【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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第5話 銀時ニキとのコミュ

その後、修行用異界に潜り、さらにレベル上げと実戦での戦い方を繰り返していた彼は、何とか回復魔術である【ディア】を覚える事になった。

回復魔術があるとのないのでは、雲泥の差があるのでこれはありがたい。

その後、黒札の伝手を辿り、ちょうど星霊神社に訪れていたある男性に出会う事になった。

それは四国の某所の『大赦』と呼ばれる霊能組織を取り込んだ通称『銀時ニキ』である。

彼は霊能組織を傘下に取り込むだけでなく、そこに【ジュネス】の支部を建築し、その地域一帯の霊的基地へと変貌させて、地域一帯を安定化させることに成功した。

彼からそのノウハウを聞くことができれば、凍矢の地域防衛という願望も進むはずである。

 

「という訳で先達の銀時ニキには、地方防衛の仕方をぜひご教授していただきたく……。」

 

「初手土下座やめろォオオ!トラウマが甦るから止めろォオオ!」*1

 

出会った瞬間に土下座を始めた凍矢に対して、銀時ニキは思わず叫びを上げた。

どうやら、あの件は彼にとっても大きなトラウマになっているらしい。 

 

「えっ?それじゃあの噂はマジなの?引くわぁ……。」

 

まさか現地人に裸土下座をさせたとか土下座をさせたまま足舐めをさせたとか

さすがに冗談だろ?と思った凍矢は土下座をしたまま顔を上げてドン引きの顔をする。

それを見て、銀時ニキの額に青筋が浮かび上がる。

 

「俺だって本気でやるとは思わなかったんだよ!お前そんな事言ってると教えてやらんぞ!」

 

「ああっ嘘です嘘。甘いもの食べ放題でおごりにしますからそんなに怒らないで……。」

 

甘い物に目のない彼は、糖尿病になるのではないか、と普段から心配されているほどの大量の甘い物を食べているため、そのチャンスを逃すはずもない。

凍矢も高級式神やら何やらで多大な借金を抱えているが、ここはそれを押して金を払っても聞くべき情報だと判断した結果である。

 

「ったくしかたねーなぁ。きちんと約束は守れよ。」

 

心底有難ッスマジアザッス!」

 

そんな凍矢に対して、銀時ニキは渋々と口を開いた。

 

「ったく……。とりあえず霊能組織もないんだって?よく持ってるなぁ。」

 

「異界の入り口にオンボロ結界があってそれで皆無事なんですが、いつまで持つことやら……。

霊能組織もない現状では、結界が破れたら少なくともウチの村はアウトですね。」

 

基本的に、その地域の名家と霊能組織は一体になっている事が多いが、メシア教の徹底的な弾圧によって霊能組織はどこもほぼボロボロの状態である。

霊能組織が事実上滅び、本人たちもほとんど霊能力のない名家などでは、もう滅びを待つしかないという所もある。恐らく、そこもそんな場所なのだろう。

その異界は凍矢が攻略できたとしても、終末が近い現状では恐らくそこかしこから異界が生まれ出て周囲の村が次々と滅んでいくことになるだろう。

そんな状況では、いくら一人が強いからと言ってもどうしようもない。

やはり、弱かろうと何だろうと人手が必要なのである。

 

「じゃあもう、お前さんが一から霊能組織作っちまえばいいじゃん。お前さんがトップだから何でもかんでも好き放題だ!何ならハーレム霊能組織とか作っても誰も文句言わないぜ?」

 

「……デメリットは?」

 

「クッッソ面倒臭くて手間も時間も金もかかる事!!

そりゃ一から組織を作るんなら当然だよなぁ。」

 

それはそうだ、と凍矢も頷く。

元からある組織を利用するのではなくて、自分が一から霊能組織を作り出そうとするとなると、手間も金もかかることは間違いない。

特に、いかにして霊能を持つ人間を集めるか、という点が一番のネックになる。

いかに強くてもたった一人では広範囲をカバーしきれない。

在野から霊能を持った人間を探し出してスカウトしなくてはいけないのだが、それをどう集めなければならないかが問題である。

 

「とりあえず、まずは人材から集めないとなぁ。

名家の連中に期待なんかするなよ?まあ、権力だけは持ってるから上手く使ってやれや。」

 

「名家の奴らより、そこらへんの一般人を覚醒させた方がワンチャンあるからなぁ。上手くすればR人材とか生えるかもしれんし。

後はそうだなぁ。現地民に式神パーツを移植させて覚醒させればそれなりに強くなって才能限界も突破できるらしいが、お前も知っての通り式神は順番待ちで大行列ができてるからなぁ。

そこに割り込めば他の黒札から大顰蹙買うだろうし。」

 

うーんと銀時ニキのその言葉を受けて凍矢は腕を組んで考えこむ。

銀時ニキは、自分の弟子に自分の血肉入りのアガシオンなどを渡したりしているが、もっと根本的に現地民の戦力をアップさせる方法を今のうちから考えておきたいのだ。

 

「何か手段とかないんですか?」

 

「ん~?そうだなぁ……。お前さんの自前の体を使えばどう?」

 

「じ、自前の体を使うって……。ホモォ……ってコト!?」

 

「違うわボケ!自分の血肉を使えっての!!例えば自分の血液を現地民に輸血するとか、怪我して吹き飛んだ手足を、手足のない現地民に移植してみたらどうかっての!

原理的には式神パーツと同じ原理だからイケるんじゃねーの?」

 

まあ、大人しくアガシオンとかイヌガミとか配って戦力アップさせておいた方がいいと思うけど、と銀時ニキはそう続ける。

確かに輸血などなら、血液型さえ合えば輸血しても拒否反応は問題ないだろう。

だが、式神パーツでもない転生者の血液や肉体を直接現地民に分け与えても大丈夫なのだろうか?

 

「けど、そんな事して拒否反応とか大丈夫なんですかねぇ?血液は同じ血液型の人間なら大丈夫かもだけど、式神パーツじゃなくて直接俺の肉体を現地民に埋め込むとかは……?」

 

「さぁ?そこまで俺知らんし責任とれねーし。制作班とか医療班とかに聞いてみればいいんじゃねーの?

まあ、その辺の一般人を戦力にするノウハウは、俺よりマキマネキ*2に聞いた方が為になるぞ?

あの人は変人ではあるけど、その辺の腕前は確かだから。」

 

マキマネキ。

それは、悪魔被害者の孤児やら復讐者やらを集めて、自前の対悪魔組織を作っている強者の黒札女性である。

地元霊能組織がすでに滅んでいた霊的防御の薄い土地などで、志願者や野良の覚醒者たちに力を与えてそこの地域防衛を行っているという凍矢からすれば先輩とも言える女性である。

地元からも、極めて頼りにされる胡散臭いが正義の女性、と言われている。

……これで、その目的が、『すべてを【完全無欠のハッピーエンド】にしてくれる理想の彼氏探し』でなければ、だが。

 

 

「『全てをハッピーエンドにしてくれる理想の彼氏チェーンソーマン』とか無茶にもほどがありますよねぇ……。」

 

「まーその辺テキトーに流して必要な情報さえ入手できればいいんじゃねーの?

目的はアレだけど、対悪魔のプロフェッショナル指揮官としては凄腕だし。

ともあれノウハウを聞き出すことは悪いことじゃねーだろ。

甘い物さえ送ってくれるのなら、こちらのノウハウをそっちに伝えてやってもいいぜ?」

 

 

心底有難ッスマジアザッス!」

 

こうして、銀時ニキとのコミュは終了する事になった。

 

 

 

 

 

碧神 凍矢 男・20歳 転生者・覚醒済 Lv7

 

ステータスタイプ:【魔】中心の魔術師タイプ

 

耐性:破魔無効、凍結耐性

 

スキル:ブフ、コンセントレイト、ディア

 

特殊スキル:ブフストーン作成、凍結弾付与作成

 

 

 

銀時ニキ無茶苦茶書きやすいなぁ、と書きながら実感しました。

 

 

*1
裸土下座足舐めをマジでやられた人だ。顔つきが違う。

*2
小ネタ 頭マキマさんな俺たち

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