【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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読者様からご意見を頂いたので書き直してみました。
治療の代償として【ウブ】を何とかする件は取り消しになったので、ご了承ください。


第45話 脳缶の治療方法について。(3/25修正)

 さて、そんな風にほむらを弟子にしたり、パパ活動の子を守護らねばならぬと保護した凍矢だが、ここで一つのトラブルを抱えていた。

 それは、自室の中でガン泣きながら裸土下座をしている元パパ活の少女である。

 

「お、お願いします黒札様。お父さんやお母さんを元の姿に戻してください。そのためなら私何でもやります。裸で足を舐めろと言われたらやりますし、私の体は好きなようにしてくれて構いません。だから……」

 

「解った! 解ったから裸土下座はやめてぇ! こっちもやるだけやってみるから! お願いだから服を着てくれぇえええ!!」

 

 守護らねばならぬ、と考えている子に、泣きながら裸土下座された時の気持ちを答えよ。(配点、罪悪感)

 ほむらから見られたら軽蔑待ったなしのその光景を何とかするべく、むしろこちらが土下座しかねない勢いで凍矢はパパ活の少女を説得する。

 彼女は、メシア教によって両親が脳だけにされてしまった少女である。

 こちらは、トラウマを消去するだけではどうにもならない。

 脳だけにされてしまった姿から何とか元に戻す手段を探さなければならない。

 噂に聞く黒札ならば、この絶望的状況でもなんとかしてくれるかもしれない、と彼女は裸土下座しながら泣きついてきたのである。

 ともあれ、こんなところをほかの子に見られたら彼の社会的地位が見事に死亡していまう。

 何とか説得をして凍矢は、彼女に服を着させる事に成功していた。

 

「と、ともあれ、君の両親の件はこちらでも何とかしてみるから。安心……はできないだろうけど、しばらく待っておいてほしい。このオカルト業界、蘇生ですら何とかできるんだ。

 この状況からも何とかできる……はず」

 

 それを聞いて、彼女もほっとした顔を見せる。噂では黒札や悪魔の中では蘇生すら平気で行えるらしい。

 それならば、この状況でも何とかできると思うのは不思議ではないだろう。

 

「と、言うわけであの子の両親の肉体を治すために、ガイア連合に行ってくるからしばらく留守はよろしく」

 

 凍矢は、静に状況を説明するとそのまま『破裂の人形』のトラポートで山梨支部へと向かおうとしたが、静はそれを聞いて思わず彼を止めた。

 

「ち、ちょっと待って下さい。両親の肉体を治療するのって、もしかして凍矢様の自腹で行うつもりですか?」

 

「? 当たり前でしょ! あの子たちはウチの子なんだから困ってるなら助けるのが当たり前じゃん!! すぐ助けてあげないと!」

 

 えぇ……という顔をして彼を止めに入る静、それに加えて『破裂の人形』もそれに同意したので、彼もガイア連合に行くことは一旦ストップせざるを得ない状況になった。

 それに対して思わず(納得いかねぇー、俺可笑しい事言ってないでしょ?)という憤然とした顔になる凍矢。しばらくのすったもんだのあげく、何とか静は凍矢を落ち着かせることに成功した。

 

「まあ、落ち着いて下さい。別に救うのが悪いという訳ではないんです。被害者たちを救うのに、凍矢様の自腹をわざわざ切るのはどうか、という事です」

 

 その言葉に、彼もふむ、確かにと思わず頷く。

 

「まぁ、確かにそれはそうだけど……あんな穏健派とかに治療とか預けれないし。治療しても密やかに洗脳とかしてる可能性もあるから、ガイア連合の医療部に治してもらいたいのは譲れない」

 

 確かにそれはその通りだ。穏健派になんてあの脳を預けられないし、パパ活の少女も絶対に反対をするに決まっている。そもそも治療できるかどうかも分からない。

 信用できるガイア連合の医療部に預けるというのは譲れないラインである。

 

「逆に考えればいいんです。穏健派には被害者を治療するための金だけ出してくれればいいんです。あの氷原を修復するのも凍矢様が支払うなど理不尽ですから、その分も請求しましょう。穏健派にはしばらく財布になってもらえばいいんです」

 

 ほう、なるほど、と凍矢はその静の言葉に頷く。

 

「なるほど。治療はガイア連合で行って、その請求を穏健派に回せばいいのか。それなら納得がいく」

 

「向こうには散々迷惑をかけられているんですから、迷惑料として、凍矢様の借金代金や装備代などバンバン回してやればいいんです。それくらいしても文句は言われないと思いますよ」

 

 度重なる外患誘致、被害者への不誠実な対応、独力解決出来ない失態。

 確かに穏健派には多大な迷惑をかけられているのは事実である。

 迷惑料ぐらいもらってもバチは当たるまい。

 

「個人的には、穏健派はこの地から叩き出しても文句言われないぐらいの失態を行ってると思いますよ? 

 ガイア連合にも過激なアンチメシアンな黒札様は大量にいるのでは? 彼らの力を借りれば追い出す事はできそうですが」

 

 ううむ、とその言葉に凍矢は思わず腕を組んで考えこんでしまう。

 

「けど、穏健派を追い出すのに問題ない、と黒札たちが判断すると、我も我もと穏健派を次々に追い出して、バタフライエフェクト起こして予測不可能になりそうだし……とりあえずは保留。

 強めの勧告だけ行って、後は財布代わりとして治療費とか氷原の修繕費とか送ってもらおう。あとは慰謝料として色々ふんだくってやればいいか」

 

 とりあえずこれで様子を見るか、とふうと息を吐いた凍矢を、静はジト目で見ながら言葉を放つ。

 

「……後、人の良さは人間としては美点ですが、デビルバスターとしても上に立つ者としても大きな欠点となり得ます。凍矢様は、もう少し非情さを身につけるべきかと」

 

 それはかつてマキマネキにも言われた事である。

 うぐぅ、反論できねーと凍矢は思わず黙り込んでしまうが、それに対して静は、はぁとため息をつく。

 

「まあ……。そこらへんは私たちができる限りカバーしましょう。

 足りない部分を何とかするのが部下ですから。それに、人としてその心は好ましいものですから」

 

 


 

 ともあれ、凍矢は、費用は全て穏健派に回す事にして、さっそく脳だけにされてしまった両親を持ったままガイア連合の本部へとトラポートしていった。

 

 

「ふむ……。まあ、結論からすれば何とかなる」

 

 ──―ガイア連合、山梨支部。

 その中にあるいわゆる治療部と呼ばれる部門に、凍矢は足を運んでいた。

 彼と話を行っているのは、ブラックジャックのそっくりさん、通称『黒医者ニキ』と言われる男性である。*1

 ブラックジャックのそっくりさんなだけあって、その医療技術、治療技術は凄まじい物がある。

 この状況ならば某フェイスレスよりも、こちらの方が頼りになるだろう、と話しを持ち込んできたのだ。

 

「脳缶になった人間たちの回復方法だが、手段はいくつか存在する。

 まずは【いわゆる「シキガミボディ」を使って肉体を補う】

【高位のディア系の魔術を使って細胞を培養し五体を復活させていく】

【【リインカーネーション】*2【パトリカーム】*3【万生母胎】*4【母なる創造】*5と言った肉体を復元させる特殊スキルを使う】こんな所か。

 ……裏技として、脳を潰して死亡扱いにしてサマリカームで復活させるという手段もあるが、失敗する可能性もあるのでお勧めはできないな」

 

 この脳だけの状況は、「生きてもいないが死んでもいない」という特殊状況なので、安易にリカームやサマリカームなどが通用しないのが難点である。

 これを何とかするためには、失った肉体を何とかする特殊スキルや特殊呪文などが必要になってくる。

 

「まあ、これらの手段だが、それぞれ問題点がある。

 シキガミボディは……単純に高い。これで失われた肉体を補っていてはシキガミボディがいくらあっても足りない。

 ディア系の魔術で五体を復活させるのは、単純に時間がかかる。さらに本人のリハビリも非常に大変となってしまうだろう。さらに特殊スキルの【万生母胎】はエキドナのスキルで、実質悪魔人間として転生させるのも同義だ。

 確かにエキドナの眷属として生まれ変わるので、失われた肉体を補填できると同時に悪魔としての戦闘能力も獲得できる。だが、代償として「エキドナの子」となるのでエキドナに逆らえなくなってしまう。

【母なる創造】も同様だな。アシェラトの力で肉体は再生できるが、覚醒者でもない一般人が再生した場合「アシェラトの子」としてアシェラトの紐付きになってしまう」

 

 確かに、この状況でシキガミボディを使うのはオーパースペックというものだ。

 ディア系の魔術の方法は時間も手間もかかるし、肉体を取り戻した後でもリハビリも大変になる。

 悪魔の紐付きであるエキドナの子として転生するのは却下だろう。

 ついでに悪魔の紐付きになっても生き残る力を求めるというのならともかく、この状況では不適格である。

 

「その点、特殊スキルや特殊魔術である【リインカーネーション】【パトリカーム】は瞬時に失われた肉体を修復できる。これならば瞬時に脳だけになった人間を元に戻せる。副作用もなく、しかも、パトリカームなら洗脳なども解除できるオマケつきだ。だが……今は需要が高すぎるため年単位で待つ事になる」

 

「現在、【リインカーネーション】【万生母胎】【パトリカーム】【母なる創造】のスキルを装備したマザーマシンはさらなる量産中だ。これらのマザーマシンが大量に開発されれば脳缶からの回復は格段に早くなる予定だが……まだ少数だしな」

 

「よし! それじゃさくっと手っ取り早く治る【リインカーネーション】でお願いしゃっす!!」

 

 ディア方式で時間をかけて五体を作り、脳自体の治療も行うのは、下手をすれば年単位で待たされる事になってしまう。

 それならば、さくっと手早く修復したほうがいい、というのが彼の考えである。

 脳にはMAG放出のために様々な薬も盛られているだろうが、【リインカーネーション】ならばそれらも全て治療してくれるはずだ。

 

 だが、脳だけにしてMAGを絞り取るだけにするというのは、メシア教の得意技だ。

 脳だけにされてしまった犠牲者は数千か数万か、どれほどいるのか検討もつかない。

 それらを元に戻してほしい、という人々が凄まじい数で順番待ちしているのは理解できる。

 その順番に横入りするためには、何かの代償を払わなければならない、というのは当然のことだ。

 

「解った。その割り込み代償として……まあ、穏健派にさらに多大な治療費を請求しておこう。

 元々穏健派がしっかりしておけばこんなことにはならなかったんだ。文句はいわせん」

 

 やっ↑たぜ↓

 凍矢は心の中で思わずそう呟いていた。

*1
「【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法」様から

*2
魂・肉体・精神を再生させる光を放ち、蘇生を施す特殊スキル。肉体を復活させるのはオリジナル設定

*3
死亡した者の身体に作用し、蘇生を施す魔法。

 味方1体に対して、最大HPの100%を現在HPとして、復活させる。更に、蘇生後10秒間、敵からの攻撃を無効にする状態変化(アタラクシア)を付与する。肉体を復活させるのはオリジナル設定

*4
死亡している味方がいた場合、次の連動効果が発動。「死亡しているランダムな味方単体をHP100%で復活させる」肉体を復活させるのはオリジナル設定

*5
死亡している味方単体を完全回復で復活させ、リディア状態にした後、味方のプレスターンアイコンを1つ増加させる。肉体を復活させるのはオリジナル設定

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