ライスシャワーを救うためにできること。   作:さんさか

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6.調子乗ってるハヤテ君

 どうも、未勝利戦とききょうステークスを勝ち、3戦2勝になりました。キザノハヤテです。

 まぁ楽勝ですよ。人の頭脳を搭載してトレーニングもしっかりこなしてるんですし? 

 考えてみれば負ける要素がないよね。

 それにまだ短距離レースばっかりだったせいか、レースで疲労困憊になったりしたことないんだよね。スパートかけて本気で走ればきついけど、それだって最後の直線だけだし。バテる程じゃない。つまりまだまだ僕の限界は底知れずというわけなのだ!

 ふふん、僕ってば強いじゃん。これなら澤山さんが言った通りGⅠを、つまりミホノブルボンにだって勝てるのかもしれない。

 

 それはさておき、今日も今日とてレースである。いちょうステークスって言ってたかな? 以前滝澤さんがお願いしていた通り、以前より距離が伸びて1600mでの戦いになる。

 前走を走ったあと、また1か月くらい休養期間があったので僕の体調はバッチリ仕上がっている。

 場所は東京レース場で、以前の3戦に比べると人が多いこと多いこと。

 重賞レースになるとこれ以上の人が押し寄せてくるのだろうか……想像がつかないな。

 

 なお、今日は雨が降ってる。

 ウマ娘をやってたから雨でも雪でもレースやるってことはわかってるんだけど、いざ自分がやる側になるとこんな天気でもするんだと驚きを隠せない。

 今でこそほぼ止んでるような状態になったけど、昼前はそこそこ降ってた。

 一昨日も雨降って昨日はずーっと曇り空だったし、こりゃコースの方に行ったら芝がぐじゅぐじゅになってるかも。

 雨が降る中での調教って、そこまでやってるわけじゃないし、ちょっと不安。というか、ぐじゅぐじゅになった馬場を走るの苦手なんだよね。脚がとられるというか、いつもより飛び跳ねないと前に進めない。

 厳しい戦いになるかもしれないが、でもまぁ、ここまで2連勝の絶好調な僕なら勝てるでしょ(楽観視)。

 

 さてと、今日も強そうな馬はしっかり名前を確認しておこうか。

 何故ってそろそろミホノブルボンと鉢合わせるんじゃないかと思うんだ。

 前世の史実でブルボンが何のレースに出てたかってのはちゃんと覚えてないんだよね。ライスと一緒に走っているスプリングステークスに皐月、ダービー、菊花の4つはわかるんだけど、それ以外はわからない。確か菊花賞前にも一度ライスと走っていたはずだけど、レース名は何だったかな……

 何故か僕のウマ娘アプリにはミホノブルボンが未実装だったのでブルボンの戦績はそんな感じでうろ覚えなのだ。無課金勢だったから仕方ないね。そもそも新潟競馬場1000mの件で自分の記憶があてにならなさそうなことも分かったし。

 そんな訳でブルボンがいないかちゃんとチェックしておく。

 強そうなお馬さんのゼッケンのお名前は、えーと、サンエイサンキュー……冠名からして知らんな、次。オンエアー……この馬も知らん。

 えーと、あと強そうなお馬さんはー、ふんふん、お? おぉ!! 

 

 マチタンだ!! 

 マチカネタンホイザさんじゃあないですか! えい、えい、むん! 

 ウマ娘実装済みの馬に会うのはライス以来2頭目だ。

 前世の史実では善戦マンとして、そして蜘蛛を食べてお腹壊したり、レース直前で鼻血(馬の鼻血は窒息の危険がある危険な状態)を出したりとちょっと不憫な感じの馬だったらしい。そして数多くのGⅠレースに出ながら、惜しくも手が届かなかった馬だった。そんな不憫なところが判官びいきが大好きな人たちにはウケて、結構人気のあった馬みたいだ。

 ウマ娘においても、その不憫なキャラ付けは引き継がれ、そしてなによりものすごい努力家な設定になった。あとはGⅠ未勝利だけど個性派揃いのチームカノープスで人気を博している。

 

 しかしそうか、今日はマチタンと闘うのか。

 うーん、ウマ娘のマチタンはかなり好きなキャラだ。でもライスほど大好きというわけではない。

 そもそもこのレースで勝ったか負けたかも知らないし。

 打倒ミホノブルボンを掲げる以上、勝って勝って勝ちまくるのが一番の近道になるわけで。

 若干申し訳ない気持ちはなくはないが、ここは勝たせてもらいますぜ! 

 そうこうしているうちに「とまーれー」の号令がかかる。

 

「宮尾さん、またちょっと汗出てますね、コイツ」

「そうっすね。今日は特にマチカネタンホイザを気にしてたみたいで……今日の一番人気の馬っすね」

「もしかしたらコイツなりに強い馬がわかっていたりするんでしょうかね」

「あぁー、ありえそうっす」

 

 騎手乗り込み時に澤山さんと宮尾君が少し言葉を交わす。

 今日はライスの時と違ってチラ見にとどめたつもりだったんだけど、彼らにはバレてたらしい。

 むむぅ、次はもっとうまくやるとしよう。

 澤山さんが僕の首をさすりながら目を覗き込んでくる。

 

「でも今日は行けそう……だな?」

 

 おう! 絶好調な僕の走りってのを見せてやりますよ! 

 

 




ハヤテ君が思っている以上にガン見してるという設定があったり。
あと競走馬には皆それぞれドラマがあるんだからもっと敬意を払って……特にその2頭は……
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