2号はとても気性が荒い 作:からやぶスキルリンク
「おっすペパーくん、一週間ぶり〜。」
「おいヒルフ、入る時はノックぐらいしろって。今ただでさえ手が離せな・・・。」
「ほう、カレーか。美味そうな匂いじゃないか。」
オーリム博士の声を聞いて、ブリキのように首を曲げてこちらを見るペパー。それもそうだろう、何年も音信不通だった母親が急に帰ってきたのだから。
「かかか、か、母ちゃん!?い、今更帰ってきて、何の用だ!」
「おや、研究に一段落ついたから帰省する、というのはおかしな話か?」
「いや、おかしくはねぇけどな—。」
「バウッ!ワフッ!」
「あっ、おいマフィティフ!」
研究所の奥からマフィティフが走ってくる。その先にはオーリム博士がおり、再会を喜んでいるようだった。
「久しぶりだな。進化したというのは本当だったか。」
「でしょ?なんならバトルだって強いんですよ?あ、ペパーくん、米足りなかったら俺のだけ無しでいいよ。」
「いやそういうわけにもいかねぇだろ。・・・あぁもう!自分の皿ぐらい用意しろよな!」
「はぁ?アイツもう一匹いるのか!?」
「あぁ、ただかなり好戦的でな。私たちがこうして帰ってきてるのは、最初に呼び出したコライドンともしもの保険を残してきたからだ。」
「そうそう、俺の手持ち危うく全滅するところでさー。」
「マジかよ、そんなヤバい状況になってたのか・・・。偶々いたヒルフには感謝しないとな!」
「・・・む?ペパー、キミがヒルフを寄越したのではなかったのか?」
「はぁ?いや、オレは何も・・・あ。」
※二週間ぐらい前
『そういやペパーくん、あれから博士のこと何か聞いてたり?』
『いいや全っ然!家に帰ってこないどころかメールすら途切れたぜ。全く、近況報告ぐらいしろってんだ。』
「・・・・・・超おせっかいちゃんかよッ!!!」
「うおっ、どうした急に。」
「てことはなんだ。あの何気ない一言が発端でそんな無茶やらかしたってのか!?」
そう、今回の一件。結果オーライではあるが、ヒルフが軽く暴走していたのだ。
「大丈夫だって。一月分の仕事ギリ終わらせたから、職場への影響とか無いし。」
「・・・それだけでもかなりの激務だと思うが、本当に大丈夫だったのか?」
「誰の下で働かされてたと思ってるんですか。」
とりあえずカレー平らげた。辛さが丁度良くて美味かったです。ペパーくんは良い嫁になれる。
「・・・そういや博士。連れ出してなんですけど、これからどうするんです?」
食後のコーヒーを飲みながら、そんなことを聞く。
「しばらくは
「そうですか。・・・ところで、コイツどうしましょう?返せと言われたら返しますけど。」
机の上に置いたのはマスターボール。エクスレッグがやられた後に博士に渡されたボールだ。
「ふむ、あの時の戦いは凄まじかったな。消耗していたとはいえ、あのコライドンと互角以上に渡りあえたとは。」
「俺もビックリしましたよ。まさか新しい古来種の捕獲に成功してたなんて。
「・・・そうだな、私からの礼も兼ねてこのポケモンはキミに託そう。」
「え"、俺コイツ育てられる自信ないんですけど・・・。」
「タイプは確か、ドラゴンと
「責任を持って預からせていただきます。」
目にも止まらぬ動きでマスターボールは回収された。手のひら返しが激しすぎる。
「あくタイプポケモンはキミの専門だからな。その内アラブルタケの調査も一任させるつもりだ。」
「アンタが
「人の親を勝手に信仰するな。」
と、外でマフィティフの腹ごなしに付き合っていたペパーが戻ってきた。
「おっと、じゃあ積もる話もあるだろうし、俺はお邪魔しますか。博士、大穴戻る時はこっちにも連絡くださいよー。」
「その時はオマエも道連れだ。覚悟して待つといい。」
「期待して待ってますよ、っと。」
研究所を後にし、ヒルフはコサジの小道を進む。
『ロトロトロトロトロト』
「はいこちらヒルh—。」
『お久しぶりですねヒルフ博士?今日提出される論文がまだのようですが、進捗は如何でしょう。』
「・・・スーッ、明日でいいですか?」
この後小一時間電話越しに説教された。
というわけで、もしオーリムが生存したら?って話が書きたかっただけです。コライドンとSV主人公の出会い等、原作のフラグは極力残した形で終われたと思う(私の腕ではこれが限度)。
気が向いたら番外編とか書くと思う。殆どヒルフくん主体になるだろうけど。