【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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ザンギエフはスト2しかやったことがないから、スト6の仕様これでいいんでしたっけ?間違っていたらすみません。


第130話 第四次ガイアプロレス(in関西)

 

「まあ…………。こっちはこっちで大変なんだけどな…………。

 ただでさえ支部を存続されるだけでも大変なのに、何なんだよタ〇ガース復活って…………。」

 

 分かる、分かり見が深い、と彼は心の中で頷く。

 何でも十勝シェルターが日ハムから球団を買い取って「北海道ガイアホッパーズ」を立ち上げたのを契機に、あちこちのシェルターで球団復活の猛烈な声が上がっているらしい。*1

 特に熱狂的なファンのいるタ〇ガース、さらに同様に熱狂的なファンがおり、黒札もいる広島にあるカ〇プには復活希望が山のように届いている…………らしい。

 

「まあ、それはそれとして…………。こちらの要望があるからそれを受け入れてくれれば、そちらの生産しているキクリ米の輸入量を増してもいい。貴重なヒノエ米の消費を抑えられて便利だしな。」

 

 以前【京都シェルター】関西支部にいるナイスボートニキとの取引*2により、京都近辺の不穏分子を処分するために、佐渡島に送る事に働きかけるために代償として、関西支部にはそれなりの量のキクリ米が搬入されている。ヒノエ米は貴重な米であり、その下の代替品ではあるが、黒札以外の金札、その下のシルバーやブロンズなどと言ったデビルバスターやデビルハンターたちにとっては貴重な白米である。

 だが、それをただで受け入れられるほど世の中は甘くない。

 そして、そのウシジマニキが凍矢に出した条件、それは…………。

 

「何でまたプロレスの話が来るんだよぉおお!! おかしいでしょ常識的に考えて!? 俺プロレスラーじゃないんだけど!?」

 

 そう、それはまたしても他の黒札とのプロレスの話だった。

 今まで三回もプロレス(なし崩し的に)を行っていたとはいえ、またプロレスの話が来るとは思っていなかったのである。*3

 相手は「関西ガイアプロレス」のトップ、レスラーニキと言われる人物である。

 その姿は、某ストリートファイターのザンギエフそっくりの筋肉達磨と言ってもいい筋骨隆々の人物である。

 この終末では、皆心理的ストレスが非常に強いことから娯楽作品を皆求めている。

 特にこの終末環境では非覚醒者はシェルターの外に出ることすらできない。動画配信サービスによる無観客試合を行うことも珍しくはないし、需要は常に求められている。

 そして、凍矢が今まで戦ったガイアプロレスも金を払えば視聴できるようになっている。

 それを見た関西支部の人々は「プロレスを行っている凍矢や馬ニキ、ハルカなどがレスラーニキと戦ったらどうなるんだろう。ぜひ見たい!」という要望が上がったらしい。

 

『でも今まで散々プロレスやってるだろ?』

 

 そのウシジマニキの言葉に、それは……そうなんですが……と凍矢は黙り込んでしまう。ウシジマニキからそう言われてしまってはぐうの音も出ない。

 理由はどうあれ凍矢が今まで散々プロレスをやっているのは事実なのだ。

 今まで散々プロレスやっておいて、自分の本意ではありません! は筋が通らないと言われてしまってはそれはそう、としか言いようがない。

 うぐぅ、と言いながら、凍矢はウシジマニキの提案を考える。

 静はともかく、これから破裂の人形が妊娠となったら、彼女が動けなくなってしまうのは非常に大きい。

 今のうちから稼いでおかなくてはならない、と色々はやっているし、ガイアプロレスの視聴料もこちらにとっては大きな収入源になる。(ハルカや馬ニキのプロレスはともかく、ウォレスニキと戦ったのもその意味合いが大きい)

 さらに、こういった格闘動画配信は、大当たりすればかなり稼げる。向こうには編集や脚本制作者に保護された本職もいるし、ガイア連合映像部にフォローしてもらえばその可能性は高くなる。

 仕方ないにゃあ……と考えながら凍矢はウシジマニキに許可を出すが、こちらの条件も彼に伝える。

 

「とりあえず条件が二つある。一つ『こちらの取り分を多めにしてもらうこと』

 もう一つ『こちらが負ける流れのブックを書く事』これならまあ……うん。仕方ないか。」

 

『まあそれはいいんだが……いいのか? レベルはそちらが遥かに高いだろ?』

 

 レスラーニキのLVは58。現在の凍矢のLVは90。

 普通に考えたらLV差で凍矢のゴリ押しもできるだろうが、凍矢的には勝ってもいいことはない。

 むしろ場を盛り上げさせて負けた方が金目的である彼にとってはいいのだ。

 

「こっちが勝ったら『関西ガイアプロレス』のトロフィーもらうことになるじゃん。

 正直貰っても困るし必要ない。それよりも負けてお金を得たほうが遥かにありがたい。

 プロレスラーでもない俺がそんなの貰っても他のプロレスラーの侮辱になるし。」

 

 レスラーニキは、関西ガイアプロレスのトップであり、そんな彼に勝ってしまったら、凍矢が関西ガイアプロレスのトップになってしまう形になる。

 ただでさえクソ忙しいのにトロフィーやらトップやらもらっても困るし、第一関西と新潟では場所が遠すぎる。例えターミナルがあってすぐに転送できるとはいえど、そんな面倒は御免である。

 

『一応言っておくが、騙す気とかはこっちは全然ないからな。魔特化の人間でLVが三倍以上違うような人間に変な契約出すほどこっちも命知らずじゃねえよ。魔特化のお前と下手に契約したら、自己強制証明(セルフギアス・スクロール)バリの契約力を持つ事になるんだぞ?』

 

 えっ? そうなの? マジで? 魔特化って単純にMP多くてバンバン強い魔術撃てるだけじゃないの? と思っている凍矢を他所に、契約は成立して、凍矢はターミナルを通して関西へと向かうことになった。*4

 


 

「………ふう。ここが関西か………。」

 

 関西支部シェルター、元大阪市に作られたガイア連合のシェルターである…………が、かつての大都市である大阪市は見る影もなく廃墟ビルが乱立した土地へとなっている。

 大阪市の人口は27万人、それがこのシェルター内部の数百人程度しか生き残っていないのだ。*5

 これが人類が霊長の座から追い落された姿かぁ………。とシェルター内から外の廃墟のビル群を遠目に見ながら思わず凍矢は遠い目になっている中、一人の筋骨隆々な巨大な男が話しかけてくる。

 金剛………ウォレスニキにも負けず劣らずの全身が筋肉の塊とでも言わんばかりの存在感。

 彼こそがレスラーニキ………関本順一郎である。まさに和製のザンギエフそのものと言っていい容貌。

 金剛と同じように筋肉を何とか特注の服に包み込んでいる形である。

 

「初めましてだな! 田舎ニキ! 俺は関本順一郎………レスラーニキという! よろしくな!!」

 

 そう言いながら、レスラーニキと凍矢はがっちりと握手をする。

 お互い黒札であり、立場としては同じであるため、そのままお互いにため口で話し合う。

 そして、そのまま関西支部近くに作られたプロレス用に作り出された異界内部へと足へ運んでいく。

 この専用異界ならば、どんなに暴れまわっても冷気を放出しても問題はない。

 それを見て、さっそく関西ガイアプロレスの専門家たちと会議を行って、早速プロレスを始めることになった。

 


 

「うぉおおおお!!!!」

 

「ああああああああ!!」

 

 凍矢は、レスラーニキの猛烈なマッスルパンチを、以前のウォレスニキと戦った応用で拳から冷気を放出・加速させた拳を横などから加え、軌道を反らしていく。

 以前戦ったLV90代のほぼ同じ近接戦闘系のウォレスニキと比べ、レスラーニキはLV50代。

 同じようなタイプでありながらLVはレスラーニキの方が遥かに低いから楽勝…………という訳にはいかない。

 レスラーニキはウォレスニキとは違った特性がある。

 それは「極めて高度なMAG操作技術」すなわち『引き寄せ』である。

 

「ふんぬぉ!!」

 

 レスラーニキが両手を広げた瞬間、まるで磁石が引き寄せられるように、凍矢の肉体はレスラーニキへと引き寄せられていく。

 基本的に関節技や投げ技に対する対応策がない(魔術除く)なのが凍矢の大きな欠点である。

 はっきり言ってしまえば、レスラーニキは凍矢の天敵中の天敵で、『極めて相性が悪い敵』である。

 その外見から脳筋で筋肉こそが最大の攻撃だと思われるが、実際は彼には緻密で強力なMAG操作技術を有している。

 

「うぉおおお!!」

 

 凍矢は、脚部と背部から猛烈な冷気を放出し、それをスラスター代わりにしてレスラーニキの【引き寄せ】に対抗し、高速で後ろへと下がって行きながら、【ブフダイン】を連打する。

 いわゆる後退しながら、近づいてくる敵を撃つ【引き撃ち】である。

 さらに後方に飛びながら【ブフダイン】を叩き込んでいくが、レスラーニキは、それをヘッドバッドを叩き込んでいくことで無効化していく。

 

(さて、どうしたものか…………。このまま引き撃ちしてるだけでは塩試合になるし、きちんと場を盛り上げないと…………)

 

「ふんぬぁあああ!! サイクロンラリアット!!」

 

 だが、レスラーニキはぐるぐるとラリアットのまま回転しながら宙に浮いたまま猛烈な勢いでこちらに迫ってくる。

 そのラリアット状態での回転は、凍矢の『ブフダイン』を悉く拳で粉砕していく。彼の得意技、サイクロンラリアットは相手の飛び道具を無効化できる力を有している。これはMAG操作技術によって攻撃呪文を引き寄せて、MAGが込められた回転する拳を叩き込んで無効化させる技だ。その回転する拳は、敵の攻撃魔術や遠距離攻撃を粉砕しながら進む能力があるのだ。

 さらに、サイクロンラリアットで突進しながら凍矢の近くに進み、引き寄せによって凍矢を捕えたレスラーニキは、自らの必殺技を彼に叩き込もうとする。

 

「捕えたぞ!! 食らえ!! スクリューパイルドライバー…………もとい【物理ハイブースタ】【スクリューダイナマイト(真空投げ)】*6!!」

 

「させるかぁああ!! 【マハブフバリオン】ッ!!」

 

 相手を捕えた後、地面にたたきつける前に高く飛び上がって空中で回転し威力を増加させる『スクリューパイルドライバー』

 だが、空中で回転させ、地面に叩きつけようとした瞬間、凍矢の全身から絶対零度にも匹敵する猛烈な冷気は凄まじい勢いで噴出される。

 そして、その猛烈な冷気放出によって、地面に叩きつけられるしかなかった凍矢と空中に浮かんでいるレスラーニキの動きがぴたりと停止する。

 否、それは停止しているのではなく、バシュゥウウウ!! と凍矢の肩部と頭部から発せられる猛烈な冷気によって『浮かんで』いるのだ。

 スクリューパイルドライバーは地面に叩きつけなけばその効果は発揮できない。

 このように空中に停止……浮遊している状態ではその威力は無効化されるのだ。

 

「ぬ、ぬう……!!」

 

「うぉおぁああああ!! 【氷結ハイブースタ】【マハブフバリオン】全開ッ!!」

 

 バッシュゴォオオオ!! 

 彼の全身から猛烈な冷気が放出され、凍矢を掴んでいるレスラーニキの全身に猛烈な勢いで叩きつけられ、たちまち彼の肉体を凍り付かせていく。

 このまま彼を掴んだままでは、こちらが氷漬けにされてしまう。金剛……ウォレスニキとの闘いで学んだ技術はここでも十分に生かされていた。

 

「ぬう…………! 組み付き攻撃は不利か…………!! ぬぁあああ!!」

 

 猛烈な勢いで全身から放出される強烈な冷気。それを間近でまともに食らってしまったレスラーニキは、たまらず凍矢から手を放して距離を取る。そして、距離を取って体勢を立て直しながら、レスラーニキは凍矢に対しての攻撃の仕方を考える。

 

(さて…………。どうするか。投げ技など防がれるのであればまさに俺の天敵ではあるが…………。アレはスクリューパイルドライバーなどの貯めのある大技だからこそできたこと。つまり簡単にいうなれば…………対応できない速度で投げ技を行えばいい!! それだけのことよ!!)

 

 そう考えたレスラーニキは、一直線に凍矢へと突っ込んでいき、彼に向ってラリアットを叩き込んでいく。レスラーニキのラリアットを凍矢は、片足と両腕で受け止めて、そのまま脚部から冷気を放出しながら後ろへと飛んでそのラリアットをやり過ごす。

 だが、レスラーニキはまさに神速といえる速度でその凍矢の背後に回りこみ、そしてそのまま凍矢を掴むと自分の体を反らして地面に叩きつける【ロシアンスープレックス】を叩き込む。

 

「ぐぶぁ!!」

 

 凍矢が冷気を放つためには、やはりそれに対応できるだけの時間が必要になる。

 これほどの速度の前では、冷気を放つ前にスープレックスで地面に叩きつけられてしまうのは必然だ。

 さらに、レスラーニキは一度だけでなく、スープレックスを叩き込んだ後で一回転して、さらに高く跳躍してスープレックスを凍矢へと叩き込む。

 これこそ、彼の必殺技である【ロシアンスープレックス】である。

 

 よろよろと立ち上がった凍矢は、脚部と背部から冷気をスラスターのように噴出して距離を取ろうとする。だが、こんな絶好の機会をレスラーニキを見逃すはずもない。

 レスラーニキはそのまま跳躍すると凍矢をひっ捕らえて、そのまま地面に叩きつけ、さらに持ち上げて再度地面に叩きつける。

 これもレスラーニキの必殺技【エリアルロシアンスラム】だ。

 

 さらに地面に倒れている凍矢を無理矢理引き起こすと、レスラーニキは凍矢を空中に放り投げるとそのまま自らの全身を紅潮させ、跳躍して凍矢を掴み、スクリューパイルドライバーの体勢に入る。

 

「筋肉は…………無敵だぁああああ!! 

【気合い】【物理ハイブースタ】【スクリューダイナマイト(真空投げ)】!!」

 

 相手を引き起こしてからの全力全開のスクリューパイルドライバー。レスラーニキの最強の技【ボリショイストームバスター】である。

 凍矢も冷気を噴出させようとするが、一瞬遅く冷気を噴出させて耐えようと思った瞬間に、スクリューパイルドライバーが炸裂し、凍矢の肉体が地面に強くめり込む。流石の彼もこれには耐えられずに、ぐたり、とそのまま地面に倒れ伏す。そして、ここにレスラーニキの勝利が確定した。

 

「イェアアアアア!!筋肉最高!!筋肉最高だぁあああ!!」

 

 レスラーニキが人差し指を立てながら両手を空に突きつける独自の勝利ポーズ。これによってレスラーニキの勝利が確定したのである。

 


 

「あーいてて。酷い目にあった。」

 

 凍矢は回復魔術で全回復させてもらった後、ターミナルの準備が整うまで護衛役でもある破裂の人形と一緒に特別に用意されている部屋に入っている。

 いかに回復されたとはいえ、レスラーニキのボリジョイストームバスターをまともに食らってはそれなりにきつい。LV差はあるが、デモニカなしで、苦手な近接戦闘でここまで戦ったのだ。それだけでも上出来だといえるだろう。

 

「マスター。大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫。ウォレスニキと戦った時に比べればマシだから。とはいっても家に帰って休みたいなぁ。」

 

 そう言いながらCOMPをいじりながら掲示板を見てると、自分とレスラーニキの賭け試合に賭けていた黒札たちの怨嗟の声が書き込まれているのが見えてくる。

 「このLV詐欺~。」「肝心な時にしか役に立たない男」「絶体絶命の時にしか輝かない変人」など色々書きこまれているが、どうせ皆賭けに負けて面白がって憂さ晴らし程度に書き込んでいるだけである。

やかましい、だったらお前たちが戦え、そう思いながら、凍矢はCOMPを閉じた。

*1
「【カオ転三次】現地民とのぐだぐだ小話」様 【祝】ホッパーズ 大型助っ人を加入【守護神】

*2
「【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法」様 閑話・終末後の後日談

*3
本人としては不本意。むしろ何故来ないと考えていなかったといわれたらそれはそう。

*4
他に魔特化の特性って何かないかなぁ、と考え中

*5
「【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法」様を読んでいたら大阪市人口269万人が数百人!? とマジでビビった。

*6
敵単体・力依存の中威力の万能属性攻撃、中確率で転倒状態にする

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