本当は薬師丸法山とか独覚兵とかも入れたかったんですが、ちょい役になりそうなのでとりあえずカット。
結界構築やデモニカ部隊の構築と着々とオカルト戦力を充実させつつある魚沼支部。そんな凍矢や静が次に取り掛かったのは『新潟に所属する自衛隊の強化』である。新発田駐屯地に駐屯する陸上自衛隊第12旅団隷下の『第30普通科連隊』並びに、新潟県上越市の高田駐屯地に存在する『第2普通科連隊』である。
新潟に近い新発田市は実質鑑定ニキのお膝元であるが、お互い協力して自衛隊をオカルト強化する事により、『第30普通科連隊』並びに『第2普通科連隊』から人員を抽出して、魚沼市にも派遣してもらい防衛隊を構築する事で話がついた形である。自衛隊は非常に貴重な戦える戦力だ。そんな彼らが何もできずに悪魔に壊滅させられるなど多大な戦力の損失である。何としても対悪魔戦力になってもらわければならない、というのは凍矢、静、鑑定ニキ共通の思考である。旧公民館内部の会議室で資料を見ながら凍矢と静は真剣な表情で話し合っていた。
「ともあれ、今回は自衛隊の強化を行っていこうと思います。まあ実際は凍矢様頼りなんですが……何かいい手はありませんかね?」
「うーん、まずは『多脚戦車』の導入。そしてやっぱり自衛隊用の『デモニカ』の導入かな」
まずは可及的速やかに他の自衛隊や五島部隊が所有している『多脚戦車』の多数導入である。ガイアLV30(固定)の戦力である多脚戦車は黒札の修羅勢から見れば大したことはないが、育ち切ったデモニカユーザーと同等の存在がポンと与えられるなど静や自衛隊からすれば頼りになる事この上ない。(多脚戦車の購入代は鑑定ニキと凍矢がお互い折半するという事になったので、金額的な問題は少ない。……なお、某貧乏神のマッカビームを食らって*1自衛隊の強化が遅れたのは秘密である)
さらに静たちの『黒騎士部隊』と同様の育ち切ったデモニカユーザーたちが育成できれば十分な戦力になるだろう。凍矢はMAGバッテリーのコードがついたリラックスチェアに座りながら、腕を組んで考えこむ。
「とりあえず静たちの『黒騎士部隊』と区別をつけるべく、外装は『ベルリン』じゃなくて『Aトール』の外装に変更した自衛隊用デモニカを導入予定かな……。試験的に『金属樹』や『合金樹』の装甲を使用するらしいから、通常のデモニカよりは防御力が向上する……はず。ガイア弾やガイア銃、簡易ガイア銃は静たちが使用しているものをそのまま流用する形になるかな」
デモニカの外装というのは実質的な性能には変わりがないが、士気向上に非常に有効的である。またそれだけではなく、お互いの瞬時の敵味方判別にも極めて有効だ。そのため、内面は『デモニカG3』と同じだが一目で「自衛隊用デモニカ」だと判断できるような外装に変えるべきではないか? というのが凍矢の考えだ。
これに加えて覚醒者育成用デモニカ『戦術甲冑 雷電』を第30普通科連隊に与えて覚醒者を増えるようにしていく。これらを行えばそれなりに自衛隊というか防衛隊が形になるはずである。
さらにこの地方は積雪が深い地方なのでそれらの対策としては今までは78式雪上車という雪上でも移動できる車の代わりとして【マシン 特殊軽戦車(妖虫型)】の試作品を改良して雪上でも移動可能なように対策を行っている。
それだけでなく、多脚戦車は通常とは異なり、『立花アリス』*2が使用している多脚装甲車T95Dの寒冷地・極地仕様改造モデル『T95D-BWT』からデータを採取した『T95D-BWT(廉価量産版)』を回してもらう予定である。
極寒で人が生きられないほどの極地であるロシアは豪雪地方である魚沼と似ており、そこで得られたデータをフィードバックした極地仕様改造モデル『T95D-BWT(簡易量産型)』ならばこの地方の環境に適応していると判断されたからである。(ちなみにコストダウン&量産性向上のために長期に渡る単独行動を可能とする循環システムや物資生産システム、無限ループ異界式永久発電機関などはオミットされている)
これら『T95D-BWT(簡易量産型)』の近接戦闘型&砲撃戦型をおよそ50機。オカルト戦車と考えれば50機は十分な戦力だが、新潟県は何せ広いのでとりあえずこの数で様子見をする予定だ。
「ちょおおっと待ったあぁああでぁあある!!」
そんな風に静と凍矢が話し合っていると、一人の白衣を着た男性が凍矢たちのいる部屋に入ってくる。彼はロボ部に所属する開発班の一人「ウェストニキ」である。大型ロボ開発だけでなくデモニカ製造・開発を行っている彼の意見には静たちも耳を傾けざるを得ない。ウェストニキは、北神奈川支部で一般流通を行い始めた『ハーク』を例に挙げながら彼らに対して提案を行い始めた。
「うむ! 『パワードスーツ型デモニカ自衛隊向け装甲増加仕様〝ノーブ〟』や『ハーク』を採用しているようであるが……アレは純粋に重い!! 積雪が多いこの地域ではもっと環境に適応した適切なデモニカにする事にした方がよかろう!!『黒騎士部隊』のデモニカも悪くはないが……それより外で悪魔と戦うことの多い自衛隊員のデモニカはもっと軽量化して高機動にした環境適応型デモニカにすることを提案する!!」
『PA-58N ハーク』北神奈川支部所属の研究者『イデニキ』が開発したデモニカであり、そのもっとも特徴的なのはやはり『重装甲』という点だろう。敵の銃撃の雨を平気で弾きながら進撃可能なその姿はまさに人型小型戦車と言っても過言ではない。だが、重量が増したノーブはもちろん、ハーク型デモニカでもやはり重く、積雪量が多い新潟の地では不向きであるというのがロボ部としての意見である。そしてそれは凍矢が考えていた『Aトール型デモニカ』でも同様だ。
外に出るのが多い自衛隊のデモニカは『黒騎士部隊』が使用している『ベルリン』や外装を変えた『Aトール』よりもさらに重量を軽減させたデモニカにすべき! というのが彼らの考えだ。
「そこで我々が提案するのは漫画『redEyes』の『SAA』……「Special Assault Armor(スペシャルアサルトアーマー)」でぁあある!! ……まあ実態は『ベルリン』の装甲を換装しただけなのだが……装甲を金属樹、合金樹主体の複合装甲に換装した結果、『特殊強襲用装甲』にふさわしく軽量化による強襲も可能!! もちろん防御力も『ベルリン』と同様!! 外装を変えただけなので能力も同様!!」
「いやまあ実際は吾輩がredEyes好きなだけであるが……ガチミリタリー感あるし黒騎士部隊とも差別化できるし自衛隊たちも士気が上がる!! いいことずくめである!! デモニカを我々にいじらせてくれるのなら、デモニカ代を我々ロボ部が合同で出資(カンパ)してもいいのであーる!!」
そうかな……そうかも……と凍矢は考えこむ。SAAは軽量化に加えて高速移動を行うためホバークラフト*3が付与されており、積雪上でも迅速な移動が行えるようにこの土地の環境に適応したデモニカである。これに加えて以前開発した寒冷地仕様のデモニカオプションのスキーユニットを装備すれば積雪状態でも素早く移動できるようになるはずである。
他にも、多脚戦車の脚部にもスキーユニットを装備して積雪上で素早く移動できるようにできるようにロボ部には注文をかけてある。『デモニカG3』と内面は同じではあるが外装だけ異なるという『デモニカSAA』が開発されたのだ。
「後は……俺たちも自衛隊の事はそれなり程度しか知らないからな。餅は餅屋。専門的なことは専門家に相談してみるか」
「……で、儂が呼び出させたわけか……。1等陸曹の儂が教導部になるとは……」
そうして呼び出させたのは、北神奈川支部に存在する元自衛官の黒札である『教官ニキ』*4である。北神奈川支部で厚木基地のオカルト強化に走り回っている彼だったが、キノネキや本人と話し合ってこちらの自衛隊の強化のために来てもらったのだ。
元陸自の彼であれば陸自の事は知り尽くしている。まさに餅は餅屋。専門的な事は専門家である。教官ニキは静から『第30普通科連隊』並びに『第2普通科連隊』に渡すオカルト武装……ガイア銃、簡易ガイア銃、ガイア弾、属性弾、各種ストーン系列、デモニカ、多脚戦車などなどのリストを見て、ふむ、と頷く。
「ふむ……。まあ基本的にはいいのではないか? ただ儂から見たらそうだな……。防弾チョッキの強化とか欲しいかな。ガイア連合で販売されているケブラーベスト*5はきちんと対悪魔防御特殊加工が行われているからな。あとはガイア連合で販売しているフリッツヘルム*6、コンバットブーツ*7を装備すれば何とかなるじゃろ。アレは一見普通だがキチンと対悪魔防御加工が施されているからか」
これらは一見普通のミリタリー装備ではあるが、ガイア連合が量産しているのできちんとオカルト防御が施されている。ケブラーベストも対悪魔戦を考えられており、通常より遥かに強靭であり塗装で見えないが実際には魔除けの呪文が分子単位でびっしりと刻み込まれている。フリッツヘルムやコンバットブーツなども対悪魔加工が施されており、当然耐性には期待できないが、対物理に限ってはこれらを揃えればそれなりの防御力にはなる。
「了解しました。それに加えて、合金樹や金属樹の端材を使用した『盾』も用意させてもらいます」
これらに加えて金属樹で出来た『盾』を装備すれば十分低位悪魔……ガキ程度の攻撃ならば耐えられるだろう、というのが静と教官ニキの考えである。普通の鉄や銅がオカルト金属化している金属樹はそれだけでも最低レベルの霊装になり防御力も最低限存在する。
「うむ、後はかなり高額ではあるが探求ネキが採掘している『アダマンタイト』を利用した『アダマントアーマー』*8を装備させてくれるのも兵士的にはありがたい。体力が必要で回避力も落ちるがそこは要改造じゃな……。他にも『カーボンアーマー』*9なども兵士としてはありがたいな。まあこの辺は予算の問題になるから田舎ニキや鑑定ニキとの相談かな……」
ペラペラと資料をめくってデータを確認しながら、教官ニキは静や凍矢の判断に対して大まかには良しという言葉を返す。自衛隊のことに詳しい教官ニキからお墨付きを得たことで、静もおもわずほっと息をついた。
「後は対天使戦だが……。その辺は言うまでもないかな?」
「はい。対天使用にデモニカが乗っても飛行可能なフライングアーマー。装備すればデモニカ単独でも飛行可能な飛行ユニット『高機動型エールストライカー』*10などですね。この辺は『黒騎士部隊』のデモニカでも『レッドアイズ部隊』のSAAデモニカでも兼用で装備できますから。強いていえばゲパルト自走対空砲……87式自走高射機関砲をオカルト改造できれば、と思っているのですが……」
「ふむ……。87式自走高射機関砲に対終末対策をして蟲毒皿ピッチャーや呪殺弾を搭載するとか……? まあこの辺は開発部にでも投げてみるか。後は精神干渉を無効にしてくれるアクセサリーか……チャームザップα*11など精神干渉を防ぐアイテムや状態異常とHPを同時回復するアイテムなどか……。」
「ああ、それならこちらはどうでしょうか? 沖縄支部から大量に輸入した『エンゼルヘアー』*12です。毒や石化などを回復してさらにHPまで回復する極めて優れた回復用具です」
「……これ、何か表皮が少し残ってるんじゃが? これはもしかして……。あっ。(察し)」
つまり「髪の毛を刈り取る」などという安易な手段でなく、「髪の毛を皮膚ごと剥ぎ取った」という事なのだろう。それ以上の事……つまり頭の麻酔なしで頭の皮膚を丸ごと切り取ってエンゼルヘアーを確保しているということもありえるかもしれない。天使を拷問してそれを独自の兵器にしているという事は教官ニキの耳にも入っているし、静も薄々ながら気が付いているのだろう。まあ穢教滅閃という兵器を作り上げているのならそれくらいするだろう、というのが二人の共通の考えである。
「ともあれ、同じエンゼルヘアーでも効果が異なる*13のでちょっとアレですが……。」
確かに状態回復してくれてHPまで全回復を行ってくれるバーションのエンゼルヘアーならば使い勝手はいいが、ロウ属性でないとダメージを受けてしまうほかのエンゼルヘアーは使い勝手が悪い。実際のところこういった使い勝手の悪い方のエンゼルヘアーは他名家に転売やジュネスなどで他のデビルハンターたちに販売できないか、と考えているところである。そんな事を考えているうちに、静はふと思った事を教官ニキに対して問いかけてみる。
「ところで、自衛隊の戦車やヘリなどは終末で使えないのはもったいないと思うのですが……終末対応技術を使えば動けるようにはなるのでは?」
言うまでもなく戦車やヘリ、人員輸送車や装甲車などは非常に高額な代物である。それらが終末で動けなくなるのはあまりにもったいない、と考えるのは自然なことだ。ロシアの方では悪魔召喚プログラムを入れて動けるようになった戦車や悪魔化して自走しているらしい野良戦車もいるらしい。
それらのように動かせたら役に立つのではないか、終末対応にして装甲を金属樹装甲に換装すればそれなりに使えるのではないか?というのが静の考えだ。それに対して自衛官でありながらオカルトにも詳しい教官ニキはうーん、と腕を組んで考え込む。
「うむ。儂もそれは考えた。実際言うように終末対応技術に加えて装甲を金属樹あたりの装甲に換装すればそれなりには使えるだろうが……実際それよりも対悪魔兵器としては多脚戦車の方が遥かに効率がいい。走破性も悪魔に対する攻撃力も普通の戦車などでは比べ物にならない。大人しく多脚戦車を導入をしておいたほうがいいだろうな。」
トラックや高機動車などは純粋に便利なので動かせた方がいいが、対悪魔戦闘なら戦車を無理矢理動かすよりも多脚戦車で対抗したほうが効率的、自衛隊のことにも悪魔のことにも詳しい専門家である教官ニキのいうことなら、そちらの方がいいだろう、と静は頷いて賛同した……が、彼女はふとした事を思いついて教官ニキに対して聞いてみる。
「そういえば……キノ様は古い武器などを付喪神化させる事ができると聞きましたが……例えば自衛隊の古い戦車(61式戦車)などは付喪神化できるのでしょうか?付喪神化させて戦力にできるのなら面白そうだと思うのですが?」
「むう、どうだろうな……?中途半端な年代だから何とも言えんな……?ちょっと聞いてみるか。」
「うおおおお!!撃て撃て!!見えない?いいからあの場所に射撃しろ!」
「お前ら目の下に軟膏*14塗ってないだろ!!いいからこのヘルメット*15被ってろ!!これなら見えるはずだ!!」
―――魚沼支部修行用異界『黄泉比良坂』
最上層部から降りた第二階層では『第30普通科連隊』並びに『第2普通科連隊』たちがガキたちに対して銃撃を行っていた。それは『戦術甲冑 雷電』で覚醒させたり『魔女の軟膏』を目の周りに塗って覚醒していなくても悪魔を視認できるようになったからである。また覚醒していない自衛隊員でも、ほかの覚醒した自衛隊員から指示を受けた所を射撃することによって、ガイア弾や銀の弾丸なら見えない状態でも十分にガキ程度は倒せる。そうして悪魔を退治する事によって覚醒者を増やしているのだ。それを見ながら静はふむ、と考え込む。
「ふむ……。上田銀山*16から採取した銀を銃弾加工してみましたが十分に銀の銃弾として活躍してくれるようですね。破魔効果も十分、と。佐渡金山から産出される銀でなく、自前で武器となる銀を採掘できるのなら上田銀山を採掘する必要も出てくるかも……。」
とはいえ、いまはそれどころではない。覚醒した……もしくは悪魔を見えるだけの兵士たちでもガキを倒せばさらに多くの兵士たちが覚醒し、レベルも上がっていく。十分人員たちが覚醒した上で、一旦戦闘を終わらせ、彼らが黄泉平坂の最上層部へと戻ると、そこには静や凍矢たちが揃えた最新鋭のオカルト装備を見て、おおおお! と自衛隊員たちは歓声を上げた。オカルト戦車とも言える多脚戦車およそ50台。そして、ロボ部の手によって新しく外装を変えられたデモニカ……SAA『レッドアイズ』が50機。さらに雪上車代わりの【マシン 特殊軽戦車(妖虫型)】やオカルト銃火器を見せられて、盛り上がらない兵士たちはいない。
多脚戦車やデモニカの評判はかの【五島部隊】から情報は流れてくる。【五島部隊】できちんとコンバットブルーフが取られている対悪魔兵器があれば、自分たちも悪魔と戦える! と思えるのは当然だ。
「では……こちらは私の方で……」
「うむ、デモニカ隊の方は儂の方でやる。よろしくな」
「う、うわぁああああ!! ば、化け物だぁあああ!!」
「しっかりしろ!! その化け物を倒すのが俺たちの役目だぞ!! 撃て!!」
彼らが戦っているのは静の仲魔【妖鬼トゥルダク(LV28)】DLVにして92という今の彼らからしたらまさに怪物そのものである。ガキとの戦いや覚醒者育成用デモニカ『戦術甲冑 雷電』によって覚醒したものたちも多い自衛隊員だったが、覚醒したからといって調子に乗ってもらっては困る、と最悪の場合リカームが使用できるトゥルダクが敵として彼らの前に立ちふさがったのだ。黒死ネキや脳缶ニキに散々いいようにされてトラウマを負った彼らではあるが、覚醒したばかりの人間においてはまさに無双といえるほどの力を発揮していた。
オカルト銃……簡易ガイア銃や九十九神と化したオカルト銃で一斉に彼らはトゥルダクに一斉に銃撃を叩き込むが、覚醒したばかりの銃撃などDLV90代の彼には通用しない。
たかが骨の怪物に対して銃弾が全く通用しないことに、彼らは怯えを抱きながらさらに攻撃を仕掛けていく。
「クソッ!! 弾丸が通じない!! 属性弾? ってヤツを装填しろ!! 何でもいいから!!」
「グレネード!! 手榴弾持ってこい!! 爆風で吹き飛ばすぞ!!」
自衛隊たちは悪魔に対しても通用する火炎瓶*17や手榴弾*18、ハンドグレネード*19、ドラゴンATM*20などで必死で抵抗を試みる彼らをせせら笑うように、トゥルダクは手にした刀をみね打ちにしながら振るうと、その一撃だけで何人もの自衛隊員たちが吹き飛ばされていく。ハンドグレネードやドラゴンATMは強力な武装ではあるが、いかんせん彼らのLVが低すぎるので高位悪魔(彼らにとっては)には通用しないのだ。
そして、トゥルダクが剣を振る(みねうち)とその衝撃波だけで自衛隊員たちは容易く吹き飛ばされていく。黒死ネキとのあれこれでトラウマを負ったトゥルダクではあるが、現地民たちからすればまさしく恐るべき強敵なのだ。そして、一般隊員たちがボコボコにやられている中、一方のデモニカ部隊もデモニカを装備した教官ニキにボコボコにやられていた。
「撃て!!撃ちまくって足を止めろ!!」
「ふざけるなよ!何であんな重装甲のデモニカでこっちより遥かに早いんだよ!!こっちのデモニカは機動性と運動性を高めた軽量型デモニカっていうのは嘘なのかよ!?」
新しくデモニカSAAを纏った自衛官部隊『redEyes』部隊は、デモニカ『ノープ』を纏った教官ニキに文字通り手玉に取られていた。いかに軽装甲で機動性を高めたデモニカSAAと言っても育ち切っていない纏ったばかりのデモニカでは、黒札や大悪魔に敵うはずもない。重装甲で防御力重視のはずの『ノープ』で高機動が売りのSAAたちを遥かに上回る速度を出しながらペイント弾で次々とSAAデモニカを纏った自衛官たちを打ち倒していく教官ニキは、彼らから見たらまさに鬼神と言わざるを得ない存在だった。
こうして、オカルト装備を手にして覚醒者が増えた自衛隊員たちだが、トゥルダクと教官ニキの手でボコボコに叩きのめされて鼻柱を折られてしまう羽目になってしまったのだった。
「「「うわーーーーっ!!」」」
……とまあ、静や教官ニキに対してさんざんボコボコにされた自衛隊員だったが、実際は覚醒者たちも大幅に増え、多脚戦車やデモニカに加え、オカルト武装を多数供給と他の所から見れば喉から手が出るほど欲しい武装が大量に手に入ったのだから万々歳である。後はこれらを使って地道にレベルアップしていくしかない、と傷を回復させた自衛隊員に対して、教官ニキは対悪魔の戦い方なども含めレクチャーする。
「まあ儂なんかきちんとそちらの土俵で勝負したんだから優しいものだぞ?呉支部の⑨ニキなんか自衛隊員を限界……というか死の淵まで立たせて覚醒させたりしているからな。まあ今回はそこまで無理をする必要もなかったが……ともあれ、上には上がいるから気を付けるように。」
ディアをかけられて傷を回復したり、ツカレトレールなどを飲んで回復した彼らだが、やはり精神的疲労は大きいらしい。そんな中で対悪魔講義を行っても身につかないと思った教官ニキは、多少彼らの興味を引くような話題を出していく。
「さて、これらオカルト装備ばかりで陸自の装備は役立たずだと思ってるのかもしれない。しかし、陸自の中でも強い防具は……あるッ!!」
おおっ!?とその教官ニキの言葉は彼らの注目を引いた。自衛隊内部の中でも悪魔に通用する防具があるのならそれを手に入れる、もしくはガイア連合に量産してもらえばいいだけの話である。注目を浴びながら教官ニキはさらに言葉を紡ぐ。
「それは『防毒マスク6型』*21に『SGE防護マスク』*22だ! これを装備すればそこらへんの防具より遥かに強い! なぜかオカルトに対しても強い! 何でだろうなぁ……」
それには流石の教官ニキも首を傾げる。実際はメガテンを知っている黒札たちの認知が影響しているのではないか?とも言われているが、現地民にそんなこと言えるはずもないので、教官ニキとしてもそういう言葉を言わざるを得ない。確かに両方とも強力な防具ではあるが、それぞれ「精神に弱い」「魔力に弱い」という欠点が存在するので、そこをうまくカバーしなければならない特殊防具でもある。
「……何で防毒マスクなのに「魔力無効、精神に弱い」んですか?」
「何でやろなぁ……」
防護マスクが毒ガスを防ぐ理論で神経無効は理解できる。しかし防毒マスクなのに「魔力無効、精神が弱い」というデータには流石の彼らも首を傾げざるを得なかった。ともあれ、そんな講義を終了すると、講義室に静が入ってくる。彼女は魚沼に大量の自衛官たちが集まってきたのに対応して、その自衛隊たちに抗議するために魚沼に集まったデモ隊の対応を行ったらしい。
「後は表のデモの方々ですが……自衛隊の方が直接対応すると問題がありますので我々で対応させていただきます。あちらのデモ隊の方たちには『テロリストたちと繋がりがあるので一斉検挙』という形で地元警察には動いてもらいます。『そういう事になりました』ので自衛隊の皆様はご安心ください。これでしばらくは静かになるでしょう。」
何この女……。こわ……。と流石の彼らも思わずドン引きしてしまう。彼女たち名家はこの地域の王である。彼らが言えば黒い物も白に、白い物も黒に変わってしまうのだ。警察も司法も彼女が一声かければたちまち従うというディストピア小説も真っ青の権力である。わざわざ魚沼まで来たのが彼らの運の尽きだったということだ。
……なお調べた所、実際にテロリスト(メシアン)との繋がりがあったので、デモ隊は壊滅状態になったのは流石の静もちょっとびっくりしたのは内緒である。
『第30普通科連隊』&『第2普通科連隊』
多脚戦車50機、SAAデモニカ100機ほどを導入されたが、いかんぜん新潟県は広いので、新潟市、長岡市、魚沼市、上越市などに戦力がそれぞれ分配されると思われる。
(これらの都市にそれぞれ多脚戦車10機、SAAデモニカ20機ぐらい?)
田舎ニキ「金が足りねぇ~!!」
鑑定ニキ「割り勘で払うから鍛えてくれない?そうすれば多めに払うよ?」
田舎ニキ「おk。」
多分こんな感じ。足りなければまた生えるよ!(そして増える借金と貸し)
豪雪地方である新潟県に適した多脚戦車やデモニカを装備しており、属性弾や各種特殊装備やオカルト武装などもきっちりしている。
金属樹の盾とか銃剣なども装備してそう。