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切島対切裂の試合が終わり切島はリカバリーガールの元へ搬送され、切裂は控え室へと向かう。本来ならそのまま観戦席へ向かった方がいいのだが、試合前に控え室で待ってる際持ってきていた小説を取りに行く。そこでは麗日がいた。次の試合は麗日と爆豪だ、しかし緊張しているのか集中しているのかは分からないが様子が少しおかしい
「…あっ、麗日さん…そっか次麗日さんか、頑張ってね」
「…あっ、ありがとう…切裂さんもお疲れ様」
どことなくぎこちない会話があった。
「(スゴイ美少女やァァァー!!)」
麗日は切裂(美少女フォルム)を間近で見てそれどころじゃなかった。そんな事露知らず切裂は置いておいた小説を手に取る。そのまま後ろで結んでいた髪を解く。そこに緑谷と飯田が入ってきた。恐らく麗日への激励に来たのだろう
「あっ、切裂さんお疲れ様」
「むっ、何を言っているんだい緑谷君彼女は出ていないだろ?」
この人は何を言っているのだろう。さっきまで君と同じクラスの子と激闘を繰り広げていたというのに
「飯田君何言うとるん?切裂さんさっきまで試合しとったやん」
そう言うと麗日は切裂の方を向くそこには切裂(通常体)がいた。
「あれ?切裂さんどこいったん?」
「さっきからずっといるけど…」
「いや、切裂さんは切裂さんでもさっきまで試合しとった切裂さんの方で…」
「「「?」」」
緑谷を覗く3人が?を浮かべる。
「…えっと、切裂さん申し訳ないけど髪結んでもらってもいいかな?」
緑谷がそう言ってきた。中学が一緒の緑谷にとってどうしてこんな事になっているかはすぐに分かる。当時初めて切裂の変身を見てかなりの大騒ぎになったのはいい思い出だ。切裂が飯田、麗日の前で髪を結び(美少女フォルム)を見せると口を開けて放心状態になる。
「…私そんなに違う?」
「初めて見た人は皆こうなるよ…」
二人を正気に戻し緑谷が爆豪対策を練ってきたと伝えたが麗日はそれを拒否、挑戦をすると言い決勝で会おうと言葉を残しコートに向かう。
「そういえば切裂さんのお父さんが来てたよ」
「あっ、そうだった…まだヒーロー科の方にいるかな?」
「皆から説明攻めにあっていたからまだいると思うぞ」
緑谷、飯田に聞き切裂はヒーロー科の席まで走っていく。
「なぁ緑谷君、切裂君今髪結んでたか?」
「えっ、いや解いてたと思うけど…」
「それ大丈夫なのか?」
「…あっ!!」
ヒーロー科の観客席へ父親を探しに行く。そこでは飯田の言う通り皆から質問攻めにあっている父が居た。
「お父さん!?なんでこんなところにいるの!」
「おぉ、咲!お疲れ!」
「「「?」」」
「「あぁ遅かった!!」」
ヒーロー科の皆にも切裂(美少女フォルム&通常体)を見せ緑谷が説明する。爆豪に宣戦布告を向ける瞬間を見ていた人が多かったが切裂があまりにも違いすぎたため認識できていなかった。切裂父がここにいるのは一緒に来たはずの母とはぐれ道に迷ってしまいここに来たらしい。ヒーロー科の生徒からしては詳しく解説してくれるおじさんがいる為喜ばれていた。その間に治療を終え切島が戻ってきていた。
「さて、咲最後の一撃は良かった。すごくな!だから…もう二度と使うな」
「「「はぁぁ!?」」」
咲本人ではなくヒーロー科の生徒が驚く。咲もだが当然そんな事言われると思っていなかった。
「咲が来るまでに切島君の体を見せてもらった…」
切裂父の『個性』エネルギー視認は力の大きさ・方向・流れを見ることができるというものだ。切裂父の強さそして多くの技を習得している根幹がこの『個性』によるものだ。それを利用する事で身体の中の様子を伺うことが出来る。
「最後切島君がかなりの硬化を見せてくれたがアレが無ければ内臓が潰れてた。」
「…えっ」
「正直俺も咲がそこまでの一撃を使えるとは思ってなかったが、あの威力で使えるのなら話は別だ…」
「…」
咲は下を向いてしまう。最後は全力をやったそれがこんな結果になってしまったのだ。納得しようにも出来ない
「ちょっと待ってください!」
切島が声をかけた。先程かなりの威力を叩き込まれたのにもう動けるとは凄い伊達にヒーロー科に在籍してる訳では無い
「俺を倒した技を封じるんですか!そんな事したら切裂さんが不利になるじゃないっすか!それにアレは俺が耐えきれなかっただけだ!なんで切裂さんが!」
「…切島君、君が咲の事思って言ってくれてるんだとわかっているけど駄目なんだ。そもそも咲が俺に習っているのは誰も傷つけないためなんだ。だから使用を禁じる」
「なっ!なんすかそれ!」
「切島君、君のその拳が誰かを殺すものだとしたら君はどうするんだい?」
「それは…」
切島は黙ってしまう。切裂のあの一撃にはそれだけの危険性が含まれる。だから禁止にする。目的を見失ってしまってはいけない。
「でも…よく頑張った!よく向き合った!あの一瞬お前は切島君に挑戦した!自分の持てる全てを使ってな、こんな結果になったがそこだけは誇っていい!」
「…うん」
「だから次は自分に挑戦しなさい!」
「えっ?それってどういう…」
「居たァァァー!!」
突如大声が聞こえた。声がした方向を見ると切裂母がいた。
「はぐれたと思ったらこんなところにいて!広いんですから勝手に動かないでください!!」
「ちょっ、ごめんなさい、だから耳引っ張らないで!」
「あっ、咲お疲れ様。よく頑張ったわね。次も頑張りなさい!」
「う、うん…」
切裂父は耳を引っ張られ連行された。ちょうどその頃爆豪対麗日の試合が始まった。
終始突っ込んで行く麗日を爆豪は容赦なく爆破する。その光景はとても酷いだが
「体勢が低い…誘ってるんだね」
「えっ、それってどういう…」
切裂と緑谷が考察を始める。見に来ているヒーロー達から爆豪へとブーイングが飛ぶそれをイレイザーヘッドが止める。どれほどの人が気づけたのだろう、観客席から見ていて気づかず野次を飛ばしたヒーローは恥ずかしいだろう。体勢を低くして突っ込むことで爆発を下に向けさせ地面砕かせ、それを無重力にし空中に武器として貯めていた。麗日は無重力を解除し爆豪へと落としたが一撃で全てを粉々にされた。それでもなお諦めなかった麗日だが今までのダメージが残っており倒れてしまった。
麗日戦闘不能により爆豪が駒を進めた。コレで切裂の次の対戦相手が決まった。
ようやく普通科の観戦席に戻るとクラスメイト達から祝福される。過去普通科の生徒がトーナメント戦まで残ることは少ないまでもあったが二回戦まで進む者はあまりにも少ない。その場で声援をもらうどうやら次もわざと負けるという選択は取れないようだった。
二回戦第一試合
緑谷対轟の試合が始まった。
轟の氷結に対して緑谷は指を弾き氷結を破る。心操と戦った時にも見せたように指が折れ腫れ上がっている。
「(どうして左側を使わないの?使えば体が冷えるデメリットを消せるのに…)」
コートでは緑谷もそれに気づいたようだった。
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【コート内】
「震えてるよ…轟君」
折れた指で氷結を破る
「個性だって身体機能のひとつだ…君自身冷気に耐えられる限度があるんだろ…でもそれって左側の熱を使えば解決出来るもんなんじゃないのか…皆本気でやってる…自分ができる精一杯を出してる…勝って目標に近づくために…1番になるために…」
痛みからか怒りからかあるいは両方か震える緑谷
「半分の力で勝つ…まだ僕は君に傷一つつけられちゃいないぞ…」
折れた指を握り轟へと向かう
「全力でかかってこい!!!」
「緑谷…クソ親父に金でも握らされたか…イラつくな」
近距離での氷結ならば緑谷は対応できないとふんでか距離を詰め始める。しかし動きが鈍い、轟の右足が浮いた瞬間を狙い緑谷が飛び込み一撃を入れる
『モロだァァー生々しいの入ったぁ!!』
折れた指を握りしめ轟の腹に拳を入れる。後で治せるとはいえ自ら激痛に飛び込むのは生半可な覚悟じゃできない。何がそこまで彼を突き動かすのか誰にも分からない。
「君の境遇も、君の決心も僕なんかに計り知れるもんじゃない…でも全力も出さないで一番になって完全否定なんて今はふざけるなって思ってる!」
「うるせぇ…!」
「だから僕が勝つ!!君を超えてっ!!」
もう一度轟に拳を叩き込む。ほかの誰も知らない轟の事情唯一知っているのは緑谷のみだ。何となくだが二人には近しいものを感じる。だからだろうか緑谷は轟を助けようとしてるようにも見える。
「君の!力じゃないか!!」
突如として豪炎が立ち上がる。轟が左側の炎を使ったのだ。その炎はさっきまで轟の氷結で冷え緑谷の超パワーによって充満させられた冷気を急激に膨張させ大爆発を起こした。
「…ありがとな」
そんな声が聞こえた気がする。
爆風で緑谷は場外に出てしまい轟が勝利を収めた。
轟の爆発によってコートが破壊され修理のため一時中断された。修理事態は直ぐに終わり二回戦第二試合が始まる。
第二回戦第二試合
飯田対塩崎
塩崎の拘束にに対し飯田の機動力を活かし背後を取るとそのまま肩を掴んで外へと押し出し飯田の勝利
第二回戦第三試合
芦戸対常闇
芦戸の酸を常闇のダークシャドウが叩き落としつつ攻撃をあたえ常闇の勝利
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第二回戦第四試合
切裂対爆豪
『中学からちょっとした有名人!!堅気の顔じゃねえ!ヒーロー科!爆豪勝己!!』
『対するは一回戦目で脅威の一撃を見せた美少女!!普通科からの刺客!切裂咲!!』
なんなんだこの紹介はと思いつつ歩みを進めるコートに上がり爆豪と対面する。
「…切裂」
爆豪が呼んできた。メンヘラ女でもなく、かつての根暗女でもなく切裂と
「一年前俺はテメェに助けられた…目の前で手を、腹を、泣きながら切っていたお前に助けられた…」
一年前もうそれほどの時間が経っていた。初めて自らの意思で『個性』を発動させたあの時の事
「俺はオールマイトをも超えるヒーロになる…だからヒーロー目指してねぇお前に助けられたままじゃいられねぇ…」
「試合開始!!」
ミッドナイトの合図があった。それと同時に爆豪が飛び込んでくる
「今ここで!俺はお前を超えるっ!!」
「ッ!」
『爆豪開始早々真正面からの爆破!ハンパねぇ!!』
「…チッ!わかっちゃいたがやっぱ当たらねぇわな」
『切裂躱したぁぁ!無傷!流石ここまで来たからにはそう簡単には終わらねぇ!』
爆豪の右手を払い爆発とは逆方向に動き躱す。爆豪もわかっていたらしく驚きはしない。そのまま連続で爆発を起こすが切裂はその全てを躱す。一回戦目と似た状態になってはいるが今回切裂は一度も攻撃に移れていない。
『爆豪連続で爆破!切裂防戦一方だ!!』
『切裂の攻撃は踏み込みが出来なきゃ威力がでねぇからな、爆豪が踏み込みをさせないようにしてる』
爆豪の爆発により踏み込めず攻撃に移れない。しかし現在誰が見ても爆豪が優勢なのにも関わらず爆豪がイライラし始めていた。
「使えよ『個性』!テメェの『個性』使えば打開出来んだろこの状況!!さっきの切島との時もそうだ!『個性』使えば速攻で終わっただろうが!!」
切裂の『個性』を間近で見た事あるのは切裂一家、緑谷、爆豪のみだ。一度見た事あるのなら分かるであろう強力な力それを使えと言うのだ。
『切裂の個性?そーいやまだ使ってないな、爆豪知ってんのか?』
『アイツら中学同じだったみたいだな知っててもおかしくねぇだろ…ただ、切裂は使いたくねぇだろうなアイツは自分の個性が嫌いで
『はっ?どう言うことだイレイザー?』
『入試の面接の時、アイツ自分の個性をどうにかしたい…出来ることなら消したいって言っててな…ヒーローが教職を取ってるならって理由で入ってる…』
『はァ〜切裂も色々と大変なんだな!』
『そんな一言で片付けんじゃねぇよ…アイツ自分の個性のこと【呪い】って言ったんだよ…俺たちなんかじゃ計り知れない何かがあるんだろ…』
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【1年A組観戦席】
「…【呪い】、緑谷君キミは彼女の個性を知っているのか?」
飯田が問いかける。皆緑谷に視線を向け始める。
「うん、一年前のヘドロ事件で僕とかっちゃんは切裂さんの『個性』に助けられたんだ…僕やかっちゃんがどうしようもなかった相手をたった一人で…」
「二人がダメだった相手を彼女一人でか!?」
「あの時初めて知ったよ。切裂さんの『個性』とその強力さを、アレを【呪い】って言うのもわかる気がする…もし切裂さんが使ったらかっちゃんは…勝てないかもしれない…」
「なっ!!?」
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【コート内】
爆豪は爆発を続け切裂はそれを避け続ける。未だに攻撃に移れない切裂、投げ技を使おうにも爆発で邪魔されるのがわかっているため使えない。全力の打撃は父親に禁じられてるため使用出来ずどうしようもなく避け続ける。
「テメェの考えてることなんざ知らねぇ!テメェの過去なんざ俺にはどうでもいい!!自分に枷つけて俺に勝てると思ってんのか!!」
そんな事思っていない、誰がどう見ても爆豪は強い勝つためには全力を出すしかない。けれど『個性』は使用したくなかった。
「テメェがテメェ自身から逃げてんじゃねぇよ!立ち向かう気がねぇなら俺の前から消えろ!!」
爆豪が爆発を仕掛けてくる。
「(はぁ、今日はもう疲れたな…お父さんには変なこと言われるし、友達からの応援は重いし…そういえば心操君にまだちゃんと謝ってなかったな…目の前には中学の時から苦手な人がこっち向いてるし…緑谷君は緑谷君でカッコイイこと言ってるし…)」
考える。父親に言われた自分に挑戦するということを
思い出す。あの日初めて『個性』を使った時のことを
噛み締める。友人達から言われた言葉を
受け止める。目の前の全力を
振り返る。緑谷が轟に言っていたことを、爆豪が自分に言ったことを
向き合う。自分自身に
挑戦する。昔を乗り越えるために
忘れない。あの感触を
今まで呪いだと思っていた力、今でもまだ思っている。だから周りから人を遠ざけようとしたのに周りの人達は離してくれない目の前の人物は自分を超えるとか言ってる。コレはそんな呪いだ、決して誰も自分を自由にはしてくれない。だから…
目を逸らすのはもう辞める。
『大爆破!!今のはわかったぞ!切裂に完璧に当たったぁぁ!!』
『いや違う…切裂が避けなかった…』
「…ッ!テメェ!!」
爆発の煙の中から二人の人物が現れる。
一人は火傷をした右手を押さえ不敵な笑みを浮かべる爆豪
もう一人は