【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

15 / 220
第15話 まずは拠点固めからです。(なお)

「ザ、ザン!!」

 

漆黒の鎧騎士の姿をしたデモニカが手にした二対のブーメラン型の湾曲した剣「手裏剣型ホーミングブーメラン(バル・バラ)」を振るうと、そこから衝撃波が放たれる。

そして、その衝撃波は、水田を占拠していた泥田坊に直撃し、衝撃波によって粉砕される。

だが、いかに弱点である衝撃波を受けたとは言え、レベル2の静ではレベル9の泥田坊を完全に倒しきることはできなかった。

しかし、静が持っているのは凍矢の髪などを投与して作られた【高級アガシオン】である。

彼女が亡くなると地元名家の信頼や霊能組織としての信頼も失われてしまう、と危惧した凍矢の処置である。

 

『油断するな!連発しろ!アガシオンもザンを放ってくれる!確実に仕留めるんだ!』

 

「り、了解ッ!ザン!!」

 

「ザン!」

 

黒騎士が斬撃から放った衝撃波と、高級アガシオンが放った衝撃波はさらに連続して泥田坊に襲い掛かり、

弱点である衝撃を連続で食らった泥田坊は、そのまま四散し消え去ってしまう。

 

本来なら彼がついてパワーレベリングでも行いたいところではあるが、レベルの高い者がいるとそちらのほうにマグネタイトが吸われてしまい、効率が非常に落ちてしまうらしい。

そのため、彼は静に黒騎士デモニカを装備させ、アガシオンを持たせて水田に沸いて出た泥田坊を退治する作業を行っているのだ。

ザン付きのアガシオンとザン付きのデモニカならば、たとえ格上でも倒せるだろう、という判断である。

格上であるLV9の泥田坊を倒した静はLV上がったらしい。

 

と、そんな彼女の元に、ライトバンを運転している凍矢が姿を現す。

アガシオンにつけられた特殊なカメラを通して彼女の状況を観察していたのである。

 

「よし、それじゃ帰ろうか。この状態で追撃を食らっても怖いし。」

 

そして、彼らはNFFサービスと横に書かれたライトバンに戻り、装備やデモニカなどを外し、バンに詰め込むとそのまま拠点にしている元公民館へと帰還していく。

 

彼らは動きやすいようにガイアコーポレーションの下請けというNFFサービスという調査サービスのペーパーカンパニーをでっち上げてそこに属しているという形にしているのだ。

調査サービスという皮を被って、その内実はデビルハンターとして活躍する予定だ。

 

だが、派出所とは銘打ってはいるものの、その内情はお寒い限りだ。

貸出用の【退魔装備】【属性武器】【アガシオン】【イヌガミ】などを揃えるだけでも莫大な予算が必要となる。

さらに各種ストーンや傷薬なども用意するのと考えると予算が足りないのはどうしようもない。

そのため、今はとりあえず公民館の結界と霊的通信機器を整えるだけで貸し出し用の装備は後回し状態である。

それでも、ガイア連合の結界が張られている安全地帯のため、覚醒したばかりの静などにとってはこの上のない安全地帯である。

格上との相手の戦いで疲労困憊した静は、デモニカを取り外して郷土資料室と言う名の事務員待機場所で休んで待機してもらうようにそちらに移動する。

そして、その公民館の中の事務室で、一心不乱にパソコンを入力している一人の銀髪の鋭い目つきをした女性の姿があった。

それは、【人間変化】スキルで人間に変化した【破裂の人形】である。

もっとも、彼女のスキルは最低限のEランクであるため、あくまで「人間の形であるだけ」である。

この人間形態の時の【破裂の人形】を凍矢は【のあ】と呼ぶことにしている。

 

『マスター。お疲れ様。』

 

【破裂の人形】もとい【のあ】はパソコンを入力しながらキュイインと首を180度回転しながら凍矢を出迎える。

まるで某エクソシストみたいに、パソコンを打ちながら首を真後ろに向けたまま凍矢を出迎えるのあに対して、さすがの彼も思わずドン引きしてしまう。

 

「……のあ。それはやめてくれって言ってるだろ?」

 

『私なりにマスターを出迎えてるつもりなのですが……了解しました。』

 

のあは、そのまま、キュインと音を立てながらくるりと体を椅子ごと回転させるとそのまま彼を出迎える。

こういう風に口を開かずに言葉を放ったり、目がピカピカ光ったり、首が360度ギュルンギュルン回転してしまうのが、最低限【人間変化】スキルの悲しいところだった。

まだ対魔装備だのレンタル用のアガシオンだのイヌガミなど全くない公民館のがらん、とした状況に凍矢は思わずため息をつく。

 

「ブフストーン作成や冷凍弾作成やスキルカード作成などやっているけど、とにかく金がない。

何とか公民館に霊的通信機材と結界を張るだけで精一杯だったわ。」

 

そんな凍矢に対して、のあはパソコンの現金出納帳を指さしながら口を開かずに言葉を開く。

 

『なるほど。ところでマスター。この購入予定の【人型変化】Aスキルは一体?

これがなければアガシオン数体ぐらいは購入できるのでは?』

 

沈黙。

のあの言葉にしばらく沈黙していた彼は、唐突に床にふっつぶして拳をダンダンと叩きながら言葉を放つ。

 

「ワイかて……。ワイかて理想の彼女式神がほしいんや!

破裂の人形に人間変化スキルAをつければ、実質理想の彼女式神や!

俺だって他の式神持ちみたいにイチャイチャしたいんだよ~!」

 

おおおん!と休んでいる静を起こさないようにそう吠える彼に対して、のあはやれやれ、という顔をしつつも、その嬉しさに首をギュインギュイン360度回転させているのはシュール以外の何物でもなかった。

 

「ま、まあこれが終わったらきちんと退魔装備やらレンタルアガシオンやらを整えるために資金集めをするから……。

しかし、問題は人材集めだよなぁ。

とりあえず名家に頼って変な物が見えるという引きこもりとか精神病院にいる覚醒者とかがいないかチェックしてもらうか……。」

 

「後は悪魔や神霊の転生者とかもできれば引き込みたいな。

メガテンといえばやっぱり神や悪魔の転生者でしょ!

悪魔の紐付きと言ってガイア連合とかショタおじからは嫌われてるけど、派出所の戦力として活用するなら便利だと思うんだけどどうだろ。」

 

『しかし、マスター。やはりガイア連合が注意するのには理由があります。

いくら強力な戦力といっても、派出所からガイア連合の情報を引き抜かれたり、彼らが完全な悪魔の操り人形にならないように細心の注意が必要だと判断します。そこはご注意ください。』

 

そののあの言葉に、凍矢は分かったと頷いた。

 

 

 

碧神 凍矢 男・20歳 転生者・覚醒済 Lv19

ステータスタイプ:【魔】中心の魔術師タイプ

耐性:破魔無効、凍結耐性、衝撃耐性、

スキル:ブフ、マハブフ、ブフーラ、コンセントレイト、ディア、ザン、吸魔、氷結ブースタ

特殊スキル:ブフストーン作成、凍結弾付与作成

装備:檜の木剣、退魔銃(猟銃・ショットガン型)、カジュアル装備一式

 

 

 

仲魔:式神【破裂の人形】 Lv12

ステータスタイプ:パワー型前衛

耐性:物理耐性、精神状態異常無効、呪殺無効、氷結無効

スキル:挑発、かばう、ヒートウェイブ、グラムカット、食いしばり、トラポート、トラエスト

汎用スキル:会話、調理、人型変化E(Aにランクアップ予定)

装備:無銘の刀、モーフィング装甲(現在はカジュアル系装備一式と同程度の防御力)

 

 

仲魔:妖魔アガシオン Lv10 

物理耐性、火炎耐性、アギ、アギラオ、ムド、タルカジャ、エネミーソナー、テレパシー

 

 

事務員:九重 静 LV3

スキル:ザン

装備:バッシュザブラックナイト(デモニカ)

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。