自傷少女は個性を呪う   作:名無しのおもちゃ箱

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幕開け

ヒーロー殺しが捕まり切裂、緑谷、飯田、轟は病院へと運ばれる事となった。切裂以外は怪我による治療の為という目的があり、切裂はというと検査の為との事。それらは建前という訳では無いが本当の理由は事情聴取でもある。ヒーロー志望の者もいるがヒーロー免許どころか仮免許すら持っていない者がヒーロー活動をするのは犯罪で変わりない。切裂に至ってはヒーロー活動をした訳では無く、居合わせたという関係となる。

今回の事件を公表すれば世間は緑谷達3人を称えるが処罰は免れないが、公表せずエンデヴァーの活躍ということにすることで処罰されることは無いとのことらしい。結果的にはエンデヴァーの手柄という事にし緑谷達の将来を守ると形となった。因みにこの後切裂が自分の首筋へとナイフを向けたことがマニュアルや事務所の職員にばれ叱られる事になる。

 

検査の結果としては誰一人として命に別状はなく緑谷は腕にヒビを入れてしまっていた。特に酷いのは飯田の腕であった、何かしらの後遺症が残ってしまう様だが神経移植をすれば問題ないらしい、しかし飯田は戒めとしてこのままにすると決めたようだった。その後神妙な面持ちで轟がハンドクラッシャー的な呪いかなどと言ったため3人が大笑いし始めた。

 

 

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「個性が発動しなかった?」

「…はい、ヒーロー殺しに襲われた時に1度使おうとしたんですけど使えなかったです。」

 

 

医師に相談をした。個性を使おうとしたのに発動することが出来なかった。今まで何度も苦しめられたこの個性が本当に使いたい時に使えなかった。この個性が無くなることは今でも願っているが誰かを守ろうとしているのに使えなくなるのは望んでいなかった。

 

 

「今は発動できるんですか?」

「はい、今は普通に使えてます。」

「では恐らくですが過度なストレスが原因だと思われます。」

「…ストレスですか?」

「雄英体育祭、私も見ましたが君が発動した時パニックを引き起こしていましたね。その心労が回復仕切らない状態でヒーロー殺しに出くわした。それらのストレスが原因で一時的に個性が扱えなくなったのだと思えます。」

 

 

雄英体育祭からそれなりに期間が空いていたはずなのにまだ回復しきれていなかったのか。医者も恐らくと言っているので確証自体はないのだろうがそういったケースがあるのだろう。診断を受けお礼を言うと切裂は部屋を後にする。そのまま帰っていいとの事だったので飯田達と合流しマニュアルの事務所へと向かう。

 

 

「…切裂くん、すまなかった。君にも迷惑をかけてしまった。」

「頭上げてよ飯田君!私行っても何も出来なかったし…それにどうせ言われるなら謝罪はやめて欲しいかな」

「そうか…では改めて言わせてもらおう!ありがとう!」

「うん…まぁ私何もしてないけどね…」

 

 

そんな2人の様子をマニュアルが眺めていた。怒っている様子はなくどことなくホッとした表情をしていた。もう飯田は二度とこのようなことはしないのだろうと思える。

 

 

「そう言えば切くん、あの時何故あんなことしたんだい?」

「うぅ…あの時飯田君の脚冷やしてたでしょ?あの状況でそんなことしてるって事はなにかあるかと思って、注意をこっちに向けさせなきゃって思ったの…結局飯田君怪我しちゃったけど…」

「(あの状況でそこまで視野を広げて尚且つ瞬時に対応したのか!?それよりも彼女、脚動かせないほど怯えていただろ!そんな状態で駆け寄ってきたのもおかしいがそんなことまで…)やはり君はすごいな」

「え?何の話?」

 

 

突然の賞賛を飯田からもらい困惑してしまう。そのまま説明をして貰えず訳の分からないままだった。

 

その後無事に職業体験は終わった。翌日に学校へと行くと保須市の話題で持ちきりだった。幸いな事に切裂の名前はニュースに出てなく、緑谷、飯田、轟の3人がエンデヴァーに助けられた様な構図となっていた。

 

 

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【オールマイト・緑谷side】

ヒーロー雑学の授業を終えオールマイトに呼び出された緑谷はオールマイトから個性の話を聞かされる。緑谷が発現したと言っていた個性はオールマイトから譲渡された物で、もとは他者の個性を奪い他者に与える事もできる個性AFO(オール・フォー・ワン)から生まれた物だと聞かされる。そしてその巨悪ともいえるAFOが動き始めたことそして緑谷がいずれその巨悪と戦うことになろうという事を伝える。

 

 

「緑谷少年…今この雄英高校で奪われたら不味い個性…なんだと思う?」

「えっ…色々あり過ぎてパッとは出てこないですけど…やっぱり彼女の…」

「そうだ、切裂少女の個性 自傷だ!アレを奪われたりしようものなら奴は手に負えなくなってしまう!!」

 

 

切裂咲の個性 自傷コレがどれだけ強力な力なのかは見た事のある人ならばわかるだろう。どんな攻撃を与えても自分自身が傷ついてしまう。巨悪に奪われようものなら文字通り手に負えなくなってしまう。緑谷にこの事を話したのは同じ中学で仲の良い人物だからと言うこともある。といっても残る学校生活もあと僅かにもなり夏休みが迫っている。夏休みの間、ヒーロー科は林間合宿へ行ってしまうためどうしようもない。

 

 

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【普通科】

 

 

「もうすぐ夏休みだけど切裂さんは予定ある?」

「…その前に期末テストだよ」

「それを言わないで…それより予定あるの?」

「夏休みはちょっと遠いけど本屋さんで小説家のサイン会やるかそれに行く予定」

「そういえばよく読んでるもんね!そのサイン会どこでやるの?」

「えっとね…神野区!」

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