【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち   作:名無しのレイ

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この作品は、ほびー氏の「成功するとパパ活終了サマナーによる滅亡阻止計画」から強い影響を受けております。

ブログの冬色工房さんで紹介されていたようなのでとても嬉しいです。
どうもありがとうございました。


第89話 最終決戦、神霊クズリュウ戦、前編

 そして、ついに『その瞬間』がやってきた。

 メシア教過激派の最終決戦兵器、『対星神聖兵器エンシェントデイ』。そしてそれに対して戦うべく本気を出すショタおじ。

 エンシェントデイとの戦いの終わり、ショタおじは自らの体に封印していた悪魔王『ルシファー』を地脈へと叩き込み、地球は魔界へと落ち、融合した。

 そして、その多大な衝撃は地球だけでなく魔界にも大きな衝撃を与えた。

 それは、魔界各地に封印されていた悪魔に対しても同様であった。

 大きな衝撃、地脈の乱れによって、魔界各地に封印されていた悪魔たちが続々と封印を破って地上へと進出してきた。

 そして、それは魔界の最も奥深く、大封印とでも呼ばれる極めて強大な封印を施されている存在も例外ではなかった。

 

 ──神霊、クズリュウ。

 魔界の奥深くに封印されている九つの首を持つ極めて巨大な龍。その首の一本が日本列島へとなっているほどに強力な存在。

 もし、クズリュウが完全に封印が解けたら、魔界全土のみならず地球すら粉砕すると明言されているほどの強大な神霊。それを封印している封印術式にも影響を与えていた。

 完全に封印は解放されずとも、首一本程度なら封印外に出れるほどの隙間が空いてしまったのである。

 その隙を見逃すことなく、クズリュウは地球と融合した地上に出ようと荒れ狂った。

 だが、各地の有名な九頭竜神社はショタおじたちの手によって厳重に封印が施されていた。

 そして、荒れ狂った力は、ほんの小さな縁のある場所へと誘導されていった。

 

 地球が魔界に落ちた際の大地震と地脈の乱れ、そして大規模な混乱や悪魔の大量出現により、ガイア連合はどこかしこも大混乱へと陥っていた。

 それは、凍矢の拠点である魚沼も例外ではなかった。

 

「各地の結界の状態は!?」

 

「大丈夫です! 問題ありません!! 泡状結界にも異常なし!」

 

 魚沼旧公民館内部。そこではまさに戦場とも言えるほどの情報が入り乱れていた。都市各地の魔界に落ちた時の大地震による建物のダメージや崩壊などを確認して、悪魔が入れないように結界がきちんと発動してるかどうかのチェック、市民のシェルターの誘導、悪魔襲撃での警戒、怪我人の救護活動などやるべきことは山のようにあるのだ。

 

「正確な状況は不明だが、各地で大量の悪魔が沸いて出てきた上に地形も大規模変化を起こしているらしい! 住民たちにはシェルター内部で待機! 怪我人や建物が崩れていたら別シェルターへ! 

 シェルターに入れなくても、泡状結界で悪魔は入れないから安全だから家に籠っていろと伝えろ!!」

 

 何やらショタおじがエンシェントデイと戦って姿を消しただの何だのガイア連合内部は大混乱ではあるが、こちらも大混乱状態である。大地震による大混乱、そして魔界に落ちたことにより、GPが無効になり、平気でその辺から悪魔の大量発生してくると手がいっぱいいっぱいである。

 

「こちらに流れてきた難民たちは、地下シェルターや建物でできる限り保護!! 一杯になったら泡状結界内部にできる限り保護してやってくれ!! それから……!!」

 

 そんな中、ズズズと再び大きな地鳴りが彼らへと襲い掛かる。あれだけの大地震の後にまた大地震が来るのか? と身構えているなか、旧公民館内部にキクリヒメが飛び込んでくる。

 

「来ましたわ!! 対クズリュウ異界内部の九頭竜木像に神霊クズリュウのMAGを確認!! もうじき降臨しますわ!!」

 

 ある意味予想通りドンビシャではあるが、このクソ忙しい時にご丁寧に追い打ちをかけてこないでもよかろうに。だが、アレと戦えるのは自分たちしかない。凍矢は、静とほむらやアリウススクウッドたちにこの場を任せて、対クズリュウ異界内部へと向かう準備を始めた。

 

「ええいクソ! このクソ忙しいのに……!! 悪いがこちらは任せた!! 俺たちはクズリュウ迎撃に向かう!!」

 

 ──―対クズリュウ異界内部。巨大な山脈すら内包しているその異界は強大なMAGによって空間自体が震えていた。それを発しているのは、祠に内蔵されている『九頭竜木像』

 その地脈を通して流れ込んでくる膨大なMAGに堪え切れずに、木像は木端微塵に砕け散ると、そこから凄まじい勢いで何かが天空へと向けて伸びていく。

 それは伸びていく過程でしっかりとした形へと変化していく。

 それは、土と岩石で構築された強大であり巨大な龍の姿。それが構築されつつある中、この異界内部に何かが飛び込んできた。

 

「ぐぁあああああ!! 腕が取れるぅうううう!!」

 

 グリスブリザードを装備している凍矢は、戦闘機モードになり、光翼を展開しながら超音速で飛行する『破裂の人形』の一部を必死で掴みながら何とか高速飛行についてきた。

 通常の人間とほぼ同じ『破裂の人形』が変形した戦闘機モードでは、凍矢は搭乗できるコクピットなど当然存在しない。『破裂の人形』と同じ速度で移動するためには、しがみつきながら飛行を発動させるという手段しかないのである。その後ろからは、飛行能力を得ているキクリヒメとスザクも追いかけてくる。

 

 念のためにロボ部が開発した『魔翼機バイアクヘー』*1も連れてきている。

 だが、バイアクヘーは攻撃用として連れていきているのではない。バイアクヘーを連れているのは『探知機』としてである。

 九頭竜は、クトゥルーと同一視されることがあるため、クトゥルーが実際にアメリカに表れている以上問題はないとは思っているが、念のためクトゥルーのMAG探知機として連れてきたのである。

 そのバイアクヘーが静かだということは、クトゥルーの干渉やらなにやらはないと見える。他にも一応対狂気礼装や、ロボ部に【切り札】も頼んだがどうなることやら、である。

 

 山脈を超え、まさに天を衝く異常なほどの巨大な竜体。その竜体はまるで空を突き破らんと一直線へと空へと伸びていく。

 そこらの山以上の巨体は、まさに魔界や地球すら破壊すると言っても過言ではない。

 

『グァアアアアアアアア!!!』

 

 封印から解き放たれた九頭竜は、それを祝福するように天に向かって吠える。

 未覚醒者が聞けば、それだけで狂気に陥ってパニックを起こすか、最悪魂まで打ち砕かねないほどの強烈な咆哮。唯一神もルシファーも干渉していない九頭竜の目的はただ一つ。

 目につくものを全て破壊しつくす事である。

 九つの頭が揃えば地球も魔界も破壊できると明言されている九頭竜。

 その頭の一本だけでも、日本を破壊するのに十分だろう。……そう、この日本に黒札とショタおじがいなければ。

 

>神霊クズリュウ LV80

 

 凍矢も弱体化のために色々手を打ってみたが、やはりLVは真・女神転生2のLV80そのままである。

 これ以上の弱体化は恐らくは無理なのだろう。ならば、正面から戦うまでのことである。

 きちんとガイア連合と交渉して、クズリュウを倒した際には大量の報償金が手に入るようにしてある。

 その報償金があれば、今まで抱えた借金もそれなりに返せるはずである。

 

「行くぞ! 先手必勝マハアクアダイン、ウォーターカッター!!」

 

 グリスブリザードを纏っている凍矢は、アナライズを終え『破裂の人形』から手を放すと、そのままクズリュウに対して横凪のマハアクアダインを使用したウォーターカッターを叩き込む。

 その横凪の水の刃は、クズリュウの首に直撃するが、水でクズリュウの肉体を構成している岩や土を弾き飛ばしていくが、これで首を一刀両断とはならなかった。

 それどころか、表面の皮(岩石)を切り裂いた程度の威力である。さすがクズリュウといったところか。

 

『…………?』

 

 クズリュウは、攻撃を仕掛けてきた凍矢に対して不思議そうに小首を傾げる。目の前にいるのは、大した運命力もないただのモブ程度の存在だ。

 クズリュウからすれば蠅や蚊程度の存在でしかない。自分を戦うのは強い運命力を持つ”主人公”だとクズリュウは本能で悟っているのだ。

 

 クズリュウは世界を砕くモノ、世界を救う”主人公”を砕くモノ。

 そのために、”主人公”に対しての特攻兵器ともいえる【山津波】を所有しているのだ。

 これはバグゆえにあなたがパーティー人数分攻撃されるという不条理な技なので、状況によっては死んでしまう恐れもある。

 いかに首が一本といえど、これだけで十分”主人公”を倒せると自負している。

 それをたかがあんな運命力の低いモブ……強いだけの蠅ごときに使うわけにはいかない。

 

グガァァアアアッ(暴れまくり)!』 

 

 クズリュウは咆哮と共に、その巨体を生かした全体攻撃を凍矢たちに対して叩き込む。

 その竜体はうねり回り、クズリュウの周囲を飛行している凍矢たちを巻き込んで攻撃を仕掛けていく。

 

 飛行形態の『破裂の人形』は凍矢をかばってダメージを受けると、そのまま飛行しながらバスターランチャーの砲台の先をクズリュウへと向ける。

 

「【万能ブースタ】【メギドラオン】ッ!!」

 

 バスターランチャーから放たれた凄まじい光を放つメギドラオンは、光の奔流となってクズリュウへと突き刺さる。並みの悪魔なら食らって消滅しているメギドラオンをまともに受けて、クズリュウは多少のダメージしか受けていない。

 

「【コンセイトレイト】【氷結貫通】【氷結ハイブースタ】【マハブフバリオン】!!」

 

「【火炎ギガプレロマ】【火炎貫通】【マハラギバリオン】!」

 

「【雷撃貫通】【マハジオダイン】!!」

 

 メギドラオンを始め、空間自体を凍り付かせんばかりの猛烈な広範囲の冷却攻撃。そして、火炎攻撃に雷撃攻撃。それらを纏めて受けて、さすがのクズリュウもダメージを受ける。

 これほどの超巨大な敵に対しては、単体攻撃よりも範囲攻撃のほうが効果的ではないか?と彼らはあえて範囲攻撃呪文を次々にクズリュウに叩き込んでいく。

 あちこちにダメージを受け、首部分の体表面を凍りつかせながら、吼えるクズリュウに対して、凍矢も吼える。

 

「行くぞクズリュウ!! お前を倒すのは主人公(ヒーロー)じゃない。ただのモブキャラだ!!」

 

*1
本作【オートバジン】技術開発班ロボ部【量産!!】Part.80

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