自傷少女は個性を呪う   作:名無しのおもちゃ箱

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プロローグ 呪い

私の名前は切裂 咲(きりさき さき)

 

今の時代『個性』を持ってることは珍しくない

もちろん私も『個性』を持ってる。

 

むしろ個性を持たない『無個性』と呼ばれる人の方が珍しいだろう。

 

ヒーローという職業が注目を浴びている昨今ヒーローを目指す人達にとって『無個性』というのは夢を諦めるには十分な理由である。『個性』を持っているからといってもヒーローになれるかという訳でもなくヒーローに向いていな『個性』も当然ある。そして自身の『個性』を嫌う人も当然のように存在する『個性』と体があっていない人もいれば体が異形の姿になっている人もいる。私も『個性』を嫌う1人だ。『個性』と言えば聞こえはいいが私はこれを『呪い』としか思ったことはない。

 

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「お前らも3年と言うことで!!本格的に将来を考えていく時期だ!!」

 

大声でそう告げる担任にビクつきながらも話を聞く進路希望のプリントを配るとの事だがほとんどの人が同じよう目標を掲げているだろう。

 

「だいたいヒーロー科志望だよね」

 

そのセリフを皮切りにハーイとの返事と共に個性を披露するクラスメイト個性使用は原則禁止のはずなのになどと考えていると

 

「せんせぇー一緒くたにするなよ!

俺はこんな『没個性』共と仲良く底辺なんざ行かねーよ」

 

机に足を乗せながらガキ大将とも言える爆豪勝己が周りを煽る当然のように周りの生徒は文句を言うが爆豪の志望校を聞いた途端驚きへと変わる。

 

「爆豪は確か『雄英高校』志望だったな」

 

『雄英高校』とは多くのプロヒーローを排出しており平和の象徴ことNo.1ヒーロー『オールマイト』の出身校でもある為毎年倍率が高く今年は偏差値79などという超難関校である。が、爆豪は模試でA判定を取っており『オールマイト』も超えると目標を語る。

 

「そいやあ緑谷と切裂も雄英志望だったな、切裂は普通科志望だけど」

 

視線が緑谷に多く集まる切裂にも集まったが普通科という事もあり緑谷には比べ物にならないほど少ない程なくして皆吹き出す。それもそのはず緑谷出久が『無個性』という事をクラスメイトは知っており『無個性』がヒーローになれない事は常識だ。緑谷は前例がないだけと言うが『無個性』が『個性』を使い犯罪を犯すヴィランに対応できるわけがない。救助に対しても『個性』を持ってる方が何倍も役に立つ。

 

「こらデク!!!」

「どわ!!?」

 

突如緑谷の机が爆発する。爆豪の個性だが見た目も派手な為威力が抑えられていても当然驚いてしまう。そこからは緑谷に対する嘲笑が始まる。それを他所に、

 

「切裂さんの『個性』って知ってる?」

「知らない」

 

などと会話してる生徒もいた。当の切裂は巻き込まれたくないので静かに気配を消していたが

 

「てめぇもだ根暗女!!!」

「!?」

 

爆豪は切裂を指さし言ってきたが切裂は全く聞いていなかった為意味が理解できなかった。

 

「なんでてめぇみたいなやつが同じ土俵に立てるんだ!!?」

 

どうやら普通科志望という事を聞いていなかったようで切裂にも凄んできたようだった。

 

「わ わ 私は、ふ 普通科志望だから!」

 

震える声で絞り出すように伝えると舌打ちをしながら爆豪は席に戻った。

 

ホームルームが終わると切裂は教室を1番に出る。欲しい小説があるらしく校門の方には向かわず近道をしようと学校囲むフェンスへと向かう、下の方が破れており簡単に出入りできてしまう。

 

「うひゃぁ!!?」

 

突如何かが降ってきたせいで変な声が出てしまった。降ってきたのはノートのようで鯉がいる池に落ちてしまっていた。流石に無視出来なかった為手に取ると『将来のためのヒーロー研究』と書かれていた。中にはびっしりとヒーローについて書かれており切裂は少し引いていた。

 

「あれ?切裂さん?」

「緑谷君?もしかしてこれ緑谷君の?」

どうやら爆豪に爆破され捨てられたらしい

「緑谷君はヒーロー好きなの?」

「っ!うん…」

 

俯きながら返事をする緑谷を見て申し訳なく思ったが続ける。

 

「それじゃあヒーローの個性にも詳しい?」

「え?知ってるけど…」

「ヒーローに個性を消せる人いないかな!!」

 

あまり声を出す方じゃないので緑谷と共に切裂自身もすこし驚いてしまった。

 

「それなら抹消ヒーロー イレイザーヘッドとかじゃないかな?見た人の個性を消せるんだって!」

「私もその人のことは知ってるけどそいうのじゃなくて…」

 

切裂も自分で調べていた為イレイザーヘッドのことは知っていたが欲しい情報とは違う

 

「個性を完全に消せる個性って知らない?」

「え!?そんな人は聞いたことないけど…」

「そっか…ありがとう」

 

緑谷にお礼をいいフェンスを潜り本屋へと向かう緑谷はどうしてそんな事を聞いてきたのか分からず立ち尽くしてしまっていた。

 

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目当ての本も買え家に向かっていると商店街の入口で騒ぎが起きていた。普段なら無視して帰ってしまうのだが、本を買い浮き足立ってしまっていたこともあり何があったのか覗いてしまう。商店街は火に包まれており商品や割れたガラスなどが散乱しておりその中心には爆豪と緑谷がヘドロのヴィランに襲われていた。

 

「あ!!?また子供が!今度は女の子だ!」

 

気づいた時には既に切裂は動いていた。自分でも何故こんな事をしているのかすら分からなかった。ただ体が勝手に動いていた。

 

「やめて!!その2人から離れて!!!」

 

震えるながらも右手にガラスの破片を握りしめてヘドロヴィランに対して叫ぶ

 

「切裂さん!?なんで!?」

「根暗女テメェまで!!なんで来た!!」

「ガキが!じゃまするなァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ザクッ」

 

どこからかそんな音が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」」

 

ヘドロと切裂の叫び声が重なる

 

「なんだこれ!?何が起こった!?」

 

ヘドロは理解ができず痛みに悶えていおり左手から出血している。

 

「俺の体は流体だから物理攻撃は効かないはずだ!そもそも誰にも刺されてねぇ!なのになんで!」

「ッゔぅ!お、お願い!!もうやめて!!」

 

切裂が叫ぶ

その右手にはガラスを握りしめ左手に刺していた

 

「テメェの仕業かァ!!」

 

自分の怪我が切裂によるものだと理解したヘドロは切裂に狙いを変える。

左手からガラスを抜き両手で握り自ら腹を刺す。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

「ッゔぅぅぅぅ…!!!」

 

あまりの痛さで切裂はうずくまっしまうがヘドロの動きを止める事には成功した。

 

「切裂さん!!大丈夫!!?…っえ!?」

 

緑谷が心配して駆け寄るが切裂の体を見てその異常に気づく切裂からは一滴の血も流れていない

 

「死ねぇ!!!」

「かっちゃん!!?」

 

ヘドロが切裂に狙いを変えたことにより爆豪が抜け出し爆発を喰らわす。

 

「お返しだヘドロヤロォ!!」

「テメェらおとなしくしやがれぇ!!!」

 

「DETROIT SMASH!!!」

 

再度襲ってきたヘドロをオールマイトが現れを吹き飛ばした。

 

その後ヘドロはヒーロー立ちに回収され警察に引き渡された切裂と緑谷はヒーロー達にものすごく怒られ逆に爆豪は賞賛された。

 

説教も終わり解放された頃には夕方だった、爆豪と緑谷が一緒にいたなどおかしいところがあるが疲れのですぐさま家に向かう。家に着くと着ていた制服を脱ぎ目立たないようガラスで刺した穴を塞ぐ体からは血は愚か傷すら残っていない、まるでそんな事なかったかのように綺麗な肌をしていたこの異常さこそ切裂の個性(呪い)『自傷』である。

 

「こんな体もうヤダ…誰も傷つけたくないのに…」

 

彼女の体はどんな怪我でも他者に押し付ける。

 

例えそれが死だったとしても

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