【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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掲示板で気になった一文があったので

>その式神嫁のガワの元ネタになったFSSもモバマスもよーわからんけど、
>西洋鎧を半脱ぎ状態の銀髪クール美女は素敵なんじゃないかなと思った
>そーゆー部分変化プレイというか、中途半端にロボ状態の装甲を残したまま合体()したりしてるんだろうか

 破裂の人形「!!?(閃いた!という顔)」
 これは破裂の人形との間の二人目の子供(多分ブリーチの『日番谷冬獅郎』)ができるのも時間の問題かも。(嘘)

今回のお話は半終末に戻ります。


福島支部への手助けなど2

 

「ああああああああ!! あああああああ!!」

 

 福島支部長である黒札【きくりネキ】*1は悲鳴を上げながら、あちこちに飛び回りながら悪魔退治を行っていた。

 それはまさに奔走されている、と言っても過言ではないだろう。それには大きな理由がある。それは福島県の純粋な広さである。とにかく福島県は広い。北海道、岩手県に次いで、全国で3番目に広い地域をきくりネキ一人で統治するというのはどこかしら歪みが出るのが自然だろう。

 現状では、豆柴ニキの祖母も導入して手伝ってもらっているが、それでも大量の仕事にツカレトレールを飲みながら奔走している状況である。そしてその仕事の根本的な改善としては、やはり悪魔退治の人手を増やすしかない、というのが結論だ。

 豆柴ニキからカンパをもらった凍矢もそのお礼として傭兵稼業で飛び回っているが、やはり根本的に手を増やすしかない、という状況である。

 

「というわけで……。マッカ寄付を受けたし*2福島支部の支援をしようと思います。お金がかからない方法で!!」

 

 凍矢は、福島支部に所属しているきくりネキ配下の黒札、ガンダム00のアレハンドロ・コーナーそっくりの『大使ニキ』「重機人間ユンボル」のDr.ドカルトな技術班の『ドカルトニキ』などとも会話しながら凍矢は福島支部強化の提案を行おうとしていた。

 

「うむ、戦力的にはウチの支部は問題ない。問題は……手が足りない!! 福島県の広さに対して手が足りないのだ!! ほかと同様に自衛隊たちを鍛え上げて多脚戦車を導入するつもりじゃが……」

 

 当然、福島市に引っ越してきた豆柴ニキやチェストニキたち、豆柴ニキの家族たちも存在するが、彼らを酷使して疲弊させるのは論外である。(豆柴ニキの祖母は戦う気満々ではあるが、やはり現地民であり黒札の身内を戦場に投入することには気が引ける)

 となれば、方法は一つ、さらに手を増やすしかない、とマッカを受け取った凍矢は決断した。

 

「……で? ボクが呼ばれた訳?」

 

 凍矢は、大使ニキやドカルトニキなどに相談して、福島支部の自衛隊強化へと乗り出していた。さらに、そのための切り札とも言える存在、『キノネキ』*3を凍矢は福島市の自衛隊の根拠地『福島駐屯地』へと呼び出していた。

 基本的な福島県の『第44普通科連隊』強化はそれこそ『教官ニキ』に任せて、『大使ニキ』や『ドカルトニキ』が福島支部に適したデモニカなり多脚戦車などを購入するなり作り出すなりして強化すればいい。凍矢がキノネキを呼び出したのは別の理由である。

 福島駐屯地内部、凍矢やキノネキたちの前にあるのは、鉄の塊……すなわち少し古めの『戦車』が数体置かれている。それらは、仙台駐屯地、大和駐屯地、多賀城駐屯地や防衛大に展示されている『61式戦車』である。キノネキを呼び出した理由はこれらの戦車を『付喪神』へと変化させて戦力に変えれないか、という提案である。その用意された古めの戦車を見ながら、彼女はなるほど、と頷いた。

 

「なるほど……。ボクの能力を利用して『付喪神戦車』を作り出そうというのか」

 

「そう、これできくりネキの負担を少しでも減らす。多脚戦車ほど能力はないかもしれないけれど、最悪移動砲台として運用すればいいだろう」

 

「できるだけ金をかけずに福島支部を強化する」*4

 これが今回のコンセプトである。本格的な自衛隊強化は大使ニキやドカルトニキに任せておけばいい。凍矢が行うのは彼らの顔を潰さない間接的な強化である。

 キノネキは半付喪神化している武器などを活性化させて付喪神化させる能力を有している。そのため、最新鋭の戦車は無理でも、比較的古めの戦車……博物館などに収められたり、展示されて様々な人物のMAGを取り込んだ戦車ならば『付喪神戦車』として動くか動かないかはギリギリのところだが、試す価値はあるだろう、と凍矢は判断したのだ。(そのために各地から展示されている戦車などをかき集めた)

 

 キノネキが自分の権能を61式戦車を叩き込むと、『付喪神戦車』となった戦車たちが、ギギギ……。と音を立てながら次々と動き出していくのを見て、自衛官たちもおお!! と次々と歓声を上げる。

 もちろん純粋な対悪魔兵器としては専用の多脚戦車の方が遥かに上である。だが少なくともマハラギなどのスキルカードを入れて金属樹などで作り上げた追加装甲を装備すれば、『移動砲台』としての役目は果たすことはできる。(なおマハラギなどのスキルカード代は大使ニキたち持ち)

 悪魔召喚プログラム……COMPで縛っておけば、ガイアレベル一桁の自衛隊員たちでも制御可能だろう。

 戦力としては大したことはないが、捨てられていた兵器の再利用ができるのは大きい。これさえあれば俺たちだって戦力になれるんだ!! とレベル一桁代の自衛隊員たちが盛り上がっているのは不思議ではないだろう。

 

「これにキノネキがやったようにスキルカードを入れればそれなりに使い物にはなるだろ。……あくまで『それなり』程度でしかないけど」

 

 名家が長年持っていた霊的武器(強さはともかく)と違い、比較的若い61式戦車が『付喪神』となったのは、恐らく機体に宿った自衛官たちのMAGがこの状況に対して呼応して活性化したため、キノネキの術式をきっかけにして動き出したのだろう。

『付喪神戦車』と化してガガガとキャタピラを動かしながら自動的に動き出していく61式戦車。それを見ながら、自衛官の一人がぽつり、と呟いた。

 

「……61式戦車は戦後初の国産戦車、実戦を体験していない『抜かずの剣』で終わった極めて幸運な戦車だ。それが今、自らの意思で立ち向かおうとしているのだ。日本という国の危機に対して」

 

 その自衛官の言葉に、誰ともなく自衛官たちは戦車に敬礼を行った。

 


 

 他にも防衛大や駐屯地に残っていた様々な兵器などもキノネキの力を借りて動かそうとしてみたが、この辺は動いたり動かなかったり様々である。ともあれ、専用の対悪魔兵器ほどではないが、これは『付喪神兵器群』『リサイクル兵器群』は多少は役に立ってくれるはずだ。何よりリサイクルであるため、こちらの懐は全く痛まないところが凍矢にとっては極めてありがたい。

 

「あとは福島市……中通りはきくりネキたち、浜通りは元々豆柴ニキのいた場所らしいからそこらへんのコネで何とかなるだろ。問題は……会津地方、会津若松方面か」

 

 福島県は、その広さのため【浜通り】【中通り】【会津地方】の三つに分けられる。その中で福島支部の一番影響が及んでいないと考えられるのは【会津地方】だ。 会津地方は『岩代国一之宮・会津総鎮守』である『伊佐須美神社』が存在し、決して霊的に疎かにしてはいけない地域だ。さらに新潟にも近く、魚沼から見れば会津地方がほかの勢力に占拠され、拠点にされて攻め込まれるのは面白くない。

 

 ともあれ、ここ近辺(強いて言えば福島市のある中通りにも影響を与えられる)名家の情報を集めるため、名家のことは名家に聞くのが一番と色々忙しい静を呼んで福島県の名家のことに聞いてみる。元々、福島県は若松県、福島県(1876年以前)、磐前県を一纏めにした県であり、名家も多種多様存在するが、その中でも力のある名家は『雪華家』とのことである。この家は、松平氏の庶流で武家・華族でもあった会津松平家の血筋を引く名家である事から、特に会津若松を中心に力を持つ名家であり、新潟から近いこともあって静も知っているらしい。

 

「とはいえ……雪華家は次期党首の女性が大悪魔の呪いによってただの肉塊へと変化してしまったとの事で……。これを治療するのはガイア連合からしても面倒らしく……」

 

 会津地方を支配する名家『雪華家』の跡取りの女性は、とある大悪魔の呪いを受けて肉体が醜く膨れ上がりほぼただの肉塊へと化していた。普通の名家ならさっさと楽にしてあげるのが一番だと判断するが、魂にも呪いが染みついているので、たちまち魂が大悪魔の所有物になってしまうため、それを行うのも躊躇われていたのだ。

 可愛い娘がそんな地獄を味わうのは勘弁してほしい、と思う程度の感情は人でなしの多い名家でも存在していた。シキガミにして魂と脳を移植すれば簡単に治るだろうが、そこまで金と手間をかけるのは凍矢的にもためらわれる。さてどうしたものか……。と考え込んでいると、凍矢の脳内に一つ閃きが浮かぶ。

 

「うーん、肉体自体の治療でシキガミ手術なし、しかも安くて簡単に治療できるとなると……。あ、そうだ。アレを使ってみるか」

 


 

 ──―山梨支部の中でもひときわ異質な空間、肌を出した美女美少女たちが建物の外で立って歩いている男女問わずに誘って甘い言葉をかけている空間。その建物の名前は『悪魔しょうかん』

 スケベ部の根拠地といえる場所にまで来たのは、スケベ部のトップとも言える存在『新田美波』……『ミナミィネキ』に会いに来たのである。スケベ部にはロクな思い出がないから嫌だなぁ……と思って「高峯のあ」の姿に変化させた破裂の人形を横に並べて、眉を潜めながらも悪魔しょうかんの中へと入っていき、VIPルーム内にいる美波へと面会する。

 

「おや田舎ニキ。貴方がこんなところに来るなんて珍しいですね? 久しぶりに私と仲良くなりたくて来ましたか?」

 

「いやそうじゃなくて……『3Dプリンター簡易式神作成装置(仮称)』*5があったよね?」

 

 それを聞いた瞬間、彼女はにこやかな笑みを凍矢へと向ける。普段スケベ部の活動に無関心な彼がついにスケベ部に興味を示したか、とミナミィネキはにこにこと笑いながら言葉を続ける。

 

「おお!! 田舎ニキもこちらに目をつけましたか!! うんうん、それで孕み袋は何人ぐらいほしいんですか?」

 

 ミナミィネキが作り上げた【一般人覚醒者用、全身移植ボディ】装置、『3Dプリンター簡易式神作成装置(仮称)』はいわば簡易式神体に人間の魂を移植、肉体や脳などをカスタマイズして淫乱な性奴隷を作成するシステムである。子宮需要、才能ある子供を産むという建前の元、己の趣味に従ってミナミィネキが作り上げた機械ではあるが、費用対効果と倫理的問題のため、結果作成中止になった機械である。もったいないから、とミナミィネキはドクオに簡易式神体……孕み袋を与えたが、こういう事に興味なさそうな凍矢が関心を持ってくれるとは、彼女としても嬉しい事だったらしい。満面の笑みを浮かべるミナミィネキに対して、凍矢はそれとは別の言葉を投げかける。

 

「いやそうじゃなくて……どうせ製造停止になるんならそれを現地民用に改造しない? と思って」

 

「えっ?」

 

 ん? とミナミィネキは凍矢の不穏な言葉に眉を顰める。そして、凍矢の言葉を聞くたびにどんどん顔色が変わっていく。

 

「【自分にマリンカリンで、強制発情】や【脳の変性による色情魔化が促進する】の機能をカット。【子宮に膣、胸やお尻を重点的にレベルアップ】する機能もカット。【自分にマリンカリン】も変更してマリンカリンを敵にかけられるようにならないかな? 後【パワーが人並み以下】を【パワーが人並み以上】に変更。霊能を全て戦闘用に変更。愛玩人形から戦闘用ボディに変更ってところかな」

 

 カットカットカット!!と言わんばかりに淫乱な性奴隷用になるための性的機能を全てカットされ、それらの機能を戦闘用・霊的強化に変更・カスタマイズしてほしいという指示を受けて、これを開発したミナミィネキは不本意だったのか思わず凍矢に対して声を上げる。

 

「ち、ちょっと待ってください! それじゃただの【現地民強化用】になっちゃうじゃないですか! 全然エッチじゃないですか!!」

 

「いやだからそうしてくれって言ってるんだよ……。被験者は大悪魔の呪いで肉塊になってるらしいから簡易式神ボディに突っ込めば問題なく治療できる&現地民強化で一石二鳥だし。言っておくけどマスター権限はきちんとカットしておいてね。こっちにターゲットされてストーカーされても困るし……」

 

 その凍矢の言葉に不本意だったのか、ミナミィネキはぐぬぬ……と思わず唸りを上げる。元々「そっちのほうがエッチだから!!」と自分の趣味全開で作り出されたものが大幅に変えられたらやはり誰だって不本意だろう。しかし、このままでは製造中止で埃を被るだけの状況になってしまう。この実験がうまくいけば現地民強化用機械として日の目を見る可能性も出てくる。全く無駄になるよりはマシだろう、と彼女は判断したのだ。

 

「ぐぬぬ……。田舎ニキにはスケベ部が迷惑かけてしまいましたからね……。*6不本意ですが貸しを返すためには仕方ないですが……。とりあえず言われた通りに機能をセッティングしなおして、簡易式神体はこちらで用意しましょう。」

 

 肉塊化した肉体もガイア連合の医療部なら完全治療できるかもしれないが、新しく肉体を作成して魂を移した方が遥かに手っ取り早い。しかもそれによって霊能が底上げできるのならいうことはない。これが実用化されれば現地民たちでも最低限戦える肉体を手に入れる事ができるだろう。

 

 これにより、現地民は呪いで変化した肉体から普通に戻れてさらに霊的に強化される。凍矢は安い値段で福島支部の戦力の強化ができて借りを返せる。ミナミィネキは自分の頑張って作った機械が多少なりとも報われる&これがうまくいけば機械の実用化が狙えると一石三鳥、誰にとってもいい結果をもたらすべく考えた凍矢の作戦がこれである。

 

 簡易式神化してもきちんとマスター権限をカットしておけばヨシッ! あとは静から助けられたとして恩を向こうにターゲティングさせておけばヨシッ! これで雪華家は九重家の実質的な言いなりになるはず! ヨシッ! と凍矢はそう判断した。

 


 

 

 ……会津地方を支配する名家の一つ、雪華家の跡継ぎである令嬢『雪華・杏」はとある大悪魔からえげつない呪いを仕掛けられていた。それはスレイヤーズでも登場した『屍肉呪法』である。

 人間の姿から醜い肉塊へと変貌させ、擬似的に不死と苦痛を永遠に与え続ける呪いであり、彼女はそのため肉塊へと変貌してただ苦しむだけになっていた。肉体が変質するだけでなく、苦しい苦しい苦しい!!誰か助けて!!と彼女は肉体が変質した肉塊の中でひたすら苦しんでいた。

 

『──―助かりたいですか?』

 

 そんな肉塊の中に閉じ込められた意識の中に、他の意識が流れ込んでくる。その自分以外の意識は、ただひたすら苦しんでいる彼女にとっては、まさに救いの糸そのものだった。必死になって、彼女は自分以外の意識へと縋り付いて助けを求めた。

 

『ならば誓いなさい。黒札様に絶対服従を行うと。【死ぬ事以外絶対服従】すると』

 

 ああ!! 誓います!! 誓います!! そんなことでは生ぬるい!! 【あらゆる事に全て絶対服従】するのです!! 死も魂も肉体もあらゆる物を全て捧げて絶対服従するのです!! だから救いを! 救済を!! 救済を!! 救済を!! 

 その瞬間、彼女の意識は急速に異形と化した肉塊からの苦しみから解き放たれ、それと共に意識を失っていった。

 

「……うう。ここは……。」

 

 そして、次に目覚めた彼女は自分自身がきちんと声を発生できることに驚いた。それだけではない。きちんと眼球で光を捉えられる上に、腕や足すら自在に動かせる。ベットに横たわっている己の肉体を見下ろすと醜い肉塊ではなく、きちんとした女性の肉体を持っている事を確認した「彼女」は滂沱の涙を流して感動に震えた。

 

「……ああ! こんな!! 話せる事ができるなんて!! 手も足も体もある!! 苦痛も全くない……!! 信じられないのです……!! まさに神の所業なのです……!!」

 

 そこに存在していたのは醜い肉塊ではなく、普通の人たちが見とれるような美貌、真っ赤な目や尖った耳に白い肌、紫色の縦ロールを持った美少女……『ビビアン・バンシー』そのものだった。

 

 元々、ミナミィネキが作り出した【一般人覚醒者用、全身移植ボディ】である『3Dプリンター簡易式神作成装置(仮称)』はミナミィネキの嗜好に従って簡易式神ボディを作り出し、淫乱な性奴隷にするように設定されていた。だが、凍矢は淫乱な性奴隷のセッティングを全てカットして純粋な【現地民強化用】へと変更させたのである。この簡易式神ボディは20レベル前後まで行く才能があれば肉体が魂の成長に負けるとされているが、逆に言えば『上限レベルをガイアレベル20まで引き上げることができる』ということである。

 根切りされた名家の上限は大体ガイアレベル一桁、それが20上限まで引き上げられるのなら十分に現地民強化用といえるだろう。

 人間としての肉体だけでなく式神特有の人目を引き付ける美貌を得た事を恐る恐る鏡を見た彼女は、その事に対してさらに感動して涙を流しながら絶叫する。

 

「ああ!! ああ!! 偉大なりし黒札様!! 捧げます!! 身も心も魂も何もかもこの身を全てお捧げいたします!! この身体を思考を魂を捧げる準備ができています!! どうぞお好きなだけお使いくださいなのです!!」

 

『雪華・杏(アン)』……もとい『雪華・ビビアン』はこうして生まれ変わったことにより名前すら変える事にしたのだ。そして、静から事情を聞いた彼女は、式神お下がり霊装のドレスと装備部が作った変な武器の一つである傘付きスピアを与えられ、静と黒札のために戦う事を決断した。

 


 

「根切りなのです。黒札様にほんの少しでも逆らう者なんて雪華家には不要なのです。黒札様やガイア連合に逆らう者たちは全て徹底的に始末するのです!!」

 

「会津地方だけでなく、きくりネキ様たちと協力して中通り地方のメシアンやダークサマナー狩りも始めるのです!!名家だろうがメシアンだろうがきくりネキ様たちに逆らう者たちは殲滅なのです!!そして功績を上げて救ってくださった黒札様にお目通りを申し出るのです!!」

 

 そして、その執念と狂信であっという間にガイアレベル20になって雪華家の長になったビビアンは、静と同じように内部の粛清を開始して腐敗した上層部やメシアンに尻尾を振る老害たちを根切りにし、雪華家を手中に収めた彼女は、返す刀で会津地方のメシアン狩りやダークサマナー狩り、悪魔退治を開始した。

 レベル20代といえば、アメノウズメ(レベル20)やヒトコトヌシ(レベル23)といった神霊に指をかけられるレベルである。そんな彼女からすれば、レベル一桁が多い名家など手中におさめることは容易い。元々キリシタン大名であった蒲生氏郷の関係で、会津地方には隠れキリシタンなども多く、その関係で隠れメシアンなどもそれなりに多かったが、ビビアンはそこに潜む隠れメシアンたちの根切りを決行したのだ。

 ともあれ、雪華家は福岡市にいるきくりネキを始めとする福島支部に忠誠を誓い、会津若松地方だけでなく、中通り地区の福島市……福島県全体のメシアン狩りやダークサマナー狩りにも全面協力する形になった。

 

 しかし、それでもいくつか問題が出てきていた。一つは……。

 

「黒札様に伝えてほしいのです! 我が家の名家の女性たちに私と同じ処置を施してほしいのです!! 志望者は何十人でもいるのです!!あと面会も申し込むのです!!」

 

「……凍矢様、九重家でも望む女性は何人でもいますから、ぜひ施していただければ……」

 

 一つはビビアンに施した『簡易式神体移植手術』を望む人々が山ほど増えた事。

 ロバでしかない名家の女性たちがガイアレベル20まで上限を上げられる事、そしてビビアンのように式神顔負けの美貌を得られる事(実際は簡易式神なのだが)は名家の女性の心を掴むのに十分だった。

 ガイアレベル20の女性戦闘集団を作ることができれば、それだけで名家でもトップクラスに躍り出ることが可能だ。これはすでに育ち切ったデモニカ軍団を所有している静ですら喉から手が出るほどほしい戦力である。他の名家は言うまでもないだろう。

(ともあれ、今回は肉塊となった彼女を救うため&現地民強化の一石二鳥を狙ったのでもうやる気はない。美少女ストーカーが何十人も襲い掛かってこられても困るし)

 

 そしてもう一つは、ビビアンが凍矢に対して熱狂的な……もはや狂信者といえるほどの熱情を示した事である。

 きちんと式神マスター権限をカットして救ったのは静だと思い込ませてターゲティング反らししたはずなのに、彼女は自らの命を救ってくれた凍矢に対して異常な執着を見せ始めたのである。

(これに対しては静の言い方もよくなかったが、彼女にしても実際にビビアンを救ったのは凍矢だし……という考えだったらしい)

 

(どうしてこうなった……どうしてこうなった!!)

 

そして、何か知らないけど熱狂的なストーカーが生えた凍矢は影でこっそり頭を抱えるのだった。*7

 


 

 〇雪華・ビビアン

 元ネタは『ゼンレスゾーンゼロ』の『ビビアン・バンシー』

 普通にキリシタン(メシアンではない)だったのだが、大悪魔の呪い……『屍肉呪法』を受けて生きる肉塊へと変貌した。キリシタンだったのも災いしてガイア連合の黒札もメシアンなのでは? と思われて手出しされず肉塊として苦しんでいたが、凍矢の『現地民救済&強化計画』によって普通の女性として復活した。

 ミナミィネキが作り出した【一般人覚醒者用、全身移植ボディ製造3Dプリンター】を流用し、性的な要素を全てカットし、性能を現地民強化へとカスタマイズして誕生したいわば『簡易式神人間』とも呼べる女性。限界レベルはガイアレベル20ではあるが、これを大量生産できたのなら現地民強化ができてガイア連合の底上げができるのではないか……とされていたが、ものの見事に狂信者へと変貌した。(なおきちんとマスター権限はカットしてあるのだが肉塊から救われたのもあって熱烈な狂信者になった。)式神の不要になったお下がり霊的衣装などを装備して戦う。『死ねという命令以外絶対服従』を通り越して『全ての事に絶対服従』という契約を一方的に捧げているが、凍矢と接触がないので代理として静が契約者となっている。*8

 なんだかんだで凍矢の二子(日番谷冬獅郎)のお嫁さんになりそう。(ボジション的には園子や東郷さん)結論としては失敗作として以後は中止になる感じ。

 

 静「冷静になって考えてみてください。肉塊になって苦しんでいたところを普通の人間……しかも美貌と霊的強さを与えられれば心酔するのが普通でしょう? 私が多少ごまかしたところで絶対に黒札様に辿り着きますよ。……まあそれはそれとしてストーカーはノーセンキューで」

 

 

 〇リサイクル兵器群

 凍矢が福島支部を強化するために、キノネキの能力を借りて付喪神にした『付喪神戦車』を中心とした兵器群。

終末時に動かなくなってしまう戦車などをもったいない精神と純粋に広くて手が回っていないという事で試しに作られた付喪神兵器たち。各駐屯地や防衛大学で展示されて様々な人のMAGを受けた兵器は動く可能性はあるが、当然動かない兵器もあると思われる。当然専門の対悪魔兵器である多脚戦車には及ばないが、スキルカードを組み込む事&金属樹産の追加装甲で移動砲台程度に使えたらいいか……程度。

*1
「【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策」様、転生ようじょ、祭りを企てる、から。福島支部の支部長であり、元ネタは「ぼっち・ざ・ろっく」の「廣井きくり」

*2
「しがない一転生者の徒然」様、しがない一式神の日常〜出張日和?〜から。貧乏神からマッカビームを食らった田舎ニキに対してマッカを寄付したので、今回はそのお返し。

*3
「【カオ転三次】世界が終わるまでのバイク旅」様の主人公。

*4
せっかくマッカを寄付してもらったのに福島支部の強化に使ってしまっては意味がないため。

*5
小ネタ TSって、エッチじゃん?

*6
「【カオ転三次】マイナー地方神と契約した男の話」様、外伝 魚沼で頑張るロバ霊能者の話6

*7
どうしても何もただの自業自得である。

*8
田舎ニキ「えっなにそれ知らん……。いやマジで知らん……。怖……。」




次回はアビャケイルさんのところでネタにしていただいた【シキガミ製造学科】もネタにしていきたい。
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