Sideヒリヤ
「こ、これは!?…」
「そんな!?…」
「…」
やっぱこうなったか…奇襲を仕掛けるつもりが逆に仕掛けられて捕まっているプレイヤーが多数おり中には既に見せしめとしてキルされてしまっている者も居た。
ラフコフの連中を過小評価し甘く見過ぎていたが故の弊害だ。
ここは多少の犠牲はやむ無しとせざるを得ない。
それに逆奇襲を仕掛けて成功したラフコフ連中は完全に油断している。
此処には俺と彼女達が居るのだからな!
「黒の剣士サマに血盟騎士団の連中か…」
「HO~!こいつぁ祭りだな!」
「…」
ラフコフリーダー格のレッドプレイヤーであるPoH、赤眼のザザが自分達の縄張りに突撃してきた俺達を見て喜々とした声を上げる。
残るジョニー・ブラックは無言だが…コイツ等は特に屑としかいいようがない連中だ。
他の構成員達ははっきりいって雑魚同然なので奴等を始末すれば大人しくなる筈だ。
「俺は違うんだがな…まあいい…此処からは俺が引き受けよう!」
「本当に良いのか?…」
「ああ、奴等はリアルでも犯罪者思考の連中なんだよ…そんな輩をこのまま放置してしまえばどうなるかくらい容易に想像が出来る筈だ」
「そういう事か…」
「だからこそはっきりいってこの場では半端な甘さのあるお前達は足手纏いでしかない…行くぜ!」
俺はキリト達にラフコフの連中の悍ましさを告げてまずは単身で突撃した。
「WAO!たった一人で俺達に挑んでくるとは感心するなあ~!出来れば黒の剣士と殺り合いたかったんだがなあ~…」
「俺は…いや俺達は他の連中とは一味も二味も違うぞ!」
「ちったあ楽しませてくれよォ!」
PoHとザザが俺に斬りかかってくるがドルオダで既に圧倒的なまでにPLVも成長している俺には大したダメージにもならなかった。
「…終わりか?」
「まだだ!」
俺がそう挑発すると続けざまに斬りかかってくるがやはりダメージはほぼ皆無。
「…もう終わりのようだな今度はこっちから行かせて貰うぞ!但しテメエ等の相手はここから先は俺だけじゃない」
「What?」
「ついさっき俺達だと言った筈だ…俺がテメエ等を相手取るのに全開でいかない訳ないだろう!来い!」
「「「!?」」」
俺は素早くUIを操作しトランクを取り出す。
それに驚く連中を尻目に俺はトランクを解放した。
「ぷはあ!漸く外に出してくれましたね御主人様!」
「マスター待ちくたびれた…」
「兄様~!」
「悪い悪い!タイミングがここしかなかったんだよ」
トランクから三人の絶世の美少女が飛び出す。
彼女達こそ俺が一から作り上げたドール達なのである。
「どんなマジックかと構えたがそんなひ弱な女共で俺達の相手なんか務まるかなあ?」
「やってみろ…皆ここからは奴等の相手を任せるぞ!」
「「「はい!」」」
俺は彼女達に指示を飛ばしそれぞれの行動を開始させた。
Side? ~推奨戦闘BGM「being」~♪
「さあて久し振りの外ですから張りきっていきますよ!」
「極上の女に傷を付けるのはちったあばかし気がひけるがイッツショウタァイム!」
私はジュナ、御主人様であるヒリヤ様に作られ生み出された機朽人形型ドール<オートマター>、忠実なるメイドでございます。
私は御主人様からの命を受けPoHと呼ばれた下品な男を相手取る事となりました。
「はっ!」
私はGNバスターソードを召喚してPoHと斬り結ぶ。
「中々やるじゃねえかお嬢ちゃん…だけどなあ!」
「!」
対するPoHは己の得物を先程よりも早く振るってくる。
「取ったあ!」
咄嗟に防御しメイド服の裾がちょっとだけほつれてしまうがそれ以外は問題は無い。
一方のPoHは狂喜の声を上げていた。
「…!?何故だ!?メイト・チョッパーで確かに斬った筈だ!何故特性が発動しない!?…」
だがすぐに異変に気が付く。
ジュナを斬って己の得物から満ち溢れてくる筈の力を感じず逆に刃こぼれしそうな事に…それもその筈、PoHの扱う得物である友切包丁はモンスターを斬るとパワーダウンし、プレイヤーを斬るとパワーアップが施される。
だがジュナを含むヒリヤが呼び出した彼女達は何方かというとモンスター寄りの存在なのである。
結果、その事を理解出来ていないPoHの得物は役に立っていない所か逆に首を絞めているのである。
それに彼女達は普通の人間と見間違うのも無理はない。
なんせ彼女達を大切に想っているヒリヤがドルオダの他プレイヤーが一切使う事の無いオプションアイテムである精巧な二重の人工皮膚を用いたからである。(普通は無駄にドールの装備スロットを喰ってしまうだけなので不人気なのである)
「クソ!クソッ!?…何がどうなって!?…」
「今度は此方の番です!<トランザム>!」
「!?んなあっ!?…」
そう叫ぶと同時に私の髪は紅蓮に染まり機動力が増す。
「はああああー!」
「ば、馬鹿な!?…あんなスキルが…」
「これでおしまいです!」
「お、俺のメイトチョッパーが!?…」
次々に繰り出される私の超高機動攻撃にPoHは一切対応出来ず遂にはメイトチョッパーが完全に破壊された。
「駆逐します!」
「ぐおっ!?…へへ…この俺様がこんなあっけねえフィナーレとはな……」
追い打ちの一撃を受けたPoHはその身体を粒子へと変えて消滅した。
「ミッション完了です!」
そこで丁度トランザムの稼働時間も終了し私は決めポーズを取ったのだった。
Side? ~推奨戦闘BGM「***パッショナート」♪~
「てりゃああー!」
「なんだこの女!?…攻撃の手応えがほとんどない!?…」
「このおじさん、マスターよりも全然弱いー」
あたしはセイナ、マスターに「陶磁器人形<ビスクドール>」として生み出されたんだよ!
あたしは今マスターの指示でえっと…ザザとかいうおじさんを相手取っていた。
「クソッ!?…」
「もう飽きた~!だから終わらせるね!<マギアブレード>!」
「!?う、後ろからのスキル…だと!?……」
以前戦闘したオーナーであるズィークのおじさんと比べると果てしなくつまらなくてあたしは魔力を解放させてザザのおじさんの背後から大量のマギアブレードを射出させてトドメを刺した。
「ふー!終わったあー!」
あたしはマスターの元へ駆け出した。
Side?
「!?…(ば、バカな!?…リーダーとザザがあっけなく敗北!?…これは非常に不味い!?…)」
「創られたこの世界何時の日かこの両手で真実だけ掴み取る為♪~」
「その耳ざわりな歌をやめろ…!」
私はリューネ、主様に「玩具人形<フィギュア>」のドールとして生み出されました。
私は主様の御指示で残る黒い男性を相手取っていました。
「心に隠した願いが!Clockworkplanet走り出す止まらない覚悟で感じるままの衝動を貫く事約束したから♪~」
「や、やめろ!…」
私は構わず歌い続ける。
歌唱スキル効果で張られている多重結界を未だに突破出来ず黒い男の攻撃は此方には全く届いていない。
「よくやったリューネ!後は俺がやる!」
「了解しました!」
私が歌唱を終えると同時に主様が黒い男に突撃してトドメを刺し舞台はひとまずの終幕を迎えた。