貴方は森の中を襲いかかってくる怪物をシバキ倒しながら進んでいると、不意に貴方はキラリと光るものを見つけた。
足を止めて貴方は光ったもののある方向へと足を進め、地面に落ちているものを手にとる。
それはキラキラと光る何処かの由来の知れぬコインだ。コレクターとしての琴線が刺激されるソレを貴方は暫しの間見つめた後にご機嫌な様子で懐へとしまった。
いいものを拾った、貴方はそう思いながら逸れた道から戻ろうとすると再び視界の隅にキラリと光る物体を見つける。
貴方は目ざとく見つけたそれを拾い、また視界の隅がキラリと光るとまた拾う。
規則正しくまるでどこかへと誘導するように配置されたソレに貴方は丁寧に拾い集めていった。
その姿はまるで誘蛾灯に群がる虫である。普通だったら怪しさ全開なものだというのに気が付かないのは果たして貴方だからか。それとも褪せ人としての本能だからか……
そんなこんなで沢山のコインを拾い集めたところで不意にコインの列が途切れる。
貴方は最後の1枚を拾おうと屈んだところで貴方は不意に背中を強打されたような感覚と共に体が宙へと投げ出された。
何かに掴もうと反射的に手を動かすが、その手は空を切るばかり。貴方の体は重力に従い、猛烈な勢いで落下すると何かの液体へと着水する。
やけに粘度の高い液体が貴方の身体をまとわりつき、貴方は不快感に顔を顰めながら体を起こして上を見上げた。
「ひゃひゃひゃ、こんな間抜けな罠にかかるとはなぁ! ソイツにじっくり溶かされたらアンタの残った装備は頂くぜ! あばよマヌケやろう!!」
天井の光が邪魔をしてシルエットだけしか分からなかったが、声はやけにイラッとくる男の声に加えて頭部は禿げているのだけはわかる。
ともかく、どうやら貴方は狡猾な策によって誘き出され罠に掛けられたようだ。くっ、貴方の本能に訴えかけるとはなんて卑劣な!
貴方はワナワナと怒りに身体を震わせてこの不快な空間を脱出するために祈祷を発動するのだった。
「へへへ、さーて今回もがっぽり稼がせて貰おうかねぇ」
その男は先程己の罠にかけた間抜けな冒険者を嘲笑いながら脳内のソロバンを弾く。
考えた自分ですらこんなバカみたいな策に引っかかるやつはいないと思っていたが、面白いくらいに引っかかるやつを目撃すれば笑いが止まるわけが無い。
なんかヤケに昔とある場所にいた頃、色々と迷惑をかけられた知人と似てたような気がするが気のせいだろう。きっと、おそらく、めいびー。
「とりあえずくたばるまで街で適当に飲んだくれるかぁ」
男は立ち上がり、足元に置いていた槍と盾を手に取り拠点としてる街へ向かおうと振り返えると────
───
「Oh……」
粘液まみれのヌタヌタのズルズルだったが、忘れたくとも忘れられない坩堝の騎士の鎧を纏ったキチガイ……貴方が立っていた。
「よし、待て。まずは話をしよう。アンタを突き落としたのは悪かった。これもまぁ、ほんの再会を記念した挨拶ってやつさ。な?
そもそも、アンタはこうして生きてるし落ちてるものを拾うなんてことをしたらああなるって身をもって勉強したんだ。
な? お互い過去のことを水に流そうぜ? 生きてるならノーカウントさ、ノーカウント。だからその手を下ろそうぜ?
いや、ホントマジでジリジリ距離を詰めるんじゃあねぇ。
ちょ、マジでやめ───ギャァァァアッ!!!!?」
森の中に木霊する男───フーテンのパッチの汚い悲鳴が轟くのだった。
「ぐぉ……くっそ、マジでいてぇ…………」
貴方は椅子に座り、頭をさするパッチに胡乱な目をしながらスパイスの効いた肉を噛みちぎる。
まさかオラリオに流れ着いて顔見知りに遭遇するとは思わなんだ。
貴方を突き落とした詫びとしてこのクソハゲの奢りでリヴェラの街で食事をとっている。
資源が限られる迷宮なのと本職とは言えない冒険者の作ったものだからか、味付けはかなり大雑把だがこれも風流みたいなものと納得させて食べ進めつつパッチに色々と質問をなげかけた。
「あん? どうしてここにいるんだ、だと?」
パッチは木製のジョッキを呷り、ツマミを食べながら答える。
「そうだなぁ、俺だって別に好きでここに流れ着いたわけじゃねぇぜ?
いつもみたいに死体漁りしてたら霧に包まれて気がついたら路地裏にいたのさ。
最初は驚いたぜぇ? 住人たちは理性があって会話できるんだもんなぁ。
まぁ、
「ハッ、あんなロクデナシ共の眷属なんて死んでもゴメンだ!
マリカのせいでこちとらろくな目にあってないんだぜ?」
その意見には心から同意を示す貴方。ならば自分と同じように恩恵とやらは刻まずにいるのかと見当をつけるが、パッチは苦々しい顔を浮かべながら腸詰めをかじる。
「こちとらお前みたいなバケモンと一緒にすんな。俺はひ弱なフーテンのパッチ様だぞ?
業腹だが、ある
貴方はパッチの言った内容に首を傾げた。貴方はヘスティアに恩恵を刻んでもらおうとしたことが過去にあったが、何故か刻まれることはなかった。
けれど、目の前のハゲは刻むことが出来た……何が違うのだろうか?
少し考えてみたが、特に何も分からずすぐに貴方は考えるのをやめた。貴方は意味の無いことは考えないのだ。
「んで、狭間の王になったお前がなんでこんな所にいんだ?」
今度はパッチから貴方へ質問が投げかけられる。その目にはあれだけベッタリしていた伴侶から離れるとは有り得ない、という感情の色が込められているのを貴方は感じ取る。
貴方は肩を竦めてパッチと同じだと貴方はこたえる。といっても、パッチが数年も過ごしていることに比べて貴方が流れ着いてから数ヶ月しか経っていないのだ。
「ふーむ……はぁ、やめだやめ学のない俺が難しいこと考えても仕方ねぇ」
パッチは気だるげに言うとジョッキに残っていた酒を一息で呷り、空になったジョッキを机の上へ置くと席を立つ。
「ひとつ忠告しとくぜー、なんかこの街で殺しが起きたみてぇだ。まぁ、アンタなら問題ねぇだろうが気ぃ付けとけよ」
一応は同郷のよしみか、パッチはそれだけ伝えて人混みの中へと消えていく。
思いがけず知人と再会した貴方はそんな彼の背を見送り、完全に見えなくなると注文していたステーキを給仕が持ってきた。
鉄板の上で肉汁が弾けるご機嫌な音を奏でるステーキに貴方は機嫌が良さそうにナイフとフォークを手に持ち、切り分け用とナイフを下ろそうとした瞬間。
衝撃、粉砕、そして咆哮がリヴェラの街へと轟く。
近くの露天に頭から突っ込み、瓦礫や商品に埋もれた中で貴方はポツリと呟くのだった。
───ブッコロ
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