個性 人間に生まれつき備わっておりほぼ4歳までに発現するもの。基本的に両親どちらかの個性、またはその複合的な個性を宿すことが多い。個性を持たない人を無個性と呼び、個性持ちと無個性かを見極める方法として足の小指の関節の有無で見極めることがある。無個性の人には関節が有り、個性を持っている人には関節が無いというものだ。
切裂咲には関節がない。個性の発現が遅く病院で調べて貰った結果わかったことだ。今まで自傷が自分の個性だと思っていたが、それは与えられた物であり本来の個性では無い。つまり切裂咲は自傷以外の個性を持っていてもおかしくない。
一つ目本来発現するはずだった切裂咲の個性。ずっと自傷に隠れて気づくことも出来なかったそれを今知ることとなった。
「折れた手足が再生している?いや違うな、治ってはいない……母親の操る個性か」
「余所見とは随分余裕だな!!」
「そんなことは無いさ。彼女に驚かされたせいで、反応が遅れてしまったよ。」
「驚いただと……そんな笑みを浮かべて何を言っている。」
AFOの口元がニタニタと笑みを浮かべていた。以前より個性を持っている確証があったようだ。
「そりゃずっと見てきたからね。個性を与えたその日からずっと!寧ろ僕よりも近くにいた君がなぜ気が付かない?君と彼女が出会った時から予兆があったというのに!!」
オールマイトと切裂が出会った時、それは中学時代初めて自分の意思で個性を発動させた日、緑谷と爆豪を助けようと自らを傷つけたあの日。
「なぜ中学生の女の子がヴィランの前にとびだせた?
そもそも個性を嫌っている子がなぜ個性を使えた?
なぜ自分自身を躊躇いなく傷つけられた?」
話が続く
「体育祭で同級生をなぜ殴れた?傷つけるのが嫌なのに?
個性を使ってパニックに陥った時なぜ直ぐに動けた?
途中から動きが変わったのに気づけなかったか?
ヒーロー殺しに出会った時、恐怖で動けなくなっていたのになぜヒーローを助けようとかけよれた?
思い当たる節はいくつもあっただろ。」
今思えば腑に落ちる点があった。
考えるよりも体が動いていたこと。
初めて個性を使った時体を傷つけられたこと。
体育祭で切島相手に一撃を入れられたこと。
爆豪と戦っている時に感じた引っ張られる感覚。
ヒーロー殺しと対面した時前触れもなく動けたこと。
これら全てが本来の個性からによるものなら納得が行く。
「自身の感情、痛みを無視し意思で体を動かす個性。いや、折れた手を扱えたことを見るに外部から体を抑えている。自らを操り人形のように操る個性か。
いい個性だ。しかも君は2つの個性に適応し、無意識ながらも2つの個性を同時に扱うことが出来る。それ加え体育祭で見せた、観察力、判断力、硬化をものともしない破壊力、相手の攻撃を全て躱し切れるほどの回避の技術。
決めた!君を脳無にしよう!!」
「そんな事させると思っているのか!切裂少女が離れた以上心置き無く貴様を倒せる!!」
「君こそ余所見していいのか?彼女は個性をたった今自覚したばかりだぜ?扱いきれると思うのか?」
「なっ!?」「おい!?止まれ嬢ちゃん!!」
既にオールマイトの横にまで切裂は来てしまっていた。そして体育祭で切島相手にみせたあの一を撃AFOに向けて放った。
「『衝撃反転』 なんだ?個性を使う時に僕を倒すとでも考えたか?」
「ゴフッ……」
「おっと、内臓が潰れたのか。まぁ脳が無事ならいいか。後で君にも『超再生』をあげよう。そんな傷すぐに治せる。」
「DETROIT SMASH!!!」
オールマイトが切裂とAFOとの距離を離す。AFOの言う通り内臓が潰れたのか血を吐いている。手足の骨は砕け動かす事もまともに出来ず動かそうものなら激痛が走るだろう。そんな状態にも関わらず切裂は動こうとしている。
「落ち着け切裂少女!!(なんて力だ!!)」
「それは僕のものだ返してもらおうか」
左腕を膨らませこちらに向ける。強力な攻撃が来るのは明らかでオールマイト、グラントリノ共に回避し反撃をしようとする。
「避けていいのか?」
オールマイトの後ろの瓦礫から女性が這い出ていた。それに気づくや否や切裂を後ろへと投げ飛ばす。
「君が守ってきたものを奪う。まずはその矜持。
惨めな姿を世間に晒せ平和の象徴。」
そこに居たのは頬が痩せこけ目が窪んだガイコツとも思わせるような男だった。