【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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以前の「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の続きというかおまけになります。
感想を見て「やはりカオ転ならTS……必要かぁ……」と思いましたので。


第140話 カオス転生恒例TS化。(By現地民)

 ───アメリカでのコロッセウムの件でハイスペックシキガミボディを手に入れた里見 柊弥。

 だが、彼はそこで自らの肉体が大きく変化していたのに気づいた。明らかに身長が縮み、見ている世界が低くなっている。手足もそれなりに筋肉がついていた以前の肉体とは異なり、白く細い。

そして、何より一番の違和感は、自分の股間についているはずの物がない、ということだ。

 

「ところで黒札様や。何か俺の体めっちゃ小さくなってるんだけど?」

 

「そうだな!」

 

「何か髪がめっちゃ長くなってるんだけど?」

 

「そうだな!」

 

「下半身のアレがなくなってるんだけど?」

 

「そうだな!! 問題はないだろう!!」

 

「鏡ィイイイ!! 誰か鏡持ってきてぇえええ!!」

 

 そして、彼……いや彼女の肉体は大きく変化していた。

 成人男性だったはずの彼女の肉体は、小さな女の子の姿へと変貌していたのだ。

 おまけに赤と黒を基調としたフリルが大量についたお嬢様のような可憐なドレスまでついているあり様だ。

 その姿は、某『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』に出てくる『里見灯花』そのものの姿だった。それに対して抗議をした甘粕の反応はこうだった。

 

「ん? 容貌? 女性化? 気にするな! その程度些細にすぎん!! 

 いいか、問題は魂だ!! その強き魂を宿しておれば外の器などどうでもいいのだ!! 

 しかもそのボディは───強い!! その辺の悪魔など足元にも及ばぬハイスペックシキガミボディだ!! 

 強き魂と強き肉体が合わさり! そこに奇跡が生まれるのだ!!」

 

 魂の力、強い意志を重んじる甘粕にとっては、外見が女性であろうとロリであろうとどうでもいいのだ。

 ともあれ、ここまで肉体が改造されて元の肉体に戻れるはずもない。

 里見は極めて不本意ながらも、それを受け入れるしか選択肢がなかった。

 


 

 糸魚川市シェルター。日本最大のヒスイ生産地であるこの場所を付け狙う悪魔は多い。

 ガイア連合もそれなりには防備は固めているが、黒札が存在していないこの地では、防備を固めるのも限界があった。

 

「ギギギィ……! ヒスイを……ヒスイを寄越せェ……!!」

 

 糸魚川市シェルターへと襲い掛かろうとしているのは地霊『ツチグモ』

 土蜘蛛には二種類の勢力が存在する。一つは大和朝廷に従わす、争い続けたまつろわぬ民。

 そしてもう一方は人の頭をした大型の蜘蛛である妖怪たちである。

 だが長い伝承の末、今や両方が入り混じった状態である妖怪土蜘蛛は数体徒党を組んで糸魚川市シェルターへと襲い掛かろうとしていた。

 地霊ツチグモはDLV50(LV13)であり、デビルバスターであれば対処はできる。

 だが、それだけではない。それらの先頭に立っているのは、妖獣『マンティコア』。DLV135(LV45)の文字通りの桁違いの怪物である。これほどの怪物が襲い掛かってきては頑丈な都市型シェルターですら結界を破ってしまう可能性は十分ある。おそらくはツチグモたちが用心棒として雇った悪魔なのだろう。

 だが、そんな彼らを威嚇するように、天空から「何か」が高速で飛翔してくる。

 それは、『破裂の人形』ではない。物理法則を無視した純白の天馬が、高速でマンティコアの上空をフライハイしながら、白馬に乗っていた少女が飛び降りる。

 その白馬に乗っていたのは、日傘を手にしたフリルのついたお嬢様然としたドレスを纏った少女と化した『里見 柊弥』である。

 彼……いや、彼女は、手にした日傘をツチグモたちに向けると詠唱を開始する。

 

「わが身に宿りし魔神カルキよ。カリ・ユガを裁く断罪神の元、彼らを裁け!【永遠の秩序】*1【ラトナ・マル】*2!!」

 

 里見の日傘の先から放たれた万能属性を持った純白の光はツチグモたちを巻き込み、彼らに対してダメージを与えていく。

 

 元々、アマッカス……もとい甘粕は『「人の勇気を絶やさぬ為に人々に試練を与える」という価値観から、相性の良い存在の属性は「審判」や「裁き」』であり『神話において災害や厄災を引き起こす破壊神・邪神・悪神などといった様々な神話の最高神クラスに匹敵する存在の召喚を得意としている』ため、やはり彼の血などで構築されているこのシキガミボディはそれらの神々と相性が良い。

 

 終末……旧世界と新世界を乗り越えたという概念。そして悪しき者たちを裁くという概念はアマッカスの裁判や裁きという概念にもちょうどよい上に、里見との相性も良かったため、彼女はこの魔神カルキの力を引き出すことに成功したのである。

 魔神カルキは、一柱で攻撃や3種バフ、回復と蘇生に貫通対策を行う万能悪魔と言っていい。

 さらにこれでいえ物理吸収まで持っているのだからたまったものではない。

 里見もかなり魔神カルキの力を引き出すことができているので、実質劣化カルキと言っていい。

 

 彼……もとい彼女は、某マヨーネも使用している傘型COMPを使用し、くるりと回転させるとそこから自らの仲魔を召喚する。

 

「来たれ! 妖鬼シュテンドウジ*3!! 妖魔ヴァルキリー!! *4妖精クーフー・リン!!*5 その力を示せ!!」

 

 シュテンドウジもクーフーリンもあのコロッセウムで里見の意地と根性を大いに気に入って仲魔になった者たちである。

 彼らは里見の仲魔になる代償として、自分たちと戦ってその力を示す事。そして定期的に自分たちと戦う事を契約として仲魔入りしている。(なお定期的に戦う事も約束されている)*6

 特に、ヴァルキリーは強い戦士を欲しがった魔神オーディンから派遣されてきた存在であり、いわゆる里見の勇者としての魂を狙っている紐付きである。あのコロッセウムでの戦いで注目を得た彼……彼女は色々な戦神のみならず他の神々も虎視眈々と狙われている存在である。

 (それはすなわち運命力がガンガン向上するということだが、それは里見の知る由ではない。)

 そして、そんなツチグモをメギドラで片づけた彼女に対して、今度はマンティコアが彼女に向けて尻尾についている「毒針」を噴射させて彼女を狙う。デビルサマナーと戦うときはサマナーを狙うのが鉄則。基本中の基本である。

 だが、その放たれた毒針は、里見の目の前でまるで時間停止のようにぴたり、と停止し、パラパラと力を失い地面へと落ちていった。それを見ていたマンティコアは思わず動揺する。

 

「バカな……! 攻撃が停止するだと……!?

まさか……『物理吸収』か!? そんなレアスキルをあんな小娘が持っているだと!?」

 

 物理吸収、それはメガテンのスキルの中でも、物理アタッカーに取っては物理反射・物理無効と同じく注意すべきスキルだ。

 相手の攻撃を反射する攻勢防壁ともいえる攻撃的な物理反射。

 相手の攻撃を無効にする防御的な物理無効と比べて、物理吸収は後者の防御的な物理無効と近い。

 がが、これは「無効」ではなく「吸収」である。

 実際の斬撃や打撃を吸収するなど物理的に有り得ない。それこそ、肉体をゴム人間にでもしない限り無理だろう。

 

 では、現実において物理吸収とはどういう効果を持つか? 

 それは「物体の運動エネルギー、エントロピーを全て吸収する」と言う事である。

 銃弾はその運動エネルギーを吸収され地面に落ち、斬撃なども同様に運動エネルギーを吸収すれ、彼女の目の前で停止する。

 物理吸収の前では、あらゆる運動エネルギーによる攻撃は無意味になり停止する運命にある。……貫通持ちを除いて。

 実際にマンティコアの放った無数の『毒針』は里見に届く前にその飛翔する推進力を失い、次々と地面に力なく落ちる。ならば、と今度は『ダマスカスクロー』を叩き込もうとするが、その鋭い一撃も運動エネルギーを奪われ、苛烈な一撃から急速に速度が緩み、里見の前でぴたり、と停止する。

 そして、その隙を逃さなさいと言わんばかりに、クーフーリンやシュテンドウジたちの攻撃がマンティコアへと炸裂していった。

 

(師匠からは「物理吸収とかは変な癖がつくから頼りにしない方がいい」と言われたが……発現したものは仕方あるまい。それよりもこれを生かすべきだ!!)

 

「もう一発行くぞ!!【永遠の秩序】【ラトナ・マル】!!」

 

 特に『ラトナ・マル』は攻撃だけでなく、味方全体のバフをかけ、さらにHPまで回復するという「攻撃・バフ・回復」の三つを兼ね備えるという優れたスキルである。

 万能攻撃は敵に通じやすい代わりにダメージ上限が低いという欠点を持つが、これにバフとHP回復がついてくると話が変わってくる。ラトナ・マルの力を得てパワーアップした仲魔のシュテンドウジとクーフーリンは、マンティコアに対して集中攻撃を行っていった。

 


 

 マンティコアとの戦いを終え、里見はこのシキガミボディを手に入れた後で出会ったとある人物との会話を思い出していた。

 まだまだシキガミボディを使いこなせていない時に出会った、幼女とは思えないほどの歴戦のデビルバスター『グリム・アロエ』と名乗る少女によって、里見はこのシキガミボディの力による戦い方を身に着けたのだ。*7

 

「ま~お姉さんはクソ雑魚弱々現地民のなかでは、気合は入ってる方だけど、気合だけでどうこうできるほどこの世界甘くはないから、きっちり戦い方は確立しておいた方がいいよ~♡」

 

「お姉さんは確かに「何でもできる」けど何でもできるってことは「何にもできない」って事だからね。攻撃特化、防御特化、支援特化の悪魔と契約して、それらの仲魔を連携させて、足りない部分を補助する。これが最善だと思うな。えっ?戦神系や好戦的な悪魔ばかりに好かれる?そ、そう……。ならその辺を組み合わせていけばいいんじゃないかな?」

 

「うーん、『物理吸収』か……。ウォレスニキみたいにバリバリ前線に出て自分のスキルを完全に把握してるならともかく、後方のお姉さんがもっても変なクセがつきそうで怖いんだよねぇ。

 シキガミボディならスキルの入れ替えできるけど、先立つものがないのなら……そのままスキルを活用するしかないかぁ。」

 

「大体の基本的な戦い方を教えたのでこれでヨシ!!後は実戦で戦い方を鍛えなさい。

念のため、何かあったら近くの田舎ニキか馬ニキに頼ってね~。はいこれ私からの紹介状。*8

 

「……確かに感謝はするが……。アンタ……いや貴方は何者なんだ?」

 

「ん~教えてあ~げない♡そっちのほうが面白いでしょ♪それじゃね~♡」

 


・里見 柊弥

TSロリ化したある意味可哀そうな気合の現地民。

ハイスペックシキガミボディ持ちで、魔神カルキの『物理吸収』『永遠の秩序』『ラトナ・マル』などを引き出すことができる。

グリム(ユダさん)から直々に戦闘訓練を受けて、LV40にまで至っているのでかなり強い。

外見は、某『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』に出てくる『里見灯花』

多分成長すると『無期迷途』の『菫(すみれ)』になる。

*1
物理貫通・緊縛・魔封無効を得る。最大HPが50%増加。自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮「属性反射・属性吸収が貫通に対しても効果を発揮し、MPの自然回復量が1増加する」※貫通に対する属性反射・属性吸収の効果はブレイクシステムのあるバトルでは効果を発揮しない。「ラトナ・マル」発動時、連動効果が発動「死亡しているランダムな味方単体をHP100%と、1ターンの間、HP50%相当の防壁を得て復活させる」(この連動効果の発動は、バトル中3回まで)

*2
敵単体に残滓を得た万能属性の魔法型ダメージを威力240で与える。攻撃成功時、連動効果が発動「1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させ、HPを30%回復する」このスキルによるダメージは物理攻撃力に依存する。

*3
「真・女神転生if……」から。LV40

*4
「真女神転生5」からLV40

*5
「真・女神転生II」から LV40

*6
この時は物理吸収を切って殴り合う。

*7
小ネタ 終末エンジョイ()ライフ

*8
実質的な弟子なのでかなりユダさんモードが出ている感じ。




黒札であちこち動いて師匠になりそうなのがクロエ(ユダさん)ぐらいしかいなかったでござるの巻。
アンケートを作ってみたので、アンケートにとっては多少書き直します。
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