【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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第53話 自衛隊との協力体制構築2&異界石油

 

 それから数日後、第30普通科連隊と連絡を取った凍矢は、彼らを異界【黄泉比良坂】へと案内していた。トラックで近くまで移動し、降りてきた彼らは一斉に凍矢へと礼をする。

 これは、第30普通科連隊の独断ではなく、第12旅団全体の判断であるらしい。

 まずは、最も近くのこの連隊でどの程度力を供給してくれるか様子を見るという事なのだろう。

 こちらとしても、群馬県・栃木県・新潟県・長野県を担当する彼らとは友好関係を保ちたいのが本音である。

 そんな彼らは、順番に【戦術甲冑 震電】に乗り込んでガキたちを倒し、覚醒していった。

 

『うおおお! 凄い!! 今まで見えなかった悪魔どもが視認できる!』

 

『今まで通じなかった銃火器が! 視認できただけで通用できる! マジすげえ!』

 

『うおおお! 撃て撃て! ガキどもを殲滅だー!!』

 

【戦術甲冑 震電】に乗り込んでガイア銃で次々とガキを倒していく自衛隊員たち。

 エネミーソナーで探知して、ガイア銃を放つだけで、そこにいたガキたちは倒されていく。

 いかに未覚醒でも、悪魔を視認して倒すだけで次々と覚醒していく。

 そして、覚醒した自衛隊員は【戦術甲冑 震電】から降りて、他の隊員たちと入れ替わりになってその隊員の援護へと回る。

 こうして、第30普通科連隊はどんどん覚醒者を増やしていった。

 それを凍矢は確認しながら、ふむ、とチェックリストを確認しながら言葉を放つ。

 

「よし、【戦術甲冑 震電】で悪魔を倒して覚醒できたのは、隊の5割ほどか。後は俺の血を輸血できる人は注射して覚醒させてと……。これで7割ぐらいは覚醒できるはず。後は【魔術アイテムとの接触】とか、【俺が指導者(メンター)になることで覚醒を促す】、と。それでも覚醒しないようなら……まあ独自でやってもらうしかないな」

 

 これで、おおよそ8割程度は覚醒できたはずである。

 ショタおじの覚醒授業からしてみても、驚異的な効率化といっていい。

 何より、彼らはあの何度も死に戻る過酷な覚醒授業を行わずに覚醒しているのだ。俺の時もこれが欲しかったなあ、と凍矢は思わず遠い目になってしまう。

(もっとも黒札は前世の死因も重要なため、これで覚醒するかは不明だが)

 

 ともあれ、うまくやれば8割もの隊員を覚醒させただけでも大戦果といえるだろう。

 あとの2割は独自で何とかしてもらうしかない。

 一度死を味わわせて復活させるという覚醒としては王道手段もあるが、手加減をミスって完全死亡になってしまうのも怖い。それならそちらで頑張ってもらってほしい、というのが凍矢の考えである。

 そして、そんな彼に対して、連隊の隊長である1等陸佐は冷や汗を流しながら話しかけてくる。

 

「ううむ、ガイア連合の技術力、やはり恐るべしですな……。それにしても礼を言わねば。覚醒のために骨を折っていただけただけでなく、『破魔弾』『呪殺弾』『G3マイルド』の入手の伝手まで供給していただけるとは……。どうもありがとうございます」

 

 第30普通科の隊長はそう言って凍矢に頭を下げる。

 彼としても国を守るために戦う彼らを好ましく思っており、ぜひ力をつけてもらいたいのが本音である。

 

「いえいえ、そちらにはぜひ悪魔と戦う力を身に着けてもらわないと。それでこちらの提案としましては、この【戦術甲冑 震電】をそちらに販売したいとロボ部……ガイア連合の技研から通達がありまして。レベル16……DLV53固定ではありますが、覚醒用の機械としては極めて優秀かと。

 こちらには、技研の伝手がありますので、ぜひ購入していただけたら、と……」

 

「解りました。至急検討させていただきます」

 

 震電は、G4Xなどのために大量の人工筋肉が必要とされているため、そちらの人工筋肉の流用なども行っている。

 そのため、レベル8固定から、倍のレベル16固定へと技術進歩の好影響が及んでいた。

 最新鋭のゴトウ部隊が使用している多脚戦車には多少劣るがそれでも十分戦力になるはずである。

 試作機ではあったが、現在生産ラインを整えているため、自衛隊からの注文にも答えることができるはずである。

 

『うおおお! 俺たちならやれる! 俺たちならできる! 俺たちが日本を救うんだ!!』

 

 よし、それでは覚醒特有の高揚でやらかさない内に『指導』を始めるよーと凍矢は無手で彼らの前に立つ。

 いかに自衛隊で統率が取れているとは言っても彼らも人間だ。覚醒特有の万能感が出るのは当然だろう。

 それでやらかさないうちに、ガキなどより遥かに強力な存在が山ほどいるという事をその身でもって知っていただきたい。

 

『クソッ撃て撃て!』

 

『弾幕を張れ! 近づけさせるな!!』

 

『ダメです! 冷凍弾は無効! 呪殺弾も破魔弾も効果ありません!!』

 

『アバーム!! グレネードだ! グレネード持ってこい!!』

 

 隊員たちの連射する弾丸を凍矢は疾走しながら掻い潜っていく。

 冷凍弾はそもそも彼は無効だし、破魔弾や呪殺弾も効果は低い。多少当たっても問題はない。

 

 凍矢は今までは後方支援系の魔術師スタイルだったが、それでもLV50になれば、覚醒したばかりの覚醒者たちが何とか目で追える程度の動きをすることができる。

 これが『破裂の人形』ならば彼らの目にも止まらぬ速度で動くことも可能だっただろう。

 

 それでも、彼らがやっと視認できるほどの高速で動く凍矢は彼らに手加減をした『復讐の氷拳』を叩きこんでいく。

 

『ぐぁああああ!!』

 

 彼の復讐の氷拳は、近距離だけでなく、中距離にも対応できるようにカスタマイズされている。

 その飛ばした氷拳で、できるかぎり彼ら自身には当てずに、余波の凍気で彼らを倒していく。*1

 

 覚醒したばかりの彼らが、DLV165にも到達する凍矢に敵うはずもない。

 あっさりと全滅した彼らは「自分は基本的に後方支援の魔術師スタイルである」と聞いてさらに宇宙猫の顔になったのだった。

 


 

 

「ようこそいらっしゃいました。わざわざここまでご苦労様です」

 

「どうも、初めまして。士村 桜といいます。よろしくお願いします」

 

 自衛隊の覚醒作業を手伝った後、彼は一人の女性と旧公民館内部で会話を行っていた。

 彼女の名前は、士村 桜

 ガイア連合霊山同盟支部の技術班のナンバー2。それが彼女である。*2

 天才であるシノさんをきっちりとフォローして様々な仕事を行っているのは、こちらにも聞こえてくる。

 

 コミュ障である凍矢としては、静に任せたかったのだが、黒札との交渉を金札に任せるというのは侮っているのか、と思われても不思議ではない。

 こちらも誠意を見せるためにあまり得意ではないが、きちんと黒札として説明を行うつもりなのである。

 彼女も化粧で隠してはいるが、非常に忙しいらしく何徹もしているのだろう。

 そんな彼女に対して、できるだけ誠実に交渉したいというのが本音である。

 

「お話は聞いています。魚沼にある異界石油採掘についてお聞きしたいのだとか。

 こちらからもご説明させていただきます」

 

 旧公民館から移動して、彼らは桜を魚沼神社近くに存在する油田異界へと案内する。

 油田異界の近くには、汲みだした原油を精製するための製油所や原油タンクなどといった設備なども建設されている。

 それを見ながら、石油異界についての解説を行っていく。

 

「まず、異界石油で特に石油を溜まっている所を探知し、効率良く産出するために、異界内部をダウジングで探索し、より産出しやすい箇所を見つけ出します。で、そこに試削を行います」

 

 後は、基本的には通常の油田掘削と変わりはない。

 ロボ部の協力で作り上げたロータリー方式の石油掘削機を使用して、石油のあるところを掘り当てていく。

 こういった、異界でも終末でも平気で動くメカニズムを作れるのはロボ部としての得意技といえた。

 

 そうして、掘り出した穴からその異界石油産出を行っているのは、ロボ部が作り上げたサッカーロッド・ポンプである。

 地上に往復運動をする装置を設置して、サッカーロッドを経由してパイプの底のピストンを駆動し、原油を汲み上げる。

 1800年頃から登場しているシステムであり、効率は落ちるが、構造が極めてシンプルなためこういった信頼度が高いほうが終末後での機械停止に備えて最適だと判断したのだ。

 もちろん、技術班であるロボ部が作り上げているので、終末後でも動くだろうが、構造がシンプルで信頼度が高い方がいい、という凍矢の判断である。

 こういったポンプ採油によってこの石油がくみ上げられている。

この石油利権は、黒札にとっても重要であり、これを活用することによって、借金を1/3から1/5にまで減らす事ができた。悪魔退治も合わせて、1/10にまで減らす事が今の目標である。

 

「なるほど……。こうやって異界で石油を産出しているんですね……」

 

「はい、あとは新潟の弥彦神社……祭神の天香山命は石油についての権能も持っているので、そちらで祭ればさらに石油の出がよくなるでしょう。もちろん、詳しい資料も揃えましたし、ロボ部に対して口利きは行っているので、異界でも動く掘削機などはすぐにでも作ってもらえると思います。何なら、それを解析してそちらで作り上げることもできるでしょう」

 

 現場を見た彼らは、その後一度旧公民館へと戻り、纏めておいた異界石油に対する資料などを手渡す。

 それと同時に、徹夜ばかりで大変そうな彼女に、できたばかりの『仙桃の果実』をカットして彼女の元へと差し出す。

 それを美味しそうに食べる桜を見ながら、おみやげに何個かの『仙桃の果実』を差し出して、彼はさらに言葉を続ける。

 

「あとは、ちょっと頼み事があるのですが、そちら霊山同盟支部には金札の人たちも多いのだとか。

 その人たちに対して、新潟で作った霊的改造コシヒカリをプレゼントしますので、できれば評判にしていただければありがたいかな、と」

 

 ふむ、と桃を口に運んでいる桜は考え込む。

 確かに瀬戸内異界のヒノエ米は黒札内部でナンバーワンで中々切り崩すことが難しい。

 それならば、現在彼らが作っている霊的改造コシヒカリを金札専用としてブランド米化したほうがいいのではないか、というアイデアである。

 

「なるほど。つまり黒札専用の瀬戸内異界のヒノエ米に対して、金札に対して働きかけて金札に対するブランド米にしていこうという手段なのですね?」

 

「はい、やはりヒノエ米に対抗するために、各地で霊的に改造されたコメを作っているのですが、玉石混交で中々そこから目立つのは難しいと……。それなら金札用のコメとして切り替えて作っていったほうがいいか、と」

 

 なるほど。それくらいなら問題ないか、と思いつつも、一応持ち帰って検討します、と答える桜だった。

 

 


 

 碧神 凍矢 男・20歳 転生者・覚醒済 Lv50

 ステータスタイプ:【魔】中心の魔術師タイプ

 耐性:破魔無効、凍結無効、衝撃耐性、精神無効(装備)、呪殺無効

 スキル:マハブフダイン、ブフバリオン、マハブフバリオン、復讐の氷拳、コンセントレイト、吸魔、氷結ハイブースタ、大魔脈、氷結貫通、アクエス*3

 特殊スキル:ブフストーン作成、凍結弾付与作成、低レベル覚醒者への教育スキル

 装備:無銘の刀(予備)、退魔銃(猟銃・ショットガン型)、カジュアル装備一式、電撃の鞘、火炎弾

 COMPソフト【ナース・コール】【Mr.サプライズ】【百太郎】【ギボ・アイズ】

 

 

 

 仲魔:式神【破裂の人形】 Lv47

 ステータスタイプ:パワー型前衛

 耐性:物理耐性、精神状態異常無効、呪殺無効、氷結無効、火炎耐性

 スキル:怪力乱神、万物粉砕、モータルジハード、トラポート、物理貫通、挑発、かばう、食いしばり、防御形態、物理ハイブースタ、メギドラ、猛反撃

 汎用スキル:会話、食事、調理、性交、人型変化A、飛行

 装備:試作型プラズマソード、モーフィング装甲(現在はカジュアル系装備一式と同程度の防御力)ラウンドシールド、バスターランチャー

 人間形態:シンデレラガールズの高峯のあ。

 

 

 仲魔:霊鳥スザク(元アガシオン) Lv39

 物理耐性、火炎無効、衝撃耐性

 マハラギオン、アギダイン、ムドオン、マカカジャ、トラエスト、ラクカジャ、タルカジャ、エネミーソナー、テレパシー、火炎プレロマ

 

 

 仲魔:地母神キクリヒメ Lv39

 雷撃弱点、衝撃無効、破魔耐性、魅了耐性

 ザンダイン、ジオンガ、マハタルンダ、メディラマ、サマリカーム、ディアラマ、マカカジャ、乙女の仲裁、

 

 事務員:九重 静 LV8(デモニカLV20)

 スキル:ザンマ、 ベノンザッパー、掃射、突撃

 装備:バッシュザブラックナイト(デモニカ)

『GM-01 スコーピオン(調整済み)』『GS-03 デストロイヤー』

 イヌガミ(LV13)

 高級アガシオン(LV13)

 

 

 転生体:秋葉ほむら LV20(LV上限35)

【ホノカグヅチ】の転生体だが、彼女にはその自覚はあんまりない。

 神の転生体の中でも現地民にしては優れた素質(LV35上限)と豊かな生体マグネタイトを所有している。

 ステータスタイプ:パワー型前衛

 耐性:火炎耐性、精神無効

 装備:【無名の刀】【雷撃の鞘】【退魔銃(ベレッタ M92FSのモデルガン改造銃)】【凍結弾】【アルメーブラウス】【アルメースカート】【お守り】

 スキル:アギラオ、マハラギ、ポムズディ、紅蓮の手刀(剣に炎を纏わせる) 火之迦具土、火炎ブースタ

 イヌガミ(LV13)

 高級アガシオン(LV13)

 

 

*1
フ○イブスター物語のヨーン・バインツェルの戦いかたのイメージ

*2
改造人間短編様『PROJECT G4』 page2

*3
氷の特性を少しずらして水系の魔術を覚えることができた

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