夢女子製造機とエロイラストが多い二人と幼馴染なんだが…… 作:ヤマナミさん
ポケットモンスター。ちぢめてポケモン。ポケモンとは、この世界において無くてはならない存在。人や大地、また運命などさまざまなことにポケモンは関わってくる。
ファンタジー世界にいるような凶暴なモンスターのような外見ではないが、その生命力や破壊力は、まさに人知を超えている。
人の言葉も理解する高い知能、拳銃や刀など屁でもない攻撃力と防御力、すべてが生物としての枠に収まらない超生命体。
俺ことヤマナミは、異世界人である。
うん、別に頭がハッピーになったわけでもないし、危ないお薬もしていないから安心してほしい。俺は、日本というところの東京出身。そこでは20年ぐらいそつなく生活していたが、ある時気づいたらこの世界に来ていた……らしい。
本当に覚えていないのだ。どうやって来たのかすら分からない。今でも覚えている部分は、コンビニで少年のバイブル『ジャソプ』を購入しお釣りを受け取った瞬間、俺はこの世界にきていた。視界は一瞬に森の中、体は幼く12歳まで幼くなっていた。
しかも、俺が買った『ジャソプ』はなかった。これが一番ショックだった。
まぁ、そこから割愛するがいろいろありナナカマドというショタロリコンの爺さんに世話になりつつ、立派な大人になりましたとさ。
この世界の知能水準の平均クソ高いし、何よりポケモンとかいう未知な生物もいたため慣れるのにはずいぶんかかったもんだ。
頑張ったよ俺。こんなに頑張って色んな地方を巡っても、一切俺が元の世界に変えれる手掛かりはなしときたもんだ。伝説やウルトラビースト、利用できそうなのを隈なく探し研究もしたが、無理か分からない、戻れないなどの結論ばかりであった。
一番つらかったのは、俺一人じゃめんど……専門分野も多いため知人に頼み込むときが一番つらかった。オーキド博士やナナカマドは潔く受けてくれたが、例えば鉱石についてダイゴに調査依頼をしたときに……
『まさかキミも石に魅入られたものだったとは…!』
『魅入られた? いや、俺は単にコレを調べてほしいだけなんだけど』
『気にしないでくれ、同士。石はいいぞ……地方によって石の種類も多大で、何より話しかけるとコタエテクレルンダ』
『え、あの後半なんていった? 話しかけるって……』
『あぁ! 誠心誠意に心を籠めれば、石はコタエテクレルンダ! さぁ、耳を傾けてごらんヤマナミ』
『ちょ、怖い怖い!! じりじり寄るな、あの、だ、ダイゴ!! おい、来るな……来るなぁあぁ!!!』
下手なB級ホラー映画より怖かった。ほか、他次元空間について記されている遺跡調査をシロナに任せようと家に向かったとき。
『シロナさーん! 遺跡調査の件でご相談したいのですがー』
『…………』
『シロナさーん! あの、1時間ぐらいここでこうやって声かけているんですが、まさか寝ているんですか? それとも居留守ですかー?』
『…………』
『シロナさーん! ……』
『…………』
『昨日この時間に会う約束だったのに、遅れるのは感心しませんよ。まさに『行く遅れ』ってこのことです『それ以上言ったら、コロスワヨ』』
瞬時に玄関が開き、躊躇なく首を絞めてくるマスターアサシン並みの実力を見せられ、恐怖で気絶してしまった。
まじ怖かった。あれからシロナに合うと、首が絞められる感じがする。あれがチャンピオンの力なのか。
そんなこんなで色んな奴に手伝わせようとする一方、なぜか俺が手伝ったり痛い目にあったりで何にも進歩していない。
この世界は俺に厳しい。何かしらの世界の意志か、俺を元の世界に帰らせないような気がする。考えすぎかもだが。
駄目だ、辛い過去を思い出したせいで胃が痛くなってきた。なにか、胃に優しいものが飲みたい。
「というわけで、チリ。俺にココアを入れてくれたまえ。もちろんアイスで、ミルクもたっぷり」
「アホか。チリちゃんは、自分の部下やないで。自分で入れろやスカポン」
パシろうとしたが、まさか口撃してくるなんて思ってもなかった。
ここは、パルデア地方のポケモンリーグ。その一室に俺とチリと呼ばれる外見はクソイケメンでいけ好かなく、ピアスをジャラジャラつけている女性と一緒にいる。
結果的に言えば、俺はまだ元の世界に変えることはあきらめてはいない。だが、職につかなきゃいけない歳のため、仕方なくこのパルデア地方のポケモンリーグ職員の1人となっている。
このチリは俺より年下だが、3年先輩である俺を同期として扱っているむかつく女である。
「部下じゃないが、俺は先輩だぞチリ。幼馴染だからって、俺はお前をパシる。さぁ、俺にココアを。できればミルクたっぷり、蜂蜜いりのアイスで頼む」
「うるさいわ。しかも、なにグレードアップしとんねん。ええか、ヤマナミ。ここポケモンリーグは年功序列やない、実力主義や。チリちゃんは面接官、四天王もやっとる実力やが、自分はどうや?」
「さぁ、仕事しようかチリちゃん。肩もうか? 足つかれていない? あっ、俺ココア買ってきます!!」
颯爽とこの部屋を離れ、廊下に置いてある自動販売機前で立ち止まる。ため息が自然と口から洩れ、頭もため息と共に傾き自販機に額がくっつく。
ここポケモンリーグでは第一が実力主義。この実力というのはポケモンバトルのことである。最初に行ったが、この世界に存在するポケモン。このポケモンを使い、人々はポケモン同士を競わせバトルさせるという、どの地方にも共通する文化か存在する。
なので、ポケモンバトルが強いやつが偉いというのはここポケモンリーグでは納得できる。できるが……うん、やめよう。また考えると胃が痛くなる。
自動販売機で販売されているココアは2種類。ホットかアイス。別に仕返しってわけではないが、単純に自分も飲みたいためアイスを2個購入し部屋に戻っていく――。
「はぁ……元の世界に帰りたい……」