2号はとても気性が荒い 作:からやぶスキルリンク
「久しいな、ヒルフ。プロジェクトを離れたオマエが一体何の用だ?」
「ご無沙汰してます、オーリム
俺の名はヒルフ。しがない研究者だ。オレンジアカデミー在籍時は主にあくタイプポケモンの生態を調べていた。が、トレーナーの才もあったのかあくタイプの技や特性についての研究過程で、学校内だけなら5本指に入る程にはポケモンバトルの実力もついてしまった。
そんな俺の腕を買って、オーリム博士は卒業後すぐに俺をヘッドハンティングし、あるプロジェクトの片棒を担がせた。
そのプロジェクトとは・・・。
「私の目的を成就させるには人手も時間も足りなかったのでね。まずは、自分をもう一人作ったのだよ。」
「それが私、オーリムAIだ。理解してもらえたかな?」
理解しましたとも、相変わらず発想がぶっ飛んでるってことが。
オーリム博士が進めてるプロジェクト・テラ計画とは、タイムマシンを介して
実際のところ、すでに数種類もの古代ポケモンの転移に成功している。しかし、オーリム博士の理想はそれで叶えられるものではない。それを叶えるためだけに自分自身のAIを作ったのだろう。
「・・・前からわかってたことですけど、そんなに見たいんです?古代のポケモンが現代のポケモンと一緒に暮らす世界。」
「君もここに来るまでに見ただろう?古代と現代のポケモンがこのエリアゼロで暮らす様を。」
タイムマシンは人間大の物体だと片道切符になる。そこで、タイムマシンを介してモンスターボールを使うことで一方的に捕獲を試みるというスタンスで古代ポケモンの移送は行われてきた。
つまり古代のポケモンがどれほど危険で凶暴でも、安全面は保証されているのだ。その枷を、この人は自ら解き放ちつつある。
「・・・まぁ、自然の摂理に乗っ取るならあれでも共存と言えるでしょう。ただ問題もありましたよ。」
「言ってみろ。」
「イダイナキバ、でしたっけ?あのドンファンもどき。その一個体がバリアの外へ出ようとしてました。ゼロエリアの生態系が保たれてるのはここのポケモンが特別強いからだ。でも外はそうはいかない。古代ポケモン達が外に出れば、パルデア地方の豊かな生態系はあっという間に崩れますよ。」
「それも、自然の摂理だ。」
「・・・まぁ、これ以上は時間のムダですね。とりあえず研究成果見させてもらいますよ。それ次第ではまた説得に来ますから。」
「その前に、オマエがここに来た目的を話せ。返答次第では・・・。」
「・・・率直に言えば、アンタを連れ戻しにきた。別にアンタの理想を邪魔するつもりはない。ただ一旦保留にはできないか、と思った次第です。・・・この回答では不満足ですか?」
「いや、無駄足だと思った。私の結論は変わらん。」
「アギャア!」
「おー、よしよし。元気だったかー?」
博士の研究資料を漁っていると、転移成功例第一号と再会した。大半の古代ポケモンとは違い、相変わらず人懐っこい。
「ちょっとやることあるから、またあとでな。オトシドリ、遊んでやれ。」
「ストォック!」
手持ちの一体として連れてきていたオトシドリにピクニック用の毛糸玉を持たせ、第一号を別室へと連れていく。改めて資料に目を通す。
「・・・やはり結晶体の及ぼす効果が高まっているのか。この右肩上がりの実験結果、どれだけ生き急いでいるかがわかるようだよ、博士。」
あまりにもストーリーが衝撃かつ感動的だったので突き動かされるように書いてしまいました。オリ主ことヒルフくんはハイスペックな器用貧乏キャラとしてこの作品のキーマンとなって頂こうかと。名前の由来は伸ばし棒を間に挟めば想像つくかもしれない。