【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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GPの関係で今の悪魔たちのLVは半減になっている設定です。
ご了承ください


第22話 あかりんごたちとのコミュ

 

世界各地にICBMが降り注ぎ、世界は【半終末】へと突入した。

日本はそれほどでもなかったが、海外は特に酷い壊滅状態であるところも多いらしい。

だが、相変わらず凍矢は背負った借金でひぃひぃ言っていた。

色々あって式神借金に加えてさらに色々な借金が上乗せされてしまうことになった凍矢。

さて、金がない時はどうすればいいのか?

それは当然、馬車馬のように働くだけである。

 

 

―――福島近辺の山中。

そこでは人間とかけ離れた存在である二体が話を行っていた。

「何が人間どもと協力か!あの我らの苦渋を忘れたか!」

「然り!今こそ妖怪どもを統率し、人間どもに一泡吹かせてやるのだ!」

妖魔カラステング(レベル12)と地霊ツチグモ(レベル15)。*1

彼らは人間たちと距離を取る穏健派と異なり、妖怪が人間を支配下に置くべきという過激派である。

ゲートパワーの関係上、本来の実力の半分も発揮できないが、それでも一般人にとっては極めて危険な存在である。

実際、何度か下の村や街に奇襲を仕掛けたがまさに鎧袖一触。

人間など取るに足らず!と気炎を上げている二体にとある声が響き渡った。

 

「【氷結ブースタ】【コンセントレイト】【マハブフーラ】!」

「【氷結ブースタ】【コンセントレイト】【マハブフーラ】!」

 

 

―――そして、場所は離れて九州地方の阿蘇山近辺。

火山近くの異界では、熊本県では妖怪伝説である天火の噂によって力を増していたフレイミーズ(レベル5)やカソ(レベル6)*2たちが蔓延っていた。もしこれらが異界の外に出たら人間たちに大規模な被害が出るうえに、大火事が発生することは間違いない。

だが―――。

 

「【氷結ブースタ】【コンセントレイト】【マハブフーラ】!」

 

その異界全土を覆いつくさんばかりの猛烈な吹雪に、炎の属性が強いフレイミーズやカソたちが耐えきれるはずもない。次々と炎の悪魔たちは氷の柱と化していき消滅していった。それは同時にこの異界の消滅を意味していた。

 

「あ、ありがとうございます!宜しければお礼を……」

 

「急いでるんで!!じゃっ!」

 

 

―――九州のとある処刑場跡。

罪人の無念のマグが宿ったその土地では、悪霊ディブク(レベル2)と死体を求めるイツマデ(レベル11)*3が出没する呪われた地と化していた。

そして、その呪われた地に一つの声が響き渡った。

 

「【氷結ブースタ】【コンセントレイト】【マハブフーラ】!」

 

その猛烈な吹雪によって悪霊もイツマデも完全に凍りついて氷の柱へと変貌した後粉微塵に砕け散っていく。

怨念のMAGを根こそぎ彼のマグで塗りつぶしたので、少なくとも呪われた地ではなくなったはずである。

 

「あり……。」

 

「急いでるんで!よし次!どんどん行くぞ!!」

 

彼はガイア連合に入っている地方の依頼の中で、氷結弱点の異界をどんどんこなす事でマッカを稼ぐ事を選択したのである。不愉快になることもあったが、それでも背に腹は変えられない。

もうこれは機械的に淡々とこなしたほうがいいな、と判断した彼はもうマハブフーラを放つ機械と化した。

 

「うおお!俺はまるで人間冷却機だ!どんどん行くぞ!!」

 

魚沼の根拠地から各地をトラポートで駆けずり回った彼は流石に疲れたが溜まったのか、元公民館の中の休憩室で休んでいた。

(ちなみにもうすでに結界が張られ、防衛用のアガシオンが数体存在し、地下には避難用のシェルターも用意されている。)

これだけバンバンマッカを稼げば、多少の借金の返却はできるはずだ。

その副産物として、黒札内でも一目置かれるレベル30に到達できたのは幸いだった。

これなら、発言力もそれなりに増したはずである。

 

「はー、疲れた。やっぱり俺と相性がいい炎熱系の異界は自然と九州とか沖縄が多くなるみたいだなぁ。」

 

冷凍系の異界は北海道などに多く存在し、逆に炎熱系の異界は九州、沖縄に存在する事が多い。

式神がトラポートを覚えた彼には距離は問題ないが、九州地方は別方面の問題があった。

 

それは、メシア教の存在である。

元々一神教の流入や、隠れキリシタン、天草の乱などの影響によって九州は教会が多く、当然流れ込んでくるメシアンなども多数存在した。

そんな所に、九州に詳しくない田舎の黒札がふらふらと出かけたらどうなるか?

そのため、彼はガイア連合から依頼を受けると、魚沼からトラポートして異界にそのまま突入するという荒業を取っていたのである。

 

「よしよし、我が主は頑張ってますね~。どれ、妾がよしよしをしてあげよ……ぐえっ!」

 

優しい笑みを浮かべながら両手を広げるキクリヒメに対して横から割り込んでくる銀髪のロングヘアーと切れ長の瞳に玲瓏な容貌を持った女性が割り込んでくる。

 

「おっと、体が滑りました。すみません。マイマスター。胸なら私が貸しましょう。人型変化Aの肉体を得たこの体なら、人間の女性と全く同じであると判断します。」

 

それは、完全に女性型へと変化した【破裂の人形】である。

確かに人間変化Aの力により見事なモデルのようなスタイルの彼女は最早完全に普通の人間である。*4だが、変な癖が残ったらしく、瞳をピカピカ光らせたり、首を360度回転させるのはどうかと思ったが。

 

「お、おう……。」

 

そんなこんなでありながら、彼は農業研究部に出す霊的改良型コシヒカリの資料を纏めていた。

 

「よし、育成も順調。稲周囲の結界化も確認。育った米の霊薬化、霊酒化も確認と。できた酒は【越ノ氷輪山】だっけ。冷静になれる効果もそうだけど、覚醒者が酔える酒は需要ありそうだから今のうちからノウハウを積んでおきたい。」

 

「あとは、ノロイ米の方は、二重に封印されているだけあって黄泉パワー(仮称)が足りないらしい。

下手に封印を弱めてまた黄泉軍が沸いて出てくるのは勘弁してほしいけど……。

なんかこう、いい感じにフワッとできない?」

 

その彼の問いに、キクリヒメはさらっと答えを返す。

 

「できるわよ~。妾の権能は現世と黄泉と橋渡しであり、同時にその境界を守護する事、つまり生と死を繋ぐ役割をもってるから、封印を多少緩めて大岩周辺の黄泉パワー(仮称)を強めることは可能。

その地域に米を植えればいい感じに呪詛力が強まるんじゃないかな?」

 

さっすが神霊。しかも冥界と現世の境界を司るとも言える神だ。流石にショタおじの封印はどうこうできないが、大岩近辺なら多少は何とかなるらしい。

呪怨の効果が籠った呪的なオカルトアイテムならば、ガイア連合の天敵である天使たちによく効くはず。

つまり、商売の種になるはずである。

蠱毒皿という同じ効果を持つマジックアイテムはあるが、天使の無限沸きに対抗するためには、ムド系列のアイテムはいくら合っても足らないのが現状である。

 

「まー、穀物の神には妾から一応話は通しておくけど、「忌まわしき天使どもに効果的な米だと!?いいぞもっとやれ!!」って逆に推奨される予感がぷんぷんするけどね。」

 

そんなこんなで話をしていると、結界で覆われた元公民館の拠点に、足を運んできた女性たちがいるらしい。

凍矢が購入したイヌガミを従えた静は、そのまま彼女たちを拠点に招き入れると挨拶を交わす。

 

「ども、お疲れ様です。田舎ニキ。」

 

「あは~♪お疲れ様ですんご!!いつもお世話になってます!!」

 

彼女たちの名前は【辻野あかり】【砂塚あきら】【夢見りあむ】の三人*5である。

あかりとあきらはれっきとした黒札であるが、りあむはダークサマナーの血を引く現地人、いわゆる金札である。

(なお、カードの色は皆金色で統一されている)

元々ネットの繋がりを得た彼女たちは意気投合して【#UNICUS(ユニクス)】というユニット……もといチームを組んでいる。

あきらは新潟出身のため、地元新潟を守りたいという意見が一致し、ちょくちょく新潟の異界攻略に力を貸してもらっていたのである。

そんな中、あかりは真剣な顔をして、凍矢に対して話しかけてきた。

 

「ところで、お話があるんですがいいですか?

私たち、これまであきらちゃんの故郷である事もあって新潟の異界を潰してきました。

だったら、こちらのお願いも聞いてほしいんご。」

 

そして、あかりの話を聞いた凍矢は思わず顔色を変えた。

 

「……【ザオウゴンゲン】!?おいおい、そんなの俺たちの手出しできる相手じゃないぞ!」

 

破壊神【ザオウゴンゲン】

かの有名な役小角が主本尊として崇めた仏であり、釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩が融合したとされるその力は強大極まりない。本来なら何とレベル72に到達する超絶的存在である。

レベル30にようやく到達するかしないか、という彼らが対抗できる敵ではない。

というか、終末でもないのに、これほどの高位の悪魔が顕現してること自体が問題である。

あかりの話は山形県と宮城県の境に存在する【蔵王連峰】を支配している【ザオウゴンゲン】を攻略したいというのだ。

 

「あ、まだGPが低いみたいなので完全に力を発揮できないみたいデスよ。

多分、レベルはその半分の36強だと思いマス。

【ザオウゴンゲン】は日本神と同様に封印から解き放たれた状況ですが、ガイア連合に味方せずに、自らの拠点に籠って地脈を支配しています。曰く「我の力と地脈を利用したいのなら、実力をもって証明してみせよ」との事デスね。」

 

まるで見てきたように言うじゃん、と思ったが、実際に見てきて確認してきたのだろう。

蔵王はかつて修験道の場であり、その為に蔵王権現が祀られ、そのために山脈に蔵王の名前がついたとされている。それは、つまり蔵王連峰がこの周辺地域の地脈の要の一つであるという事だ。

【蔵王連峰】を支配下に置いている【ザオウゴンゲン】を倒せば、そこから発生する地脈をガイア連合が自由にする事ができる。

その地脈を制御できれば、山形県の霊的防御に大いに役に立つはずだ。

(ショタおじが出張ればあっさりと地脈を制御するなり、ザオウゴンゲンを倒すなりできるだろうが、)

 

「それに、これは魚沼、というか長岡近辺にとっても利益のある話だと思いマス。

蔵王権現は長岡の金峯神社で「越後中越地方の総鎮守」として崇められていマス。

しかも、越後三山の八海山は修験道信仰もあるため、ザオウゴンゲンの力が借りられれば八海山近辺の地脈を操れて、そして中越地方の霊的守護も増すはずデス。

田舎ニキにとってもこれは大きいプラスなのでは?」

 

確かに、それは故郷を守るために戦っている彼にとっては魅力的提案だった。

新潟全域の総鎮守であるキクリヒメと越後中越地方の総鎮守であるザオウゴンゲンの両方の加護が揃えばまさに盤石である。

さらに八海山からの地脈制御が行えれば、地脈結界を作るのもスムーズにできる。

だが、【ザオウゴンゲン】は雷撃弱点のはずなのだが、なぜ自分を誘ったのか?

その疑問に、あきらはこう答えた。

 

「何で田舎ニキを選んだのかというと、蔵王山脈は活火山である、という皆の認識とMAGによって蔵王山脈に存在する【ザオウゴンゲン】に【火炎無効】と【氷結弱点】が付与されたからデスね。雷撃弱点のザオウゴンゲンに対抗できるだけのジオ使い黒札とはツテがないので、それなら氷結特化の田舎ニキがいいかな、と。

向こうも樹氷のMAGによる【樹氷(氷結耐性アイテム)】は持っていますが、ストーン系でそれをはがして攻撃すれば何とかなるでしょ。」

 

なるほど、と凍矢は頷いた。それならば彼に頼るのも頷けるというものだ。

 

「マッカはそちらと山分け。しかもさらに、こちらから謝礼のマッカも払いマス。

これでどうデスか?」

 

そのあきらの言葉に、凍矢は頷いた。

 

「……ところで、ザオウゴンゲンとの戦いにりあむ連れていくの?避難させておいた方がよくない?」

 

「ダメです!私たちは三人で一体!離れるとかありえないんご!!」

 

「た、助けてー!この人の言う通りだよー!そんな強い悪魔とボク戦いたくないよー!!助けてー!」

 

そのりあむの叫びに、彼は、お、おう、と言葉を放った。

 

 

 

碧神 凍矢 男・20歳 転生者・覚醒済 Lv30

ステータスタイプ:【魔】中心の魔術師タイプ

耐性:破魔無効、凍結無効、衝撃耐性、

スキル:ブフ、マハブフ、ブフーラ、マハブフーラ、ブフダイン、

コンセントレイト、ディア、ザン、吸魔、氷結ブースタ、大魔脈

特殊スキル:ブフストーン作成、凍結弾付与作成

装備:檜の木剣、退魔銃(猟銃・ショットガン型)、カジュアル装備一式

 

 

 

仲魔:式神【破裂の人形】 Lv25

ステータスタイプ:パワー型前衛

耐性:物理耐性、精神状態異常無効、呪殺無効、氷結無効

スキル:ヒートウェイブ、グラムカット、デスバウンド、怪力乱神

トラポート、トラエスト、挑発、かばう、食いしばり、防御形態*6

汎用スキル:会話、食事、調理、性交、人型変化A

装備:無銘の刀、モーフィング装甲(現在はカジュアル系装備一式と同程度の防御力)

 

 

仲魔:妖魔アガシオン Lv18

物理耐性、火炎無効、

アギ、アギラオ、アギダイン、ムド、

ラクカジャ、タルカジャ、エネミーソナー、テレパシー

 

 

仲魔:地母神キクリヒメ Lv22

雷撃弱点、衝撃無効、破魔耐性、魅了耐性

ザンマ、タルンダ、メディア、リカーム

 

 

事務員:九重 静 LV6

スキル:ザン、 ベノンザッパー

装備:バッシュザブラックナイト(デモニカ)

イヌガミ(LV5)*7

高級アガシオン(LV5)

 

*1
両方とも氷結弱点

*2
両方とも氷結弱点

*3
両方とも氷結弱点

*4
イメージ的にはシンデレラガールズの高峯のあ

*5
小ネタ 転生者と現地の親友

*6
出典は真女神転生IMAGINE

*7
アサマチが持ってたイヌガミと同じ仕様

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