ヒノエさんの言葉は、変換ツールを使用しておりますので間違えていたらすみません。
──―福島県、会津若松地方。ここはキクリネキ率いる福島支部に属する地域であり、黒札ではなく会津松平家の末裔の名家である『雪華家』が支配する土地である。
名家ではあるが、福島支部とは極めて良好な関係が築けており、福島支部の黒札たちや金札たちとも仲は良好。
そしてその雪華家を率いる当主は、悪魔の呪いから肉塊となり、そこから簡易シキガミボディを手に入れてそこに魂を封入して復活した女性『雪華・ビビアン』である。
簡易シキガミボディとしての肉体を得た彼女は、その力とシキガミお下がりの霊服、さらに凍矢から授かった傘盾を手に、アンチメシアンとしてメシアン狩りに精を出しているのだ。
……会津若松『鶴ヶ城』。会津若松を象徴するこの城は、会津若松シェルターの結界展開の要となっており、福島支部から与えられたシキガミ城娘『鶴ヶ城』がその地脈型ガイア連合結界を展開し、都市一つを覆う結界を展開している、会津若松市を一つ丸ごと覆うシェルターである。
会津盆地の東南に位置し猪苗代湖という水源もきちんと確保しており、肥沃な土地が多く、良品質の米が生産される『米どころ』として農業も盛んであり魚沼シェルターから与えられた多数のキクリ米を栽培し、にもアスパラガス、トマト、きゅうりなどの野菜、りんごなどの果樹、そば、大豆、会津身不知柿(みしらずがき)、花きなど、多彩な作物が栽培されており、食糧供給地としても優秀である。
……ともあれ、これらはほとんど福島支部……つまりは黒札たちからの与えられた技術であり、自身の体ですら黒札から与えられたものであるビビアンにとっては、福島各地に潜んでいるメシアンを狩る事でしか恩義を返すことはできない。だが、ガイアレベル20に達する彼女であっても恐れるべき存在は山ほど存在していた。
「ニンニン! ビビアン殿、私を呼び出した理由は何なのでありますか!?」
ビビアンの目の前にいる少女は、黒札の一人である『幼女ネキ』の娘である『鵺原イズナ』*1である。高位の黒札の娘であることから、彼女のレベルは非常に高く、実戦も多数潜り抜けているまさに歴戦の戦士である。黒札の娘である彼女は、ビビアンより遥かに上位にいる存在といっても過言ではない。きわめて丁寧にビビアンはイズナに彼女を呼び寄せた事情を説明する。
「はい、それはここ、会津の地……というかとある場所で問題が起こっているようで……私の手には負えず、イズナ様にぜひお助けいただきたいのです」
それは、会津若松のとある場所、新選組局長・近藤勇の墓や斎藤一の墓近辺で起こっている出来事である。
ここ会津若松には、土方歳三が遺髪等を持ち込み会津滞在の折、仮埋葬した「近藤勇」の墓、そして、会津藩士として生きた新選組三番隊長「斎藤一」の墓が存在しており、その近辺で異常な状況が起こっている。
それは、この近辺のダークサマナーたちや密かに存在している悪魔たちが次々と姿を消しているという状況だ。市民たちには一切被害は出ていない……というかその「何者か」によって助けられている市民たちも存在する。しかし、会津若松の地を統治するビビアンとしては、少なくとも状況だけは把握しなければならない。
「調べてもらったところ、その「何者か」はDLVオーバー……少なくともガイアレベル30はあるので、私では手が出せないレベルなのです。それでイズナ様に探索していただきたいと……」
「承知しました!! イズナたちに全てお任せあれ!!」
──―そして、色々あって*2イズナたちが事件を解決して連れて帰ったのは『英傑コンドウイサミ』と『英傑サイトウハジメ』の二人であった。
そう、復活した新選組の二人がダークサマナーや悪魔たちを狩って市民たちを守護していたということを聞いて、ビビアンは思わず喜びというよりも困惑が勝ってしまう。
「ま、まさか新選組のお二人が復活しておられるとは……。予想外だったのです……。いえ、市民を守って戦っていただいたのはありがたいのですが……」
ともあれ、復活した彼ら二人はイズナと契約を行い「百鬼夜行の福島支部所属メンバー」*3として組み込まれる事によって決定した。そして、そんな事を色々行っていると、そのうちの一人である『英傑サイトウハジメ』……斎藤一がビビアンに対して話しかけてくる。
「よう、お嬢さん。ちょっとお聞きしたいんだが、アンタ会津松平家様の末裔なんだって?」
「は、はい。確かに私は一応は会津松平家の末裔なのです。まあ簡易シキガミボディになったので、今はあまり関係ないといえばないかもですが……」
元々、ビビアンは会津松平家の末裔として名家であり、大悪魔の呪いで肉塊となった後、簡易シキガミボディを作成して実質的に生まれ変わった存在だ。
霊的に弱い名家の人間であるため、元の人間の肉体と霊との繋がりを維持するため、ビビアンのボディは元の肉体の細胞を培養したものと簡易シキガミボディの融合体だ。(これは血の繋がりを維持するために雪華家が土下座して頼み込んだため)そのため、血は薄いとは言っても会津松平家の末裔としての繋がりは一応は存在している。
元々、新選組は、京都守護職を務めた会津藩主・松平容保と深く結びついており、容保の庇護のもと新選組として京都で活躍していた後、戊辰戦争では新選組の生き残りも会津藩と共に戦っていたので、新選組と会津松平家は極めて関係が深い間柄である。
特に斎藤一は会津に残留して、会津藩士とともに城外で新政府軍への抵抗を続け、最終的に会津に墓が作られた会津と繋がりが深い新選組の一人である。そんな彼からすれば、会津松平家の末裔がこの会津の地を守るために戦っているということはやはり思うところあるらしい。
「そうか。それじゃはじめちゃんも少しばかりアンタに力を貸そうかね。イズナ様と契約は結んだが福島支部所属メンバーとして手を貸すぐらいなら全然オッケーでしょ。」
「はい!全然オッケーであります!!どんどん手を貸してあげてください!!」
彼らの視点からすると、あくまでも主……主君はイズナではあるが、元の主の末裔は力を貸すと言った感じだ。二君に仕えているという訳ではないので、別に道理には反していないし、今の主であるイズナであるからも命令を受けているので何の問題もないという理由だ。だが、それに対して一番困惑しているのはビビアン本人自身だった。
「えぇ……。(困惑)い、いやまあいいのですが……。いえ、正直滅茶苦茶ありがたいのですが……。それでもいいのですか?」
ビビアンからしたら、顔ぐらいしか知らない先祖のことで力を貸してくれるとは困惑するしかなかったが、彼らからすれば、ビビアンは主君筋の末裔でありこの会津の地を守護してくれる存在。力を貸さない理由がない、という状況ではあるが、ビビアンからすれはひたすら困惑するしかない状況である。彼女が知らない昔の人物が復活してこちらに対して好意的でありしかも力を貸してくれるというのだ。それは困惑して当然だろう。
「そりゃー。会津松平家といえばウチの主君なわけですし? 特に俺はこの会津の地できちんと墓を作ってもらって眠らさせてもらったわけですし? それなりの恩義はありますよ?」
まあ、それはそれとして、この地を収めるビビアンとしてはガイアレベル40の英傑二人が力を貸してくれるなどありがたいことこの上なかった。英傑は極めて人間よりの存在であり、英雄である以上色々な大きな問題があることもあるが、言うなれば人類側の守護存在ともいうべき存在だ。特に古代の大英雄とは違い、新選組の二人はかなり近代に近く、しかも秩序維持機関側の人間であり、ビビアンとしては両手を挙げて喜ぶべきところだった。
(ともあれ、ガイアレベル40の英傑たちが治安維持として活躍することはありがたいのです! ただその分の消費MAGをイズナ様や支部の百鬼夜行に賄わせるだけにはいけないのです。何らかの軽減策を考えねば……)
彼らは幼女ネキの娘であるイズナと契約し、百鬼夜行の福島支部所属メンバーとして活躍してくれている。
その分のMAG……燃料を全て宮城支部の百鬼夜行や福島支部だけに丸投げするのは流石に気が引ける。ある程度こちらでも肩代わりして燃費の軽減を行わなければならない。
イギリス支部*4などではモルガンネキが開発したシキガミに神々を宿して創り上げる『シキガミ型英傑兵器』なども存在しており、シキガミという形に英雄を降ろして、魔力炉などでその分の魔力を賄い、国防兵器としているが、ただの名家である彼女にそんな神代の知識や技術など扱えるわけもない。
ならば、彼女自身ができる対策を行うしかない。そして、彼女が編み出した方法としては……。
「『新選組』のマンガやアニメを会津若松地方でバンバン流して普及させるのです!! さらに斎藤一の墓や墓を聖地巡礼の重要な拠点に!! バンバン新選組に対する信仰を集めて英傑たちにMAGを供給するのです!!」
そう、それは会津地方に新選組のアニメや漫画を普及させて、人々の信仰のMAGを新選組に注ぎ込む、という方法である。簡単にいうと、町おこしと同じ方法だろう。さらにそれだけではない。こっそりと「新選組が密やかに復活してこの会津の土地を守護している」という都市伝説(真実)を人々に流すのである。つまり「噂システム」を利用して、そのMAGを新選組に注ぎ込んで燃費軽減にさせようというのである。
もはやオカルトの影が隠せなくなっていたこの半終末の時代、「復活した新選組が人々を守る」という噂は人々の心に希望をもたらすのに十分だった。
終末が終わった後には、大々的に「復活した新選組が治安維持に当たっている」と正式に発表して防衛隊に組み込む予定である。
(他にも地脈エネルギーをお二人の墓に誘導して、その地脈エネルギーで彼らの現界の負担を軽減させるのです! まあその辺はガイア連合様に頼る事になりますが……)
そうして、地脈エネルギーと人々の思いからなるMAGで現界維持のMAGが軽減された近藤勇と斎藤一の二人。ガイアレベル40にも達する英雄である新撰組の二人は、ビビアンからすればまさに決戦兵器も同然である。そして、この二人からして、ビビアンがどう見えるかというと……。
「さて……。近藤さんは彼女をどう思います?」
「いや、私よりお前がどう思うかだろう。お前的にはどうなんだ?」
「俺ですか? ……まさか新選組を率いた松平様の末裔がこの会津の地を守護しようと戦ってるなんてねぇ……。
これで感じ入らない新選組がいないほうがどうかしてるでしょう?」
ビビアンは会津松平家の末裔であり、京都守護職を務め、新選組を率いた松平容保の末裔でもある。
つまり、新選組の二人からすれば、ビビアンは自分の主君筋の末裔といえる。そんな彼女がこの会津の地を守護するために戦っているのだ。斎藤も戊辰戦争に会津側に参戦して最前線で戦い、会津の地で墓を作って安らかに眠っていたのだ。
「ま、自由を信条とする俺ですがね。生前の恩義ぐらいは返しておいてもバチはあたらないでしょ」
彼らの現在の主は幼女ネキの娘であるイズナである……が、イズナと交渉する事によって宮城にある百鬼夜行の福島支部所属メンバーとして落ち着く事で話はついた。
つまり現在の主にも不義理をしていないのだから、前世の主の末裔に少しばかり恩義を返してもいいだろう、という考えである。(この辺はきちんとイヅナや幼女ネキの許可は取ってある)
「うむ。……この地を脅かす悪鬼外道、そしてメシアンとかいう外道どもの集団。切らねばなるまいよ。それがイヅナ殿への忠義を示し、ビビアン殿への前世の恩義を返す事になるだろう。異論は?」
「まさか! 異論なんてありませんよ! たとえ死んだ後でも己の『誠』を貫き通しましょうや」
そんな風に話している二人に対して、一人の巨漢であり、異形の姿をした人物が彼らの前に姿を現す。筋骨隆々の巨躯であり、ネコ科の猛獣を思わせる印象を持ち、さらには道化師の服と和服を混ぜ合わせたような服を着ている異形の存在。それは福島支部所属の一人、通称『リンボニキ』である。
「初めまして。わたくし、黒札が一人「リンボニキ」と申します。英傑のお二人方に新たな力を与えに来ました。こちらをどうぞ。」
彼が差し出した二振りの日本刀。それを見て、二人は思わず声を上げる。それはただの日本刀ではなく、凄まじいばかりの霊気を放っていたからである。
「これは……まさか!!」
「左様。【合体剣・銘刀虎鉄】*5に【合体剣・関兼定】*6にございまする。近藤殿の愛刀は「長曽祢虎徹」であり相性はよろしいかと。斎藤様の愛刀『鬼神丸国重』は用意できませんでしたが……」
合体剣。それは「練気の剣」に悪魔を合体されることによって、凄まじい力を誇る武器を作成できる能力である。だが、ガイア連合の黒札たちにはほとんど手にすることのない武器だ。それは、黒札は大抵自分自身の武器シキガミを手にして戦うことが多いからである。ガイア連合の武器シキガミならば、合体剣以上の力を誇り、黒札と共にどんどん強くなれるという特性も持っている。黒札たちにはわざわざ合体剣を作り出すメリットは薄いのだ。
しかし、合体剣のノウハウ自体は蓄積しておきたい。しなければならない。ガイア連合として霊的武器のノウハウと情報蓄積と実践運用は絶対に行うべきである。そのため、ちょうどいい存在として、合体剣の試験運用として英傑二人が選ばれ、そのためにこれらの合体剣は作り出されたのである。
その【合体剣・銘刀虎鉄】を鞘から抜き放ち、美しい刃の輝きを見ながら、近藤勇は呟いた。
「―――今宵の虎徹は、血に飢えている。そう、人を害する悪魔の血にな。」
―――ともあれ、こうして英傑二人という強大な戦力を手に入れて、リンボニキを始めとした黒札たちも仲間に入りさらに戦力を増し、さらに豆柴ニキたちの開発した『仙桃アイス』*7で経済的にも良好になった福島支部ではあったが、その中で、ビビアンは一人頭を抱えていた。
「ぐぬぬ……」
「なじょしたんだが? ビビアンさん」
そう話しかけてくるのは、ビビアンと共に福島に潜むメシアンを狩りまくっている女性『黒井ヒノエ』*8である。元々老女であった彼女は、色々あって若返り、メシアンによって散々な目にあった彼女は、かなりなアンチメシアンとして福島に潜むメシアン狩りに精を出している。そしてアンチメシアンの二人は、福島に潜むメシアンを狩る事に意気投合し、簡易シキガミボディでシキガミのお下がり霊服を纏うビビアンは「盾」、沖縄支部の霊刀などで天使を狩るヒノエは「矛」としてお互い協力体制になっている。
「簡単に言うと!黒札様が手を出してくれないのです!!妾なんて贅沢は言うけど言わないというか……。ともかく!こちらは孕み袋としても性処理として使ってくれても万事オッケーなのに全然うんともすんとも言ってくれないのです!!これだけこちらはメシアン狩りの功績を上げているというのにぃいいい!!」
その要望自体は一応静を通して凍矢へと伝わってはいる。だが、彼のシキガミ『破裂の人形』……『高峯のあ』の姿をしている彼女が凍矢の長女『碧神ハルナ』のしばらく後で生まれた長男『碧神冬獅郎』の世話でいっぱいいっぱいでそれどころではない、というのが実情である。実際は同じく妻である静やほむら、さらにはお手伝いであるメイドたちが協力体制で面倒を見ているが、そんな中でビビアンの提案は「それどころではない」というのは実情だ。
「ふむ……。ビビアンさんのお目当での黒札様はちょうど子供が生まっちゃんだ……。ちょうどいいな。」
にやり、とヒノエは邪悪な笑みを浮かべた。そして、ヒノエはビビアンに対して、ビッ!と指を突き付けた。
「ビビアンさん!!あんたが狙うべぎは黒札様でねえ!!黒札様の子供だ!!黒札様の子供たぶらがして……もどい!今がら仲良ぐなって最終的に婚約者になる!それが一番効果的だ!!」
「つまり!! 『初恋の綺麗なあんね*9』大作戦だっけぇ!! 小せえ頃がら、物心づいだ頃がらの綺麗なあんね好がねえ男はいねえ! 物心づぐ前がら面倒見て懐がせでくれればもうメロメロだぁ!!」
その『初恋の綺麗なお姉さん大作戦』を聞いて、ビビアンの脳天に雷撃が走った。確かにビビアンの狙いは命を救ってくれた黒札である凍矢ではあるが、その息子であっても彼女的には十分オッケーである。*10
「て……天才なのです!! 流石すぎるのです!! バッチグーなのです!! 黒札様の御子と結ばれるのならこちらとしても不満はないのです!! 小さい頃から面倒を見ていればほかの邪魔な女も排除できるのです!!」
実際、福島支部の黒札たちの中では、「あんなに頑張っているのに報われないとか可哀そう」「田舎ニキ何とかしろ」という意見もあるので、それら黒札たちの意見、さらにメシアンを狩りまくってきたという実績と信頼があれば、凍矢の長男の面倒を見させることは可能なはず……である。うぉおおおおお!!と大盛り上がりした二人は、さっそく魚沼シェルターにいる凍矢の妻の一人である「九重静」に提案書を送った。むろん、福島支部の黒札たちの賛同の意見も含めて、である。
「うーん……」
ビビアンからの提案、さらに福島支部の黒札や金札たちからの要望を見て、静は頭を抱えていた。今まで多大なメシアン狩りの功績を上げてきたビビアンに対して何の功績もないのはおかしい。ある程度功績を与えるべきだ、という福島支部の黒札や金札の意見を退けるのは難しい。生まれたばかりの凍矢と破裂の人形との子供のベビーシッター兼教育係にしろ、あわよくば婚約者兼ハニトラ対策係などなどにしろ、という意見にも一理ある。アンチメシアンとして凍矢のためにメシアン狩りを行ってきた彼女は、絶対に裏切らないであろうことは意見も一致している。そして、そこで出した静の結論はシンプルだった。
「……これは私の手には余りますね!! 黒札様と専用シキガミの子供を私がどうこうする権利はないし! 凍矢様に全部丸投げしましょう! ヨシッ!!」
……結果、今までに上げた功績、アンチメシアンだという事、簡易シキガミボディということも踏まえ、凍矢の息子にビビアンのマスター権限を与える……実質的な教育役であり婚約者としての立場が決定された。
アンチメシアンであり、簡易シキガミボディである彼女は、管理権限を息子に与えれば、決して息子を裏切ったりしない言うなれば『簡易専用シキガミ(現地民ベース)』とも言える存在である。
絶対に息子を裏切らず、アンチメシアンのためメシアンたちのハニートラップも積極的に妨害する。ほかの現地民の女性のハニートラップもきちんと妨害して息子のために尽くしてくれる非常に美しい女性。
息子の妻にするにはまさに最適な人材といえるだろう。
なお、ビビアンが凍矢の息子(まだ赤ちゃん)の婚約者(とは言っていない)に決定した時には、福島支部のみんなが大歓声を上げたとか上げていないとか。めでたくなしめでたくあり。
……なお、この決定に一人だけ凍矢に一人だけ堂々と異議を唱える女性がいた。
それは凍矢の弟子であり、妻の一人である『秋葉ほむら』である。彼女は実にシンプルな理由でビビアンが許嫁兼教育係兼乳母兼ベビーシッター兼まあ色々……になることに反対した。
「師匠! しっかりして!! まだ赤ん坊の婚約者に喜々としてなるなんて、あいつも十分変な女よ!!*11大事な息子を変な女に任せるの!?」
……うーん、困った。反論が難しい、と思わず腕組みをして考え込んだ。確かに言われてみればそう、となるが、実際ビビアンぐらいの変さぐらいなら全然許容範囲というのが彼の意見だ。
「でも……彼女はガチガチのアンチメシアンだし。メシアンや他のろくでもない名家からのハニトラで篭絡されることを考えると……ねぇ。彼女も名家ではあるけど、簡易シキガミボディだから息子に権限を委譲させればまあ裏切らないし……」
その凍矢の言葉に、ほむらもぐぬぬ、と思わず唸り声をあげた。メシアンの被害にあった彼女もかなりのアンチメシアンであり、メシア教の脅威をよく知っている。そして大事な息子がメシアンのハニートラップにあったらどうなるかも知っている。さらに管理権限や『死ぬことも含めて絶対服従』の霊的契約も将来的に移譲すれば、将来的には絶対に息子を裏切らない『簡易専用シキガミ(現地民ベース)』になるはずである。
それを聞いて、ほむらは、メシアンにハニトラ仕掛けられて篭絡させられるより遥かにマシか……とはぁ~~と諦めたように深いため息をついた。
〇碧神冬獅郎
凍矢と破裂の人形の間の子供。ハルナの次に生まれた碧神家の長男となる。
ハルナのようにロボに変形はできないが、破裂の人形の近接戦闘の強さと剣技を直接的に引き継ぎ、真正面から大悪魔たちと互角の切り合いが可能。
ガイア連合の技術で特別に鍛えられた極めて高度な日本刀『氷輪丸』と、凍矢の固有結界である『大紅蓮氷輪丸』の使用が可能。さらに氷雪系の大魔術も使用ができる。
父親の真面目さと苦労人気質を一番強く受けついた人物。姉であるハルナのフリーダムさに毎回毎回呆れている。
物心つく前から面倒見てくれた初恋の綺麗なお姉さんであるビビアンとラブラブ関係になる。