ファイヤーに転生したけどこのカントー地方、色々おかしい!?   作:氷水メルク

39 / 54
深夜での会話とディグダの穴

 

「ダネ~(ちょっと疲れたな~)」

「ピッ(……バトル……疲れたね)」

「ギャーオ(気づけばレイド戦になっている不思議)」

 

 リーフとレッドが寝ている深夜、俺とフシギダネとピッピは外に出て久しぶりの会話をしていた。

 

「ダネ~(ハードだったよ~)」

「ピッピ(……遅れを取り戻すかのよう)」

「ギャーオ(お互い大変だよな)」

 

 なんというか、血は争えないよねっていう印象。

 一度でも勝つと止まらなくなるのか、リーフってば勝ったら次へ、勝ったら次へとどんどんバトルをしていたらしい。

 そして気づけば第一進化系までのポケモンなら何とかギリ勝てるくらいにはなっていたらしい。

 ここに来るまでフシギダネのレベルが5くらいだったと考えると、相当ハードな特訓に違いない。

 ゲームのようにフシギダネを出してすぐに俺へ交代、みたいな稼ぎが出来ればこんなに苦労はしなかったんだろうけどね。

 

「ダネ、ダネダネ(これでもトキワの森にいるトレーナーには勝てないかも~)」

「ギャー(いやあれは偶々トキワの森に来ていたエリートだから)」

 

 エリートじゃ無ければ最初っからアローラゴローニャとか出してこないから。

 そしてあれを倒せるほどの実力を今のフシギダネとピッピに求められていないから。

 普通は七つ目のバッジ辺りから求められる実力だから。

 

「ピッ(……次のマチス戦、勝てるかな)」

「ダネダネ! (勝てるよ絶対!)」

「ギャーオ(多分まだ無理だぞ)」

「ダネダネ! (やる気を削ぐようなこと言わないの!)」

「ピッピ(……でも勝てそうにないのも事実だし)」

 

 残りあと二日。

 この二日以内にどれだけ鍛えられるかが肝となる。

 何よりリーフはもうほとんどのトレーナーとバトルし終えているだろう。

 再戦はしてくれるだろうけど……、圧倒的な勝利を飾ってもこの世界だと強くなれないしなぁ。

 どうしたものかなんて考えながら迎える最後の日。

 リーフに何かを訴えるかのようなレッド。

 

「……」

 

「うん、確かに良いかもしれない」

 

 何をレッドは言ったのだろうか。

 それより今日は俺をレッドに預けないのだろうか?

 リーフは俺を連れたままバトルフィールドにやってくる。

 一週間近く飛び回っていたからもう見慣れてしまった。

 リーフは俺をボールから飛び立たせる。

 

「ギャーオ! (久しぶりにリーフと一緒!)」

 

 今までずっとレッドと戦わされてきたからな。

 本当に久しぶりすぎた。

 ようやくって考えるといつもよりも気合が入ってくる。

 普段レイドバトルをしていたせいか見物人も集まってくる。

 中にはいつものようにポケモンを出そうとして、レッドに止められていた。

 今回は俺と同じくらい強い相手ってことか?

 俺はもう一度雄たけびを上げる。

 さて、今回戦う相手は誰なのだろう。

 いよいよ相手が前へ出てくる。

 白い帽子、水色のノースリーブに黄色いショルダーバッグ。

 ……あれ? 

 俺の場所にリーフがいない!?

 

「ファイヤー行くよッ! バトル!」

 

 俺の目の前でリーフがモンスターボールを向けてくる。

 

「ダネッ(手加減してね)」

 

 フシギダネが意気揚々と俺の対戦相手のフィールドに出てくる。

 もしかして俺と戦う相手って……。

 リーフ!?

 

  *  *  *

 

 キャモメが鳴きながら大空を羽ばたく。

 強い日差しを手で仰ぎながら、リーフたちは久しぶりにクチバシティの地に足を付けていた。

 腕をグンと天高く伸ばすと合図するかのように船の汽笛が鳴る。

 ほかの乗客たちを横目で見ながら、リーフはレッドとグリーンに声を掛けていた。

 

「私はこれからジムに行くけど、二人はどうするの?」

 

「……」

 

「レッドはタマムシね。グリーンは?」

 

 リーフの質問にグリーンは何も答えない。

 ポケットに手を突っ込んだまま、どこかへ消えていった。

 ここ最近のグリーン、ゲーム版みたいになってきたな。

 なんというか、強さにストイックになっている感じがする。

 レイドバトルという形で何回か戦ったけど、その時も割とポケモンに無茶な要求をさせていた感じがあったし。

 幼馴染の様子をリーフは気にも留めていない様子だった。

 

「……」

 

「ディグダの穴? うん、行く予定だけど」

 

「……」

 

「ゲットはするけど使わないかな。私、この三匹で勝ちたいから」

 

 明らかに地面タイプは連れていった方が良いのは分かる。

けど、小手先だけじゃあれには勝てない。

 リーフとレッドはその後、たわいもない会話を交えた後にポケモンセンターで別れる。

 最後の仕上げとばかりにリーフは俺たちを回復させると、ディグダの穴へと出発した。

 

 ディグダ、ダグトリオ、サイドン、ピカチュウ、モグリュー、イワーク、ドンメル、ナックラー。

 ……サイドンはまだ分かるけど、なんでピカチュウが生息してるねん。

 目新しいポケモンはこれといって生息していないけど、それでもリーフは次々とまだ捕まえていないポケモンをゲットしていた。

 流石にアローラディグダはいないか。

 

 リーフは捕獲するとき、いつも俺を繰り出していた。

 けれど今回のディグダの穴ではフシギダネやピッピを交互に繰り出して戦わせていた。

 指示を出して戦わせるリーフの姿は様になっていた。

 これならトレーナーを名乗っても良いのではないだろうか?

 リーフはしばらくしてディグダの穴から出てきた。

 ポケモンセンターを挟んで11番道路へ。

 挑んでくるトレーナーたちを次々と打破していた。

 流石にエアームドとかアーマーガアとかの鋼タイプやら、フシギダネとピッピじゃ勝てない相手には俺を出していたけど。

 そこはまぁね。

 

「もうこのくらいで良いかな」

 

 そう言葉を紡いだリーフは、サント・アンヌ号に乗り込む前と違った自身に満ち溢れた顔つきとなっていた。

 ポケモンセンターを挟んでクチバシティへと向かっていった。




 リーフとのバトルはカット。
 ディグダの穴にピカチュウが生息しているの、なんでやろな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。