自傷少女は個性を呪う   作:名無しのおもちゃ箱

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ただ全力で

【見る】 これは切裂道場で特に重要視されていることである。相手の『呼吸』、『視線』、『体勢』、『足の向き』、『癖』等多くの事を観察し相手の得手不得手を把握する。そして相手の弱点を突く技を使用する多くの武術を習得する切裂道場では相手の弱点を見極めそこを突き自分の得意を押し付け戦う。そこで基礎を固めた切裂にの観察力はかなりのものになっている。

 

『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め…第一関門ロボット・インフェルノ!!』

 

目の前に巨大なロボットが複数立ちはだかる。ヒーロー科の入試で出てきたものらしい。切裂は先程入口を凍らせた生徒を見る。

 

「折角ならもっとすげぇの用意してもらいてぇもんだな…クソ親父が見てるんだから」

 

目の前のロボットを凍らせ突破する。何人か一緒に行こうとしていたが不安定な体勢で凍らせで凍らせたためすぐにロボットが倒れだす。

 

『1年A組轟!!攻略と妨害を一度に!!こいつぁシヴィー!!!…おっと!轟と一緒にもう1人抜けているぞ!!1年C組切裂だぁ!美男美女がトップで駆け抜ける!!』

「(こいつ!俺が凍らせると同時にこっち来たと思ったら一緒に抜けやがったのか!)」

「(また右側から…左側を使わないのはなぜ?…使わない…いや使えない?…別の役割?…それともただの作戦?とりあえず左側に寄っておけばまだ安心しできるかも)」

 

『1年A組切島!1年B組鉄哲!共につぶされてたー!!ウケる!!』

「(硬くなる個性?シンプルだけどこんな時は強いなぁ)」

 

観察をしながら足を進める切裂そんな時後ろから爆豪がロボットの上から越えて来た。

 

「半分野郎!メンヘラ女!待ちやがれ!!」

『…メンヘラ?あの子メンヘラなの?知ってるかイレイザー?』

『知るか…』

 

爆豪のせいで「切裂=メンヘラ」という間違った情報が全国に発信された。

 

『そーいや、切裂は爆豪に宣戦布告されたらしいな!普通科なのすげぇな!』

「先生達にも噂広がってるの!!?」

 

先日A組前で爆豪に宣戦布告された噂は既に教師陣にまで届いていた。更に爆豪は首席ということで選手宣誓をやり、既に分かるように爆破の『個性』は派手のため目を引く。そんな生徒に宣戦布告された生徒となれば注目を浴びるのは当然おかげで「切裂=メンヘラ」という情報も全国で認識されるのも必至。そうこうしている内に第二関門に到達していた。

 

『落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォール!!!』

 

目の前には岩場が点々とありそれをロープで繋いでいる。いつの間にこんなものを作ったのだろうか切裂と共にトップを走っていた轟はロープを凍らせ滑るように突破している。切裂はロープを一本づつ渡って行く

 

「(体幹を意識して…腕の力よりもロープを引く瞬発力!)」

 

渡りながら素早く渡る為のコツをインプットしていく。渡り切った後には轟は既に抜けており、後ろから追ってきていた爆豪、飯田等にも抜かされていた。疲労で痛い腕を擦りながら第3関門へと向かう。

 

『最終関門!!一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!』

 

よく見ると確かに地雷の場所はわかる。爆発の見た目は派手のようだが威力は大したことない先頭ほど不利な場所で調整がよくできている。前方では轟と爆豪が先頭争いをし始めた。しかし、見て走る事なら今この場おいて切裂ほど極めている者は居ない

 

『後続もスパートかけてきた!!!…っておい!なんだそのスピード!!?切裂地雷原をものともしない走りで駆け抜けていく!!』

『切裂の強みは正しくあれだな…かなり優れた観察力、瞬時に行動できる判断力そして何よりもそれらを加味して動ける身体能力…それら全てが飛び抜けて高い…何をしたらこうなる』

『てかそのまま爆豪、轟に追いついた!!おいおい!普通科が最後までトップに食い込むこと今まであったか!!?』

 

切裂にとって見えるのなら敵では無い、よく見るなんて事は普段からやっている。そうしなければならない『個性』に今まで悩まされてきたのだから。爆豪、轟に追いついたころ後方で大爆発が起こった。故意か偶然か分からないがその爆風に乗って緑谷が飛んでくるそして3人を抜く。

 

「デクぁ!!!!俺の前を行くじゃねぇ!!!」

「後ろ気にしてる場合じゃねぇ…!」

 

爆豪が爆発使い緑谷を追う、轟は地面を凍らせ走り出す。切裂は轟が凍らせた地面を走り出す無駄に目を酷使する必要はないそれに爆発での加速ならば確実に失速する。

 

「(体勢が悪い…このまま行けばあの二人は緑谷君を確実追い越す。着地からまた走り出すまでに私も緑谷君だけなら追い越せる)」

 

しかし、切裂の考えは外れた。2人が緑谷を追い越す瞬間緑谷は体を無理やり起こし持っていたロボットの外装らしきものを地面に叩きつけた。そこはまだ地雷原からは抜けてはいない

 

『緑谷間髪入れず後方妨害!!なんと地雷原即クリア!!イレイザーヘッドおまえのクラスすげぇな!!どういう教育してんだ!』

『俺は何もしてねぇよ奴らが勝手に火ィつけあってんだろ』

『さぁさぁ序盤の展開から誰が予想できた!?』『無視か』

『今一番にスタジアムに還ってきたその男』

 

『緑谷出久の存在を!!』

 

緑谷はそのまま1位でゴール切裂はその後爆豪、轟を追い抜かせず4位でのゴールだった。自分でも気づかなかったが切裂は負けず嫌いのようだった。最後爆豪、轟と競っている際割と全力で走っていた。その後続々とゴールインしていく。

 

「また…くそっ…!!クソがっ…!!!」

 

爆豪が悔しそうにしている爆豪は轟の後にゴールしているため3位上に緑谷、轟がいる。轟は知らないが緑谷に至っては中学時に下に見ていたのに今や自分よりも上にいる。その事実をうけいれたくないのだろう。全員がゴールすると順位が発表される。上位42位までが予選を通過し第二種目へと駒を進める。ほとんどがヒーロー科の人が進みその他の科からはサポート科から1人、普通科からは切裂と心操のみだった。

 

「さぁ〜て第二種目はコレよ!!」

 

画面には『騎馬戦』の文字が映し出された。3人から4人のチームを組騎馬戦を行う。普通の騎馬戦と違う点としてはハチマキを取られたり落車しても終わりではなくそのまま続行すること、第一種目の順位でポイントを振り分けられ各チームの合計ポイントを奪い合うというもの。

 

「予選1位通過緑谷出久君!!持ちポイント1000万!!」

 

上の者であればあるほど狙われる下克上方式の種目。1000万を取れれば突破確実となる。そんな緑谷と組もうとするものはいなかった。切裂は4位でゴールしたがほとんどががヒーロー科で見知った人はほぼ居ないとなると組む人は決まってくる

 

「…えっと心操君組んでくれないかな?」

 

唯一切裂と共に予選を突破した普通科心操だ。そして彼の個性であれば組むのも2種目を突破するのも容易くなる。

 

「切裂か…願ったりだ、俺も頼もうとしてたからな」

 

心操も同じだったようで2人はチームを組む残り2人だが心操が洗脳をしヒーロー科からメンバーに入れる。騎馬に切裂を入れ、騎手を心操が務める。この種目を突破するには心操の洗脳が必要不可欠なわけで相手騎手と直接会話がし易い位置にする。そして第二種目騎馬戦が幕を開ける。

蓋を開けてみれば大方の予想通り多くの人が緑谷チームが持つ1000万を狙う。1000万をとるメリットとしては突破が確実になる程度で全チームから狙われるというデメリットの方が大きい、もしそれでも狙うというのであれば1対1に持ち込む方が有利である。一方切裂達は序盤は緑谷達に集中した騎馬達からハチマキを奪うつもりだったが逆にハチマキを奪われてしまっていた。

 

「B組の人達手抜いてたみたいだね。心操くんどうする?」

「どうもしねぇあまり目立たないよう立ち回るぞ…俺の『個性』がバレでもしたら終わりだ。仕掛けるなら残り時間が少なくなってきたらだ」

 

心操の『個性』を使えばいくらでも挽回は可能だ、まだ慌ててはいけない。その間に観察をして弱点を探す。残り約5分轟チームが1000万を狙っているチームを妨害し緑谷達と1対1の構図を完成させていた。それを利用し切裂達は動き出す。轟によって足を止めたチームからハチマキを奪いつつ洗脳を使いまだ動けているチームから奪う。そうこうしているうちに競技が終了、3位に位置付けた。しかし

 

「俺辞退します。」

 

一緒のチームを組んでいたヒーロー科の生徒が言い出した。

 

「二種目目最後の方まで記憶が無いんだ…」

 

心操の洗脳によってその間の記憶がなく何もしていないのに続ける訳にはいかないらしい、もう1人のヒーロー科の生徒も同じようだ。

結果として同じチームからは切裂、心操が突破。辞退を申し出た2人の代わりにヒーロー科鉄哲と塩崎が出ることとなった。

第三種目開始までレクリエーションが行われる。その間切裂は休憩を挟もうとしていたが、クラスメイトに腕を捕まれ連れていかれる。レクリエーションは借り物競走らしくクラスメイトが持っている紙には『美少女』と書かれていた。

その最中ある人物が会場に向かっていた。

 

「いやぁ皆頑張ってるなぁ〜」

「お願いですから向こうで騒がないでくださいよ…」

 

親バカとそれをたしなめる声が聞こえた。

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