オリジンなんてぶっ壊して、誰も死なせずに世界救おうぜ! 作:キラトマト
6人の男と、1人の超人は目が覚めると謎の真っ白の空間に飛ばされていた。
「なんだここ……まさかまたゲームマスターかよ……」
何か知ったような口を聞いたのは、どこにでも居そうな平凡な青年、四谷友助。
「飛羽真さん……?」
五十嵐一輝には、どうやら顔見知りがいるようだ。
「一輝! 何で君もここに……」
それに応えたのは人気小説家、神山飛羽真。
「俺もいるぞ」
「ユーリまで!? 一体何がどうなってるんだ!?」
現代とは思えない服を着ている男の名はユーリ、こう見えても2000年前から生きているのである。
「あれ……俺……まさか鬼の……!?」
そう言って、黒い日本刀のようなものを構える市松模様の服を着ている竈門炭治郎、鬼狩りの少年である。
「む……何故私が実体化しているのだ?」
この中で1人? だけ人の形ではなく、ロボットのような見た目をしている者がいた。それはグリッドマン。
「ようこそお集まりくださいました、"英雄"の皆様」
そうやって混乱している中、謎の女性が入ってきた。
「「英雄?」」
2人ほどオウム返しのように口を開いた。
「えぇ、そうです。今回英雄のあなた方に果たしてもらいたい任務があります」
(明らかに今までのゲームマスターとは違うし……箱崎さんたちもいないし……やっぱりこれはいつものじゃない)
「任務とはなんだ」
ユーリは困惑する周りとは違い、すんなりと状況を受け入れて目の前の女性に問いかけた。
「よくぞ聞いてくれました! あなた方に依頼したい任務はこちらです!」
そう言うと、全員の頭の中に膨大な量の記憶が入り込む。
「安心してください、脳にダメージは残りませんから」
約1名は人ではなかったためあまりリアクションは無いが、彼らの頭にインプットされた記憶は残酷なものであった。仲間から裏切られ奴隷にさせられた少女の物語。彼女の仲のいい者達が理不尽な目にあって死んでしまったり、共に戦う仲間が死んでしまったり、救いようのないものだった。
「あなた方6人の英雄には、この未来を変えて欲しいのです」
「「未来を変える?」」
一輝と飛羽真、ユーリは過去のそんなことをしたことがあったため、すんなりとは行かずともある程度は理解することが出来た。これらの者達が死なない未来にすればいいのだと。
「やはり、これだけじゃあ分からない人もいるので、もっと詳しく説明しますね。まず先程の記憶がAルートだとします。ですがそのAルートに行くまでに分岐点があるのです。四谷くんならわかるでしょう?」
「え、あ、あぁ……いや……まぁ、はい……」
(まさかさっきのあれ、本当にあった出来事なのか? いや、だとしてもなんで俺?)
「ですのでその分岐点にあなたたちが介入、そして以降もその世界に居続けることによってこの未来を変えて欲しいのです」
すると全員が納得はできないまでも理解はできるという状況になった。
「あの! なんで変えたいんですか?」
「う〜ん……強いて言うなら"納得できなかった"からかな」
「納得できなかった? それって?」
「沢山人が死んでるし……首謀者は痛い目にあったとは言っても……それでも生きて欲しかったんだもん!」
「だもんって……」
(つまりあれか? 好きな漫画とかアニメで納得いくラストにならなかったから二次創作でラスト変えるってあれか?)
周りの者かは幾分か一般的な考えを持っている友助は察することが出来た。
「えぇそうですよ」
「な、考えがわかるんですか?」
「えぇ、あなたたちの考えはお見通しよ」
「じ、じゃあなんで俺たちを選んだんですか? いや、明らかに強そうなあのロボットの人とか、オーラが違うあの人だったらわかるんすけど、なんで俺なんかに……」
「あなたにはあなたの役割があります。それはもう……かなり重要な。ですがそれは向こうに行ってからでは遅いのです」
「え……?」
「ですのでここでじっくり、十分に構想を練ってください。四谷友助さん」
そう言って女性はフッと消えてしまった。
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(くそっ……何をどうすりゃいいんだよ……)
友助が、本当に何をしていいか迷っている時、飛羽真が話しかける。
「友助くん、だよね? 君、なんかあの女の人にすごい期待されてたみたいだけど」
「え、えぇ……でも……よくわかんないんすよね……」
よくもまぁ初対面の人にこうもスラスラと喋れるものだと思わず自分で自分に感心する友助。
「でも、1つだけわかることがあります」
「ん? なんだ?」
「あの女性は、さっき言ってた任務を完了させるまで、俺たちがいた世界に返すつもりはないってことです」
「まぁ……そうだろうな」
(ここらへんで、普通の異世界転移モノなら誰かがヒステリック起こすんだけどな……帰れないの!? とか。でもやっぱこのメンバー……)
「んじゃあ! とりあえず自己紹介しようか! たぶん皆別々の世界から来たんだよね!」
飛羽真が言うと、皆が言いづらそうな雰囲気を察してか一輝が大きな声で言った。
「じゃあ俺からいきます! 俺は五十嵐一輝、実家の銭湯と、世界を守る、二足のわらじ履いてます!」
「……よし、俺は神山飛羽真、小説家で、剣士もやってます!」
「えっと……四谷友助です」
(それだけ!? なんてみんなから思われてんだろうな……あぁもう、あのゲームのこと言ったって誰も信じてくれないだろうし……)
「俺の名前は竈門炭治郎! 鬼殺隊の鬼狩りです! よろしくお願いします!」
と、かしこまって正座までして挨拶をした炭治郎。
「俺はユーリ、剣士で、そして剣だ」
「いやわかんないよユーリ!? そろそろその説明不足なとこ直そ!?」
知っている者にしか意味がわからない自己紹介にツッコミを入れる飛羽真。
「私はハイパーエージェント、グリッドマン。色々な世界を救っている。よろしく頼む」
「サンです」
「と、言うことで! 早速作戦会議を始めよう!」
そう言って仕切り出したのは一輝。お得意のおせっかい焼き炸裂である。
「まぁ、目的は決まってるんですけどね……。あのオリジンっていう機械を壊すっていう……。ただ、それをするまでにいかに犠牲を減らすかにかかってるんだ、と思います……」
自分が長く喋ってしまったことに謝罪する友助。
「まぁ、ここにいる全員が同じ記憶を入れられたってのは理解出来てるんだけど、つまり……誰も死なせずオリジンを破壊すればいいんですよね?」
「はい、多分そういうことかと……。で、その為の作戦会議を今するべきなのかと……」
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各々の特性を把握し、どのように立ち回るかを立案した友助。幸いこの場には意見を無下に否定するような者はいなかった。
「ですが、この作戦が成功して全員死なずに最終決戦に挑めたとして、そこから先は未知数です。そこをどうするか……」
「それなら、僕に任せてくれないか?」
と、自己紹介でもほぼ話さず、会議中も一切喋っていなかったため存在していることすら周りから悟られなかったひ弱そうな男、サン。
「うわぁっ!?」
当然、驚かれてしまった訳だが。
「……い、いやぁ! サンくんだったよね! 覚えてるよ!」
飛羽真はどんな言葉も忘れずにいた。
「あ、覚えてくれて光栄です。それであの人達を助けてからの事なんですが、僕は元の世界で参謀として……戦ってました。だから……役に立てるかと」
「君は……わかった。友助くん、彼と君に指揮を任せよう」
「……じゃあ、これが大まかな流れということだな、皆さん、それでいいですか!」
一輝が声を上げる。その瞬間に消えた謎の女性がやってきた。
「これでいいんですね? 英雄の皆様方」
「あぁ、勿論だ」
口々にそう言っていき、謎の女性が発した謎の言葉により、7人は光に包まれ────転移した。
「