行間が詰まっていて句読点が少なくて読みにくいとの感想があったので調整してみました。
「飯田君がいなくなったってどういうことですか!!」
『とにかく居場所を突き止めてくれ!!頼む!!』
通信が切られた。それほどまでに切迫した状況なのが伝わる。職員達も頭を抱えてしまう。サイドキック達も今回の騒ぎで出払ってしまっているので誰もいない。居場所を突き止めても迎えに行ける人はおらず、だからといって放置する訳にもいかない。
「(考えろ…飯田君みたいな真面目な人がはぐれたとなるとそれなりの理由があるはず…マニュアルさんがあんなに焦っているってことは、今回の騒動が原因じゃない?…来る時様子がおかしいのと関係がある?…)」
精一杯思考を巡らせる。職員の人達よりも飯田とは関わっている。だから何かわかるはずだここへ職場体験に来るまでに飯田に違和感があったのは気づいていた、しかしその原因は未だにわかっていない。
「もうなんなのよ!最近じゃヒーロー殺しとかいうのも出てきてるっていうのに!!」
「!!」
ヒーロー殺し最近多くのヒーローが襲われており、今では保須市周辺で事件が起きている。飯田の兄もヒーロー殺しに襲われている。だとすると
「あの!飯田君ヒーロー殺しを見つけてしまったんじゃないですか!!」
「えっ!どういうこと?」
「彼はインゲニウムさんの弟です!もしヒーロー殺しのことを仇だと思っていたら!!…それに彼ここに来るまでなんか変でしたし…」
事務所内がザワつくそれもそうだろう、もし切裂が言う通りヒーロー殺しを発見し兄の仇討ちをしようとしているのなら危険すぎる。しかし、飯田の居場所は分からないまま不安だけが重くのしかかる。
手をこまねいているだけではいられない、どうにかして飯田がいるであろう場所を突き止めなければならない。
「あの!騒ぎが起きている近くで人気のない場所ってどこですか!!」
人気のない所、ヒーロー殺しが現れる場所がそこだ。騒動が起こったという連絡が来てからマニュアルがその場に行くまでの時間は短かった。ならば飯田も近くにいるだろうとの考えだ。しかし人気のない場所だなんて無数にある。しかも今いる職員達は戦闘など出来ない出ていったところでヒーロー達の邪魔になってしまう。
「私行きます!私なら怪我しないし、もしヒーロー殺しがいても目的がヒーロー社会の矯正なら一般人の私は襲わないはずです!!」
「駄目!危険すぎる!!」
認める訳にはいかない、切裂は雄英高校から預かっている生徒だ。そんな子を危険な目に合わせる訳にはいかない。しかし、雄英体育祭で見せた切裂の『個性』、運動能力ならばと頭をよぎってしまうのは確かで、ヒーロー殺しに襲われないと言うのも的を得ている。
「それにヒーロー殺しがいるって決まったわけじゃ…」
「ヒーロー殺しは出現場所で必ず4人以上襲ってます!保須市ではまだインゲニウム1人だけです!」
「!!」
言われてハッとする。ヒーロー殺しが何か理由があって人数を決めていると言う確証がある訳では無いが今まで40名のヒーローが襲われていることから切裂の言い分が正しい。
「…わかった、ただし戦闘はしないこと!危険だと感じたらすぐにその場から離れること!いいね!!」
「わかりました!!」
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「…今D地点!飯田君いません!!」
『了解!次はE地点エコー通り!!』
「了解しました!」
事務所の人と連携をしながら人気のない場所を探していく。普段から鍛えているとはいえ、あてもなく町を走り回るとなると流石にきつい、人気の無いところに絞っていなければ無理だっただろう。
「ッ!飯田君いました!…緑谷君!?轟君!?」
『何!?どうしたの?』
「飯田君の他に学校の子がいます!誰かに襲われて…!」
『切裂ちゃん!!?どうしたの!?』
気付いたら切裂は踏み出していた。飯田と緑谷は地に伏せており、たっているのは轟のみだった。その轟も襲われており、今まさに何者かに刀で切られそうになっていた。そんな轟を庇うように轟と刀の間に入り込んだ。
「切裂!!?」
「ちっ!」
刀を振るっていた人物は手を止め後ろへと飛び退いた。もし相手がヒーロー殺しでなければそのまま切られていただろう、切裂がそのことに気付いたのはヒーロー殺しが引いた後だった。
「切裂!お前なんで!!」
「飯田君がいなくなったって聞いて探しに来たの!!」
「そうじゃなくてなんで飛び出してきた!!」
「ヒーロー殺しならヒーローでも目指してもいない私は襲わない!!」
その通りなのだがそうでは無い、いくらなんでも危険すぎる。ヒーロー殺しがそのまま切裂を切っていた可能性だって十分にあった。とにかく切裂は戦いに来た訳では無い、一刻も早く飯田を回収しなければならない。
「切裂、飯田と緑谷を頼めるか、アイツの個性で動けなねぇみてぇだ」
「わかった、轟君も気をつけてね!」
「ハァ…立ち去れ小娘、子供が入ってきていい領域では無い…」
「なら見逃してくれませんか…私はただ迷子の友達を迎えにきただけです」
「その男を連れていく気なら…ハァ…例えヒーローでなくても邪魔をするのならお前も切るぞ…」
その瞬間切裂に鳥肌がたつ。今まで経験した事の無い殺気、道場の稽古で向けられる様なものや、ヘドロの時に向けられたそれとは違う。純然たる殺意。それを浴びて切裂は動きを止めてしまう。
「SMASH!!!」
「緑谷!!?」
「なんか普通に動けた!!切裂さん飯田君の事お願い!!」
ヒーロー殺しの『個性』から解かれた緑谷が一撃を入れた。コレにより切裂は助けられ飯田を助けられるのだが。
「…ご、ごめんなさい…足…動かない…」
「「!!!」」
「(バカか僕は!切裂さんは普通の女の子なんだぞ!ヒーローを目指してないただの優しい女の子だ!!)」
「緑谷!切裂連れてさがれ!!」
緑谷が切裂を抱えて後ろへさがる。ヒーロー殺しは切裂自体はそこまで気にしていないのか、容易に後ろにさがることが出来た。それでも切裂が狙われないという訳では無い。未だかつて無いほどの殺意に満ち溢れたそれに触れた切裂の体は震えており、無意識に緑谷の服を強く握りしめていた。
「(切裂さん、こんなに震えて…それもそうかヘドロの時とは違う完全な殺意!怖くないわけが無い!!)
大丈夫!!僕が来た!!!
(助けるんだ緑谷出久!友達を、この酷く優しすぎる女の子を助けろ!!)」