【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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当初の予定では、治療の代償として【ウブ】を団三郎狸に何とかしてもらうプロットでしたが、書き直した結果、取り消しになりました。


第46話 団三郎狸と佐渡の防衛

 ──魚沼、権現堂山。

 その山頂にはここに土着している妖怪、弥三郎婆が存在していた。

 リインカーネーションによって、両親を復活させてパパ活の少女と会わせて、感動の再会を果たさせた凍矢は、その次の要件である弥三郎婆に頼まれたとあるものを持ち運んで、ここまで来ていた。

(両親は精密検査やら健康診断やら何やらでしばらく山梨支部の医療部へと残るらしい)

 

「ふっふっふ。ついに来たようじゃな! 待っておったぞ!」

 

 そう、彼が『破裂の人形』と一緒にもってきたのは、とあるTVである。

 だが、これはただのTVではない。

 ガイア連合が作り出した、マッカによってみることができる特殊なTVである。

 

「まずはお主が運んできたこの【マッカ起動式てれびじょん】とやらを見てからじゃ。ここにマッカを入れれば、それを動力源として一か月は見れるのじゃな? 

 ふっふっふ。同時に鬼○郎のぶるーれい? とやらを大量購入した! これで見放題じゃ!!」

 

 凍矢が運んできたマッカ起動式TVと鬼○郎の大量のアニメブルーレイを見て、雪女郎はむふーと満足気に鼻息を放つ。

 護衛の仕事でマッカやらをためて購入したこれは電力ではなく、マッカを原動力にするため、電力がない地域でも見ることができる。

 おまけに異界でも映像を映すことができる優れものである。

 マッカを消費するのが痛いといえば痛いが、それでも終末後でも平気で動くように設計されている。

 

「よし! では行くぞ! あにめとやらの鬼○郎を見せてもらおうではないか!」

 

 俺まで付き合う必要なくない? と凍矢は思うが、まあ、とりあえずついでだし、と考えていると、やたら外がざわざわと騒がしくなっているのが気になる。

 せっかくこれからお楽しみという時に、なにを外で騒いでいるのか、と弥三郎婆はがらりと扉を開けて怒鳴りつける。

 

「ええーいやかましい! 一体何じゃ!」

 

 扉を開けたそこには、ざわざわと二十体前後の妖怪たちが家の前に集っていた。

 傷を癒している最中の数の少ない妖怪がこれほど集まることはそうそうないことである。

 集まってきた妖怪たちは、弥三郎婆に対して一斉に声を上げる。

 

「お前だけ狡いぞ! 我らにも鬼○郎を見せろ! (見せろー!)見せろ! (見せろー!)」

 

 どうやら、何かで自慢したのを仲間の妖怪たちがわざわざ嗅ぎつけてきたらしく、大挙してここまでやってきたらしい。

 一斉に声を上げる妖怪たちに対して、弥三郎婆はそれを一蹴する。

 

「ええーい、やかましい! ワシはゆっくりのんびりと見たいんじゃ!! さっさと帰れ!!」

 

 彼女からせっかく自分が苦労して購入したのを何で他の妖怪たちに見せてやらなければならないのか、という感情なのだろう。

 だが、妖怪の集団から進み出てきた一匹の【マメダヌキ】を見た瞬間、彼女の顔色が変わる。

 

「まあまあ、そう言わずに。せっかく皆ここまで来たのだから見せてやったらどうかな? 

 別に君の損にはらないと思うが?」

 

「お、お主はまさか……団三郎狸!! 佐渡の狸の総大将がなぜここに!?」

 

 そう、【マメダヌキ】として力を落とした分身として存在しているものの、それは確かに団三郎狸そのものだった。それは淡路島の芝右衛門狸、香川県の太三郎狸と並び、日本三名狸の一匹に属する存在である。

 二つ岩大明神として神社に祭られているほどの実力を誇る大狸だ。

 そんな存在が【マメダヌキ】としてこんな片田舎までやってくるというのは、さすがに予想外すぎた。どうやら、噂になっている黒札やガイア連合の様子を皆に紛れて見に来たという事らしい。

 

「む、むう……。お主がそこまで言うのなら仕方あるまい……」

 

 弥三郎婆が渋々そう承諾すると、一斉に歓声が上がる。

 どうやら彼の元にまで鬼太郎の評判は広がって、それで見に来たらしい。

 とはいえ、この人数でみんなでTVを見るのは無理があるので、プロジェクターを持ってきて、外でみんなで見ることになった凍矢は、至急プロジェクターの準備に追われることになった。

 そして、プロジェクターを使った鬼○郎のアニメは大好評で幕を閉じた。

 その準備の中、彼はふと気になったことを弥三郎婆に問いかけた。

 

「そういえば、傷を負っている妖怪たちもいるけどあれは?」

 

「ああ、あれはまだちょっと前*1の傷が治っていない妖怪たちじゃ。

 地脈の力が強い奥地に潜んでも中々治りにくくてな……。

 というか、傷が治っていないのに無理してくるなというのに」

 

「それじゃ、これで治るかな? ちょっと大人しくしてて」

 

 そういうと、凍矢は、ガイア連合の傷薬を塗ってみるとたちまちのうちに妖怪の傷は治っていった。

 長年かけても治らなかった傷が治っていくのをみて、妖怪たちは思わず驚く。

 

「おお、傷を癒せるとかすごいのぅ! こちらも治してくれんか!」

 

 そういうと、妖怪たちはざわざわと凍矢の元へと近づいてくる。

 妖怪たちは生命力は人間より優れているが、傷が癒えるのは人間より遥かに遅い。

 彼らに傷薬を塗ってやって、次々と傷を癒していく凍矢。

 

 しかも、俗に支社住まいと揶揄される地方在住の黒札にとっては、回復手段がないという辛さはよくわかる。凍矢はプロジェクターを用意するついでにガイアカレーを妖怪たちに奢って傷などを回復させようと準備した。ガイアカレーは食べるだけでHPやMPが回復する優れものである。

 しかし、それを見た妖怪たちは思わず怪訝な顔をした。

 

「何じゃこれ?」

 

「ああ、これは結構前*2日本に伝わってきた「かれぇ」という奴じゃな」

 

「何じゃこの茶色のドロドロは……こんなの食いたくないぞい」

 

 だが、そのガイアカレーは彼らによって不評だった。彼らにとっては「茶色のドロドロしているよくわからないもの」に見えたらしい。見慣れないものを口にしたがらないのは人間と同じである。

 ふむ、それならば、と凍矢はガイアカレーではなくとある物を用意する。

 

「むう! これは、粥か!!」

 

 そう、それはガイア連合【オートミール】つまりお粥である。*3

 このお粥はガイアカレーほどではないが、うっすら【回復促進効果】がある。これならば彼らも食べやすいと踏んだのだ。

 

「麦粥か米粥かは知らんが粥はありがたいな。おーとみーる? 何かよく解らんが要は粥じゃろ? 

 我らにとってみればこちらの方がありがたいわい」

 

「うむ、かれぇというのも悪くないがやはり粥のほうがいいのぅ」

 

「むう! この粥なかなかじゃな! おまけに傷も治る! 活力も出る! よいよい!!」 

 

「腹がくちくなったらあれじゃのう! 酒が欲しいのぅ!!」

 

 ふむ、と凍矢は考え込んで、試作品の「吟醸ゆめざくら」が悪魔……妖怪に通用するいい機会なのでは? と考えて、『破裂の人形』のトラポートを使用して、試作品の「吟醸ゆめざくら」を(勝手に)持ってくる。 

 サクヤヒメの力によって霊的に改造されたコシヒカリを原料にして作り出した試作品の「吟醸ゆめざくら」と「珍味のおつまみ」を持ってきた瞬間、妖怪たちから歓声が上がる。

 

「酒じゃ!」

 

「酒じゃ! 酒じゃ!」

 

「ありがたい! 飲め飲め! 久しぶりの酒じゃ!」

 

 久しぶりの酒を飲めるとあって妖怪たちは大盛り上がりになる。「吟醸ゆめざくら」には性格を友愛に変化させるという特性もある。それも良い方向に進んだのだろう。

 酒を飲んでいい雰囲気になった彼らは、オートミールや「珍味のおつまみ」を食べながら宴会モードに突入する。

 

「妖怪は♪ (それ♪)最高だ♪ (あ、よいしょ)妖怪は♪ (それ♪)最高だ♪ (あ、よいしょ)」

 

 そんな大宴会状態になっている中、【マメダヌキ】として存在している「団三郎狸」に酒を注ぎながら凍矢は話しかけていくが、逆に頭を下げられてしまい、宴会や傷薬の分のマッカやら金塊やらを手渡されてしまう。

 

「うむ、最近評判になっている黒札がどんなものかと実際に見に来たが、ここまで親切にされるとは思わなかったわい。傷薬やら何やら礼を言おう。

 しかし、ここまで我らに力を貸してくれる人間がいるとは人間も捨てたものではないのぅ。

 人間よ。ワシらの妖怪の長である魔王山本五郎左衛門と会ってみる気はないか?」

 

「いや(面倒くさそうなので)いいです……。それより要件というのは?」

 

「うむ、それは佐渡の防衛についてじゃ。 そなたたちガイア連合? がこの地の防衛に力を注いでいるのはよく理解した。だが、ワシらの根拠地である佐渡をどうするのかワシらには伝わってこん。

 佐渡にいる黒札? たちとワシらとの会合の場、意思疎通の方法を教えてほしいのじゃ。あとはこちらでそちらの黒札? とやらと話し合ってみよう」

 

 確かにそれは道理である。佐渡の防衛について佐渡の妖怪の総大将である彼の力を借りられればそれに越したことはない。

 佐渡など見捨ててしまえ、という意見も黒札の中にはあるが、新潟在住にとって佐渡が敵の手に渡れば喉元に剣を突き付けられる形である。

 それは防がなくてはならない、というのが、彼の考えである。

 

「ああ、そうそう。【佐渡金山】が異界化して大量の金や銀、銅資源などが取れるようになっておったようじゃぞ? 

 ワシよー知らんが、かなり純度の高い金やらが取れるようになっていたらしいからそちらの利益になるのではないか?」

 

 ええぇ……。マジィ……? これますます佐渡防衛が重要になるじゃん、と彼は心の中で呟いた。

 

 


 

 

 碧神 凍矢 男・20歳 転生者・覚醒済 Lv44

 ステータスタイプ:【魔】中心の魔術師タイプ

 耐性:破魔無効、凍結無効、衝撃耐性、精神無効(装備)、呪殺無効

 スキル:マハブフーラ、マハブフダイン、ブフバリオン、復讐の氷拳、

 コンセントレイト、吸魔、氷結ハイブースタ、大魔脈、氷結貫通、

 特殊スキル:ブフストーン作成、凍結弾付与作成、低レベル覚醒者への教育スキル

 装備:無銘の刀(予備)、退魔銃(猟銃・ショットガン型)、カジュアル装備一式、電撃の鞘、火炎弾

 

 COMPソフト【ナース・コール】【Mr.サプライズ】【百太郎】【ギボ・アイズ】

 

 

 仲魔:式神【破裂の人形】 Lv41

 ステータスタイプ:パワー型前衛

 耐性:物理耐性、精神状態異常無効、呪殺無効、氷結無効、火炎耐性

 スキル:怪力乱神、万物粉砕、モータルジハード、トラポート、物理貫通、挑発、かばう、食いしばり、防御形態、物理ハイブースタ、メギドラ、反撃

 汎用スキル:会話、食事、調理、性交、人型変化A、飛行

 装備:試作型プラズマソード、モーフィング装甲(現在はカジュアル系装備一式と同程度の防御力)ラウンドシールド、バスターランチャー

 

 

 仲魔:霊鳥ホウオウ(元アガシオン) Lv33

 物理耐性、火炎無効、衝撃耐性

 アギラオ、アギダイン、ムドオン、マカカジャ、トラエスト、ラクカジャ、タルカジャ、エネミーソナー、テレパシー

 

 

 仲魔:地母神キクリヒメ Lv35

 雷撃弱点、衝撃無効、破魔耐性、魅了耐性

 ザンダイン、タルンダ、メディラマ、サマリカーム、ディアラマ、マカカジャ

 

 

 事務員:九重 静 LV8(デモニカLV17)

 スキル:ザン、 ベノンザッパー、掃射

 装備:バッシュザブラックナイト(デモニカ)

『GM-01 スコーピオン(調整済み)』『GS-03 デストロイヤー』

 イヌガミ(LV12)

 高級アガシオン(LV12)

 

 

 転生体:秋葉ほむら LV15(LV上限35)

【ホノカグヅチ】の転生体だが、彼女にはその自覚はあんまりない。

 神の転生体の中でも現地民にしては優れた素質(LV35上限)と豊かな生体マグネタイトを所有している。

 ステータスタイプ:パワー型前衛

 耐性:火炎耐性、精神無効

 装備:【無名の刀】【雷撃の鞘】【退魔銃(ベレッタ M92FSのモデルガン改造銃)】【凍結弾】【アルメーブラウス】【アルメースカート】【お守り】

 スキル:アギ、アギラオ、ポムズディ、紅蓮の手刀(剣に炎を纏わせる) *4火之迦具土

*5

 

 

*1
大戦時

*2
彼ら基準

*3
小ネタ ゆかりさんは肥えらせたい!! 

*4
敵単体にクリティカル率80%の火炎属性の打撃型ダメージを威力150で与え、攻撃成功時、連動効果が発動『敵単体にクリティカル率80%の火炎属性の打撃型ダメージを威力150で与える』連動効果も含む、このスキルによるダメージは反撃効果・死亡時に踏みとどまるスキルを無視する。

*5
火炎貫通を得る。最大HPが50%増加。弱点以外で受けるダメージが60%減少。自身を含む味方が打撃型攻撃を受けたときと敵ターン終了時、連動効果が発動『1ターンの間、敵全体を消沈にする。攻撃成功時、敵全体に火炎属性の打撃型ダメージを威力70で与える』

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