点実技で満点とかでも良くないすか?三平方の定理とかオイラーの等式とか人生の何処で使うんです?」
「キミの将来次第だよ。知識は武器、じゃあ何の武器なのかって言うとキミが使うタイミングで一番近いのは高校受験だよ。高校で普通科に入るのか、工業科に入るのか。それで将来は半ば決まる。その時、望んだ道を選ぶための武器なんだ。だから、身に付けたことが無駄になることはないんだよ」
「けど………」
「まぁまぁ、そう言わずに。それに考えてみなよ、武術なら使えます。でも成績クソ悪いですって脳筋の典型みたいで面白みがないじゃないか。脳筋が『俺バカだからわかんねぇけどよぉ!』って展開を否定するつもりはないけど、合理的に柔軟に作戦を立てて突破する方が手練れ感があるじゃないか。圭一はそういう展開の方が好きだろう?旧式に乗ってる歴戦のパイロットが戦術と技術で新鋭機の主人公とか敵エースを一方的に蹂躙するって展開」
「そりゃ、まぁ……」
「そういう歴戦の老兵は『それしか食っていく術を知らないだけさ』とか言ってるけど、それだけで生き残れるわけがない。あぁいうキャラって実は博識だったりするんだよ。勉強はその為の第一歩だよ。それに、世の中、知識があった方が面白いことってあるんだ」
「えー。例えば?」
「ガンダムとかその典型じゃない?ジオングとかよく考えてみなよ、頭頂部を前に向けて飛んでる、いわゆるドラゴンボール飛びしてるなら理解できるけど、いろんな媒体ではブースター吹かして飛んでる姿は大体若干の前傾姿勢じゃないか。あれで前に進める訳ないだろう。普通、斜め上に飛んでく筈じゃないか。いくらノズル角度を調整できるとしてもだ。なんであの体勢で移動して攻撃を避けられるんだ?」
「………………まぁ、確かに」
「そもそも足なんて飾りとか言ってるけどAMBC的にブースターとスラスターの位置はあそこでいいのか?胸のアレは排気ダクトだろうし、だとしたら頭部のスラスターがブースターと同等の出力でもない限り、ジオングは宇宙をぐるんぐるん回転しながら移動するすることになるけど?とか。まぁ、それ言い出したらMS全般がそうなりそうだけどさ」
「ツッコミ出すとキリがなさそうだ……」
「そういうこと。ちょっと知識があればいろんな角度からモノを見れる。例えば緊急時に使えるライフハックみたいな動画流行っただろう?アレだって知識の活用だ。緊急時にあんなに道具が揃ってるわけないだろってツッコミは置いておくとして、知識があれば大抵のことはどうにかなる。学校の勉強はその為のスタートラインなんだよ」
「…………わかった、分かりましたよ、勉強も頑張りますよ」
「うん、それでいい。じゃ、まずは手始めに『走るなメロス』でもやろうか国語の教科書の登場人物最強ランキングのSSランクに位置してるキャラクターだからね」
「なんなの、その中学生が好きそうなランキング……」
「知らないのかい?同じランクにはメロスを捕まえた兵士や母の悲しみを背負った太一がいてね、他には————」
圭一は何というか、始まるまでが長い。集中力もあるし、注意力が散漫って訳ではないけど、必要だと思ったこと以外は投げやりにする印象がある。本気で欲しいと思ったり、身に付けなければ不味いことは必死に覚えるけど、そうでなければ力半分というか。もしかすると、彼のそんな気質があの悲惨な点数を招いているのかも知れない。
けどまぁ、それこそ教師の腕の見せ所だろう。
覚える必要性を合理的に説き、覚えさせるだけではいけない。それでは先生と変わらない。時には飴で釣ることも必要だ。
圭一が得意にしてる部分は合理的に、逆に苦手にしてることへは飴をチラつかせる。本気になれるかどうかの基準や考え方も彼の持ち味。なら、それを少しでも良い方向へ。
考えなくてはいけないことは多い。けど、圭一は着々と学力も向上し始めていた。小テストの度に80点以上取れれば新しい技を教えてあげるという飴は効果覿面だったらしい。
件の定期的に僕が出題する小テストでは、今のところ平均して78点程度。だが、決して80点以上を取ったことがないということではなく、最初の頃のボロボロな点数が足を引っ張ってこんな数字になっているだけ。実際の点数はもっと上だ。
中学2年生としての学力はまだ中堅レベルだけど、それでも平均で20点、5教科の合計で100点とか言ってた頃に比べれば比較にならないほどの成長だと言えるだろう。
このままついでに理科にかこつけて科学力も上げておこうかな。僕なりに圭一を僕ら以上の力を持つ人間に育てることを目標にした時、彼を自分のスペアや仕事の幅を持たせる為の道具とすることは止めようと思った。
それでも、もとは殺しの為の技術とはいえ世の中、何が役立つか分からないことを僕ら殺し屋は知っている。だから、殺し屋としての経験を彼を生かす為の知識として伝える。それは、きっと悪くない選択の筈だ。
腕を前で組み、如何にも弟子を見守ってますという雰囲気を出しながら僕は、イキイキと練習に精を出してる圭一を眺めていた。座学をしている時に比べると本当に良い笑顔をしている。
いや、ちょっと待て。考えておいてなんだけど、僕の指示通りにやってるなら、相手の動きに合わせてカウンターするイメトレしながら木刀の素振りしてるんだよね、彼。それで笑顔になるって少し不味くない?
そういえば、最近の圭一が笑ってる場面を思い返そうとすると、僕に模擬戦で襲い掛かってきてる瞬間をやたらと想起してしまう。もしかして、戦闘狂的な部分が目覚めて来てる?
少し原因を考えるが、そういえば、圭一が訓練中に笑うことが増えて来たのは、僕が彼にひたすら受け身の練習をさせてた時からの様な気がする。受け身が取れるまで淡々と投げ続け、受け身が取れる様になっても飽きるほど受け身の練習はさせて来た。
あれ、もしかして僕なんかやっちゃいました……?
我ながら無責任なことを考えていると、圭一のスマホが鳴った。ピリリリ、と音を立てて震えるスマホを持ち上げると、液晶には『プリン星人』という奇怪な文字列が。
「おーい、圭一ぃ!電話なってるよ〜!」
「……あ、ほーい、今いきまーす」
木刀をゆっくり床に置くと足音を立てずに駆け寄って来る。床を軋ませず、足音を立てず、衣擦れの音すらしない、完璧な無音歩法に思わず教え子の成長を感じてニヤけそうになった。
スマホを渡し、何となく床に力を入れてみると、キシっと簡単に音が鳴ってしまう。こんな床で音を立てずに走って来るとは、圭一も本当に成長したものだなぁ〜と感心していると、電話に出た彼の声が聞こえて来る。
「なに、どうかしたのか、雪村」
雪村。たしか、調べた限りだと圭一の次の担任の名前だ。呼び捨てにしてるあたり、少し前に話していた雪村教諭の妹だろうか。喫茶店で相席になったとか言ってたけど、連絡先交換してたのか。我が教え子ながら手が早い。
ひとまず色恋を度外視した戦闘狂にならなそうで安心した。
圭一が『オマエ、ツヨイ。オレ、クラベタイ。オマエ、喰ラウ』みたいな悲しいモンスターにならなそうで良かった。
「え、なに?お前のことは下の名前で呼べって?………お姉ちゃんと混ざって紛らわしい?いやいや、雪村先生には先生って敬称付けて、お前には付けてないんだし、区別できるだろ?……雪村の感じ方の問題?私が紛らわしいと思うから変えて欲しい?いや、でも名前呼びはハードル高いだろ。ただの友達とはいえ、女子相手だし。女子としても顔見知り程度の相手に名前呼びされるのキツくない?……キツくない。そう……」
「……………」
あれ、ちょっと待って。僕のはやとちり?圭一ってば恋愛感情一切ない?いや、色恋に興味ないのか、そもそも。
電話をしている言動から伝わって来るのは、ヒシヒシとしたクソボケ感。雪村さんとやらが距離を詰めようとしてるのに、無自覚に正論を並べ立ててのらりくらりしてやがる。
「……え?これから喫茶店?あ……ちょっとキツイな。ちょっと予定が……。いや、実は習い事してて……」
圭一がチラリとこちらを見て、即座に断りの姿勢に入る。
ふむ。これは良くない兆候だ。このままでは圭一のバーサーカー化、少し略してバーサー化ーが進んでしまう。
『オデ、センセイノホウガスキ、ツヨイ、タタカエル。カノジョ、ナグレナイ。オデ、ハヤイ、スピードデ、アイテホンロウスル。ガンバル、マケナイ』
うーん。好き嫌いの基準は強さの戦闘狂なのに好きな女の子は殴れない悲しいモンスターみたいな言動なのにパワー系に見せかけてスピード系な上に語彙力たどたどしい萌え要素完備みたいなバーサーカーになってしまった。
流石にそれは不味いと思ったので、彼の肩をちょんちょんと突き、こっちを向かせて口パクで行っておいでと伝える。
「……あー、雪村………づぁー!わかった、あかり!悪かった、いま先生から行って良いって許可出たから付き合うよ。つか、後ろに雪村先生いるだろ。さっきから気配が2つあんぞ。学校で会ったら覚えてろって伝えて。それじゃ」
プツっと電話を切る圭一。
というか、ナチュラルにハイレベルなことしてたな。何気なく僕の一切声を出してない口パクを完璧に読む読唇術、電話の奥の気配を探って人数を把握して会話を主導してる存在を言い当てる気配察知能力と推理力。教え子ながら恐ろしいものだ。
「はぁ……。それじゃあ行って来ます」
「はいはい、行ってらっしゃい。お土産話楽しみにしてるね」
「………………憂鬱だ」
「こらこら。これから女の子に会うんだからそう言う反応良くないよ。中学生男子ならもっと喜び勇んで行くだろうに。デートだよ、デート。スマイルは大丈夫だよ?」
「デートじゃないだろ。どうせ姉の方に電話の後ろから指示されてんだろう。雪村が可哀想だって」
「あはは、クソボケめ」
「酷くない?俺はバカかもだけどボケじゃないぞ」
「そう思ってるならそうかもね。キミの中では」
そこまで伝えると圭一はションボリしてぶーたれながらジャージから制服に着替えてのそのそと道場を出て行った。
「やれやれ……。あれが中学生の姿かね」
花より団子というか、悪い言い方をすればクソボケ、良い言い方をすれば硬派と言うべきか。
もっと中学生らしくというか、学生らしくというか、何でこう妙な所で達観してるのかな。年相応な所はたくさんあるのに、こう、女になんてキョーミないし!とか中学生の強がりじゃなくて、ガチで言ってるのがタチ悪い。
このままだと『キミさえいれば、武器などいらない』とか言った20年後くらいに『やはり武器が必要だ』とか言い出すような子にならないか心配だ。いや、言った本人はそれはそれとして幸せそうだから、そうなるにしても良いんだけどさ。どうなっても生き残れる術を僕が教えれば良いだけの話だし。
それから大体2時間後くらいに圭一は帰って来た。
話によれば、やはり彼の言う姉の方とやらに雪村さんが半ば唆される形であの電話の会話をしていたのだとか。
名前で呼んでという会話も姉の方の指示だったらしい。しかし、圭一よ、電話をしたのは本人の意思だと言うことを見落としてはいないだろうね?電話から聞こえて来た相手の声から察するに、確かに唆されはしたけど、下の名前で呼んで欲しいって件に関しては相手の子も本心だった様に思うけど……。
うーん。何と言うか、まだまだ教えるべきことは沢山ありそうだ。中学生離れした部分は増えて来たのに、変なところが微妙に子供っぽいと言うか、異性関係とかサイフの趣味とか一部の情緒が小学生くらいで止まってないかい?
それからと言うもの、僕の心配とは裏腹に圭一は意外にも雪村さんと出掛けることが多くなっていった。
本人に根掘り葉掘り聞いてみたら、初めて会った後からプリンが美味しいと評判の喫茶店に足を運ぶと高確率で出会うようになったとか。それで席に案内される中で顔を合わせては一応知り合いだし、と会釈する様にしていたところ、何度目かで等々同じ席に誘われる様になったとか。
「『毎回なんで別の席に行こうとするの?友達がいたらそのまま同じ席に座ろうとしないかな、普通』って呼び止められる様になってからは、同じ席に座ることにしてるんですけどね」
「………大丈夫?余計なこと言ってないよね、『友達……?』とか聞き返したりとかやってないよね?」
「流石に言わないですよ。俺のことなんだと思ってるんすか」
「はは、だよね。流石にそんなこと言わないか」
少し安心した。圭一はそう言うところあるから。
「んでも、『1人で静かにしてたい人だっているよなって。誰かとお茶したい奴がわざわざ喫茶店に1人で来ないだろうし』って言ったら、グサッって何か刺さったみたいな声を出しながらピクピク痙攣して突っ伏しちゃったけど」
「そう言うところだぞ、圭一」
と、まぁ。愛弟子は相変わらずだったけど。
でも、そんな心配盛りだくさんだったが、圭一からの雪村さんに対する矢印は段々と彼女の方を向く様になり、大きくなって行ってるのは側から見ていて分かるようになって行った。
スマホの登録名も『プリン星人』から『プリン軍曹』、『プリン少尉』、『プリン大尉』、『プリン中佐』、『教祖様』とどんどんグレードアップしていった。
初めてこそ、雪村さんから電話が来て、訓練中だからと断りそうになってるところを僕が行く様にけしかける流れだったが、次第に僕に行って来ても良いかと許可を求める様になったし、大きな成長だろう。そして大変驚くべきことに偶に自分から誘ってる場面も見ることがある。
けどまぁ、圭一も大人になりつつあるってことだよね。
今日、あの子はいない。件の女子と遊びに行っている。
だから、偶には自分の訓練でもするかと身体を動かして見る。圭一にやらせてみていたメニューを自分でもやってみて、今度やらせようと思うメニューも試してみて、少し気付く。
「……なんか、前より体が軽い?」
覚えたのはそんな違和感。最近は時間さえあれば彼の訓練や勉強を見ていた。学校の時間はメニューの考案とか情報収集ばかり。少し鈍ってるからと思ったけど、そんなことはない。
むしろ、圭一と出会う前に比べて身体のキレが良くなった様な気がする。何故だろう。圭一に身体の動かし方を指導するとき、最適な方法を言語化するために思考を回したからか、それとも、僕自身、圭一がそうである様に、自分に瓜二つの相手の動きを見て、あの子の動きを自分に取り込んでいるのか。
しかし、それは、圭一の一部の動きは僕以上に洗練されたモノに進化しつつあるってことで。
「むぅ……」
教師としては喜ばしい。だが、複雑な部分はある。
一部の技術は抜かれ始めている。それは万能の殺し屋、死神として自分が頂点ではないことの証明であり、その事実に少し嫉妬している自分がいるのも事実だ。
無論、自分が完璧ではないことなど、圭一を育てると決めた時に何となく悟ってはいた。しかし、あの子に抜かされるのはまだ先のことだと思っていたのでやはり、ショックだ。
「……でも、まだ生徒の卒業は認めてあげられないよね」
唯一の弟子の成長は目覚ましい。
けど、僕はまだあの子にとって高い壁でありたい。
なんとなく、教師は生徒に育てられるという言葉の意味が分かった気がした。
それからも僕らの師弟関係は続く。
圭一は驚くべきスピードで殺しの技術を覚えて行った。本人には殺しの技術という自覚が薄いだろうけど、実力で言えば僕の足下などとうに抜かし、今や腰辺りには迫っていた。
けど、これも本人にはその自覚はないだろう。訓練の度に上達する圭一。僕は彼の実力より少し上くらいに力を押さえて相手をしていた。彼にとっては良い感じに戦えている、今回の反省を活かして次の訓練で実践している、けどやっぱり反省する点は同じくらい出てくる。そんな感覚だろう。
成長を実感できたのだとしても、それはきっと微々たるもの。そろそろ圭一にも他の相手とぶつかって正しく自分の実力を把握する機会を与えても良いのかもしれない。
そう言えば知識面もかなり進歩した。こっちに関してはもともと本人が言ってた様にやっぱり苦手なんだろうけど、苦手なりに逃げずに頑張った成果がしっかりテストに反映されてる様で、先日、最下位から一気に30位くらいまで順位を上げることが出来たとか。流石に僕も驚いたよ。
「………でも、僕や先生を超えるってどんなことなんだろ」
考えているとそんな思考が差し込まれる。
僕や先生を超える。基準を作るのは簡単だ。例えば僕や先生が出来ないことを技術として身に付ける。他には僕や先生が出来ることを僕ら以上の精度で当たり前にこなせる様になるとか。
ただ、果たしてそれは"いい人"になったと言えるのだろうか。
僕は圭一に殺し屋としての技術や知識を教えている。何気ない会話の中にもさりげなく色んな情報を盛り込んでは、彼の知識になっているのかを何気なく聞いて確かめている。
しかし、彼を殺し屋にするつもりはない。僕を認めてくれた、僕を見てくれた子をこっちの世界に引き摺り込むつもりはもうない。その考えは変えるつもりはない。だからこそ、僕には一つ問題があった。今まで目を逸らして来たこと。
僕には、"いい人"の基準がわからない。
表社会に生きるからには、いい人であることに越したことはないのだろう。だが、世の人々が言う、いい人とは"善い人"なのか"良い人"なのかわからなかった。
いわゆる、道徳とでも言うのだろうか。僕は圭一に力と知識を与えたが、それ以外に何を与えられているのかわからない。
圭一は悪い奴じゃない。嫌なことからは割と素直に逃げようとするけど、根は真面目だし、進んで善行をするタイプじゃないが、進んで悪行を働くタイプでもない。目の前で困ってる人がいるなら手を貸すこと自体はやぶさかではないと考える、どちらかと言えば良い奴なんだろう。
今日まで彼に教えたことをひけらかして事件を起こしたとか聞かないし、倫理観もしっかりしてる。今のまま成長してくれれば、"良い人"でも"善い人"でもあると言える人物になるだろうが、そこの情緒の成長に何も手を貸せないのは情けない話だ。
思わず頭を悩ませる。
最近、嬉しいことがあった。
あの圭一が雪村あかりをここに連れて来たのだ。あれだけ朴念仁然としていた圭一がガールフレンドを連れ込んで来た。その事実に僕は思わずひっくり返るほど驚いた。
「わっ……本当に圭一にそっくり……」
「な、俺と初対面の時は驚いた」
「それは僕も同じだけどね」
連れて来たのは可愛らしい子で、2人の間には遠慮みたいなものがなく、仲も良好な様で安心した。でも、嬉しかったのはそこだけじゃなくて、圭一が彼女にした僕の紹介だった。
「こっちが俺の師匠。ぶっちゃけ今日に至るまで古武術としか聞いてないから、何流のなんて技を習って来たのかは全く分からないけど、とにかくすげぇ人なんだ。武術関係じゃなくて勉強とかも超一流。まじで万能よ」
「圭一がそこまで褒めるんだ……。うん、でも、なんていうか、師匠とか弟子っていうより、2人を並べて見てみると兄弟って感じする。顔も瓜二つだし」
「実際、兄ちゃんみたいに思ってるぞ」
「おお……。教え子がデレた。トゥンク」
「雑にトゥンクすな」
「雑にトゥンクすなってなに……」
兄ちゃんみたいに思っている。その一言がどれだけ嬉しかったか、彼にはきっと分からないだろう。
呆れるような視線を僕らに向ける雪村さん、自分の言葉が変だったかと首を傾げる圭一。
圭一と出会ってこんなことを思うのは何度目だろう。殺し屋として死神の弟子になり、死神の座を騙し取り、もう1人の自分として育てて使おうと思った相手に何気なく救われて、こんな穏やかな生活を送ることになるなんて、と。
強く、そしてしなやかに成長する教え子。
僕なりに伝えられることを伝え、死神としての能力の基準で見れば一人前というには少し心許ないけど、それでもどこへ出しても恥ずかしくない実力が身に付いたと思い始めた頃、僕ら師弟は強さとは、という究極の命題を叩きつけられることになる。
その日、月が壊れた。
月の7割が原因不明の爆発で7割も蒸発する大事件。
しかし、そんな大事件の横で僕は震える教え子の声を聞いた。
無力に震える、涙を噛み殺した声。
『なぁ……先生、強さってなんだろうな……』
3月13日。日付が変わって1時間が経つか経たないかと言った時間に教え子から電話が来た。
1時間前に誕生日を終えたばかりの少年の声は震えていた。電話故に表情は見えない。だが、電話の向こうで悔しさに表情を歪ませているのは想像に難くない。そんな無力に拳を握り締め、奥歯を噛み締めて震える声だった。
雪村あぐりが死んだ。
僕とは直接の繋がりはない。精々資料で見たことがあるだけ。それだけの相手だったが、圭一にとっては現在の担任の教師であり、そして友人の姉である存在だった。
ほんの半日前まで圭一と雪村さんは楽しそうにしていた。ハイテンションに圭一の誕生日を祝って振り回す雪村さんとされるがまま、それでも満更でもなさそうな圭一。そんな光景がその僅か数時間後に失われた。
どうやら、雪村あぐりは昼は教師、夜は研究員として働いていたらしい。そんな彼女の勤務先の研究施設が爆発した。
そんなことが発生するとは思いもしなかったであろう、圭一は夜も遅くなりそうだということで姉を迎えに行く雪村さんを送りに近くまで行ったらしい。そこで、彼らは件の爆発事故を目撃したようだった。
半狂乱になって研究所へ走る雪村さんを追いかけた圭一。2人が瓦礫を越え、辿り着いた先にあったのは……既に事切れた姉であり、担任であった女性と、その亡骸から流れる真っ赤な血液を弄ぶ触手の怪物だったという。
『……あかりが泣いてた』
「うん……」
『俺はどうしてやれば良いんだろう………』
取り乱す雪村さんを辛うじて冷静さを保とうと頑張った圭一が必死に説得し、遺体と彼女を安全な場所まで運んだ。
安全を確保し、警察に連絡し、雪村さんを落ち着かせる為に言葉と態度を尽くし、そしてほんの僅かに作れた時間を使って僕にアドバイスを求めて来たのは記憶に新しかった。
圭一は今、雪村さんの家で彼女を慰めていた。
彼はその場で出来ること全てにベストを尽くしたと言えるだろう。爆発事故を目撃し、現場に走る知人の安全を確保し、取り乱すことなく必死に冷静さを保って、警察や消防に連絡し、親族の死を目撃したばかりの遺族のケアに努める。
間違いなくただの中学生の手に余る案件に対して僕の教え子は最大限にやれることをやった。
「出来ることを全てやったと思うよ。圭一も辛かっただろうに。自慢の弟子だよ、キミは。………雪村さんの様子は?」
『さっき寝た。泣き疲れたんだろうな……。けど、さっきから時々うめき声を出して苦しそうに魘されてる』
「でも眠れてる。それは少なからず安心したってことだよ。1人だったらきっと眠れなかった筈だ。今は一緒に居てあげな」
『分かってる。そのつもりだよ』
圭一はそれでも気丈に振る舞おうとしていた。
きっといま、どうして良いのかわからないと感じているのは僕の方なんだろう。圭一の言葉にありきたりな事しか言えない。相手に寄り添おうとすると、自然とそんなワードチョイスになるのかも知れない。
けれど、僕には明確な心当たりがあった。
なぜならつい半年くらい前まで僕は、今の圭一や雪村さんの様な立場の人間を作って来た側の人間だったから。
だから僕には圭一に的確な言葉を掛けられなかった。
その資格があるのか、僕は分からなかった。
『でもさ、やっぱりやるせないよ……。今日までアンタから色んなことを教えて貰った。自分でも強くなったつもりだったのに………結局、俺は無力だった。あかりに何もしてやれてない。先生からもっと学んでいたら、とか。考えてしまう。もっと出来ることがあったんじゃないのかって』
「……圭一」
『こうやって一緒にいる事しかできないのが、魘されてる時に抱きしめて、一方的に言葉を投げる事しかできないのが…………情けない。こんなことを先生に愚痴ってる自分が……みっともなくて……。しょうもない奴だって自覚させられる』
「そんな風に卑下する必要はないさ。キミの歳でそれが出来る子はそういない。雪村さんにも伝えてくれるかな。何かあったら僕のことも頼ってくれて良いからさ。そうじゃなくてもキミが辛そうだと思ったらいつでもね」
『……ありがとう、先生。しっかり伝えておく。そろそろ切るよ。またあかりが魘され始めたから』
「……あぁ。キミもしっかり休むんだよ。頑張って圭一まで倒れたら雪村さんが可哀想だ」
『別に頑張ることじゃないよ。俺が好きでやってることだ』
プツッと電話が切れる。
ツーツー、と音を返してくるスマホのポケットに突っ込もうとして、圭一からLINEが送られて来ていることに気付く。
【そう言えば、現場に変なのが落ちてた。あの化け物の触手の切れ端みたいな奴と映画とかでよく見るアタッシュケースみたいな奴。落ちてた触手の切れ端の方には血がべっとりと付いてた。対して化け物の方には返り血みたいなのはのは見当たらなかった。雪村先生はあの化け物に殺されたわけじゃないのかも。それくらいしか分からなかったけど】
送られて来ていたのは、爆発現場の情報。
きっと、送って来た本人としても情報を整理し、誰かに自分が知った情報を聞いて欲しかっただけなのかも知れない。その証拠に、直後、【ごめん、だからどうしたって話かもだけど】と一文が送られて来ている。
しかし、充分な情報だった。少なくとも、
「よく出来た弟子だよ、キミは」
僕は自分の中で弟子への評価を上方修正する。
彼は僕が思う以上にできることをやっていた。まさか、さっき挙げた異常事態への対応の他に現場の情報を冷静に収集できているというのは、流石に予想外だった。
情報を頼りに僕は簡単に準備して、現場に向かう。どうやら被害者は雪村あぐりだけでなく、他の職員も同様に無惨な姿になっていたらしい。救急隊員たちが無数の遺体を運んでいる。
どうやら、現場の倒壊は聞いていた以上に深刻で、最深部にはまだ誰も訪れていなかったらしい。
おそらく、圭一と雪村さん以外には。
道中、いくつか死体を見た。胸の動脈から夥しい血を噴き出したであろう、この平和な国に似つかわしくない武装をした警備員のそれ。観察を続けると、そこには鋭く小さく細い針か何かで刺されたかの様な傷口があった。
間違いなく、この傷が死因であることは間違いない。だが、たったこれっぽっちの傷で人間が死ぬわけがない。
————常人なら、そう考えるだろう。
しかし、僕には分かる。
これは、間違いなく他殺だ。それもこの小さな針で刺されたみたいな傷口から動脈を狙い撃ち、内側から血流の勢いで血管を自壊させている。明らかに尋常ではない技術の持ち主の犯行。
あまりに人間離れした技術だ。凶器の特定などできないだろう。犯人を特定できる凶器は今頃血流に流され、死体の血管の何処かに滞留している。他殺と断定することすら普通は無理だ。
証拠がないのは処理能力が超一流だから。
手口が分からないのは技術が超一流だから。
死因を断定できないのは殺し方が超一流だから。
証拠がないことこそが、奴の犯行である何よりの証拠と言わしめる圧倒的な格の違いを裏社会に轟かせる、この惨劇と思わしき犯人の正体に僕は心当たりがあった。
こんな殺し方を実現できるのは、僕か、あの人しかいない。
「"先生"………」
これは、一年前に裏切り、身柄を売り渡したかつての恩師であり、僕が越える目標とした相手であり、ある種、憎いと思っていた男の犯行だとしか思えなかった。
先代の死神。彼が間違いなくここにいた。
「だれかー!おーい!なんでも良い!生きてる人がいるのなら音を立ててくれ!必ず見つける!だから音を出してくれ!」
どうやら救急隊が来たらしい。
僕は現場を少し離れた最深部を最後に目に収める。瓦礫の山とその麓に夥しい血の跡。そして、その血溜まりから数メートル離れた先の壁にべっとりと赤黒い跡を残しながら何か、地面に向かって落ちていた。
近付いていくと、何かある。血溜まりの中に、小さく干物のように干からびた何かが。たぶん、圭一が見たのはこれだろう。触手の切れ端という文面と状況から察するにこれは干からびた触手という奴なんだろう。
そして……あった。アタッシュケース。
僕はそれを持ち上げて、中身を見る。そこには無数のスロットの中に一つだけ、何かの種が卵のようなものが浮かぶ注射器のカートリッジが入っていた。
付属する、何かのレポート。そこにはコレに対する説明がまとめられている。きっと、これがここの施設で研究、作成されたモノなんだろう。九分九厘、間違いない。
「………何が起きてるんだ」
瓦礫の山の上にぽっかりと空いた穴。そこから見える三日月。
この惨劇の場を見て自分の無力を嘆いた教え子にこれから何を教えればいいのだろう。ここで失われた命を嘆く者の1人になった教え子の友人に何をしてやればいいのだろう。
月が壊れたことから始まった一連の騒動。何が起きているのか、今の僕には全く予想が立てられなかった。
あとがき
はい、あとがきです。
実はこのルート、本編で出会っていた筈の相手と出会わなかった相手がシャッフルされています。具体的には、カルマ→2代目死神。磯貝→あかりって感じで相手が出会う相手が変わっています。
この世界線では圭一が2代目に鍛えられて自己肯定感が高まっているので雪村先生にツンケンしてないので、本編と違い『お姉ちゃんを困らせてる不良がいる』ではなく、『落ちこぼれクラスに落ちても諦めずに頑張ってる奴がいる』って認識になっており、圭一に対するあかりからの好感度が本編よりかなり高めからスタートしてます。
本編と比べると圭一の自己肯定感が高く、言うほど思い詰めてない上に、強化人間だから周りより強いとか、俺がやらないと!みたいに無意識に責任という言葉にとらわれてもいないので、自分のやりたいことを優先しています。だから、クソボケ具合は変わらないけど、恋愛感情に対して結構素直です。
圭一の立ち回りというか、ヒロインとの関係は……。
ヒロインに支えられるのが本編。
ヒロインを支えようとするのが2代目IF。って感じでしょうか。
本編も別に圭一が支えることができないって訳でなく、このIFの圭一が支えるばかりで支えて貰えない訳でもないってのを上手く表現できるように頑張ります……!
それでは、今回はここまでと言うことで……。
ご愛読ありがとうございます!