ほびーさんから「クズリュウはBS無効なので凍結は効かない」というお言葉をいただきましたが、まあノロイ酒の効果ということでひとつ。
生えてきた首を見て、凍矢はとっておきのアイテムである【宝玉輪】と【グレイトチャクラ】を使用して自分と味方の皆のHPもMPも全回復させる。
これから仕切り直しになるのだから、ダメージを残しているこちらが倒れかねない。
>神霊九頭竜 LV75
凍矢は仕掛けた弱体策により、再生した……というよりはもう一本の首を生やしたクズリュウは僅かなりとも弱体化はしている。
だが、神霊であり、災害の具現化ともいえるクズリュウにとっては、そんな小細工は多少LVを弱める程度にしかならなかった。
新しく生えてきたクズリュウの首は、ぎろり、と凍矢を見ながら判断した。
コイツは恐るべき敵であると。それならば、首の一つを使いきっても確実に仕留める必要がある。
『【山津波】【山津波】【山津波】!!
【山津波】【山津波】【山津波】!!
【山津波】【山津波】【山津波】!!』
自滅覚悟、自分の首を一本使いきる覚悟の【山津波】9連続攻撃。
山津波は10%体力を消耗するので、吸い付きでも使わなければ10発しか放てない。それを9発も放ったらほとんど首の一本は消滅するだろう。
首を一本使いきっても、コイツは倒すべき敵だ、と判断したのである。
この対クズリュウ異界内部全ての地面が盛り上がり、生き物のように脈動し、まるで大海の大津波のように大地が蠢き荒れ狂う。大地全てが敵となって襲い掛かってくる光景は、まさに大災害そのものである。
「【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
あああああああ!! 死ぬぅううう!!」
「【ディアラハン】ですわ~!!」
「【チャクラポット】!!」
「【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
もうやだぁああああああ! お家帰るぅううう!!」
「【ディアラハン】!!」
「【チャクラポット】!!」
「【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
【反気旺盛】【
ぎゃぁあああああああああああ!!」
「【ディアラハン】ッ!!」
「【チャクラポット】!!」
それに対して、凍矢はそれらに対して全てカウンターアタックを仕掛ける。
どうせ消滅する首にカウンターアタックを仕掛けても無駄なのでは? と思われるかもしれない。
だが、山津波の消費体力の超過分は次の首へとツケが回される。
これでさらに10%でも削れれば、次の首にかかる負荷が20%から30%へと上がる。
それ以上にダメージを与えればもっとである。
クズリュウの首が消滅していき、さらなる新しい首が生えてくる中、いくらなんでもこれで死ぬだろうと思っていたが、それでも生きている凍矢に対して、クズリュウは呆れたような声を出す。
『グゥウウウウ……! (いやおかしいだろ常識的に考えて。人間らしくそこは死んでおけよ……)』
>神霊
復活したクズリュウは、ますますクトゥルーの因子の影響が強くなってきたのか、体表面に無数の眼球や、無数の触手が蠢きだしつつある。
弱体化によるレベルダウンがないのも、恐らくクトゥルーの因子がそれを補填しているのだろう。
生死の反復飛びで、クズリュウのMAGが流れ込んできたのか、呆れたようなクズリュウの思念が伝わってくる。だが、クズリュウのMAGを取り込むということは、クトゥルーの因子を取り込むという事でもある。
因子とはいえ、そんなものを取り込んだら発狂の危険性がある。
それにこのままでは9回……いや、後7回も同じことをしなくてはいけなくなる。
持久戦になれば、先に尽きるのはこちらの回復アイテムやMPである。そうなれば、彼らはクズリュウにむさぼり食われる羽目になるだろう。
そうなれば、できる限り短期決戦で挑むしかない。ならば、”切り札”を切るべきだろう。
「仕方ない、『破裂の人形』本霊通信だ!! 【デウスエクスマキナ】に助けを求めてくれ!!」
「了解しました! 000111000 000111000 000111000!!」
本霊通信。
ゼロイチで作られた助けを求めるモールス信号は、空間を伝わって本霊【デウスエクスマキナ】へと伝わっていく。
『破裂の人形』が本霊通信で自らの本霊【デウスエクスマキナ】に助けを求めると同時に、魔翼機バイアクヘーが高速で飛行を行い、その機動で空中に巨大な五芒星を描く。
それと同時に、魔翼機バイアクヘーの上にとある幻影が浮かび上がる。
それはバイアクヘーの元になったペルソナ【ビアーキー】……ではない。
それより上位の存在、名状しがたいもの、星間宇宙の帝王、風を司る旧支配者の一柱【ハスター】のペルソナ。*1
「いあ いあ はすたあ! はすたあ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ あい あい はすたあ!!我に力を貸せ【旧支配者ハスター】!!そして、わが元に来たれ【デウスエクスマキナ】!!我にその力を貸し与えよ!!」
ハスターとクトゥルーは不倶戴天の宿敵同士であり、クトゥルーと戦いを挑む探索者に対してハスターは無償での手助けをすることも不思議ではない。
顕現したハスターのペルソナは、その魔風で五芒星内部の空間を破壊し、とある場所へと”門”を繋げる。
クトゥルーと敵対しているハスターは、クトゥルーの因子を持つクズリュウを嫌い、それを倒すために凍矢に力を貸したのである。
その異界と繋がった門から姿を現したのは、巨大な機械で構築された鋼鉄の巨人【デウスエクスマキナ】
その大きさは55m、重量は4254tほどの巨体だ。それほどの巨体では自重で動けないのでは? 潰れてしまうのでは? という心配は無用だ。彼は信仰は薄いがきちんとした神霊である。
それぐらいの物理法則を無視することなど平気でできる。
鋼で構築された力強き四肢。その姿はまさしく魔を断つ刃『デモンベイン』そのものだった。そしてその瞳にギン、と光が宿る。
そう、巨体を誇るクズリュウに対抗するための巨大ロボ【デウスエクスマキナ】
『破裂の人形』の本霊であり、それの特異性に目を付けたロボ部が様々に改造を施した神霊。
これこそがロボ部と凍矢の切り札である。これほどの巨体ならば、クズリュウとも互角に殴り合えるはずである。*2
元々、概念の薄い人造神である【デウスエクスマキナ】は、ロボ部の大規模な概念改良に加え、ロボ好きの黒札たちの信仰・信頼のMAG、そしてロボを信仰するロボ部の多大な信仰が流れ込んできており、例えば「士魂号かっけぇええ!!」*3や「トイボックスかっけぇええ!!」*4や「オートバジンかっけぇええ!!」*5などと言った黒札たちの憧憬や喜びのMAGは全て【デウスエクスマキナ】へと流れ込んでいく。
その膨大な”信仰”によって【デウスエクスマキナ】はクズリュウと殴り合いをできるほどの力を獲得したのである。
「うおおおおお!! 搭乗ッ!!」
凍矢と『破裂の人形』たちは【デウスエクスマキナ】に接近すると、そのまま胸部装甲が展開し、中のコクピットへと飛び込んでいく。
その中に既に存在しているのは、ロボ部が作り上げた式神【アル・アジフ】
『フィレタスの10世紀ギリシャ語版ネクロノミコン』を内部に宿し、さらにペルソナ機能付き式神である彼女はペルソナとしても【ネクロノミコン】を所有している。その危険性のため、這いよる混沌などからできる限り干渉できないように契約でガチガチに縛られているが、【デウスエクスマキナ】の制御については問題ない。
「うむ! ロボ部から話は聞いているぞ! 今回だけだが貴様に力を貸してやろう! 【デウスエクスマキナ】の制御は任せよ!!」
そのアル・アジフの言葉に頷きながら、凍矢は【デウスエクスマキナ】のコクピットにつくと、クトゥルーの因子を含んだクズリュウのMAGを【デウスエクスマキナ】にも奉納……というかある程度押し付けていく。
これは力を貸してくれる【デウスエクスマキナ】に対する報酬でもあるが、旧神ノーテンスを体内に秘める【デウスエクスマキナ】は、旧支配者を封印する能力を持っている。
それを使ってクトゥルーの因子を封印しようというのだ。
おまけに旧神と合体した今の凍矢は体内のクトゥルーの因子もその影響で封印・排除されていく。
「力を貸してくれ【デウスエクスマキナ】!! 報酬はこの地に漂うクズリュウのMAGを半分!! そして観戦してるロボ部の黒札の応援のMAGだ!!」
元々、【デウスエクスマキナ】は舞台の幕を引くために裁定を下す裁定神。クズリュウとの戦いの幕を引くために召喚されて戦うというのは、彼自身も内部の旧神ノーテンスも同意した。
クズリュウのMAGを半分というのは大判振る舞いにも見えるが、実際はそうではない。
クトゥルーの因子が混じっているクズリュウのMAGを吸収してしまうということは、そのままクトゥルーの因子も自分の中に取り込んでしまうということである。
対狂気装備は身に着けてはいるが、そんな因子など大量に取り込んでしまったらどんな危険性があるか分からない。
そのため、旧支配者を封印できるノーテンス内蔵の【デウスエクスマキナ】に捧げて、クトゥルー因子をついでに封印してもらう予定なのである。
その報酬に対して、【デウスエクスマキナ】も旧神ノーテンスも不満はなく、その代償として凍矢に力を貸すことに対して同意した。
【デウスエクスマキナ】はロボではあるが、同時に神霊でもある。通常のロボと違い人間が乗り込んでたやすく操縦できるわけではない。
【デウスエクスマキナ】が素直に言うことを聞くとしたら、それは余程相性がいい人間に限られるだろう。
承知した、と言わんばかりに【デウスエクスマキナ】の両目がギンと光を放ち、ギギギと純粋な機械で構築された肉体が起動する。
両足に搭載された時空間歪曲装置と、グライ系の重力制御の反発により、その巨体から信じられないほどの猛烈なスピードを出して、【デウスエクスマキナ】は空を舞う。
そして【デウスエクスマキナ】は両手を突き出すと、そこに魔銃【クトゥグァ】、魔銃【イタクァ】を構えてそこから超高熱と超冷却の弾丸を叩き込んでいく。
その弾丸によってクズリュウの肉体も吹き飛んでいくが、それだけではない。
クトゥグァとイタクァという強力な旧支配者の力により、クトゥルーの因子自体も吹き飛ばしているのである。次々と猛烈な勢いでクズリュウの表面の土や岩石が吹き飛ばされ、霊的にもクズリュウもクトゥルーの因子も両方吹き飛ばされていく。
イタクァもハスターと同じく風に属する旧支配者のため、クトゥルーの因子を持つクズリュウに対してより威力が増しているようである。
「ガァアアアアアアアア!!」
クズリュウは吠えながら、【体当たり】*6を仕掛けていくが【デウスエクスマキナ】はそれをガードしながら受け止める。普段は非効率的だ、意味がないといわれがちな巨大ロボではあるが、こういった巨大な怪物に対抗するときにはまさにとっておきの切り札となる。
その【デウスエクスマキナ】を見ながら、ジグザクに飛行している魔翼機バイアクヘーは物理法則を無視しながら、べきばきと変形を行うと、小剣へと変形する。
ツァール&ロイガー。
ハスターと同じく風の属性を持つ旧支配者である。恐らくハスターが命じて魔翼機バイアクヘーをツァール&ロイガーの力を注ぎこませ、変形させたのであろう。
その小剣と化したツァールとロイガーを今度は両手に持ちながら、【デウスエクスマキナ】はクズリュウへと切りかかる。
これらの剣技は全て『破裂の人形』の剣技であり、アル・アジフと同じように【デウスエクスマキナ】と合体した彼女は、自らの剣技や格闘戦のデータを【デウスエクスマキナ】へとフィードバックしている。
天敵である風の力を強く引き継いだツァールとロイガーの斬撃を受けて、クトゥルーの因子を取り込んだクズリュウには痛手なのか、苦悶の声を上げながら、のたうち回るクズリュウ。
「よし! それならこれを食らえ!!」
凍矢が操る【デウスエクスマキナ】はツァールとロイガーを合体させて、大型の十字手裏剣にも似たブーメランを形成する。
その巨大ブーメランは音速を突破し、まるで蛇を狙う隼のように大気を切り裂きながら襲い掛かり、一度だけではなく、物理法則を無視しながらクズリュウへと巻き付くように襲い掛かり、何十回もクズリュウの体表を切り刻む。
「グァアアアアア!!!」
特にクトゥルーの触手などが生えている部分にはツァール&ロイガーの刃は有効らしく、悉く触手は切り刻まれていく。
だが、戦いはまだまだこれからである。
・【デウスエクスマキナ】
『破裂の人形』の本霊。「機械仕掛けの神」。元は単なるギリシャ系の演劇の終わりに何もかもに決着をつける演劇の手法、舞台の機械装置だったが、「機械仕掛けの神」という概念が独り歩きし、「機械仕掛けの神」=「機械の神」へと変貌した。
元々そんなに大した力を持たない神だったのだが、ロボ部とロボ好きの黒札に目をつけられたのが運の尽き。
あれよあれよという間に戦闘用に改造させられたうえに、旧神ノーテンスと融合させられ、旧支配者封印能力を付与、さらにロボ部の黒札の信仰、ロボ好きの黒札の憧憬の大量のMAGを集め、強大な存在になり上がった。
元々それほど確固たる意志を持たなかった上に、機械の神というので、機械的な改造と相性が良かったというのがある。
今回は戦闘用だが、他の様々な姿や生産用の形態もあったり、相性のいい人間には代償なしで力を与えたりすることもある。
今回の形状は『デモンベイン』そのままの姿である。
【デウスエクスマキナ】のエネルギー源として、無限発電炉ヤマトならぬ、ヤマトの試作品有限霊力炉「フソウ」と「ヤマシロ」を暴走→縮退開始!→マイクロブラックホールを生成→縮退炉完成!!→今じゃパワーを【デウスエクスマキナ】に!!というアイデアもあったんですが、やっぱり真4的に危険すぎるかなぁと思案中